人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILC見据え関連学科「あってもいいのでは?」(高校再編 在り方めぐり意見交換)

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tanko 2015-5-22 12:00
 岩手県教育委員会主催の「今後の県立高校に関する地域検討会議」胆江ブロック(奥州市、金ケ崎町)の初会合が20日、市役所江刺総合支所4階大会議室で開かれた。高校の在るべき姿や地域事情に応じた高校配置などについて、委員らが意見交換。会議は年度内計3回の開催を予定しており、会議で出された意見を踏まえ「新たな高校再編計画(仮称)」の策定を進めていく。
(稲田愛美)

 県教委は今年4月、「県立高校教育の在り方検討委員会」が昨年度まとめた報告書「今後の県立高校の在り方について」を基に、パブリック・コメントや地域説明会などを経て「今後の高校教育の基本的方向」を改訂。
 本年度は胆江ブロック(2市町)はじめ、県内9ブロックごとに各地域検討会議を立ち上げ、基本的方向を踏まえながら、おおむね10年後を見据えた同再編計画の策定に着手する。会議では、小規模校の取り扱いも含めた各学校の在り方や学級定員、再編に伴う通学支援策などについても協議を進める方針。
 胆江ブロックの検討会議は、2市町の商工団体役員やPTA役員、農業関係者、教育長ら12人で構成。同日は、奥州市の田面木茂樹教育長、金ケ崎町の小野寺正徳副町長、両市町の商工団体、PTA関係者ら構成委員のほか、地元選出県議、県教委の川上圭一教育次長ら約30人が出席した。
 川上教育次長は「自立した社会人としての資質を有する人材育成の実現とともに、子どもたちにとってより良い教育環境を整えるため、地域の学校はどうあればよいか建設的な意見をいただきたい」とあいさつした。
 会議では、県教委が基本的方向や少子化に伴う子どもの数の推移、卒業後の進路状況などのデータについて説明。それによると、胆江管内の中学校卒業者数は2014(平成26)年3月の1345人から、現在の1歳児が卒業する28年には986人と1000人を割り込むと予測される。
 震災後3年間における中学卒業者のブロック間転出・転入状況(平均)をみると、胆江域外からの転入は89.7人にとどまる一方、転出は228.3人に上り、その差は県内最大だった。
 委員からは「再編により高校がなくなれば、学校教育だけでなく地域に与える影響もかなり大きい」「域外への流出人口が多い原因を探りながら流出を防ぎ、むしろ転入できるような策を」「魅力ある特色や受け皿があって初めて子どもたちは地元に残る。自分の力を伸ばせる魅力的な学科の見直しも必要」「ILCも視野に物理や英語、国際化分野の学科があってもいいのでは」などの意見が出された。

写真=魅力ある学科、学校づくりの必要性などが指摘された「今後の県立高校に関する地域検討会議」
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