人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

候補地の熱意発信(広報物など続々作成)

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tanko 2015-3-30 9:31
"Showing Candidate Site Enthusiasm (Many New Publicity Goods Made)"
In English http://www.city.oshu.iwate.jp/htm/ilc/english/news.viewer.html?prm=2015033000

 国際リニアコライダー(ILC)誘致を盛り上げようと、岩手県や奥州市はコミック冊子やポスターなど新たな広報物を相次ぎ作成。さらに県は4月に千葉市で開かれる大型イベントにPRコーナーを開設し、首都圏などの若年層にILC情報を発信する。新年度は国の有識者会議が検討結果をまとめるなど、国内候補地決定に続く大きなヤマ場がある。地元の熱意をさらに高める取り組みを進める一方、全国的認知度が低いことからさまざまな手法でPR強化に乗り出している。(児玉直人)

 年度明け直後にILCをめぐる動きは慌ただしい。
 高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)では4月20日から24日にかけ国際会議「アジア・リニアコライダー・ワークショップ2015」が開催される。関連行事として、22日には東京大学で最新の計画進捗状況などを伝えるシンポジウムを開く。同会議後には、ILCの広報業務を担当する職員一行が奥州市などを視察する計画もあるという。
 研究者界の動きとは別に、同21日には文部科学省のILC有識者会議(第3回会合)が開かれ、これまで作業部会が整理してきた協議事項の中間報告が示される見通し。有識者会議は2015年度中に政府誘致判断に影響する検討結果をまとめる段取りだ。
 そんな中、県や奥州市、KEKは一般向けのILC周知広報物を続々と作成した。これまでも色々な広報物が作られたが、今回は児童・生徒や一般市民に対し、ILCを身近に感じてもらうために工夫を凝らしたものが目立つ。
 このうち県作成のコミック冊子「ワタシの夢科学の未来」は、宇宙に興味を抱いている少女が主人公。研究者並みの知識を持ち合わせているが、両親が営む青果店も継ぎたいと考えている――というストーリーだ。ILCは理系の研究者のみならず、さまざまな仕事や夢を持った人たちが活躍できる場面があることを中心に伝えている。
 奥州市ILC推進室は、小学生向けのポスターを2種類制作。新年度にポスターコンクールを予定しており、その呼び水にする狙いもある。4月以降、市内全小学校や地区センター、児童センターに配布し掲示してもらう。
 このほかにも、4月25〜26日に千葉市で開かれる大型イベント「ニコニコ大会議」に、県がILCのPRコーナーを開設する。
 同イベントは著名インターネット動画サイト「ニコニコ動画」の運営会社が主催。さまざまな文化や趣味、芸能、政治・経済、先端技術、産業などに関する展示が繰り広げられ、若年層を中心に多数来場している。達増拓也知事が同動画サイトの会員になっている縁もあり、首都圏を中心とした若年層にILC計画をアピール。全国的な認知度を高める足掛かりとする。

写真=岩手県や奥州市、KEKが作成した新しいILC広報物
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