岩手県奥州市・金ケ崎町をエリアとした地域新聞社による国際リニアコライダー(ILC)関連記事を掲載。 奥州市東部の北上山地は、現時点における世界唯一のILC候補地に選定されました。当サイトにはILCをはじめ、理系分野やILCに関連性のある地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)についての記事を随時アップします。
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tanko 2018-6-8 12:10
 国際リニアコライダー(ILC)は宇宙誕生の謎に迫る研究施設であることはよく分かりました。宇宙に誕生があるということは、いずれ「死」もあるということでしょうか? 毎日私たちを照らしてくれている太陽や夜の星にも寿命があるのでしょうか?

星には寿命があります

 星には自分で光っている星と、そうでない星があります。自分で光っている星を恒星と言い、太陽は地球に最も近い恒星です。夜空に見える数えきれないほどの輝く星も、ほとんどは太陽と同じ恒星です。
 では恒星はどのようにして生まれたのでしょうか。
 地球がある太陽系は、銀河系(天の川銀河)の中にあります。銀河系の中には2000億個の恒星があるといわれています。太陽はその中でも最もありふれた恒星の一つです。
 太陽は約46億年前に誕生したといわれています。寿命は100億年ぐらいだと考えられているので、あと50億年以上は光り輝いていると考えられます。
 太陽のような恒星は、どのようにして誕生したのでしょうか?
 恒星は、宇宙空間のガスやチリが集まり、それらが互いに引き合うようになり、分子雲というかたまりになります。分子雲の中にあるダストは、可視光(目で見える光)を吸収してしまうため黒く見えることから暗黒星雲と呼んでいます。
 集まったガスやダストはお互いに引き合う力(引力)が増し、さらに周りのチリやガスを取り込みはじめ、さらに大きくなり、やがて暗黒星雲は自らの重力で収縮し始め、内部は高温、高圧の状態になります。温度が約250万度ぐらいになると、水素の熱核融合反応(水素やヘリウムのような軽い元素が融合して、より重い別の元素になる反応)が始まります。ヘリウムが生まれると同時に巨大なエネルギーが生じます。この発生したエネルギーが内部の圧力を高め、自分自身の重力とつり合って、安定になります。このような姿が恒星です。
 恒星の寿命は、大まかにいって、質量の3〜4乗に反比例します。質量の大きな星は中心温度が高くなり、熱核融合反応が盛んに行われるため短時間で燃料となる水素などを消費してしまうため、寿命は短くなります。
 太陽についても、熱核融合反応で中心部の水素をほぼ使い果たすと、エネルギー源はなくなり、自分の重力で収縮し始めます。この時「重力エネルギー」が開放され、熱が生まれます。すると熱核融合反応が起こっている外側は、ますます加熱され、膨張し、重力による収縮を上回るようになってきます。
 その結果、太陽の外側は大きく膨らみ、表面温度は低下し、赤く見えるようになる「赤色巨星」と呼ばれる星となります。この時太陽は、金星の軌道くらいまで大きくなると考えられています。さらに時間が経つと、太陽はガスを放出しながら膨張と収縮を繰り返し、熱核融合反応も起こらない小さくて高密度の「白色矮星」になります。
 現在の太陽は、赤道半径が約69万6000km。重さ(質量)は地球の約33万倍です。太陽から地球までの平均距離は、約1億4960万kmあり、光の速度でさえ約8.3分かかります。表面温度は約6000度で、中心部は約1500万度と言われています。
(奥州宇宙遊学館館長・中東重雄)

番記者のつぶやき

 6月に入り、暑い日が増えてきました。しかし、東北地方はもうすぐ梅雨入りすると思われます。梅雨になると曇りや雨の日が多く、だんだんと太陽の光や青空が恋しくなるものです。
 私が小学生の時、ビートたけしさんが出演していたテレビ番組で、太陽系や宇宙のことを取り上げていました。そのとき見たのが、太陽がだんだん大きくなっていき、水星から金星を飲み込み、地球の公転軌道付近まで膨らむという話でした。何十億年も先の話で、自分は生きていないと分かっていながら「怖いなぁ」と思ってしまいました。
 先日、庭に天体望遠鏡を出し、木星や金星を眺めました。膨張してくる太陽のことなど気にせず、のんびり星を眺められる時代に生まれてきたのは、本当にラッキーだったのかもしれません。今、生きているこの瞬間を大切にしたいものです。(児玉直人)

