人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

外国人市民 潜在的要望や課題探る(奥州市国際交流協・奥州市・岩手県立大)

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tanko 2015-3-3 12:20
"Investigating the Latent Needs and Issues of Foreign Residents (Oshu International Relations Association, Oshu City, and Iwate Prefectural University)"
In English http://www.city.oshu.iwate.jp/htm/ilc/english/news.viewer.html?prm=2015030300

 奥州市国際交流協会(佐藤剛会長)と奥州市まちづくり推進課、岩手県立大学社会福祉学部は今月下旬にも、外国人市民の生活実態調査を実施。9月をめどに結果をまとめ、外国人市民の潜在的なニーズや生活上の課題を探る。調査では、これまで同協会や地域社会などとあまり接点がなかった人の声も可能な限り吸い上げる。多文化共生や国際リニアコライダー(ILC)実現を見据えたまちづくりに結び付けたい考えだ。
(児玉直人)

 3組織による地域在住外国人に関する調査は、2013(平成25)年度にも実施している。その際は同協会の日本語教室など、各種行事・事業に積極参加している外国人市民が主な調査対象となった。このため、サポートしてほしい事柄はあるものの、相談できる環境があることや自分の「居場所」を実感できているなど、満足度の高い結果になった。
 だが、同協会の事業に参加したり、外国人市民コミュニティーに積極的に加わったりしていない外国人市民も少なくないとみられ、潜在的なニーズや課題がまだあるのではないかと感じたという。
 今回は、同協会や地域社会などと接点が薄い外国人市民の声も吸い上げることに。今月下旬にも、県立大の学生らと共に、直接面談なども含めた調査を行う。同協会との関係が深い外国人市民や地域の日本人市民の情報を頼りに、可能な限り声を吸い上げる。
 調査、研究を担当する県立大社会福祉学部の細越久美子准教授(教育心理学、社会心理学)によると、県国際交流協会の外国人相談には、家庭や教育、経済に関する悩みも寄せられているという。「日本人市民からも出てくるような悩みが彼らの中からも聞こえてくる。しかし、どこへ相談すればよいか分からないこともあり得る。国際交流協会の存在や活動内容も十分伝わっていない可能性もある」と推測する。
 一方、奥州市まちづくり推進課は市国際交流協会や地域社会との接点が築けていない外国人市民に想定される問題として、災害などの緊急時対応を挙げる。被災した外国人市民が誰にも相談できず、不安を抱えたまま孤立してしまう可能性があると指摘する。
 調査はあくまで実情把握や潜在的なニーズ、課題を探ることが目的で、同協会の行事や地域活動への積極参加を働き掛ける趣旨のものではないという。細越准教授は「人づてで調査対象の外国人市民を探し、協力を求める形になるので決して容易な調査ではなく、どれだけのサンプルが集まるかは分からないが、可能な限り声をくみ上げ何が問題になっているのか分析したい」と話している。
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