人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

Iwateの暮らし伝えます(奥州市国際化推進員 トマス・アンナさん)

投稿者 : 
tanko 2015-2-12 10:10
研究者組織LCCのHPに記事

 奥州市ILC国際化推進員(非常勤特別職)を務めるトマス・アンナさん(29)=米オレゴン州出身=が実施した外国人市民インタビュー記事が、ILC(国際リニアコライダー)計画を推進する「リニアコライダー・コラボレーション(LCC)」のホームページで紹介されている。ILCが実現した場合、北上山地周辺に滞在する可能性がある外国人研究者にとって、大きな関心事。東北や岩手の生活環境そのものが、外国人にあまり知られていないこともあり、一つの参考になりそうだ。
(児玉直人)


 LCCは、国内外の物理学者で組織。ILC実現に向けた協議を進めており、最高責任者のリン・エバンス氏(69)=ロンドン・インペリアルカレッジ教授=ら幹部はこれまでに2回、北上山地を視察している。
 昨年10月に縁あって奥州市の非常勤職に採用されたアンナさん。記事中では、ILCを初めて知った時の心象について触れられている。
 3、4年ほど前、英語指導のため訪れていた奥州市江刺区で、バスセンターに貼ってあったILCのポスターを見掛けた。しかし、その時点では空想科学小説か、何かの思想団体の宣伝と勘違いしてしまったという。

 その後、計画の全容を知ったアンナさん。現在の仕事について「研究者向けの情報発信だけでなく、この地域での生活の様子を紹介する役割もある」と説明する。
 記事中では、あらかじめ聞いていた県内在住の外国人市民の声も紹介。「中古車は安くて質がいい」「岩手の冬は晴れることが多く、暗い日が多いヨーロッパに比べれば珍しい」といったプラス面のほか、「地元の人たちと交流をするよう努力したほうがよい」など、地域とのコミュニケーションの重要性を説く意見もあった。
 アンナさんは「インタビューした外国人が共通して話していたのは、岩手の人たちはフレンドリーで優しく、お世話好き、そして心が温かいという点。地元の子どもたちがILCのポスターを描くと、多国籍の人たちが手をつないでいるデザインのものが多い。『歓迎されていないのでは』と心配する必要ない」と呼び掛けている。
 記事はLCCのHP内にあるニュースライン( http://newsline.linearcollider.org/ )に「Life in Iwate」のタイトルで掲載(英文のみ)。
 アンナさんは14日、岩手県国際交流協会が主催し盛岡市内で開く討論会「日本(岩手)を世界へ発信 東日本大震災とILC」に発言者の一人として登壇する。

写真=トマス・アンナさんの記事が掲載されているLCCのホームページ
写真=トマス・アンナさん
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