写真=奥州宇宙遊学館では、特殊なレンズなどを使って撮影した現在の太陽の様子を見ることができる
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tanko 2018-6-6 9:40
 素粒子実験施設・国際リニアコライダー(ILC)の北上山地誘致実現を見据えた、市内小中学校でのILC出前授業。本年度は24校から申し出があり、既に一部の学校で実施した。ILC誘致に対する日本政府の出方に注目が集まる中、講師役の市職員やNPO法人関係者は、最新の動向も意識しながら授業に対応している。
 市は2014(平成26)年度から中学生、2015年度からは小学生を対象に出前授業を展開している。ILCは建設から運用開始まで10年から20年の歳月が必要。今の児童・生徒たちが大人になり地域社会の中核を担うころとの見方から、子ども向けの普及活動に力を入れている。
 小学校では、市ILC推進室の職員がDVD観賞やクイズを通じてILCの概要を解説。中学校では、市から委託を受けたNPO法人イーハトーブ宇宙実践センター(大江昌嗣理事長)の関係者が、素粒子物理の入門的知識や波及効果について説明している。
 これまで中学生4335人、小学生1681人が受講。本年度は中学校9校、小学校15校で5月下旬から順次行われている。これとは別に、県南広域振興局は遠野や北上などの中学校への出前授業を実施しており、同NPOに講師派遣を委託している。
 ILCは実現の是非に関する議論が進行中のプロジェクト。出前授業が始まった当初と現在とでは、計画内容も変わっている。昨年11月に国際研究者組織が了承した見直し計画では、施設規模を表す上で重要なキーワードとなる地下トンネルの長さなどが変わった。同NPO理事で奥州宇宙遊学館の中東重雄館長は「新聞などで最新の動向を注視しながら授業に対応している」と語る。
 最も悩ましいのが建設時期どころか、日本に誘致すること自体はっきりしていない点。中東館長は「建設時期などが明確になっていれば、子どもたちはより真剣にILC計画を受け止めるだろうが、現在のような協議検討中の状況において、ただ単に『盛り上がりましょう』だけでは現実味が乏しい」と捉えている。
 ILCを推進する研究者や誘致団体は、ヨーロッパの次期素粒子物理戦略計画の策定時期を踏まえ、年内にも日本政府から誘致に前向きな姿勢が示される必要があると強調している。一方で、政府が年内に姿勢を示すのは困難とみる有識者や政界関係者もいる。
 ILC誘致を巡る動きが正念場を迎えようとしている中、出前授業の予定は12月中旬まで組み込まれている。市ILC推進室の瀬川達雄室長は「動向に注視し、場合によって内容を変えることがあるかもしれないが、本年度の授業そのものは予定通り実施していきたい」としている。

写真=市内小中学校で本年度も始まったILC出前授業(市立水沢南小)
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tanko 2018-6-2 18:40
 水沢星ガ丘町の国立天文台水沢VLBI観測所(本間希樹所長)で1日、天文学専用スーパーコンピューター(スパコン)の新型機「アテルイ供廚本格運用を開始した。従前機「アテルイ」の3倍の演算スピードを誇る新型機は、銀河の誕生経過などをより現実的に再現できるようになり、宇宙誕生の謎解明に期待が掛かる。
 同天文台のスパコンは、天文シミュレーションプロジェクト(プロジェクト長・小久保英一郎教授)が運営。先代のアテルイは、機器更新に伴い今年3月に運用を終えていた。
 アテルイ兇蓮■横娃隠魁癖神25)年の従前機導入時に比べ6倍、2014年のアップグレート時から3倍の性能アップを果たした。1秒間に約3000兆回の計算ができ、天文学専用のスパコンとしては世界最速の理論演算性能を誇る。
 銀河系に散らばる数千億個の星や超新星爆発などを再現することで、銀河の誕生と進化や恒星と惑星系の起源など宇宙の謎解明に近づけるという。アテルイ兇蓮東京都三鷹市の同天文台本部と専用の高速ネットワークで結ばれ、審査を経た日本全国の研究者がログインして無料で利用ができる。
 同日、アテルイ胸脇阿竜者会見が同天文台水沢キャンパスで行われ、本間所長や小久保教授らが報道陣にアテルイ兇寮能を解説し、外観を公開した。小久保教授は「より細かく現実的なシミュレーションが可能となり、宇宙の謎を解き明かす段階が一歩先に進む」と自信。本間所長は「今夏のイベントで一般公開を予定している」と話した。

