人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

“先輩格”から誘致のヒント(小沢市長が欧州視察報告)

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tanko 2013-5-17 11:00

 市国際リニアコライダー推進連絡協議会(会長・小沢昌記市長)主催の「セルン視察報告会」は16日、江刺総合支所で開かれ、小沢市長ら視察団メンバー3人がスイス・ジュネーブの欧州合同原子核研究機構(CERN)の様子などを伝えた。集まった市民ら80人は“ILCの先輩格”とも言われているCERNと周辺地域の状況に理解を深め、国際リニアコライダー(ILC)誘致実現に向け必要なことを考え合った。
 小沢市長のほか、NPO法人イーハトーブ宇宙実践センターの大江昌嗣理事長、奥州商工会議所の千葉龍二郎会頭も視察の様子を報告した。
 小沢市長はCERNを「世界最大級の研究施設で、年間約1万人の研究者が利用している。すごく大きな大学のような場所と考えればいい」と説明。設立59年目となる同施設が、いかに地域と協力し合いながら歴史を重ねてきたかを話した。
 ILC推進組織の総責任者を務めるリン・エバンス氏から「大いなる期待をしている」と激励の言葉があったことを紹介。「研究施設で何をしているのか、地域の人たちに理解してもらうことが重要」と指摘されたことも話した。
 大江理事長は、ILCと関連した大学などの高等教育機関の必要性を主張。現地で交流したドイツ・マインツ大学の斎藤武彦教授の言葉を引用しながら「『最先端の物理を勉強したいなら岩手に行こう』というようにならなければいけないと思った」と振り返っていた。
 小沢市長は、誘致に際して今後求められる重要なポイントとして▽地元の受け入れ意識の醸成▽住居・教育・医療における受け入れ態勢の充実▽研究者の家族支援――を示した。「何か新しいものを建設し提供するより、今あるものを活用しながら、多くの人を受け入れることのほうが大切。誘致によって、子どもたちが夢を見られる地域にできれば」と述べた。
写真=CERN視察で感じたILC誘致に必要な土壌作りなどを語った報告会
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