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世界初ブラックホールの直接撮影が終了(早ければ年内公開)

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tanko 2017-4-15 9:40
本間希樹・国立天文台水沢VLBI観測所長も参加

 謎だらけの天体「ブラックホール」を直接撮影する世界初の試みが今月上旬、アメリカや南米、南極などの観測局が連携し行われた。アジアや欧米の天文学者らによる国際共同研究事業で、国立天文台水沢VLBI観測所=水沢区星ガ丘町=の本間希樹(ほんま・まれき)所長もその一員。ハワイで撮影作業を見守り、帰国したばかりの本間所長が13日夕、胆江日日新聞社の取材に応じ「解析や画像化する作業などを経て、早ければ年内にも公開できるだろう。非常に楽しみだ」と心を躍らせている。
(児玉直人)

 本間所長が参加する国際プロジェクト「EHT(Event Horizon Telescope)」は、ブラックホールの真の姿をとらえることを最終目標に活動してきた。強大な重力であらゆるものを吸い込む、ミステリアスな印象を与えてきたブラックホールの姿は、これまで「想像」でしか描かれていなかった。
 EHTは今回、地球から約2万5000光年離れた場所にある「いて座Aスター」と、約5400万光年離れたおとめ座方向にある「M87銀河」の中心に潜む巨大ブラックホールを撮影対象とした。いて座Aスターは、太陽の400万倍の質量を持ち、直径は太陽の17倍。M87中心部のブラックホールはさらに巨大で、質量は太陽の60億倍。直径は太陽の2万5500倍あるとされている。
 撮影作業(観測)は、米国のハワイ島やアリゾナ州、メキシコ、チリ、南極、スペインの世界6カ所にある計8局の電波望遠鏡を連動させ実施。できるだけ遠く離れた複数の電波望遠鏡が、一斉に同じブラックホールを観測することで、実際に製造不可能な直径1万kmの電波望遠鏡で観測したのとほぼ同じ精度の高いデータが得られる。VLBI(Very Long Baseline Interferometry=超長基線電波干渉計)と呼ばれ、水沢VLBI観測所が運用する「VERA(ベラ)」も同じ仕組みを採用している。
 撮影作業は今月5日から11日までの間、計5日にわたり行われた。ハワイ島の観測施設「ジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡(JCMT)」に出向いた本間所長は、「すべての地域で天候が良く、またトラブルもなく順調にできた。こんなにうまくいくとは思わなかった」と喜ぶ。
 今後、各局で得られた電波の強弱などを表すデータを解析し画像化を進める。本間所長は「日本やアメリカのメンバーがそれぞれ提案している技術で“絵”にしていく。国際的に協力し合う一方で、いい意味の競争が生まれる。最終的には1枚の姿を公開するが、日本の提案する処理方法が採用されるよう頑張りたい」と意気込む。
 公表されるのは早くて年内。本間所長は「今まで見えなかった姿が見えてくることで、ノーベル賞級の発見があってもおかしくない。非常にわくわくするし、このようなプロジェクトに携われたこと自体うれしい」と話している。

写真=ブラックホール撮影立ち会いのため、ハワイ島のJCMTに集まった天文学者たち。左が本間希樹所長(写真提供、本間所長)
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