人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

外国人も日本人も、安心できるまちは? 奥州市地域活動員が研修

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tanko 2013-12-5 13:20
 2013年度奥州市地域活動員研修会は4日、市役所江刺総合支所で開かれた。各地区センターに勤務する地域活動員ら35人が参加。素粒子研究施設・国際リニアコライダー(ILC)の誘致が実現した場合、外国人市民が増加するとみられることから、災害時でも外国人が安心して行動できるような多文化共生社会の在り方について学んだ。
 地域活動の進め方などを考える場として、毎年開催している同研修会。今回は講師に、NPO法人多文化共生マネージャー全国協議会(大阪市)の時光(とき・ひかる)事務局長と、NPO法人多文化共生リソースセンター東海(名古屋市)の土井佳彦代表理事を招いた。2人は、さまざまな国の文化を受け入れ、各国の人たちが共生していく大切さなどを説いた。
 時事務局長は「在住する外国人も住民の一員であり、地域のさまざまなことの力になれる。交流や普段の付き合いについても、あまり難しく考えることはない」と解説。一緒になって育児の講習を受けてみるなど、ちょっとした工夫で交流が進むことをアドバイスした。
 ワークショップでは昨今問題となっている災害時における外国人支援について考えた。「多文化防災」を題材に、参加者は班ごとに分かれて協議。「災害時の課題」「日ごろからできること」「すぐにはできないが将来やってみたいこと」の3項目を設けて話し合い、模造紙にまとめて発表した。
 前沢地区センターの及川譲さん(29)の班は、地域の防災マップを多言語表示にするなどのアイデアを発表した。「講師の話を聞き、皆さんと議論をしていく中で『外国人向けのサポート』という考えではなく、日本人も外国人も一緒になって普段から活動する視点が大切だと気付いた」と語る。
 主催した市まちづくり推進課の及川香主任は「外国人市民が地域活動の力になることに気付いてもらえて良かった。彼らを身近に感じている地域活動員も多く、これから多文化共生できる開かれた地域になってもらえれば」と期待していた。
(宮本升平)
写真=ワークショップで、多文化防災について活発に意見を交わす地域活動員ら
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