人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

都知事選に増田前岩手県知事が出馬(ILC誘致にも積極的)

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tanko 2016-7-12 16:10
 前岩手県知事の増田寛也氏(64)は11日午後、東京都庁で会見し、東京都知事選(14日告示、31日投開票)に出馬することを正式表明した。子育てや高齢者の不安解消、東京五輪の成功などを公約に掲げ、東京と地方の共栄を目指し「両者が抱えている課題の解決に当たる」と意欲を示した。都知事選には、元防衛相の小池百合子氏(63)ら数人がすでに出馬を表明している。
 公費の不適切使用が問題となり辞職に追い込まれた舛添要一氏(67)の後任を決める今都知事選。候補者擁立をめぐる動きは混迷を極めた。
 増田氏は東京都出身で、東京大学法学部卒業後、旧建設省に入省した。1995(平成7)年、当時新進党幹事長だった小沢一郎生活の党代表の後押しを受け、岩手県知事選に出馬し初当選。その後、小沢氏の影響力から距離を置きながら2007年まで3期12年務めた。
 知事退任後は総務大臣を務めたほか、東京大学公共政策大学院客員教授、野村総合研究所顧問、日本創成会議座長なども歴任している。近年は、本県が建設候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)誘致にも積極的に関わっている。
 父は前沢区出身で参院議員を3期務めた故・増田盛(さかり)氏。同区三日町で商店を営む三浦清司さん(79)は「地元住民とすれば、増田さんは身近な存在。人口の東京一極集中を懸念し地方分権を進めてきた増田さんが、どのような政策を打ち出すのか」と期待を寄せる。
 いわてILC加速器科学推進会議代表幹事で、元県議の亀卦川富夫さん(76)=水沢区大町=は「今回の件で真っ先に脳裏に浮かんだのは後藤新平の存在」と語る。新平は、現在の都知事に相当す「東京市長」を務めた。市職員や議員の汚職が相次ぎ、市長が引責辞任する事態にまで発展し、新平が急きょ後任に推挙された。
 増田氏に対しては、岩手県知事時代の事業投資によって膨れ上がった債務への責任を問う声がある。さらに「東京一極集中の是正」の考え方にも批判的な見解がある。このことに亀卦川さんは「決して東京をないがしろにすることではない。地方と都市との役割分担、均衡ある発展がなければ、いずれ東京にも影響が生じる」と指摘する。
 小沢昌記奥州市長は11日の定例記者会見で、国際リニアコライダー(ILC)誘致に絡めて増田氏に期待を込めた。
 小沢市長は、東京一極集中の是正が持論だったため、出馬への疑問を呈す意見は一般論として把握しているとしながら、「賢明な方であり、もし都知事になられたら、全体としての東京の在り方と、東京は東京としての在り方を政策的にはお考えになると思う」とし、「候補者の中で最もILCについて知っているのが増田さんであり、このことについては大いに期待している。実務の経験があり、行政手腕のある方だ」と述べた。

写真=都知事選出馬を表明した増田寛也氏(2015年7月にZホールで開かれたILCシンポジウムで)
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