人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

国内候補地 23日に都内で発表

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tanko 2013-8-17 15:30
 国際リニアコライダー(ILC)の国内候補地選定結果について、素粒子研究者らで組織するILC立地評価会議は16日、今月23日に東京大学本郷キャンパスで発表することを明らかにした。江刺区東部などをエリアとする北上山地か、福岡県と佐賀県にまたがる背振山地のいずれかに、国内候補地が絞り込まれる。

 目には見えない電子と陽電子を光の速さに近い状態で衝突させることで生じる現象を調べることで、物質の成り立ちや宇宙誕生の謎に迫ろうとするILC。世界の国々が出資し共同運営するプロジェクトとして、素粒子物理学者の間で考案され、現在は実現に向けた政府間協議の開始が待たれる状態にある。
 候補地は日本のほか、スイスや米国、ドイツ、ロシアなどの名も挙げられているが、各国の研究者の間では、日本への建設を有望視する声が急激に高まっている。
 その日本国内の候補地は、北上山地と背振山地の2カ所。日本の素粒子研究者らで組織する「ILC戦略会議」の内部に設置した「ILC立地評価会議」が、地質などの技術的評価と住環境や交通アクセスなど社会環境的評価を実施。学術的な観点から、日本としての候補地をどちらかにするか選定していた。
 候補地選定作業が進むさなか、首相直轄の特別機関・日本学術会議では、文部科学省の審議依頼を受けILCに関する検討委員会が設置された。検討委は、ILCの研究意義は認めながらも、費用負担や人材確保、国民理解など解決すべき課題を指摘。海外の政府関係機関なども交えた予備交渉などを進め、計画の見通しをより明確にするよう求めている。
 素粒子研究者サイドは、こうした学術会議の協議動向を見ながら発表のタイミングをうかがっていた。このため、当初の「7月末」という予想から3週間余り遅れての公表となる。
 ILC計画の情報が一般に知れ渡るようになって以来、北上、背振両山地の地元では、国際研究都市構築による波及効果などにも着目し、熱烈な誘致活動や理解普及の取り組みが進められてきた。
 一方、ILC戦略会議の議長を務める東京大の山下了准教授は今年4月に仙台市内で行った講演の中で、「国内候補地が一本化されたら『オールジャパン態勢』を取らなければいけない。誘致ができた、できなかったの結果はどうであれ、日本全体で知恵を出し、ILCを支えていくという姿勢がなければ成しえない」と訴えている。
 23日の発表は、ILC立地評価会議共同議長を務める東北大の山本均教授、九州大の川越清以教授が評価結果を報告。国際研究組織「リニアコライダー・コラボレーション(LCC)」の最高責任者リン・エバンス氏と、LCCの監督機関「リニアコライダー国際推進委員会(LCB)」の駒宮幸男議長らも参加する。
(児玉直人)
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