人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILC関連は7100万円(岩手県の新年度予算案)

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tanko 2017-2-11 9:50
 岩手県は10日までに、歳入歳出それぞれ9797億3300万円とする2017(平成29)年度一般会計当初予算案を発表した。東日本大震災による津波で甚大な被害を受けた沿岸部を中心に進められていた復興事業が進展した関係で、震災以降に編成した当初予算としては初めて1兆円を下回った。震災関連の予算を除いた「通常分」に限って見ると、2007年度から2011年度にかけての当初予算の平均レベル。同予算案は16日招集予定の県議会2月定例会に上程し、審議される。

 2017年度一般会計当初予算に対し、県は「未来につなげる復興ふるさと振興予算」と名付けた。大震災や昨年の台風10号被害からの復旧、復興を最優先で取り組む一方で、「いわて国体・いわて大会」の開催によって培われたスポーツ・文化面の振興をより良い形で発展、継承。外国人観光客誘致や海外市場への岩手ブランド発信、多文化共生などの国際的な取り組み、若者・女性の活躍支援、国際リニアコライダー(ILC)誘致実現など未来を見据えた「ふるさと振興」を推進する。
 県予算は大震災発生翌年の2012年度以降、一般的な行政運営や全県を対象とした事業に投じられる「通常分」と、震災復興に関連した「震災分」に大別している。
 2017年度の通常分予算は、歳入歳出それぞれ6754億300万円。一般会計全体に占める割合は68.9%で、金額の前年度当初比は1.5%増。これに対し震災分予算は3043億2900万円で、割合は31.1%。金額の前年度当初比は24.0%減少した。震災分の減少は復興関連事業の進展に伴うもので、当初予算の歳入歳出総額が1億円を下回った主要因となっている。
 通常分予算の詳細をみると、歳入のうち自主財源は2758億2800万円で通常分総額の40.8%に相当。このうち県税は、法人事業税などの伸びにより、前年度から41億円増加した。
 依存財源は3995億7600万円で、通常分の59.2%を占める。地方交付税は国の地方財政対策などを基に推計した結果、前年度より2億円減少。一方、県債は、療育センター整備事業や河川改修事業など普通建設事業費の増加で飫億円増加している。
 歳出は、人件費などの義務的経費が3111億3300万円で、前年度比1.0%の微減。主な内訳は人件費が1794億2000万円、借金の返済に充てる公債費が1196億1300万円となっている。
 普通建設事業費と災害復旧事業費で構成される投資的経費は906億6600万円で、同比26.8%増。台風10号により被災した河川の改修事業への対応が要因に挙がる。
 補助費や貸付金などを含むその他経費は2736億400万円。前年度は「いわて国体開催準備費」があり、その反動減などにより同比2.2%減少した。
 主な新規事業を見ると、馬事文化を観光資源として誘客を図る「馬事文化プロモーション推進事業」に950万円。盆・彼岸向けのリンドウ出荷増を目指す「優良品種緊急新植事業費補助」に410万円。米政策の見直しに対応した仕組み作りを支援する「水田農業構造改革対策費」に1050万円。
 このほか、継続事業として東北道奥州スマートインターチェンジや国道107号江刺区梁川周辺の整備などを含む「地域連携道路整備事業費」が379億7230万円。ILC誘致に関連した「プロジェクト研究調査事業費」に7100万円を投じる。
 新年度に新設する「文化スポーツ部」に関する予算は27億530万円で、東京五輪関連の取り組みやスポーツ競技力向上、障害者芸術の魅力発信などの事業を展開する。
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