人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILC誘致「言葉の壁」どう対処(外国人市民が意見交換=盛岡)

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tanko 2015-2-15 10:20
 岩手県内在住の外国人らが東日本大震災と国際リニアコライダー(ILC)誘致について意見を交わすパネルディスカッションが14日、盛岡市のいわて県民情報交流センター(アイーナ)で開かれた。言葉の問題をはじめとした外国人市民へのサポートや、ILC誘致に伴う海外研修者の受け入れ態勢の在り方を共に考えた。
 県国際交流協会が3回シリーズで開催する「いわてグローカルカレッジ」の最終回として開催。約40人が聴講した。
 奥州市ILC国際化推進員(市非常勤職員)のアンナ・トマスさん=米国出身、矢巾町在住=ら4人が登壇。県立大学盛岡短期大学部の千葉啓子教授がコーディネーターを務めた。
 アンナさんは、言葉の壁の問題について「新幹線まではいいが、その先の交通網は日本語案内がほとんど。外国語表記はあっても、ネーティブスピーカー(その言語を母国語とする人)のチェックを受けていない場合もあり、観光客もなかなか来にくい」と指摘。ILCが実現すれば外国人研究者が中長期滞在するといわれているが「言葉は生活のしやすさにも直結する。現状のままでは、彼らは大都市での生活を選んでしまうだろう」と懸念を示した。
 県広聴広報課で海外情報発信専門員を務めるアマンダ・クリプスさん=米国出身=も、震災直後の被災外国人への対応経験を振り返りながら、「日本人にとって常識的なことは、そもそも説明がない。非常時のみならず、日常生活に関しても外国人と一緒にサポート体制を考えた方がよい」と述べた。
 一方、東北ILC推進協議会の晴山睦事務局次長は「岩手や宮城は候補地の地元とあって認知度はあるが、東北、さらに全国となるとILCはまだまだ知られていない。首都圏などでPRを進め、日本にILCを造るなら東北、岩手にという活動を展開していきたい」と話した。
 聴講者の一人は「ILCで行う研究内容は一般には非常に難しい。分かりやすい周知方法を考えてもらえれば」と要望していた。

写真=震災復興とILC誘致について外国人市民の観点から意見を述べ合うパネリストたち
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