人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市西部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

建設国は日本、流れ鮮明に 研究組織の最高責任者、公式見解示し期待感

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tanko 2013-2-23 13:40
 国際リニアコライダー(ILC)などを推進する、新たな研究組織「リニアコライダー・コラボレーション(LCC)」のディレクター(最高責任者)に就任したリン・エバンス氏=ロンドン・インペリアルカレッジ教授=は、ILC実現に向けた日本の取り組みを高く評価し「間もなく、ヒッグス粒子を大量に生成する加速器のためのトンネルを日本で掘り始めることができるのではないかと期待している」との公式見解を示した。ILC候補地は国内外に数カ所あるが、重要ポストに就任したエバンス氏が具体的に国名を挙げ期待感を示したことで、ILCを日本に誘致しようとする流れが一層鮮明になった。

 エバンス氏がディレクターを務めるLCCは、本県の北上山地などが有力候補地となっているILCと、欧州合同原子核研究機関(CERN)が中心となり進めている「コンパクト・リニアコライダー」(CLIC)を推進する研究組織。ILCとCLICは、ともに宇宙誕生や物質生成の謎を解く基礎科学研究を行う施設として計画されている。
 LCCは、カナダのバンクーバーで21日(日本時間22日朝)に開かれた会合で、LCCを監督するリニアコライダー国際推進委員会(LCB)と同時に発足。LCBの委員長には東京大学の駒宮幸男教授が就任した。今後の国際的な素粒子研究事業は、この2組織が中心となり進めていく。
 LCC発足にあたりエバンス氏は、物質に質量を与える「ヒッグス粒子」とみられる素粒子が昨年、CERNの実験施設で発見されたことに触れながら、「日本ではILCに対する強力なサポートがある。間もなくヒッグス粒子を大量に生成する加速器のためのトンネルを、日本で掘り始めることができるのではないかと期待している」との公式見解を示した。
 ILCの建設候補地には北上山地と北九州・脊振山地のほか、欧米など数カ所が挙げられている。だが、ILCの技術設計報告書(TDR)の完成発表会を昨年末に東京で開催したり、LCB委員長に日本人の駒宮氏が起用されたりと、日本を意識した対応が随所にみられた。
 今回、ILC実現に向け重要な役割を果たすエバンス氏が、日本への強い期待感を明確に示したことで、国内誘致実現の機運はさらに高まりそう。今夏中に日本国内の候補地が1カ所に絞り込まれる予定だが、事実上の「建設地の決定」にも位置付けられるような判断となりそうだ。
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