人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)
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tanko 2015-3-16 8:36
"Public Forum at the UN Conference for Disaster Risk Reduction: Bringing the ILC, Calling for a Speedy Formation of a Regional Vision"
In English http://www.city.oshu.iwate.jp/htm/ilc/english/news.viewer.html?prm=2015031600

国連防災会議・公開フォーラム(仙台)で
 仙台市で開かれている第3回「国連防災世界会議」に合わせ、国際リニアコライダー(ILC)と国際学術研究圏域の将来像を議論する一般公開フォーラムが15日、同市青葉区のTKPガーデンシティ仙台で開かれた。中央大学理工学部の石川幹子教授は、基調講演の中で「ILCを迎える上での広域エリアの都市構想(ビジョン)がまだ示されていない」と指摘。誘致実現後の理想像や思いをビジョンという形にして早急に見せるべきだと訴えた。
(児玉直人)

 同防災会議会期中(14〜18日)に実施される一般市民向けの「公開フォーラム」の一環として東北経済連合会が主催。会場には胆江地区をはじめとするILC誘致関係者や外国人市民ら約300人が詰め掛け、被災地復興や国際的多様性を意識したまちづくりの在り方を考えた。
 石川教授は「これまで日本学術会議や仙台で昨年実施した講演会で、広域エリアの都市構想が存在していないと述べた。だが、この指摘がまだよく伝わっていない」と主張。「ILCを迎えるためには、『自分たちはどんなビジョンを持っているか』を深く考えなければいけない。学生が自分の考えを論文にするのと同様、志をビジョンという形にし、世界や政界に見せる作業をしなければ全く意味がない」と強調した。
 岩手県奥州市水沢出身の政治家、後藤新平が壮大なアイデアで都市計画などを展開し、「大風呂敷」とあだ名されたことを引用しながら「震災復興もILCも『大風呂敷』どころか『小さな風呂敷』さえ存在しない。新平がこの状況を知ったら、怒りも嘆く気力さえも持たないだろう」と石川教授。岩手、宮城両県の経済、学術、市民、行政それぞれが連携した、ILCの長期にわたる広域計画の早期策定を求めた。
 同日はパネルディスカッションも行われ、「ILC誘致と新たな国際学術研究ゾーンを考える」をテーマに、研究者や企業関係者、海外出身者らが意見を交わした。
 この中で東京大学素粒子物理国際研究センターの山下了(さとる)准教授は「政府が正式にILC誘致を決断しておらず、事業主体が決まっていない現状ではあるが、ILCを見据えたまちづくりはいろいろな所で検討しなくてはいけない。組織体制や予算、スケジュールをしっかり決め、取り組む時期に今はある」と主張した。
 県首席ILC推進監を兼務する県南広域振興局の佐々木淳副局長は聴講後、「ILCが歴史・文化を通じて未来の地域づくりを後押しする重要なプロジェクトであるとあらためて認識した。まちづくりについては、誰かが行うのを待っているのではいけない。自らが地域のことをよく考え、大きな計画につなげていくという姿勢が大切だ」と話していた。

写真=国連防災世界会議に合わせ開かれた、ILC誘致と研究都の将来像を考えるフォーラム(仙台市、TKPガーデンシティ仙台)
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tanko 2015-3-15 19:25
 岩手県は13日、2015(平成27)年度定期人事異動を内示した。胆江地区関係では、県南広域振興局長に県土整備部副部長の堀江淳(あつし)氏、県立胆沢病院長に同院副院長の勝又宇一郎(ういちろう)氏が就任するなど、主要部署や施設のトップの入れ替わりが目立つ異動内容となった。発令は4月1日付。

