人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILCの意義 中学生へ(奥州市内全12校で「出前授業」、日程固まる)

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tanko 2014-5-2 19:40
 奥州市は、市立中学全12校の2年生を対象に本年度初めて実施するILC(国際リニアコライダー)出前授業の日程を固めた。NPO法人イーハトーブ宇宙実践センター(大江昌嗣理事長)が講師派遣を請け負い、20日の田原中学校(川邊秀樹校長、江刺区)を皮切りに年内に一巡する。奥州市がこれまでに開いたILC関連の出前講座は大人向けの企画が多く、本年度は地域社会の将来を担う若年層に対象を拡大。ILCへの理解促進にとどまらず、将来を見据えた人材育成や誘致機運の盛り上がりも図りたい考えだ。

 素粒子研究施設・ILCの国内候補地として北上山地が選ばれたのを機に、市ILC推進室が出前授業の実施を検討。今年1月の校長会で協力を求め、了承を得た。
 同室によると、出前授業は12校の2学年計35学級・1147人を対象に実施。1回の授業に2時限を充て、12校で計28回行う。
 1時限目は国立天文台の教授らが指導。ILC計画を理解する前段として、宇宙や科学全般の基礎的な知識を紹介するなど生徒の興味をかき立てる内容の授業を進める。
 2時限目は、同実践センターが養成し科学体験講座の実績がある理系出身のサイエンス・コンダクターらを中心に授業を展開。ILC計画について分かりやすく説明したり、真空放電管を使った実験を行ったりして誘致後のILC運用に理解を深める。このほかILC誘致後の市の将来像や、生徒一人一人のかかわりを考えてもらうグループワークも取り入れる予定だ。
 初回の出前授業は田原中2年生7人が受ける予定。川邊校長は「理科や数学に関心のある生徒が多い。ILC誘致は先の話だが、生徒なりに理解できる機会になれば」と期待する。
 同室の及川健室長は「出前授業を通じILC誘致後のそれぞれの暮らしぶりについて真剣に考えてほしい」と話す。
 出前授業開催日程は次の通り。
【水沢区】
水沢中=9月2、3、5、8、9日
東水沢中=12月1、4、9日
水沢南中=10月6、7、8、9、10、14日
【江刺区】
江刺第一中=7月7、8日
田原中=5月20日
江刺南中=7月18日
江刺東中=6月25日
【前沢区】
前沢中=12月3日
【胆沢区】
小山中=12月12日
南都田中=6月30日
若柳中=6月5日
【衣川区】
衣川中=9月4日
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