人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)
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tanko 2019-8-25 14:40

写真=ブラックホールをイメージした創作菓子をお披露目する本間希樹所長(右)と水沢菓子組合の千葉亮組合長


写真=ブラックホールの創作菓子をPRする水沢菓子組合

 水沢菓子組合(千葉亮組合長)は24日、ブラックホールをテーマに加盟7社が開発した菓子を発表した。国立天文台水沢VLBI観測所=水沢星ガ丘町=の本間希樹所長が、ブラックホール撮影の国際プロジェクトで日本研究者チームの代表を務めた縁から、地元の盛り上げにつなげていこうと進めてきた。同観測所などで同日開かれた、いわて銀河フェスタ2019で初お披露目。洋菓子やせんべい、まんじゅうなど豊富なラインアップで、イベントに訪れた家族連れらの人気を集めた。
(佐藤和人)

 菓子開発は、人類初のブラックホール撮影成功を発表後、本間所長が「ブラックホールをイメージしたお菓子があると地域振興にもつながるのでは」との考えを示したことがきっかけ。一念発起した同組合が「オウシュウ・ブラックホール・プロジェクト」と銘打ち、加盟7社とパッケージデザインを手掛ける1社で商品化に乗り出した。
 同日は、イベントの開会前に創作菓子の記者発表が会場で行われ、千葉組合長ら組合員と本間所長が完成した菓子を手に登場した。本間所長は「半分思いつきで発言したことだったが、組合の皆さんが乗り気で取り組んでくれた。すべて試食したがおいしい菓子ばかり。菓子を通じて奥州市が天文台のあるまちとして盛り上がっていければ」と願っていた。
 開発されたのは、アイスやタルト、サブレなどのほか、竹炭みかんまんじゅうやせんべいなど9種類の菓子。まんじゅうは、外観がブラックホールをイメージした黒で、中のみかん餡で周囲に写し出されたオレンジ色の輪を表現したユニークな一品だ。会場には各社のブースが設置され、菓子を買い求める家族連れらでにぎわった。
 千葉組合長は「各店が個性を生かして開発に臨んでくれた。ブラックホールの菓子が奥州の銘菓となり、地元の盛り上げにつながれば」と意気込んでいた。
 創作菓子は、組合に加盟する各店舗で販売する予定だ。
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tanko 2019-8-25 14:30

写真=ブラックホールの模型製作に挑戦する子どもたち


写真=天体望遠鏡をのぞき込む家族連れ

 いわて銀河フェスタ2019(同フェスタ実行委員会主催)は24日、水沢星ガ丘町の国立天文台水沢VLBI観測所と奥州宇宙遊学館を会場に開かれた。今年は、ブラックホール撮影成功に湧く中での開催となり、関連の催しや展示、商品などが勢ぞろい。一躍時の人となった同観測所の本間希樹所長らを一目見ようと多くの家族連れらでにぎわった。

 国際緯度観測120周年の節目に当たる今年は、「ブラックホール最前線!〜120年続く国際観測〜」と銘打ち、子どもたちに科学する心を育んでもらおうと開催。今回で12回目を迎えた。
 オープニングセレモニーでは、市立水沢南小学校鼓笛隊の演奏と金ケ崎保育園の子ども鹿踊りの演舞が花を添え、同遊学館を指定管理するイーハトーブ宇宙実践センターの大江昌嗣理事長が「緯度観測が始まり今年で120年。宇宙の最新情報に触れながら楽しんで」とあいさつ。本間所長は「120周年の記念の年にブラックホールの撮影に成功することができた。子どもたちには宇宙に関心を持つきっかけになってもらえたら」と願った。
 会場はブラックホールに関する展示やイベントで盛りだくさん。ブラックホールの模型製作体験やクイズ大会などのほか、撮影に携わったイベント・ホライズン・テレスコープのメンバーによる座談会もあり、天文ファンの人気を集めた。ブラックホールのTシャツやキーホルダー、缶バッジなど関連商品もずらりと並んだ。
 本間所長は、来場者との写真撮影やサインなどに気軽に応じ、市民らと快挙達成を喜び合っていた。市立岩谷堂小3年の後藤圭弥君(8)は「本間所長と握手できてうれしかった」と声を弾ませていた。
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tanko 2019-8-25 7:40
誘致へ候補地に寄り添い