写真=本格運用をスタートさせたアテルイ
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tanko 2018-6-1 10:12
 国際リニアコライダー(ILC)計画を推進する国際研究者組織リニアコライダー・コラボレーション(LCC、リン・エバンス最高責任者)は31日、福岡市で開催中の国際会議「アジア・リニアコライダー・ワークショップ(ALCW)2108」に合わせ、ILC実現への熱意をまとめた声明「福岡宣言」を発表した。
 声明はLCCとALCW2018国際組織委員会(委員長・川越清以九州大学大学院教授)と共同で明らかにした。
 ILCの科学的意義を示しながら、来年初めにもヨーロッパの次期素粒子物理戦略計画の策定作業が始まると強調。同計画は世界中の高エネルギー物理学計画にも大きな影響を与えるとしながら、「(ILCの誘致実現へ)日本政府からの積極的なメッセージが時宜を得て伝えられることが不可欠」と訴えた。
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tanko 2018-6-1 10:00
 【東京=児玉直人】 北上山地が有力候補地となっている素粒子実験施設「国際リニアコライダー(ILC)」の国内誘致について協議している文部科学省の有識者会議(座長・平野真一名古屋大学名誉教授、委員14人)は31日、東京都千代田区の文部科学省16階会議室で第9回会合を開いた。施設全長20kmで建設を始める計画見直しを受けて実施した科学的意義やコストに関する再調査について、作業に当たった2部会が報告。委員からは、コスト削減ありきの見直しではなく「科学的意義がある点をしっかり示す必要がある」などの意見が出された。

 同会議では、当初計画の全長20kmの規模を前提に議論を進めてきた。しかし、ILC計画を推進する国際研究者組織が昨年11月に了承した計画見直しを受け、再度内容を検証する作業部会を立ち上げ、科学的意義やコスト面の検証を進めていた。
 見直し後の施設規模は、スイスとフランスの国境にある素粒子研究施設「CERN(セルン)」の最新実験成果などを踏まえ、研究者組織が提唱。物質に質量を与えている素粒子「ヒッグス粒子」の生成に最適な規模が、全長20kmであることに基づいている。初期投資も当初より抑えられるメリットもある。
 一方で、まだ未発見の新粒子を直接生成する可能性は低くなる。だが、作業部会の報告ではヒッグス粒子の精密測定などを通じた間接的な方法で探査することは可能という。もちろん、偶然に新粒子が発見されることも完全には否定できないという。
 このほか、見直しによる施設の構造やコスト削減による影響、課題に関する検証についても報告があった。
 見直し後の計画では、トンネルの断面が幅11mから9.5mに縮小している。ILCのトンネルには左右を仕切るコンクリート製の遮蔽壁が設置され、加速器を設置する空間と電源供給装置などを設置する空間を分けている。これにより放射線が発生する加速器運転中でも、電源供給装置があるエリアは出入りが可能となっていた。
 しかし、トンネル断面が小さくなることで、遮蔽壁の厚さが3.5mになり、電源供給装置がある空間にも加速器運転中は入れなくなった。報告では「運営上の支障にならないよう工夫をする必要がある」とした。
 同日は、野村総合研究所に委託した計画変更後の経済波及効果の再計算結果も公表された。金額はILC本体のみに特化したもので、計画見直し前の2014年時点では4兆4606億円だったが、今回の試算では2兆6489億円から2兆9067億円と算出した。ただしこの結果については、建設期間の光熱費の算出方法などに疑問が相次ぎ、再度算出し直すことになった。
 次回有識者会議は今月19日に開く。

