人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)
投稿者 : 
tanko 2023-6-7 12:10

写真=東北ILC推進協議会総会に合わせて講演した東京大学の横山広美教授(左)と浅井祥仁教授

 素粒子実験施設・国際リニアコライダー(ILC)の日本誘致実現を目指している研究者組織「ILCジャパン」代表の浅井祥仁・東京大学教授と、文部科学省のILC有識者会議委員を務めた横山広美・同大学教授は6日、仙台市内で講演した。ILC計画の意義をあらためてアピールする一方、決して容易ではない手順を踏んで政府間協議に進む必要がある点や、社会や国民に対する信頼を築く姿勢を持つことが大切だと指摘した。(児玉直人)

 東北ILC推進協議会(共同代表=大野英男・東北大学総長、増子次郎・東北経済連合会会長)総会に合わせて開催。両教授による講演と対談で、ILC計画の最新動向や誘致活動を進める上での留意点などについて理解を深めた。
 浅井教授は「ILCは宇宙誕生の様子を再現するが、よく『何の役に立つのか』と言われる。基礎科学は社会基盤の一部を担っており、知性に対する貢献は極めて大きい」とアピールした。
 さらに「世界が協力して建設するという雰囲気、共通理解をどう形成するかが鍵。それができて初めて政府間協議に入れる。今は『日本の計画だ』と思われており、決して簡単なことではない」と指摘。
 その上で「ILCは一番技術的に安く、環境に優しい実験装置。今まで推進してきた日本にはアドバンテージ(優位性)があり、私も自信を持っている」と述べた。
 昨年も同協議会主催の講演会で登壇した横山教授は、巨大科学プロジェクトの推進には、透明性の確保とコミュニケーションを十分に図ることが大切であると、あらためて訴えた。
 横山教授は「研究者だけでなく、彼らを応援している皆さんにも、社会や国民に対する責任がある」と主張。
 「科学技術に対する期待が過度になると、急激なピークダウンが起き、継続的な活動ができなくなる危険性をはらんでいる。取り組みを推進すべき時期と、じっと待つべき時期があることを認識し、無理のないよう状況を見極めてほしい」と理解を求めた。
 横山教授はまた、「たとえ難しい事柄であっても情報をオープンにし、ひざを突き合わせて対話することで、信頼感は生まれる。隠し事のない議論が重要だ」とも話した。



誘致実現へ決議文採択(東北ILC推進協)

ILC誘致実現に向けた決議文などを採択した出席者たち
 東北ILC推進協議会の総会は6日、仙台市内のホテルで開かれ、岩手県南部の北上山地が有力候補地となっている素粒子実験施設・ILC誘致実現に向け、決議文を採択した。
 同協議会は決議文で、日本政府に対し‘米欧政府間の国際協議の本格化⊆存柿置の国際共同開発研究への予算措置――を求めている。
 あいさつで、増子次郎共同代表は「国際的な動きを踏まえながら協議会会員や(国会の)ILC議連、研究者組織、文科省などと連携し、誘致に向けた取り組みを強化していく」とアピールした。
投稿者 : 
tanko 2023-6-5 12:20

写真=「ブラックホールマドレーヌ」などをアピールする水沢農高の生徒たち

 奥州市内の菓子店などが推進している「オウシュウ・ブラックホール・プロジェクト」。プロジェクトに参加、賛同する菓子店や飲食店などによるイベント「第2回奥州ブラックホールお菓子フェスティバル」が4日、水沢西町のみずさわ観光物産センター(Zプラザアテルイ)で開かれた。プロジェクト開始から4年。ブラックホール(BH)にあやかった商品が次々と誕生しているほか、地元高校も出店に加わるなど輪が広がっている。
 同プロジェクトは、国立天文台水沢VLBI観測所(本間希樹所長)の研究者らによるBH撮影成功をきっかけにスタート。天文学の研究成果を菓子で盛り上げるというユニークな試みで、水沢菓子組合(高橋一隆組合長)が中心となり推進している。BHという共通テーマの下、組合加盟店がオリジナルの菓子を開発し販売している。
 プロジェクトの盛り上がりを図るため、岩手県菓子工業組合(菊地清理事長)の奥州支部と水沢菓子組合は昨年、初めて同フェスティバルを開催。大好評を得て2回目を企画したところ、前回より5店舗多い18店舗が出店した。
 各店とも、従前の定番商品と一緒にBHをイメージした菓子や飲食物を販売した。岩谷堂羊羹の製造元として知られる回進堂(菊地清代表取締役)では、今回のフェスに合わせ新商品「こがしブラック羊羹」を発売。菊地孝典取締役は「砂糖を焦がし、カラメルのようにしたので甘苦さが特徴」とアピールする。
 菓子店やパン工房、飲食店に交じり、県立水沢農業高校(菅野修一校長、生徒124人)の食品科学科も出店。2年生4人と担当教諭らが、そば粉を素材にした「ブラックホールマドレーヌ」などを並べた。「そば粉によって黒っぽさが表現でき、ブラックホールのネーミングを当ててみた」と同科の鈴木美穂子教諭は説明する。
 会場では、BHにあやかった多種多様な商品、料理を提供。水沢菓子組合の高橋組合長は「今までの組合活動は情報交換が主流だったが、ブラックホールという一つのコンセプトをきっかけに、まちを元気にしていこうという機運が出てきている」と喜んでいた。

当ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は胆江日日新聞社に帰属します。
〒023-0042 岩手県奥州市水沢柳町8 TEL:0197-24-2244 FAX:0197-24-1281

ページの先頭へ移動