 素粒子実験施設、国際リニアコライダー(ILC)誘致に力を入れる本県。今月「ILC推進局」が立ち上げられたのに伴い、事業推進課特命参事兼ILC推進監に就任した。局拠点がある県庁ではなく、ILC候補地に近い県南広域振興局の駐在勤務を命ぜられた。
 「地元の皆さんへの理解促進活動と決定を見据えた受け入れ準備、候補地である北上山地に見合った設計に着手するための下準備などが役割だと思う」
 高校生の前でILC計画を説明することもある。「どのように地域が変わっていくのか、考えてもらうきっかけになれば。理系だけでなく、文系の分野でも役立つ仕事はたくさんある」とアピールする。
 計画の実現に対しては賛否両論があるのも事実。一つの巨大なプロジェクトに対して、人々が抱く思いは決して同じではない。それは学術界の見解にとどまらず、候補地の地元住民の中でも。「丁寧に説明し、疑問に応えていくことに尽きます」
 考え方や住民意識の多様性を意識し、物事を考えることを大事にしているという。そう心掛けるようになったのは、県職員になって間もない農政担当時代の業務がきっかけだった。
 「農業経済課という部署が当時あり、県内の農協をくまなく回りながら、指導や農協職員からヒアリングしていく仕事をしていました。1週間ぐらいその地域に滞在すると、地域特性のようなものが分かるんです。経済とか効率性だけでは語れない、結びつきを大切にしている地域もある。地域が歩んできた歴史、そこに生きる人たちの気質を知らずに、いきなり『こうだから』と話し始めても、と思うんです」
 ILC誘致活動においても、相手の気持ちをくみとった姿勢が大切だと強調する。「決して研究者側だけに立っているわけではない。自然を守ること、暮らしの安心安全を守る点については、住民サイドに立った対応が求められる」
 まだゴーサインが出ないILC誘致。「これほど時間がかかるとは思わなかったが、段階を踏んで着々と準備は進んでいると思う」と前を見つめる。候補地近傍に駐在する任務の意味をかみ締めながら、日々業務に励む。
(児玉直人)

 東北大学農学部を卒業後、1990(平成2)年県職員に。趣味は鉄道。「山奥の利用客が少ない『秘境駅』を巡るのが好き。先日は廃止が迫っている北海道のJR札沼線に乗りました」。登山も好きで、お気に入りは焼石連峰。盛岡市三ツ割在住。
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tanko 2019-8-20 19:00
 岩手県は19日、いわて県民計画に掲げるILC(国際リニアコライダー)プロジェクトを全庁を挙げて推進するため、ILC推進本部を設置した。従来の副部長級による県ILC推進研究会を発展的に移行し、知事を本部長に副知事や部局長などで構成する部局横断的な組織。第1回の会議が同日、県庁で開かれた。
 同本部は▽ILC推進に関する情報収集・連絡調整▽ILC推進に関する施策▽その他ILC推進に関する重要事項――などを所管する。本部の下に、まちづくり・インフラ整備、外国人居住環境、外国人研究者等の医療、外国人研究者等子弟の教育、産業振興、地域資源活用の六つの分科会を設置し、ILCによる地域振興ビジョンに係る取り組みについて具体的に検討を進めていく。
 今年3月7日の政府見解表明では、日本学術会議が策定するマスタープランなど正式な学術プロセスでの議論が必要との指摘もあり、高エネルギー加速器研究機構(KEK)が次期マスタープランを検討中。現在、研究者の国際ワーキンググループでILC計画の国際的な役割分担や費用分担を検討しており、今年9月に取りまとめとなる見込み。同本部では、国際分担の状況などを見据えながら、受け入れの準備やILCの効果を地域で発揮させるための検討を重ねていく。
 本部長の達増拓也知事は「今年3月、政府が初めて(ILCに)関心表明をし、それを受けて国内外の動きが活発になってきている。県としてもこの動きに的確に対応しながらILCが持つ多様な効果が地域で最大限発揮されるよう準備に万全を期したい」と述べ、「いわて県民計画に掲げるILC推進プロジェクトの多分野にわたる取り組み、ILCによる地域振興ビジョンへの積極的な対応など、全庁で総合的な取り組みを進める」とした。
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tanko 2019-8-18 19:40