写真=文部科学省で開かれた第9回ILCに関する有識者会議
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tanko 2018-5-25 14:20
 国際リニアコライダー(ILC)の候補地に北上山地が選ばれている理由は、丈夫な岩盤があるからだという話でした。でも、北上山地に国際的な研究施設を造ったり、外国人研究者らを迎え入れたりするには東京や大阪など大都市に比べ不便なような気がします。ILCを迎え入れたいですし、北上山地の良さを伝えたいのですが、何をPRすればいいのか分かりません。

今の岩手の良さを伝えて

 連載のお休みが2回続きましたが、前回は北上山地がILCの有力候補地に選ばれた最大の理由として、地盤が安定しており振動が少ない花こう岩の岩盤があるからだと説明しました。
 このほかにも北上山地が選ばれた理由があります。それは、電子と陽電子がぶつかる衝突地点(中間点)やILC施設への道路、鉄道、空港、港湾などのアクセスが良いという点です。
 もうひとつの良さは、生活環境です。ILCの建設には10年以上の時間を必要とします。完成した後も実験装置の搬入や、世界各国の研究者や技術者の出入りが頻繁になります。北上山地の近くには、北上川沿いに奥州市や一関市などの地方都市があり、それらの町へ分散居住することが可能です。
 高速道路や新幹線を利用すれば、首都圏にある研究施設や大学、政治、行政などの関係機関との往来も容易です。さらに花巻空港や仙台空港から成田や羽田国際空港などを経由し、世界へアクセスすることも十分可能です。
 東北以外の連携はもとより、東北大学や岩手大学などはより身近で日常的に連携できる距離にあります。
 岩手は何もない「田舎」のように感じる人もいるかもしれませんが、北上山地には、すでにいろいろな条件がそろっており、ILCを迎え入れるために特別な支障や課題はありません。
 自然環境についても、最近は暑い日が多いですが、首都圏以南などの地域に比べれば冷涼な日が多く、暑さを嫌う機械装置類にとっては好条件と言えます。三陸復興公園、スキー場、温泉、マリンスポーツなど余暇を楽しむすばらしい環境が多くあります。世界文化遺産の平泉をはじめ、世界自然遺産の白神山地が近くにあるなど歴史と文化、豊かな自然環境がそろっており、申し分ありません。
 私たちは、今の岩手そのものに自信を持って正直にありのまま世界に紹介すれば良いと思います。特別に改まって何かを用意したり、派手なパフォーマンスしたりする必要はないのです。
 「世界各国から来るいろいろな人々と分け隔てなく自然に付き合っていくにはどうすれば良いのか?」といったことを考え、心掛けたり、協力・努力したりする姿勢こそが、結果としてILCを応援することになるのです。今の岩手の良さを生かし、ILCを素直に迎え入れることです。
 岩手で暮らし働いている人に対して、あえて期待することを挙げれば「食材供給」への対応です。
 岩手県は全国、世界に誇る農畜産物、海産物の宝庫です。それなのに、食材を他地域から調達するのでは、都会の大手の商社がもうかるだけです。
 岩手は農業に対するノウハウを十分持っています。寒冷地という環境を逆手に取る工夫や、従来農産物の品種改良、さらには人工知能(AI)技術を利用した植物工場などの仕組みを作り、食材提供する方法を検討し、実践することもILCの応援につながりますし、農業や漁業など第一次産業そのものの発展にもなります。
 もしILCが実現した時には、関連施設からの温・排水熱エネルギーを利用した農産物や家畜・養魚業などの生産も考えられています。このような新しい第一次産業に従事し、発展させていく取り組みに、若い皆さん方は挑戦してほしいなと思います。
(奥州宇宙遊学館館長・中東重雄)

番記者のつぶやき

 ILC関係の講演会やシンポジウム、座談会等の席に、高校の生徒さんが参列することがあります。海外の素粒子研究施設を視察し、勉強してきた人たちもいます。ところが、そのほとんどは理数科や大学進学を前提とした勉強をしている高校の皆さんです。「彼ら以外の同年の高校生は、正直ILCをどう思っているのかな」と感じることがあります。
 岩手県にはいろいろな専門学科を有する高校、専門学校、大学があります。農業、商業、工業、水産、さらには福祉、医療・看護、食物、スポーツ、芸術など実に多彩です。ILC計画がもたらす波及効果や関係する業種の多様性を考えれば、理数系の生徒の皆さんだけがILCを知っていればよいというわけではありません。
 ILCを取材して9年になりますが、残念ながら理数系以外の生徒さんたちがILCに絡んだ勉強や課題研究のようなものに取り組んだという様子を、ほとんど見たことがありません。花巻農業高校の生徒さんが、ILCと記されたリンゴをつくったぐらいでしょうか。もし実例がありましたら、情報をお寄せください。
 「ILCを進める側がそういう場を広く積極的に提供してこなかったのではないか」という疑問が残ります。
(児玉直人)

