人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

「研究の成立を最重視」 戦略会議山下議長が候補地選定経過を説明(仙台で)

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tanko 2013-10-20 5:20
 【仙台市=報道部・児玉直人】
 国際リニアコライダー(ILC)の国内候補地選定作業を実施したILC立地評価会議の上部組織、ILC戦略会議議長の山下了氏(東京大准教授)は19日、仙台市内で、候補地評価の経過などを一般向けに説明した。東北での一般向け説明は初。山下氏は、研究成立を最重要視した結果、北上山地が最適との評価に至ったことを強調した。

 山下氏の報告は同日、東北ILC推進協議会が主催する講演会の中で行われた。
 立地評価会議は山下氏ら委員8人で構成。科学的な見地から国内2カ所の候補地を絞り込む作業を進め、8月23日に北上山地が最適とする評価結果を公表した。
 北上山地は海抜100mの山腹にトンネルを掘るため、地上からのアクセストンネルは短くていいほか、トンネルよりも標高の低い場所に、地中で生じた排水を流すこともできる。
 一方、脊振山地はトンネルのルート上に市街地や海に近い河川が横切っているため、トンネルは一部が海抜0m以下になる場所もある。このため、山間部に差し掛かった部分では、地表からトンネルまでの距離が長くなるため、アクセストンネルの工費や建設時間の増加になってしまう。また、ルート上にあるダム湖の存在もネックとなった。
 脊振山地は、九州最大都市の福岡市も近いことから、生活の利便性では北上山地周辺を上回る機能を有している。しかし山下氏は「研究者が快適に過ごすという点は確かに大切だが、それ以上に研究自体が成立しなければ意味がない」と強調した。
 「国内候補地が北上山地となったことは、世界の候補地になったことだ」と山下氏。「大差がついている評価結果をひっくり返そうとして、プロジェクトの実現が失敗した――という結果が、歴史上はっきり示されている」と述べ、今回の結果が最終的なILC建設のゴーサインを出す際にも最大限尊重されるようくぎを刺した。

写真=ILC候補地選定の経過について説明する山下了氏
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