写真=いわて銀河フェスタ2019のポスター

 国立天文台水沢キャンパスの研究施設などが公開される「いわて銀河フェスタ2019」は、24日午前10時から午後8時半まで水沢星ガ丘町の同キャンパスで開かれる。毎年恒例のイベントだが、今年は人類初のブラックホール撮影成功をはじめ、国際緯度観測120年の節目に当たるなど話題が多い年。市内外から例年以上に多くの来場者が訪れそうだ。一部の施設見学や体験コーナーは、当日配布の整理券が必要となる。

 今年のテーマは「ブラックホール最前線! 120年続く国際観測」。ブラックホール撮影の国際プロジェクトに、同キャンパス内に拠点を置く水沢VLBI観測所の本間希樹所長ら5人が携わっており、今回のフェスタはブラックホール研究を前面に押し出す内容となっている。
 フェスタ開幕に先立ち、「オウシュウ・ブラックホール・プロジェクト」を推進している市内の菓子製造販売事業者らで構成する水沢菓子組合(千葉亮組合長)は、加盟各社の持ち味を生かし、ブラックホールをイメージした菓子やパンを奥州宇宙遊学館前で発表。開幕後、会場内で販売会を実施する。
 午前11時半からは、ブラックホールのクイズ大会。午後3時半からは講演会。同4時45分には5人の研究メンバーによる座談会が、いずれも遊学館2階セミナー室で開かれる。講師はもちろん、クイズの進行も研究者自らが担当。歴史的な快挙に携わった研究者と触れ合える貴重な機会になりそうだ。本間所長との記念撮影会も予定している。
 キャンパス敷地内では、直径20mの電波望遠鏡内を見学できる「アンテナツアー」、天文学専用のスーパーコンピューター「アテルイ?」見学ツアーなどを実施。アンテナツアーは小学3年生以上で身長120cm以上、スニーカーなど歩きやすい靴での参加が条件となっている。
 旧緯度観測所時代から続く120年の歴史を感じられる企画として、国の登録有形文化財(建造物)に指定されている旧眼視天頂儀室の室内を公開。木村栄記念館に常設展示している各種資料と、現在使用している電波望遠鏡や観測関連施設を見比べることで、水沢で続けられている国際天文観測の意義やスケールの大きさを実感することができる。
 施設公開などのイベントは夕方で終了。午後6時からは「星の部」に移行し、第2東水沢保育園児による太鼓演奏などが繰り広げられ、同7時から星空観察会を実施する。荒天の場合は中止する。
 イベントの詳細は同フェスタのウェブサイト

http://www.miz.nao.ac.jp/content/openhouse

で確認できる。問い合わせは、奥州宇宙遊学館(電話0197・24・2020)へ。
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tanko 2019-8-11 19:40