 県人事課によると、知事部局の異動規模は1631人で、前年度より30人少ない。東日本大震災からの本格復興を進めるとともに、「いわて国体・いわて大会」の開催準備、ふるさとの再生・発展に向けた取り組みの推進をキーワードに組織体制を整備し、人的資源を重点配置した。
 県南広域振興局関係では退職する遠藤達雄局長の後任に、県教委教育次長や県土整備部副部長などを歴任した堀江氏が就任する。
 副局長ポストには商工労働観光部雇用対策・労働室長の寺本樹生(たつお)氏と農林水産部農業振興統括課長の高橋渉氏の2人を起用。副局長は現在、佐々木淳(じゅん)氏と平野直(なおし)氏の2人体制だが、今回の異動では佐々木氏が科学ILC推進室長として転出。平野氏は引き続き副局長を務めることから、3人体制となる。寺本氏は首席ILC推進監を、高橋氏は農政部長をそれぞれ兼務する。
 このほか、県南局保健福祉環境技監に就く杉江琢美氏は奥州、一関両保健所長職も兼任。参事兼総務部長に高橋誠氏、産業技術短大水沢校を統括する同短大副校長に宮卓司氏、県立農業大学校長に下村功氏が起用された。
 医療局人事では定年退職する胆沢病院の松本登院長の後任に、同病院の内科部門を長年務めてきた副院長の勝又氏が就任する。
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tanko 2015-3-3 12:20
"Investigating the Latent Needs and Issues of Foreign Residents (Oshu International Relations Association, Oshu City, and Iwate Prefectural University)"
In English http://www.city.oshu.iwate.jp/htm/ilc/english/news.viewer.html?prm=2015030300

 奥州市国際交流協会(佐藤剛会長)と奥州市まちづくり推進課、岩手県立大学社会福祉学部は今月下旬にも、外国人市民の生活実態調査を実施。9月をめどに結果をまとめ、外国人市民の潜在的なニーズや生活上の課題を探る。調査では、これまで同協会や地域社会などとあまり接点がなかった人の声も可能な限り吸い上げる。多文化共生や国際リニアコライダー(ILC)実現を見据えたまちづくりに結び付けたい考えだ。
(児玉直人)

 3組織による地域在住外国人に関する調査は、2013(平成25)年度にも実施している。その際は同協会の日本語教室など、各種行事・事業に積極参加している外国人市民が主な調査対象となった。このため、サポートしてほしい事柄はあるものの、相談できる環境があることや自分の「居場所」を実感できているなど、満足度の高い結果になった。
 だが、同協会の事業に参加したり、外国人市民コミュニティーに積極的に加わったりしていない外国人市民も少なくないとみられ、潜在的なニーズや課題がまだあるのではないかと感じたという。
 今回は、同協会や地域社会などと接点が薄い外国人市民の声も吸い上げることに。今月下旬にも、県立大の学生らと共に、直接面談なども含めた調査を行う。同協会との関係が深い外国人市民や地域の日本人市民の情報を頼りに、可能な限り声を吸い上げる。
 調査、研究を担当する県立大社会福祉学部の細越久美子准教授(教育心理学、社会心理学)によると、県国際交流協会の外国人相談には、家庭や教育、経済に関する悩みも寄せられているという。「日本人市民からも出てくるような悩みが彼らの中からも聞こえてくる。しかし、どこへ相談すればよいか分からないこともあり得る。国際交流協会の存在や活動内容も十分伝わっていない可能性もある」と推測する。
 一方、奥州市まちづくり推進課は市国際交流協会や地域社会との接点が築けていない外国人市民に想定される問題として、災害などの緊急時対応を挙げる。被災した外国人市民が誰にも相談できず、不安を抱えたまま孤立してしまう可能性があると指摘する。
 調査はあくまで実情把握や潜在的なニーズ、課題を探ることが目的で、同協会の行事や地域活動への積極参加を働き掛ける趣旨のものではないという。細越准教授は「人づてで調査対象の外国人市民を探し、協力を求める形になるので決して容易な調査ではなく、どれだけのサンプルが集まるかは分からないが、可能な限り声をくみ上げ何が問題になっているのか分析したい」と話している。
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tanko 2015-2-21 11:30
 仙台市などを会場に繰り広げられる第3回国連防災世界会議の一環として、国際リニアコライダー(ILC)と都市形成を考える公開フォーラムが3月15日、同市内で開かれる。ILC誘致を提唱する研究者や都市環境計画の有識者らが意見を交わす。一般の聴講も受け付けている。入場無料。
 同会議は、国際的な防災戦略について議論する国連主催の会議。ほぼ10年おきに開催しているが、過去2回(1994年横浜、2005年神戸)いずれも日本で開かれている。今回は、東日本大震災の被災地である仙台市などが会場に選ばれた。3月14日から5日間の期間中、国連加盟193カ国や国際機関、認定NGOなどの関係者の参加が見込まれる。
 ILCに関連するフォーラムは、一般公開される「パブリック・フォーラム」の一つに組み込まれた。東北ILC推進協議会の事務局を務める一般社団法人東北経済連合会(高橋宏明会長)が主催。15日午後2時半からTKPガーデンシティ仙台21階ホール(仙台駅前複合施設AER(アエル)内)で開かれる。
 当日は、中央大学人間総合理工学科教授の石川幹子氏が「ILC誘致と世界に学ぶ国際都市、これからのまちづくり」と題し基調講演。続くパネルディスカッションでは「ILC誘致と新たな国際学術研究ゾーンを考える」をテーマに、東京大学素粒子物理国際センター准教授の山下了氏、岩手県広聴広報課・海外情報発信専門員のアマンダ・クリプス氏=米国出身=らが意見を交わす。司会は東北大と岩手大の客員教授を務める吉岡正和氏。
 参加申し込み、問い合わせは、東北経済連合会(電話022・799・2103)へ。
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tanko 2015-2-17 11:30
 奥州市と奥州市議会は16日の市議会議員全員協議会で、2015(平成27)年度末で設置期限が切れる地域自治区の2016年度以降の扱いについて協議した。小沢昌記市長は、自治区廃止とともに設置義務がなくなる市内5区の地域協議会の代替組織に関して「審議会的なものの設置が必要と考えているが、現状で具体的なイメージは固まっていない」と説明。協議の進め方をめぐり複数の議員から異議が出たため、この日の協議を打ち切り、あらためて議論の場を設けることにした。

