人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

情報力発信など課題 県南観光関係者ら意見交換

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tanko 2015-2-5 17:10
ILC誘致意識を…… 対応の必要性求める声も

 胆江地区を含む県南広域8市町の観光産業関係者が一堂に会し、誘客促進に向けた意見を述べ合う「南いわて観光産業振興に向けた意見交換会」は4日、北上市内のホテルで開かれた。関係者からは情報発信が不足しているなど、さまざまな声が聞かれた。
 県南広域振興局(遠藤達雄局長)が初めて企画した。
 昨年、県南8市町首長と同振興局による懇談会がきっかけとなり、8市町と県南局の事務レベル職員による組織「県南広域圏政策課題研究会」を設置。広域圏が連携して喫緊に取り組むべき共通課題の一つとして、観光振興策が挙げられていた。
 こうした背景もあり、今回、県南広域圏としては初めて、8市町の宿泊・観光施設や運輸事業者、販売業者、観光関連団体、行政担当者が一堂に会する意見交換の場が設けられた。
 前半の基調講演では、(株)JTB総合研究所主任研究員の岩崎比奈子氏が、観光誘客に必要な観点や他の成功事例などを紹介した。岩崎氏は「観光産業に携わる人自らがもっと旅をして、経験を積んでほしい。その際は、仕事としてではなく自費で一旅行者の立場で行ってほしい。若者や地域外の人の声を聞き、力を借りることも大切」などと強調した。
 引き続き8市町の観光関係者が実情と誘客策、連携策などについて意見交換した。
 このうち、奥州市観光協会の菊池達哉会長は「観光資源は市内各地にあるものの、発信力が弱い」と課題点を示した。国際リニアコライダー(ILC)の誘致を目指していることもあって、市内に外国人が学会等で訪れる場面も増えているが、市内観光施設のホームページは外国語に対応していないのが現状。「地元の国際交流協会の力を借りながら、国内外の人たちに奥州の魅力を発信していくことに力を入れたい」と述べた。
 北上観光コンベンション協会の八重樫守民会長は「市内には大きなスポーツ施設があり、いわて国体にも活用されるが、問題はその後。稼働率を上げる上でも、イベント誘致を考えなくてはいけない。コンベンション(大会、集会)誘致も進めているが、時期によって集中したり、全く開かれなかったりしている。平準化を図れないか考えている」と話していた。

写真=県南の観光振興策について意見を述べ合う観光産業関係者ら
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