人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

米領事きょう水沢視察 地元住民らと意見交換(プロジェクトに強い関心)

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tanko 2016-1-21 12:10
 在札幌米国総領事館のジャスティン・トール領事は21日、素粒子研究施設・国際リニアコライダー(ILC)の候補地視察のため、水沢区内を訪れる。国立天文台水沢VLBI観測所を見学するほか、候補地から近く新幹線駅が立地する同区羽田町の地域住民らと意見交換する予定だ。(児玉直人)

 トール領事は、同領事館の総務・経済・領事部担当として昨年8月着任。国務省入省以前は、米空軍パイロットや民間企業、市職員を務めた経歴を持つ。
 県科学ILC推進室によると、トール領事は用務で仙台市を訪問した際、ILCの話題を耳にし、強い興味を示したという。候補地を直接訪れたいとの申し出があり、県推進室や市ILC推進室が受け入れの準備を進めた。
 羽田地区センターで予定している意見交換会には、住民や奥州市国際交流協会、県、奥州、一関両市の担当職員らが同席するという。
 羽田地区は、ILC建設想定エリアとなっている北上山地からほど近く、東北新幹線水沢江刺駅があることから、ILCが実現した際には研究所への玄関口になる可能性がある。1997(平成9)年に旧水沢市は、同駅や現在の「ふれあいの丘公園」周辺に、先端科学研究機関誘致を中心としたまちづくり構想「みずさわシンフォニーランド」を描いている。
 市側から出席要請を受けた、羽田地区振興会の佐藤建樹会長は「ILCは最先端の科学技術を集めて造ろうとしているが、当地区で栄えた鋳物の技術は900年以上の歴史を誇る。新旧の技術が共存共栄するような将来の姿にも話題が展開できたら」と希望する。
 ただ、現状として同振興会では特段ILC関係の取り組みをしているわけではなく、関連情報も講演会や新聞報道で見聞する程度。佐藤会長は「次世代を担う子どもたちは別として、地域住民は都市部の市民と比べ外国人と触れ合う場面が少ない。異文化と地域文化との調和をどう図ればいいのか、考える必要はあると感じている」と話している。
 ILCは世界に唯一造られる国際研究施設。実現に際しては、特にも欧米諸国の協力が重要で、日本の超党派国会議員で組織するILC議連は、米国政界との連携を図るため日米議連の結成を目指している。
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