 地域自治区について奥州市は先月20日の議員全員協議会で、「来年3月末をもって地域自治区の設置を失効し、あらためて条例などによる設置を行わないことが適切な選択」とする意向を表明。小沢市長は今月10日の定例記者会見で「私自身とすれば水沢、江刺、前沢、胆沢、衣川という名称は何とか残したいと考えている」と自治区廃止後の住居表示に関する見解を示した。市は市議会との協議で結論を導き出す方針だ。
 小沢市長は16日の議員全員協議会で、「協働のまちづくりをさらに進めることで自治体としての真の姿を構築できるとの考えから、あえて自治区を設けるべきでないとの立場に立っている」と説明。理由として「協働のまちづくりの担い手でありパートナーである30地区振興会と行政が直接結びつき、活動を支援する姿こそが在るべき姿」「地域課題の意見具申の場として、市長と地域を語る会を本年度に始めた。地域と行政が課題解決に向けた話し合いを進める仕組みは出来上がっている」などと述べた。
 その上で「地域協議会の代替組織は審議会的なものの設置が必要と考えているが、現状で具体的なイメージは固まっていない。その在り方も市議会との協議で見定めたい」と話した。
 市議の一人は、住居表示の変更に絡む大枠の経費を試算するよう要望。小沢市長は「さまざまな経費を正確に答えられる状況にはない」とする一方、ILC(国際リニアコライダー)誘致に対応できるよう道路を含む標示について英語表記を併記するなど計画的に進めたい考えも示した。
 この日の協議では、当局への質疑が中心となり議論が進展せず、議員が「議論する場をあらためて設けたい」と提言。会派代表者会議を開き、市に対し地域協議会に関連する資料の提出を求めるほか、協議を早期に仕切り直すことを申し合わせた。
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tanko 2015-2-17 6:20
"Supporting Iwate Businesses Entry into ILC-Related Industries Market ("Research Society" in the New Financial Year)"

In English http://www.city.oshu.iwate.jp/htm/ilc/english/news.viewer.html?prm=2015021700

