人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILC関連産業 県内企業参入後押し(新年度に「研究会」)

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tanko 2015-2-17 6:20
"Supporting Iwate Businesses Entry into ILC-Related Industries Market ("Research Society" in the New Financial Year)"

In English http://www.city.oshu.iwate.jp/htm/ilc/english/news.viewer.html?prm=2015021700

 北上山地への国際リニアコライダー(ILC)実現を見据え、製造系を中心とした岩手県内企業の加速器関連産業参入を推進する「いわて加速器関連産業研究会」が新年度に発足する。16日、盛岡市内のホテルで開かれた「加速器関連産業参入セミナー」で、県が提案。地元中小企業がILC関連装置や付随施設の整備・建設に参入できるよう、産学官連携の強化を図る。同日のセミナーでは、ILC計画に携わる研究者らが地元企業の積極的な参画を訴えた。
(児玉直人)

 同セミナーは、県と公益財団法人いわて産業振興センター(熊田淳理事長)が企画。2回目となる今回は、ILC計画の国内推進母体である高エネルギー加速器研究機構(KEK)の宮原正信氏(特別技術専門職)と、山本明氏(ILC計画推進室長)らが講演した。県内の製造・建設など企業関係者ら約140人が出席。胆江地区の企業からの参加も目立った。
 講演で山本氏は、文部科学省のILCに関する有識者会議が、4月21日の第3回会合で中間報告を審議予定であることを紹介。「政府が最終的な誘致の是非を判断する上で参考となる重要な材料になるだろう」との見解を示した。
 研究会発足の提案に先立ち、同振興センター科学・技術コーディーネーターの大森健一氏は、県内企業の加速器産業参入可能性調査の結果などを報告。企業側は、加速器関連産業に関心は示しつつも、取引は「安定した発注量がある」「研究機関からの指導を受けられる」などの条件次第という反応が多かったという。
 大森氏は、ILC関連装置の構造を示しながら「スケールの大きな装置だけに、イメージしにくいかもしれない。中身によっては現在の県内企業では対応できないものもあるが、構造を知ると県内企業で携われる部分はたくさんある」と提言。
 その上で「加速器関連産業を知らないというのは当たり前なこと。しかし、知らないことの恥よりも、見返りは非常に大きいと思う。セミナーや研究施設見学会にただ参加するだけでなく、自ら人脈を開拓し取引を増やすような前向きな取り組みをしてほしい」と呼び掛けた。
 関連産業研究会は、県庁科学ILC推進室(電話019・629・5203)を窓口に会員の募集を開始。4〜5月をめどに設立総会を開く。研究開発現場の視察も計画するが、同推進室は「全体像をつかむというよりは技術分野を絞り込み、深く掘り下げができるような形にしたい」としている。

写真=ILC関連産業参入の可能性を探る県内製造、建設系企業の関係者
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