評価会議が国内候補地の選定経過説明(結果公表は23日に)
- 投稿者 :
- tanko 2013-8-21 5:30
【東京=報道部・児玉直人】 国際リニアコライダー(ILC)の国内候補地選定作業を進めていた、国内の素粒子研究者組織「ILC戦略会議」(議長=山下了東京大准教授)は20日、東京大学本郷キャンパスで、候補地選定経過などを報道陣に説明。選定結果は23日に同大学で開く記者会見で公表される。選定作業は同会議内に設置したILC立地評価会議(共同議長=山本均東北大教授・川越清以九州大教授、委員8人)が中心となり進めていたが、今月17日に委員全員一致で候補地を最終決定しており、発表を待つばかりとなっている。
同日の説明会は、候補地選定の経過や評価項目などについて、事前に報道関係者に理解してもらうことを目的に開催。山下准教授、山本教授、川越教授が対応したが、どちらの候補地に選定したかや、それらを推測させるようなコメントは一切なかった。
ILC候補地の検討は、15年以上前から国内外で慎重に進められてきたという。国内に関しては99年ごろから調査が始まり、03年には10カ所余りの具体的な候補地が国際会議を通じて公表。その後、さらに詳細な検討が行われ10年には岩手県南部の北上山地、福岡県と佐賀県にまたがる脊振山地に絞り込まれた。
ILC計画をより具体化する上で、建設候補地を定め、国際設計に着手する必要がある。国際設計を担当する国際的な研究者組織リニアコライダー・コラボレーション(LCC)が6月に本格稼働したが、これを見据え、1年ほど前から国内候補地の絞り込みに向けた準備に着手。今年1月にILC戦略会議内に立地評価会議を設立し、ILCの設計仕様に合致した最適な候補地やそのルートの検討を進めてきた。
候補地選定は、技術評価と社会環境基盤評価に分けて実施。両評価それぞれに、立地評価会議委員8人全員に各分野の専門家を交えた専門委員会で作業を進めた。
技術評価は地質や地形、資材運搬機能などについて評価。北上、脊振それぞれの地元からILCの建設想定ルートを二つずつ、中央キャンパスの候補地を最大二つまで提案してもらった。
社会環境基盤評価は研究者やその家族の生活に関して評価。専門委員による評価のほか、外国人3人による意見聴取も行ったという。
立地評価会議は、評価方法やその判断の妥当性について、海外の研究者らの論評(国際レビュー)を得るために7月13日までには、候補地を大筋で決定。同23、24日にスイスのジュネーブで国際レビューが行われ、同29日までに承認が得られた。
候補地の決定作業が大詰めを迎えていたのとほぼ同時期、日本学術会議では、文部科学省からの依頼を受け、ILC計画の意義などを審議。当初は7月末と考えられていた候補地選定結果の公表タイミングは、学術会議の審議動向を注視しながら見計らっていた。
海外の候補地に関しては、経済事情や過去の国際プロジェクトでの失敗などによる信用失墜でほぼ立ち消えとなっている。山下准教授は「今回の国内候補地決定が、事実上のILC候補地決定とみていい」と話す。
23日の選定結果発表記者会見は午前9時半から。会見の様子は、インターネットの動画配信サイト「Ustream」で生中継される。立地評価会議共同議長の山本教授は「日程は調整中だが、両候補地の関係者への直接説明も後日予定している」と話している。
写真=国内候補地の選定経過について説明する山本教授、川越教授、山下准教授(左から)
※23日の動画配信サイトのアドレス http://www.ustream.tv/channel/ilc-eng
同日の説明会は、候補地選定の経過や評価項目などについて、事前に報道関係者に理解してもらうことを目的に開催。山下准教授、山本教授、川越教授が対応したが、どちらの候補地に選定したかや、それらを推測させるようなコメントは一切なかった。
ILC候補地の検討は、15年以上前から国内外で慎重に進められてきたという。国内に関しては99年ごろから調査が始まり、03年には10カ所余りの具体的な候補地が国際会議を通じて公表。その後、さらに詳細な検討が行われ10年には岩手県南部の北上山地、福岡県と佐賀県にまたがる脊振山地に絞り込まれた。
ILC計画をより具体化する上で、建設候補地を定め、国際設計に着手する必要がある。国際設計を担当する国際的な研究者組織リニアコライダー・コラボレーション(LCC)が6月に本格稼働したが、これを見据え、1年ほど前から国内候補地の絞り込みに向けた準備に着手。今年1月にILC戦略会議内に立地評価会議を設立し、ILCの設計仕様に合致した最適な候補地やそのルートの検討を進めてきた。
候補地選定は、技術評価と社会環境基盤評価に分けて実施。両評価それぞれに、立地評価会議委員8人全員に各分野の専門家を交えた専門委員会で作業を進めた。
技術評価は地質や地形、資材運搬機能などについて評価。北上、脊振それぞれの地元からILCの建設想定ルートを二つずつ、中央キャンパスの候補地を最大二つまで提案してもらった。
社会環境基盤評価は研究者やその家族の生活に関して評価。専門委員による評価のほか、外国人3人による意見聴取も行ったという。
立地評価会議は、評価方法やその判断の妥当性について、海外の研究者らの論評(国際レビュー)を得るために7月13日までには、候補地を大筋で決定。同23、24日にスイスのジュネーブで国際レビューが行われ、同29日までに承認が得られた。
候補地の決定作業が大詰めを迎えていたのとほぼ同時期、日本学術会議では、文部科学省からの依頼を受け、ILC計画の意義などを審議。当初は7月末と考えられていた候補地選定結果の公表タイミングは、学術会議の審議動向を注視しながら見計らっていた。
海外の候補地に関しては、経済事情や過去の国際プロジェクトでの失敗などによる信用失墜でほぼ立ち消えとなっている。山下准教授は「今回の国内候補地決定が、事実上のILC候補地決定とみていい」と話す。
23日の選定結果発表記者会見は午前9時半から。会見の様子は、インターネットの動画配信サイト「Ustream」で生中継される。立地評価会議共同議長の山本教授は「日程は調整中だが、両候補地の関係者への直接説明も後日予定している」と話している。
写真=国内候補地の選定経過について説明する山本教授、川越教授、山下准教授(左から)
※23日の動画配信サイトのアドレス http://www.ustream.tv/channel/ilc-eng