人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

国立天文台VERA 運用継続に地元の声を(天文ファン、署名活動を本格化)

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tanko 2020-6-11 14:20
 国立天文台水沢VLBI観測所(本間希樹所長)を拠点とするVERA(ベラ、天文広域精測望遠鏡)プロジェクトの長期的な運用継続を求め、る署名活動が本格化する。地元天文ファンらで組織する「VERAサポーターズクラブ」が中心となって推進する。突然の大幅な予算削減で今月中にVERAの運用停止が想定されていた同プロジェクト。追加の予算措置により年度内は観測活用できる見通しだが、来年度以降の運用継続が保障されたわけではない。同クラブは観測事業の意義にとどまらず、観光資源や地域住民のシンボルとしての役割が大きいと強調。納税者の目線からも、耐用年数が10年以上残る観測設備を停止させず、有効活用すべきだと訴えている。署名は11月にも文部科学大臣に提出する考えだ。(児玉直人)

 VERAは同観測所のメインプロジェクトで、水沢など国内4カ所に設置した同一仕様の電波望遠鏡(パラボラアンテナ)を連動させ、銀河系の地図づくりなどを推進している。近年は、韓国や中国などアジアの電波望遠鏡群を組み合わせた国際観測事業の一翼も担っている。
 ところが昨年12月、常田佐久台長らをメンバーとする同天文台執行部が、VERAの運用終了と同観測所の予算半減の方針を急きょ提示。本間所長ら観測所関係者、VERAを利用する大学などの研究機関は、方針の見直しを執行部側に求めていた。
 本間所長によると、5月に来年3月までの運用経費に係る追加予算を申請。正式決定の通知は来ていないが、常田台長からは肯定的な返答があったという。ただ、来年度以降の運用継続が担保されたわけではく、運用や研究に従事する人材の補充がされていないなど、課題は山積したままだ。
 同観測所の窮状に手を差し伸べようと、地元の天文ファンらがサポーターズクラブを結成。今春、インターネットを通じた署名活動を開始し約1000筆が集まったという。地域住民の思いも反映させようと、直筆による署名運動を本格化させることになった。
 10日、同クラブ代表の山田慎也さん(50)=水沢天文台通り=と、メンバーの木村隆さん(48)=金ケ崎町三ケ尻中荒巻、新田高行さん(52)=同町六原東町=が、奥州市役所本庁を訪問。署名運動への賛同を求める小沢昌記市長宛ての文書を市ILC推進室職員に提出した。
 山田代表は「ブラックホールの撮影成功などさまざまな研究成果は、研究者や技術スタッフのみなさんの努力のたまもの。それでも本間所長は『市民の皆さまの理解があって、私たちは観測や研究ができる』と、地元に対する感謝の思いを常に抱いている。なおさら私たちは声を上げ、研究者の皆さんを支え、その思いに応えなければと感じている」と力を込める。
 署名への協力は、胆江2市町の商工・観光団体、国際交流協会、町内会組織、青年会議所などにも呼び掛ける。文科省への署名を提出する際は、電波望遠鏡が設置されている鹿児島県薩摩川内市、東京都小笠原村、沖縄県石垣市の各首長や地元選出国会議員らにも同席を求める予定だ。
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