 北上山地への国際リニアコライダー(ILC)実現を見据え、製造系を中心とした岩手県内企業の加速器関連産業参入を推進する「いわて加速器関連産業研究会」が新年度に発足する。16日、盛岡市内のホテルで開かれた「加速器関連産業参入セミナー」で、県が提案。地元中小企業がILC関連装置や付随施設の整備・建設に参入できるよう、産学官連携の強化を図る。同日のセミナーでは、ILC計画に携わる研究者らが地元企業の積極的な参画を訴えた。
(児玉直人)

 同セミナーは、県と公益財団法人いわて産業振興センター(熊田淳理事長)が企画。2回目となる今回は、ILC計画の国内推進母体である高エネルギー加速器研究機構(KEK)の宮原正信氏(特別技術専門職)と、山本明氏(ILC計画推進室長)らが講演した。県内の製造・建設など企業関係者ら約140人が出席。胆江地区の企業からの参加も目立った。
 講演で山本氏は、文部科学省のILCに関する有識者会議が、4月21日の第3回会合で中間報告を審議予定であることを紹介。「政府が最終的な誘致の是非を判断する上で参考となる重要な材料になるだろう」との見解を示した。
 研究会発足の提案に先立ち、同振興センター科学・技術コーディーネーターの大森健一氏は、県内企業の加速器産業参入可能性調査の結果などを報告。企業側は、加速器関連産業に関心は示しつつも、取引は「安定した発注量がある」「研究機関からの指導を受けられる」などの条件次第という反応が多かったという。
 大森氏は、ILC関連装置の構造を示しながら「スケールの大きな装置だけに、イメージしにくいかもしれない。中身によっては現在の県内企業では対応できないものもあるが、構造を知ると県内企業で携われる部分はたくさんある」と提言。
 その上で「加速器関連産業を知らないというのは当たり前なこと。しかし、知らないことの恥よりも、見返りは非常に大きいと思う。セミナーや研究施設見学会にただ参加するだけでなく、自ら人脈を開拓し取引を増やすような前向きな取り組みをしてほしい」と呼び掛けた。
 関連産業研究会は、県庁科学ILC推進室(電話019・629・5203)を窓口に会員の募集を開始。4〜5月をめどに設立総会を開く。研究開発現場の視察も計画するが、同推進室は「全体像をつかむというよりは技術分野を絞り込み、深く掘り下げができるような形にしたい」としている。

写真=ILC関連産業参入の可能性を探る県内製造、建設系企業の関係者
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tanko 2015-2-15 10:20
 岩手県内在住の外国人らが東日本大震災と国際リニアコライダー(ILC)誘致について意見を交わすパネルディスカッションが14日、盛岡市のいわて県民情報交流センター(アイーナ)で開かれた。言葉の問題をはじめとした外国人市民へのサポートや、ILC誘致に伴う海外研修者の受け入れ態勢の在り方を共に考えた。
 県国際交流協会が3回シリーズで開催する「いわてグローカルカレッジ」の最終回として開催。約40人が聴講した。
 奥州市ILC国際化推進員(市非常勤職員)のアンナ・トマスさん=米国出身、矢巾町在住=ら4人が登壇。県立大学盛岡短期大学部の千葉啓子教授がコーディネーターを務めた。
 アンナさんは、言葉の壁の問題について「新幹線まではいいが、その先の交通網は日本語案内がほとんど。外国語表記はあっても、ネーティブスピーカー(その言語を母国語とする人)のチェックを受けていない場合もあり、観光客もなかなか来にくい」と指摘。ILCが実現すれば外国人研究者が中長期滞在するといわれているが「言葉は生活のしやすさにも直結する。現状のままでは、彼らは大都市での生活を選んでしまうだろう」と懸念を示した。
 県広聴広報課で海外情報発信専門員を務めるアマンダ・クリプスさん=米国出身=も、震災直後の被災外国人への対応経験を振り返りながら、「日本人にとって常識的なことは、そもそも説明がない。非常時のみならず、日常生活に関しても外国人と一緒にサポート体制を考えた方がよい」と述べた。
 一方、東北ILC推進協議会の晴山睦事務局次長は「岩手や宮城は候補地の地元とあって認知度はあるが、東北、さらに全国となるとILCはまだまだ知られていない。首都圏などでPRを進め、日本にILCを造るなら東北、岩手にという活動を展開していきたい」と話した。
 聴講者の一人は「ILCで行う研究内容は一般には非常に難しい。分かりやすい周知方法を考えてもらえれば」と要望していた。

