人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

国際組織のエバンス代表ら 17日、北上山地を初視察

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tanko 2013-10-10 9:10
 国際リニアコライダー(ILC)計画を推進する国際的研究者組織「リニアコライダー・コラボレーション(LCC)」最高責任者のリン・エバンス氏(インペリアルカレッジ・ロンドン教授)や幹部研究者ら8人が、17日に北上山地を初めて視察する。LCCは候補地の地形に準じたより詳細な国際設計を進める予定で、今回の視察はそのステップになるとみられる。北上山地が事実上、世界唯一のILC候補地に選ばれて以来、重要ポストに位置する国内外の研究者が現地視察するのは初めて。

 現地入りするLCC幹部は、エバンス氏と▽村山斉氏(東京大国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構長)▽マイク・ハリソン氏(米ブルックヘブン国立研究所教授)▽スタイナー・スタプネス氏(ノルウェー・オスロ大教授)▽山本均氏(東北大大学院教授)▽ブライアン・フォスター氏(英オックスフォード大教授)▽ハリー・ウィーツ氏(米アルゴンヌ国立研究所)――に、秘書担当者を加えた計8人。
 村山氏はLCCの副代表、ハリソン氏はLCC内のILC部門代表、山本氏は物理・測定器部門の代表をそれぞれ務めている。オックスフォード大教授のフォスター氏を除く6人は、8月に発表された国内候補地の選定作業または、評論(レビュー)にも携わっている。
 関係者によると、LCCのエバンス氏らは8月の国内候補地一本化直後から「いち早く北上山地を訪れたい」と希望していたという。今月�t日、東京大学で開かれるILC国際シンポジウムにエバンス氏やハリソン氏、村山氏が登壇。翌�u日には、ILC建設候補地として北上山地が最適とする評価結果が文部科学省に提出されることもあり、このタイミングでの現地視察となった。
 視察を受け入れる県によると、一行は一関市や江刺区内を視察後、水沢区内のホテルで記者会見に臨む。LCC幹部のほか、リニアコライダー国際推進委員会委員長の駒宮幸男氏(東京大素粒子物理国際研究センター長)、ILC戦略会議議長の山下了氏(同センター准教授)らも同行。記者会見には達増拓也知事も同席する。
 LCCは今年2月に発足。建設候補地が北上山地に絞り込まれたことで、LCCは今後、現地の地形や地理要件に合わせたILC施設の設計に着手する。これまで架空の場所をイメージしていたが、より具体的な施設の姿が描かれる。
 
写真=リン・エバンス氏(C)KEK
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