写真=豊かな自然と農畜産物、水産物が岩手の自慢(江刺のリンゴ園(資料))
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tanko 2018-5-24 12:30
 岩手県は、「幸福」をキーワードに次期総合計画(2019〜2028年度の10カ年)の策定を進めている。しかし、胆江2市町を含む県南8市町の首長からは、主観に左右される「幸福」をキーワードとしている点に疑問の声が。農林水産業への取り組み姿勢が見えないことや、国内誘致実現へ正念場を迎える国際リニアコライダー(ILC)に関する文言が盛り込まれていない点などにも注文が相次いでいる。

 同計画に対する指摘が相次いだのは、22日に平泉町役場で開いた県南広域圏首長懇談会の席上。県南広域振興局(細川倫史局長)が開催し、県政策地域部政策推進室の岩渕伸也政策監が、次期総計の構成や政策分野・体系などについて説明した。
 県の次期総計は、本年度が第1期計画の終期となる復興基本計画を統合して策定する。「一人ひとりの幸福追求権を保障する」との基本方針で復興を推進してきたことから、同様の考えを県政全般へと広げていくという。
 政策は、「ひと」の幸福感に着目し、「健康・余暇」「家族・子育て」など8つの政策分野と8分野を下支えする社会基盤の計9分野に整理。それぞれに政策体系を構築していく。
 ところが、出席した各首長は「住民の幸福は基礎自治体が考えることであり、県は勢いをつける政策を考えるべきだ」など指摘。産業振興に一次産業への政策を明確に示すことを求める意見も複数出された。
 小沢昌記・奥州市長は「一次産業県であることを前面に出し、全国ナンバーワン、世界に誇る産地になるんだというものを示し、不足するものは県で惜しみなく支援していくという方がよほど元気が出る。インフラを生かすなら、盛岡から一関まで15分間隔で電車が走るようにしてくれればいい。ないものをねだるだけでなく、あるものを生かしていく10年にするべきでは」と指摘した。また、ILCに関する事柄が記載されていないことから、勝部修・一関市長と共に「これから全国へ展開していこうという時期。ILCを入れてほしい」と求めた。
 高橋由一・金ケ崎町長は、各市町村が人口減少や地方創生へ取り組みを展開している現状に触れ、「持続可能な自治体を目指し、それぞれに計画をつくり取り組んでいる。県の計画と市町村の計画がどう連動していけばいいか、相乗効果を出すにはどうすればいいかを考えるべきだ。県と市町村の一体性と連動性がなければ効果が薄い」と述べた。
 県は、6月上旬に総計審議会の中間答申を受け、計画素案を公表する予定。パブリックコメント(意見公募)や地域説明会、知事と市町村長との意見交換会などを経て計画案を作成し、11月の総計審議会の答申、来年3月の県議会議決を目指している。

写真=県の次期総合計画について意見を交わした県南広域圏首長懇談会
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tanko 2018-5-17 11:20
 フランスのアルザス欧州日本学研究所(CEEJA)のオリヴィエ・ベシュト所長(42)が16日、前沢の蠕蘚沈彩工業(千田伏二夫社長)を視察。北上山地への誘致実現に向けて取り組みが進む素粒子実験施設・国際リニアコライダー(ILC)について、「日本の子どもたちや世界の将来を担う重要なプロジェクト」とエールを送った。

