人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

木村栄揮毫の稲荷社扁額戻る(水沢公園の現地で神事、発見した高校生も参列)

投稿者 : 
tanko 2024-3-10 12:20


写真=修復を終え扁額が取り付けられ、笑顔を見せる千葉安里さん

 水沢中上野町の水沢公園内にある正喜(しょうき)稲荷社の扁額が9日、修復や奥州宇宙遊学館で開催している「木村栄の書展」での公開展示を終え、社殿に戻された。緯度観測所初代所長を務め「Z項」を発見した天文学者、木村栄が揮毫したもの。同日、現地で行われた神事には、木村の書であることを発見した高校生も参列した。
 この稲荷社は水沢公園北側の斜面に位置。陸中一宮駒形神社(山下明宮司)によると、創建時期など詳細は不明だが、駒形神社が移設される前の「塩釜神社」の境内社だったとみられる。園内の目立たない場所にあるため、扁額が木村の書であることはもちろん、稲荷社の名前自体、広く知られていなかった。
 昨年末、別件で胆江日日新聞社の取材を受けた県立不来方高校2年の千葉安里さん(17)=水沢真城=が、扁額に「木村栄謹書」と記されていたと証言。美術を学ぶ千葉さんは、公園内をよく散策しており、扁額の小さな文字を注意深く観察していたおかげで、木村の書であることが判明した。
 時を同じくして、稲荷社の鳥居建て替えが持ち上がり、色がくすんでいた扁額も修繕することに。水沢佐倉河の書家・松本啓夫巳さん(46)が汚れや色落ちした部分を手直しした。
 胆江日日新聞社などが主催する同展の開催に合わせ、8日まで修復間もない扁額を特別に展示。普段目の前で見ることができない神社扁額が展示されたとあって、同展来場者の多くが注目した。
 神事には鳥居工事の関係者に加え、松本さんや千葉さんらも参列。新築した鳥居は、花見名所をイメージした桜色に仕上げられた。
 「修復前はモノクロ写真のような印象だった。新品同様ながら自然に溶け込む風合いになった」と松本さん。千葉さんは「桜色の鳥居とともに、迫力ある木村博士の書に光が当たる機会になった。桜が咲く季節には多くの人が参拝してくれたら、木村博士も喜ぶのでは」と話していた。
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