写真=調査結果を発表する高校生たち

 高校生が国立天文台水沢VLBI観測所(本間希樹所長)の電波望遠鏡を使って天体観測する「Z星研究調査隊」(県高等学校文化連盟自然科学専門部など主催)は、このほど終了した。活動最終日には生徒たちが調査結果を発表。新天体は発見できなかったが、生徒たちは限られた時間の中で力を出し合い、天文学への情熱を新たにした。
 県内外から集まった生徒10人は、2班に分かれ調査に挑んだ。これから生まれようとしている星、または一生を終えようとしている星から出される「水メーザー」と呼ばれる電波を探査。観測には同観測所の直径20m電波望遠鏡が使われた。観測計画の立案やデータ解析、研究報告のまとめも自分たちで行った。
 A班はミラ型変光星と呼ばれる12天体を順次観測。比較的高感度な電波を発した1天体に的を絞って再度観測したが、水メーザーは検出できなかった。盛岡市立高校3年の千葉衣織さん(17)は「参加は2回目だが、昨年の方がしっかり見られた気がする。また研究の機会があれば今度こそデータを精査したい」と悔しさをにじませた。
 活動に協力した奥州宇宙遊学館の中東重雄館長(74)は、自身が学位論文を発表するまでに約14年かけたことなどを話し「研究は時間がかかるもの。苦労し、その結果何も発見できなかったという経験は、君たちが社会人になった時に必ず役立つ」と激励した。
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tanko 2019-8-9 18:00

写真=講演する県ILC推進局の重浩一郎特命課長

 岩手県ILC推進局事業推進課の重(しげ)浩一郎特命課長は8日、奥州市役所江刺総合支所で開かれた同市ILC推進連絡協議会(会長・小沢昌記市長)総会後の講演会で直近のILC(国際リニアコライダー)を巡る動向を解説。地元大学との連携の在り方に関する聴講者からの質問に、「外国人研究者や家族の受け入れに関連した部分で、教育や看護の面での人材を育成できる可能性があるかもしれない」と私見を示した。
(児玉直人)

 素粒子物理学の国際研究施設として、本県南部から宮城県気仙沼市にかけての北上山地が建設有力候補地となっているILC。誘致実現に向け、産学官の連携によるさまざまな取り組みが進んでいる。
 この日の講演で重特命課長は、直近のILCを巡る動向などを説明。奥州市がすでに策定した「ILCビジョン」を示しながら「市と県との取り組みを連動させていきたい。現状では、いつ、何が、どうなるといった明確な期日を示すことはできないが、一歩一歩前に進んでいることは確かだ」と述べた。
 岩手大学や県立大学との連携に関しての質問には、「ILCそのものについては岩手大学の理工学部が取り組んでいるが、例えば岩手大の教育学部や県立大の看護学部のように、さまざまな学部でILCに関連した人材を育成できる可能性はあるだろう」との見方を示した。
 講演前の同連絡協総会では、本年度事業計画などを原案通り承認した。官民合わせ市内64団体で構成する同連絡協は、予算は持たず加盟各団体が誘致活動に関する情報を共有し、ILC普及活動や誘致機運の醸成など、必要な取り組みを企画している。
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tanko 2019-8-8 18:00
 奥州市は7日、本年度の統一要望24項目を県南広域振興局に示した。重点要望には「ILC(国際リニアコライダー)実現に向けた取り組み」「公立病院における医師確保」「広域生活バス路線維持対策」の3項目を盛り込んだ。本年度は近隣関係市町との「広域」の要望を新たに加え、「『束稲山麓地域の世界農業遺産』への取り組みに向けた支援」など6項目を登載。小沢昌記市長らが同日、平野直局長に要望書を手渡した。

