人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

ILC候補地の環境アピール(東北大・海外研究者を案内)

投稿者 : 
tanko 2013-6-11 4:30
 東北大学(里見進総長)は9日、素粒子物理学の外国人研究者を一関市内などに案内し、国際リニアコライダー(ILC)の有力候補地である北上山地とその周辺の環境をPRした
 訪れたのは、今月5〜8日まで東北大で開かれた素粒子関連国際会議の出席者。会議では、ILCなど素粒子研究に必要な加速器実験装置の在り方について議論を交わした。
 ツアーは、会議を主催した東北大が企画。希望者を募ったところ、アメリカやドイツ、フランス、ルーマニアなど世界各地から集まった素粒子研究者21人が参加した。
 来訪したメンバーの多くは加速器実験の成果を基に研究を進める人たちで、ILCの建設地決定には直接関与しない。しかしILCが実現した場合は、研究や学会参加のために短期、長期含めてILC施設に足を運ぶ可能性が十分にあるという。
 このため今回のツアーは、建設予定場所の視察調査ではなく、周辺地域の環境を知ってもらうことに主眼を置いた。地域の良さや魅力を伝えるため、平泉や猊鼻渓などの観光地見物も組み入れた。
 一関市の東山地域交流センター前では、建設予定エリアの立体地図や地質調査で採取した地中の岩盤サンプルなどを見学。
 独アーヘン工科大学物理学研究所に所属する若手研究員のエイドリアン・ぺリアヌーさんは、「ここだったら(ILCが)できそうな感じがする。私は静かな環境が好きだが、中には都会のようなにぎやかさを求める人もいるだろう」と話し、「ILCは長期にわたって使用することになる。大事なのは、どんな研究をしていくのか、しっかり考えることだ」と強調した。
 一行を案内した東北大大学院の佐貫智行准教授は「『東北は何もない』と思われがちだが、自然が美しく、おいしいものもあるし、新幹線駅から研究現場まで遠くはない。実際に住むかもしれない場所を見ていただくだけで、イメージは大きく変わる。それぞれが国に帰り、仲間の研究者の皆さんに口コミでさらに印象を伝えていただくことで、東北の良さを知ってもらえる」と話していた。
写真=立体地図を見ながら建設候補地の様子に触れる外国人研究者たち
トラックバックpingアドレス http://ilc.tankonews.jp/modules/d3blog/tb.php/121

当ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は胆江日日新聞社に帰属します。
〒023-0042 岩手県奥州市水沢柳町8 TEL:0197-24-2244 FAX:0197-24-1281

ページの先頭へ移動