写真=震災復興とILC誘致について外国人市民の観点から意見を述べ合うパネリストたち
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tanko 2015-2-12 10:10
研究者組織LCCのHPに記事

 奥州市ILC国際化推進員(非常勤特別職)を務めるトマス・アンナさん(29)=米オレゴン州出身=が実施した外国人市民インタビュー記事が、ILC(国際リニアコライダー)計画を推進する「リニアコライダー・コラボレーション(LCC)」のホームページで紹介されている。ILCが実現した場合、北上山地周辺に滞在する可能性がある外国人研究者にとって、大きな関心事。東北や岩手の生活環境そのものが、外国人にあまり知られていないこともあり、一つの参考になりそうだ。
(児玉直人)


 LCCは、国内外の物理学者で組織。ILC実現に向けた協議を進めており、最高責任者のリン・エバンス氏(69)=ロンドン・インペリアルカレッジ教授=ら幹部はこれまでに2回、北上山地を視察している。
 昨年10月に縁あって奥州市の非常勤職に採用されたアンナさん。記事中では、ILCを初めて知った時の心象について触れられている。
 3、4年ほど前、英語指導のため訪れていた奥州市江刺区で、バスセンターに貼ってあったILCのポスターを見掛けた。しかし、その時点では空想科学小説か、何かの思想団体の宣伝と勘違いしてしまったという。

 その後、計画の全容を知ったアンナさん。現在の仕事について「研究者向けの情報発信だけでなく、この地域での生活の様子を紹介する役割もある」と説明する。
 記事中では、あらかじめ聞いていた県内在住の外国人市民の声も紹介。「中古車は安くて質がいい」「岩手の冬は晴れることが多く、暗い日が多いヨーロッパに比べれば珍しい」といったプラス面のほか、「地元の人たちと交流をするよう努力したほうがよい」など、地域とのコミュニケーションの重要性を説く意見もあった。
 アンナさんは「インタビューした外国人が共通して話していたのは、岩手の人たちはフレンドリーで優しく、お世話好き、そして心が温かいという点。地元の子どもたちがILCのポスターを描くと、多国籍の人たちが手をつないでいるデザインのものが多い。『歓迎されていないのでは』と心配する必要ない」と呼び掛けている。
 記事はLCCのHP内にあるニュースライン( http://newsline.linearcollider.org/ )に「Life in Iwate」のタイトルで掲載(英文のみ)。
 アンナさんは14日、岩手県国際交流協会が主催し盛岡市内で開く討論会「日本(岩手)を世界へ発信 東日本大震災とILC」に発言者の一人として登壇する。

写真=トマス・アンナさんの記事が掲載されているLCCのホームページ
写真=トマス・アンナさん
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tanko 2015-2-5 17:10
ILC誘致意識を…… 対応の必要性求める声も

 胆江地区を含む県南広域8市町の観光産業関係者が一堂に会し、誘客促進に向けた意見を述べ合う「南いわて観光産業振興に向けた意見交換会」は4日、北上市内のホテルで開かれた。関係者からは情報発信が不足しているなど、さまざまな声が聞かれた。
 県南広域振興局(遠藤達雄局長)が初めて企画した。
 昨年、県南8市町首長と同振興局による懇談会がきっかけとなり、8市町と県南局の事務レベル職員による組織「県南広域圏政策課題研究会」を設置。広域圏が連携して喫緊に取り組むべき共通課題の一つとして、観光振興策が挙げられていた。
 こうした背景もあり、今回、県南広域圏としては初めて、8市町の宿泊・観光施設や運輸事業者、販売業者、観光関連団体、行政担当者が一堂に会する意見交換の場が設けられた。
 前半の基調講演では、(株)JTB総合研究所主任研究員の岩崎比奈子氏が、観光誘客に必要な観点や他の成功事例などを紹介した。岩崎氏は「観光産業に携わる人自らがもっと旅をして、経験を積んでほしい。その際は、仕事としてではなく自費で一旅行者の立場で行ってほしい。若者や地域外の人の声を聞き、力を借りることも大切」などと強調した。
 引き続き8市町の観光関係者が実情と誘客策、連携策などについて意見交換した。
 このうち、奥州市観光協会の菊池達哉会長は「観光資源は市内各地にあるものの、発信力が弱い」と課題点を示した。国際リニアコライダー(ILC)の誘致を目指していることもあって、市内に外国人が学会等で訪れる場面も増えているが、市内観光施設のホームページは外国語に対応していないのが現状。「地元の国際交流協会の力を借りながら、国内外の人たちに奥州の魅力を発信していくことに力を入れたい」と述べた。
 北上観光コンベンション協会の八重樫守民会長は「市内には大きなスポーツ施設があり、いわて国体にも活用されるが、問題はその後。稼働率を上げる上でも、イベント誘致を考えなくてはいけない。コンベンション(大会、集会)誘致も進めているが、時期によって集中したり、全く開かれなかったりしている。平準化を図れないか考えている」と話していた。