 ヨーロッパにおける日本研究の拠点とされる同研究所。オリヴィエ所長はフランスの国会議員でもあり、欧州の素粒子物理研究の推進にも携わる。同研究所のヴィルジニー・フェルモー統括部長やアルザス日本代表部の後藤淳子さんらと初めて来県し、午前は盛岡市のホテルで達増拓也知事らとILC実現に向け意見を交換した。
 午後は、金ケ崎町の(株)デンソー岩手と前沢の千田精密工業を視察。千田精密工業では千田雄二工場長(38)の案内で五軸マシニングセンタなどの金属加工に用いる機械を見学し、図面や部品などにも目を通すなど日本のものづくりのノウハウに関心を抱いていた様子だった。
 視察後、オリヴィエ所長は報道陣の取材に応じ「技術の素晴らしさや正確さだけでなく仕事に対する熱意に感銘を受けた」と笑顔。「全人類が夜空の星を見上げながら人類がどこから来たのか夢を抱く。その夢に応えてくれるのがILCのプロジェクト。フランスとしても財政や技術、人的な面でもサポートしていきたい」と支援を表明した。
 その上で、ILC実現へは「日本政府がスタートボタンを押さなければならない」と指摘。「ゴーサインが出れば数十年の間に日の目を見るだろう。乗り越えなければならない課題は多いが、われわれは岩手の熱意に好意を持って対応したい」と激励した。
 オリヴィエ所長を案内した千田工場長は「ILCに関連する仕事はまだまだ未知数だが、技術力や関わる人の熱意を伝えられたと思う」と振り返った。

写真=千田精密工業の工場を視察するアルザス欧州日本学研究所のオリヴィエ・ベシュト所長
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tanko 2018-5-15 9:50
「北上夜曲」発祥の地を示す案内標柱が新しくなったという記事を書いたが、この曲が北上市発祥の曲と認識している人が多いという。大リーグで活躍中の大谷翔平選手を「花巻出身」と勘違いしている人もいるらしい。地名の力、周囲に与えるインパクトは大きい。
 国際リニアコライダー(ILC)の建設候補地は英語で「Kitakami site(北上サイト)」と呼ばれている。県ILC推進協による英字広報の名前も「the Kitakami times(ザ北上タイムス)」だ。
 「20××年、世界中からILCに訪れた研究者や見学者は、一ノ関、水沢江刺を通り過ぎて北上の駅で下車していた……」。なんてオチには、おそらくならないとは思うが。
(児玉直人)
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tanko 2018-5-15 9:50
 江刺工業団地企業誘致推進委員会(会長・小沢昌記市長)は14日、ホテルニュー江刺新館イーズで本年度総会を開き、自動車関連や半導体関連企業を誘致の重点分野とすることを含む事業計画を決めた。国際リニアコライダー(ILC)誘致実現に備え、加速器関連産業などの誘致に向けた情報収集や関連産業への立地企業参入に関わる情報提供にも取り組む。完売を目指す江刺フロンティアパーク=江刺岩谷堂=は残り6区画4.9ha(分譲率77.5%)まで分譲が進んでおり、企業訪問や情報発信などを積極展開する方針。

 推進委は、市や県、中小企業基盤整備機構、金融機関や奥州商工会議所などで構成。江刺中核工業団地(完売)と同パークへの企業立地の促進を目的に連携し各種事業を実施している。
 昨年度の新規立地は1件で、立地企業の区画買い増しが2件7区画。市内ではほかに、前沢・本杉工業団地に1件の新規立地があった。
 市内9工業団地のうち、現在分譲しているのは同パークのみ。新たな工業団地の造成は今後の検討課題となっており、小沢市長は「造成を考えなければならない状況にあるが、一方で人口減少に伴う人材不足がある」と人員確保面なども考慮する必要性を指摘した。
 事業計画によると、企業誘致促進に関わり、関係機関の連携による企業訪問を実施。東北で集積が進む自動車関連、半導体関連企業へのアプローチを積極的に行うとともに、立地企業に対するきめ細かいフォローアップや事業拡大の支援をさらに充実させる。
 昨年度の市内企業への訪問・情報収集は延べ494件、県内企業への訪問は延べ5件、県外企業・団体への訪問は延べ54件だった。
 各種イベントでの情報発信も計画し、東京や名古屋を会場とする県主催イベントに参加するほか、市主催の「おうしゅう首都圏産業交流会」(会場・東京都)を本年度も開く。
 今月21日には新規事業として、市内ものづくり企業間の交流や産学官連携の推進を図る「おうしゅう地域産業交流会」を水沢で開催する。

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