人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

国登録文化財を身近に(天文台水沢の職員がガイドで「お宝ツアー」)

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tanko 2024-5-1 18:40

写真=所長室で蜂須賀一也さん(右)の説明を聞くツアー参加者たち

 旧緯度観測所時代の建造物を巡る「今日は特別!天文台お宝ツアー」が、水沢星ガ丘町の国立天文台水沢VLBI観測所(本間希樹所長)で行われている。国登録有形文化財にもなっている建造物を身近に感じてもらう取り組み。次の開催は3日から6日で各日5回、所要時間は30分。奥州宇宙遊学館の入館料(一般300円、高校生以下150円)だけで参加できる。
 緯度観測所はVLBI観測所の前身。天頂を通過する星の位置を観測することで、地球回転のふらつきを調べるのが目的だった。日本が初めて参加した国際研究プロジェクトでもあった。
 ツアーで見学するのは、1899(明治32)年に「臨時緯度観測所」として開設した当時に建てられた眼視天頂儀室と、翌年に完成した初代本館(現・木村栄記念館)。老朽化が著しかった天頂儀室の修復工事が終了したことから、宇宙遊学館とVLBI観測所が連携し、4月27日からの大型連休に合わせ企画した。
 案内役は同観測所特定技術職員の蜂須賀一也さん(52)。同記念館など観測所の文化財管理にも従事している。
 「正確な観測を行うため、冷暖房がない状態で夜間の観測に臨まなければならなかった」と、蜂須賀さんは当時の苦労話を紹介。天頂儀室では、望遠鏡に振動を与えないよう、特殊な構造になっている土台の様子も公開した。群馬県から訪れた中村修さん(64)は「初めて来たがとても楽しめた」と満足そうだった。
 蜂須賀さんは「観光で遠方から来られた方だけでなく、ぜひ地元の皆さんにも見てもらい、木村の偉業や天文台のことを知ってほしい」と話している。
 ツアー実施時間は午前10時、同11時、午後1時、同2時、同3時の各日5回。定員は1回当たり10人(先着順)で、整理券を遊学館で配布している。
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