人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

北上山地で詳細設計 現地視察のエバンス氏(研究者組織最高責任者)が明言

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tanko 2013-10-18 5:50
 国際リニアコライダー(ILC)計画を推進する国際的な研究者組織、リニアコライダー・コラボレーション(LCC)の幹部が17日、北上山地を初めて視察。最高責任者のリン・エバンス氏は、ILC立地評価会議が選定した同山地について「評価は適切なものであったと強く感じた」と述べ、今後はKEK(高エネルギー加速器研究機構)を拠点に、北上山地に見合った詳細設計を進めていくことを明らかにした。さらに早期に国際交渉に着手できるよう、誘致建設に向けた日本政府の意思表示に期待を込めた。

 視察団一行は、一関市大東町内の加速器トンネル想定ルート地点や江刺区の国立天文台地球潮汐観測施設などを訪問。同区伊手(いで)の伊手地区センターでは、地質調査で採取された花こう岩のサンプルなどを見た。
 現地視察後、水沢区内のホテルでエバンス氏は達増拓也知事や小沢昌記市長らと懇談。その後、記者会見し「日本の研究者組織の中で二つの候補地を絞り込んで北上山地とした。その後、国際的な評価によってこの選定結果は適切だと判断した。今回、実際に訪れてみて、その評価が適切なものだったとあらためて思った。北上山地において詳細な設計をしていく」と述べた。
 日本政府に対しては「日本が『ILCをホストするための準備をしたい』と、明確に提言をすることで、国際的な交渉が始まる」と、国際交渉の開始に向けた意思表示を求めた。
 一部市民団体が懸念している放射能や自然環境へのリスクについて「注意深く対処すべき問題だ」と強調。その上で「ILCは世界で最も厳しい環境や放射能の基準を満たせるよう設計している。加速器を動かせば放射能は発生するが、その規模はLHC(欧州合同原子核研究機関=CERN=にある加速器実験装置)と比べものにならないほど小さい」と説明した。
 会見に同席した達増知事は「地元として必要な環境をしっかり用意していかなくてはいけない」と話した。
(児玉直人)

写真=北上山地の立体地形図を見るリン・エバンス氏(右)(伊手地区センター)
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