人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

海外研究者らサポートに向け医療通訳ボランティア養成(奥州市国際交流協会)

投稿者 : 
tanko 2013-12-10 10:20
 奥州市国際交流協会(佐藤剛会長)は、国際リニアコライダー(ILC)誘致後の国際化を視野に入れ、外国人医療サポーター(医療通訳ボランティア)のシステム確立に取り組んでいる。市内の外国人対象の研修会に続いて来年度は模擬通訳を実施し、講義と実技を交えながらサポーターを育成。将来的には医療通訳ボランティアを派遣し、外国人が安心して市内の医療機関を受診できる仕組みを構築する。

 外国人が医療機関を利用する上で壁になるのが「言葉」。医師に症状を伝え、診断内容を把握するには日本語を十分に理解していないと難しい。市内には外国人市民約500人が在住。ILCの誘致が実現すれば多くの外国人研究者が、家族とともに滞在すると予想されている。
 同協会は外国人向けの医療支援が不足している現状を踏まえ、医療通訳の養成に本腰を入れた。今月7日、神奈川県の多文化医療サービス研究会の西村明夫代表を講師に迎え、水沢区吉小路の市水沢地域交流館(アスピア)で研修会をスタート。外国人市民が受講し、全2回の日程で医療通訳の心構え、医療の基礎知識などを学んでいる。
 初回はアジアと米国5カ国の出身者10人が参加。講師の西村代表は「医療通訳ボランティアには倫理と知識、技術が求められる。命にかかわるので背伸びは厳禁。自身の能力を把握し、それを超える場合は周りに助けを求めて」と助言した。
 体の部位や内臓、脳の用語知識も学習。出身国に分かれて母国語と日本語の名称をそれぞれ確認し、人体の構造に理解を深めた。2回の研修会を経て、来年度は同研究会の協力を得て神奈川の医療通訳者を招き、実践的な技術を習得する。
 同協会事務局員の藤波大吾さん(31)は「外国人を対象にした医療支援の体制が整っていないのが現状。外国人医療サポーターを養成し、早期のシステム構築と運営を目指したい」と話している。
写真=医療通訳の基本知識や心得などを学ぶ外国人市民
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