人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILC実現の重要関門 基本構想の審査中断(文科省)

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tanko 2020-5-11 11:20
 文部科学省が策定する「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想(ロードマップ2020)」は、新型コロナウイルス感染症の影響で、公表時期が見通せない状況にある。書面審査の段階で作業が中断。ヒアリング審査対象の決定から先に進んでいない。ロードマップ掲載計画の選定審査には、北上山地が有力候補地となっている「国際リニアコライダー(ILC)」も応募している。同省研究振興局学術機関課は、全体スケジュールを設定し直している。(児玉直人)

 ロードマップは、幅広い研究分野の意向を踏まえながら、大型プロジェクトの優先度を明らかにするもの。日本学術会議(山極寿一会長)が策定する「学術の大型施設計画・大規模研究計画に関するマスタープラン」と関連性があり、どちらも3年ごとに策定している。
 「ロードマップ2020」掲載計画の審査を受けられるのは、学術会議が今年1月に策定した「マスタープラン2020」で、重点計画に選ばれた31件と、重点計画選定時のヒアリング審査を受けたが選外になった28件。ILCは28件のうちの一つだ。
 ロードマップの審査は、書面とヒアリングの2段階。書面審査により、ヒアリング審査対象を30件まで絞り込む。マスタープラン2020の重点計画31件に比べ、選外の28件に対する審査要件のハードルは高く設定されている。
 文科省は2月末まで書類提出を受け付けていた。3月に入り、約3週間の期間を設け、大学教授ら専門家による書面審査を開始していた。
 しかし、時期を同じくして新型コロナが感染拡大。ヒアリング審査の対象を決める合議審議が開催できず、4月24日から26日に予定していたヒアリング審査は延期に。5月以降としていたロードマップ案の取りまとめ、意見募集(パブリックコメント)、策定・公表なども先送りとなった。
 同課は全体スケジュールを再設定中。担当者は「6日までだった緊急事態宣言が31日まで延長されたこともあり、現段階では見通しが立たない」としながら、新型コロナ感染防止を意識したヒアリングの方法も含め、検討を進めているという。
 ロードマップとともに策定動向が注目されている欧州素粒子物理学戦略(European Strategy for Particle Physics)次期計画についても、新型コロナの影響で策定・公表が延期された。当初は、5月25日にブダペストで開催される欧州合同原子核研究所(CERN)理事会の臨時会議で最終承認される予定だった。
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