人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

多文化共生 奥州シティーへ(市議会が外国人市民と方途模索)

投稿者 : 
tanko 2017-2-9 10:10
 奥州市議会のILC誘致及び国際科学技術研究圏域調査特別委員会(渡辺忠委員長、議長を除く全議員で構成)は5日、ILCサポート委員会(ビル・ルイス委員長、事務局・市国際交流協会)との懇話会を市役所本庁で開いた。海外の文化や考え方、生活習慣に認識を深め、ILC(国際リニアコライダー)誘致実現に向けた取り組みに生かす狙い。市民と外国人が共に暮らしやすい地域の在り方を探った。

 同サポート委は2013(平成25)年1月、外国人市民で設立。市長や県知事にILC誘致に関する提案書を提出してきたほか、複数のILC関連会合にパネリストや講師として参加。奥州市をインターネットで海外に紹介する動画制作への協力など幅広く活動している。現在はアメリカやイギリス、フィリピン、ペルーなど9カ国出身の20人で構成する。
 懇話会には、いずれもアメリカ出身で水沢区在住のルイス委員長、ディーン・ルツラーさん、アンナ・トマスさんの3人が出席した。
 ルイス委員長は、ILCの実現で世界各国から訪れる学者や技術者のために、英語以外の言語で対応する必要性をアドバイス。外国人と地域で暮らす市民に対し、「外国人に日常生活を合わせてほしいのではなく、ルールやマナーを教えてほしい」と話した。
 奥州市ILC国際化推進員も務めるトマスさんは、外国人市民が日常生活で不便に感じている部分を説明。「110番」「119番」通報で相手と意思疎通ができない不安を挙げたほか、病院や金融機関が多言語表記になることを願った。
 市議とサポート委メンバーが3班に分かれ、市民と外国人が共に暮らしやすい地域に向けてアイデアを出し合う話し合いも実施。各班からは「病院スタッフに外国人を採用し、警察や消防には外国語対応可能な人員の配置が必要」「ケーブルテレビでの外国語放送」「方言を教える」「地産地消の料理を教える」など、さまざまなアイデアが寄せられた。
 渡辺委員長は「ILC誘致と平行して取り組むテーマになりそうなアイデアも多い。市当局にも提案しながら幅広く取り組みたい」と話した。

写真=市民と外国人が共に暮らしやすい地域づくりへアイデアを出し合う市議やILCサポート委メンバー
トラックバックpingアドレス http://ilc.tankonews.jp/modules/d3blog/tb.php/560

当ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は胆江日日新聞社に帰属します。
〒023-0042 岩手県奥州市水沢柳町8 TEL:0197-24-2244 FAX:0197-24-1281

ページの先頭へ移動