写真=県南の観光振興策について意見を述べ合う観光産業関係者ら
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tanko 2015-1-27 9:20
東北大へもアピール
 国際リニアコライダー(ILC)実現による波及効果を地域活性化に生かすため、奥州市はILCを意識したまちづくりビジョンの検討に着手する。研究者界と地元を結ぶ仕組みの構築や、各種機関・団体・組織・企業が果たすべき役割などを具体化できるよう、検討組織を年度内にも設置する。具体策を市民と共に実行すると同時に、メーンキャンパス(中央研究所)の構想を練っている東北大学にも地元の対応策として提唱したい考えだ。
(児玉直人)

 最先端の科学技術で宇宙誕生の謎を探るILC。その研究意義もさることながら、経済活性化や人口減対策、震災復興など多岐にわたる波及効果にも注目が集まる。
 ただ、研究施設が完成しても、それらの効果が自動的に生じるわけではない。奥州市ILC推進室の及川健室長は「例えば教育環境が充実するという期待もあるが、事前に研究者と教育機関との間で契約や講師派遣のような仕組みを設定しておかなければ、なかなか実行に移せない」と説明する。
 県レベルでは、製造系企業を対象にILC関連産業への参入に向けた取り組みを展開している。これに並行し、市は農業などの地場産業、医療や福祉、歴史・文化といった多様な分野をどう結びつけていくか模索している。
 既設の市ILC推進連絡協議会(会長・小沢昌記市長)にも、農業など幅広い分野の団体が加入している。波及効果を確実なものにするためには、各分野がILCを意識した経営や事業展開をどれだけイメージし、具体化できるかがポイント。しかし、分野によっては「自分たちの仕事や活動とILCが、どう関わればよいか」などの悩みを抱えているという。
 こうした現状を踏まえ、市はILCを意識した各分野の取り組みを具体化できるよう、検討組織を年度内に設置する予定。市推進連絡協には国際研究都市を形成する上で重要な医療福祉や運輸交通の関係機関・団体が加入していないことから、新たに参加を呼び掛ける。
 及川室長は「ILCを迎え入れようとしている今、それぞれの立場で何ができるか、これから何ができるかを考え、具体的な取り組みへと移行させたい。メーンキャンパスの構想案を練っている東北大学にも、地元の取り組みとして提唱できれば」と話している。
 ILCをめぐっては、国内外の素粒子物理研究者らが北上山地に特化した設計や実験装置の研究・開発を進めている。また、文部科学省が設置した有識者会議では、コストや人材確保について協議中。新年度中にはその結果がまとまり、日本政府としての誘致判断が下される見通しだ。


Outline of news (in English)

Oshu City to establish organization to investigate ripple effects of ILC, make proposals to Tohoku University

Oshu City is going to undertake an examination of the city growth plan with an eye to taking advantage of local revitalization when the International Linear Collider (ILC) is built. Within the fiscal year, the city plans to establish a study organization to create a system for researchers to cooperate with local people, and to determine roles for various groups, organizations, and businesses. The city will also advocate for local interests by making proposals to Tohoku University, which will be planning the ILC main campus.

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