人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)

処理水放出(コラム「時針」より)

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tanko 2021-4-22 10:20
 東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出が決まった。事故から10年、廃炉の進展、風評被害、増え続ける処理水。誰が海洋放出を決めようと、私たちが沖縄を気の毒と思いつつも沖縄に我慢を強いているように、原発も国の大問題として全国民が捉えているのかは微妙であろう。
 国のことは政治家に任せるしかないが「(処理水を)飲んでも、なんてことないそうだ」と言った麻生太郎財務相の軽率さにゾッとした。資源エネルギー庁は、トリチウムの安全性を「紙1枚あれば遮ることも可能」と説明。それならば、「紙1枚で遮って見せて、後に発言して」と言いたくなる。
 処理水放出に対し、国内のみならず中国や韓国の反対は根強い。韓国は原発から処理水を排出しているにもかかわらず、日本の処理水海洋放出の差し止めを国際海洋法裁判所に提訴することを検討。だが、日本の方針を支持するアメリカの姿勢もあって、強硬な態度が弱まりつつあるようだ。
 東日本大震災前、日本には54の原発があり、日本で使う電力の30%前後を賄っていた。福島第1原発事故後、2021年3月時点で再稼働した原発は、大飯(関西電2基)、高浜(関西電2基)、玄海(九州電2基)、川内(九州電2基)、伊方(四国電1基)の9基のみ。廃炉にも果てしない月日と経費がかかることを考えると、電気を使う一人として不安ばかりが増す。
 水素爆発した1号機は手つかず、未確認状態である。炉心溶融は1、2、3号機。今までの工程表改定から推察すると、政府と東電の廃炉完了目標の20〜30年にも疑問符がつく。現場は放射性物質の飛散防止対策や除染、機器トラブルに時間を取られっ放しであろうから。
 核ごみ最終処分場でさえ行き場のない日本。福島のタンクの群れにもため息が出る。福島の友の言葉がよぎる。「福島が嫌な物はどこでも嫌で当たり前だっぺ」。相づちを打てなかった。
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