 奥州市は、岩手県や県を通じた国への要望活動を毎年実施。水沢東町の水沢グランドホテルを会場に要望を行い、達増拓也知事宛ての要望書を小沢市長と小野寺隆夫市議会議長の連名で提出した。
 要望は新規8項目と、昨年度に続く継続16項目で構成。重点3項目はいずれも継続要望で、「ILC実現に向けた取り組み」については、日本誘致の方針を早期決定するよう国に強く働き掛けるとともに、受け入れ環境の整備や普及啓発への配慮を求めた。
 「公立病院における医師確保」は、特に産科と小児科の常勤医師の確保を要望。「広域生活バス路線維持対策」は、県単独補助事業継続と補助要件緩和による民間バス事業者の路線維持への対応を求めた。
 このうち、「医師確保」について小沢市長は「安心して生活できる基盤をつくらなければならない。県と市の連携のさらなる強化を期待する」と述べた。
 平野局長は、県が本年度策定する医師確保計画に触れ「関係機関と協議しながら実効性の高い施策を計画に盛り込み、対策を講じる」と応じた。
 「広域」の要望は、「JR東北本線の利便性向上」(新規)、「胆江地域における地域医療・介護連携の充実」(同)、「『束稲山麓地域の世界農業遺産』への取り組みに向けた支援」(同)など6項目。東北本線の利便性向上については、北上川流域の産業集積や生活環境充実につなげるため、北上駅から一ノ関駅までの運行本数増加(上下線とも平均30分1本)の働き掛けを要望した。「束稲山麓地域」については、前沢生母地区、一関市舞川地区、平泉町長島地区で構成する同地域の世界農業遺産認定について、再申請に関わる取り組みの一層の支援を求めた。
 県への要望では、新たに「えさしクリーンパークの営業継続」も加えた。2022(令和4)年度以降も営業継続を求める内容。継続を望む1万5000人超の署名、市議会で請願が採択された経緯がある。
 重点要望以外の要望項目は次の通り
【広域として県へ要望】
 ▽JR東北本線の利便性向上(新規)▽県立胆沢病院の医療体制の充実(継続)▽胆江地域における地域医療・介護連携の充実(新規)▽(仮称)新金ケ崎大橋の新設(新規)▽「平泉の文化遺産」の世界遺産拡張登録の推進(同)▽「束稲山麓地域の世界農業遺産」への取り組みに向けた支援(同)
【県への要望】
 ▽いわて地域農業マスタープラン実践支援事業の推進(継続)▽公共牧野の維持管理に対する支援(同)▽工業団地などへの企業誘致の促進に係る支援(同)▽工業用水に係る補助、助成制度の導入(同)▽一般県道玉里梁川線のバイパス整備促進(同)▽県管理河川の河道整備(同)▽指導主事の派遣(同)▽小学校英語専科教員の配置(新規)▽カヌー競技の推進(継続)▽えさしクリーンパークの営業継続(新規)
【県を通じ国へ要望】
 ▽介護保険制度の充実強化(継続)▽一般国道4号水沢東バイパスなどの整備促進(同)▽北上川における築堤などの整備促進(同)▽テレビ共同受信施設組合への支援(新規)▽基盤整備事業の推進(継続)
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tanko 2019-8-7 19:30

写真=観測に関わる説明を受ける高校生たち

 高校生が最新鋭電波望遠鏡を使って天文観測を体験する「Z星研究調査隊」の活動が6日、水沢星ガ丘町の国立天文台水沢VLBI観測所で始まった。県内外の高校生10人が8日まで3日間の日程で参加。「天の川銀河の地図作り」につながる電波探索に挑みながら、宇宙への好奇心を膨らませている。
 自然科学への興味関心を高めてもらおうと開催している恒例の活動。県高校文化連盟自然科学専門部、同観測所、NPO法人イーハトーブ宇宙実践センターが主催した。
 生徒たちは2班に分かれ、同観測所の直径20mの電波望遠鏡を活用し、天体観測とデータ解析に挑戦。生まれる星や一生を終えようとしている星の周りにある水分子が出す電波(水メーザー)を探査しており、発見は天の川銀河の地図作りにつながるという。観測結果を整理し、最終日の8日には発表会を開く。
 県立水沢高理数科2年の榊朋香さん(16)は「もともと天体に興味があり、先生の勧めもあって参加した。電波望遠鏡はめったに使えないものなので、勉強になるいい機会」と笑顔を見せた。
 生徒たちを指導する理学博士で同観測所の亀谷收助教は「電波望遠鏡の観測の仕方を知ってもらい、面白みを感じてもらえたら」と生徒たちの取り組みに期待していた。

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