人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)
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tanko 2020-8-7 11:20

写真=規約や本年度事業などを決めた東北ILC事業推進センターの総会(一関市内)

 素粒子実験施設・国際リニアコライダー(ILC)の受け入れ環境整備を具体検討する組織「東北ILC事業推進センター」が6日、発足した。胆江2市町を含むILC建設の有力候補地・北上山地周辺の16市町などで構成。センター代表には、岩手県立大学長で素粒子物理学者の鈴木厚人氏が就任した。今月2日には、素粒子分野の研究者組織・国際将来加速器委員会(ICFA)が「国際推進チーム(IDT=International Development Team)」を立ち上げている。同センターはIDTの動きと歩調を合わせながら、地元が主体となり有力候補地周辺の地質調査や研究者らの定住に対応したまづくり、ILC建設に対する地域住民の理解促進活動などを進める。
(児玉直人)

 同センターは、東北ILC推進協議会(共同代表=大野英男・東北大学総長、高橋宏明・東北経済連合会名誉会長)の内部組織だった東北ILC準備室(室長・鈴木学長)を発展解消し設立された。16市町のほか、岩手・宮城両県、東北大、岩手大、岩手県立大、岩手県ILC推進協議会(会長・谷村邦久県商工会議所連合会長)の22団体から成る。16市町の中には、宮城県栗原市など宮城県北の4市も含まれている。
 同センターが検討する事柄は仝補地周辺の環境整備など地域主導で取り組むべき課題研究者や家族の定住に対応したまちづくりC楼莉嗣韻陵解促進ぜ然環境や社会、経済への影響ッ楼荵餮擦粒萢僂篆橋臭Σ誕器関連産業の振興――など。
 研究者界からの助言を得られる組織体制とし、候補地の地元と研究者界が密接に連携しながら検討作業を進める。協議内容は候補地の地元に関する事柄が多くを占めるが、広域の受け入れに関して協議するため、東北6県に新潟県を加えた「東北七県ILC推進会議」を内部に設置する。
 一関市内のホテルで開かれた設立総会には、構成団体市町の担当職員ら36人が出席。設立経過や規約、本年度事業計画などを決めた。本年度は組織基盤強化のほか、早急に取り組むべき課題を整理し検討に入る。
 本年度の具体的事業と予算額は仝補地周辺の地形・地質調査(1300万円)港湾活用による物流の研究・検討(200万円)まちづくり、受け入れ環境に向けた検討(250万円)っ楼莉嗣韻陵解促進活動(230万円)ッ楼茲某雄爐鮓討唸む方策の検討(100万円)Σ誕器関連産業の振興方策の検討(50万円)――などとなっている。費用は構成団体の負担金で賄う。
 総会後は、鈴木学長がこれまでのILC計画の流れについて講演した。
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tanko 2020-8-6 16:50


日中韓8局の電波望遠鏡で観測したブラックホールの「ジェット」の様子(写真上)。同じ観測データの中から日本の入来、石垣、小笠原の3局のデータを外し再構成した画像(写真下)。精度が大幅に落ちてしまうのが分かる=(C)EAVN collaboration

 国立天文台水沢VLBI観測所(本間希樹所長)の秦(はだ)和弘助教は、日中韓3国の国際観測で得られたデータを使い、予算が削減された場合に発生する研究への影響を検証した。本年度当初に削減された予算が追加されないままの観測体制では、観測レベルが10〜20年前に逆戻りするほど精度が悪化することが分かった。秦助教は「海外の研究者や大学院生は、高精度の観測データを期待して研究活用をしている。仮に日本の都合で急に運用停止となっていたら、研究の質は格段に下がり、国際的信用は大きく失墜していただろう」と指摘。120年以上にわたり水沢地域にあり続ける同観測所は、今なお世界の天文学研究で大きな役割を果たしていることを明らかにした。
(児玉直人)

 秦助教が検証に使ったのは、国際プロジェクト「東アジアVLBIネットワーク(EAVN)」によって撮影したブラックホールの画像。本間所長らが直接撮影に成功し話題となったのと同じブラックホールを観測している。日中韓の電波望遠鏡8局を連携させるEAVNは、より広い範囲を観測しており、ブラックホールから噴き出している「ジェット」という現象を捉えている。
 8局のうち4局は、水沢など同観測所が運用する天文広域精測望遠鏡(VERA(ベラ))で構成。8局による観測データを基にした画像は、ブラックホールの中心部から帯状に噴き出すジェットの形や大きさなどが詳しく確認できる。
 秦助教は予算削減の影響を検証すべく、入来(鹿児島)、石垣(沖縄)、小笠原(東京)の3局のデータを意図的に除去し、画像を再構成。結果、ブラックホールがあると思われる部分は楕円形にぼんやり輝き、その周囲は薄いオレンジ色の幕が掛かったようになった。
 データを除去した3局は、追加予算措置がなければ6月末にも運用停止になる望遠鏡だった。秦助教は「人間の視力に当たる解像度が2倍以上悪くなり、ピンボケになったため、ブラックホールの中心部がぼんやりとした楕円形になった。感度の低下で雑音(ノイズ)が入り込み、周囲のもやもやとした幕のような形になった。これでは、ジェットの姿が分からない」と説明する。
 同観測所の施設名にもなっている「VLBI」は、離れた電波望遠鏡を連動させ同じ天体を観測する技法。「EAVN8局の中でも、VERAは東端と南端のほとんどをカバーしている。ここが抜けると大幅に観測の質が低下する」と秦助教。水沢を含めたVERA4局は、高精度な観測をする上で極めて重要な場所に配置されていると強調する。
 VERA観測網を運用する同観測所の安定的運用は、国内外の天文学者を育てる環境にも影響を与える。秦助教は「日本だけでなく海外の研究者、大学院生も観測データを使い研究を進めている。彼らのような存在を配慮せず、急に予算が減らされ運用停止の危機となれば、研究に生かす材料が失われる。まさに寝耳に水。特に大学院生たちのやる気は大きく失われる。信用問題に発展しかねない」と警鐘を鳴らす。
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tanko 2020-8-5 16:50

写真=ウェブ中継で水沢VLBI観測所の運用継続を要望する小沢昌記市長(左)と小野寺隆夫議長

 奥州市と市議会は4日、国立天文台水沢VLBI観測所(本間希樹所長)の活動継続に関する萩生田光一・文部科学大臣宛ての要望書を提出した。新型コロナウイルスの感染再拡大の状況を受け、要望書はすでに同省へ送付済み。同日は小沢昌記市長と小野寺隆夫議長がウェブ中継により、文科政務官の青山周平衆院議員(比例東海、自民)に要望趣旨を伝えた。
 青山政務官は冒頭、6月11日に胆江地区の天文愛好家らで組織する「VERA(ベラ)サポーターズクラブ」からも今回と同趣旨の要望を受けたことに触れ、「水沢観測所が地元の皆さんからたくさん応援を受けていると感じた」と述べた。
 小沢市長は、同観測所の前身、旧水沢緯度観測所の木村栄・初代所長が発見した「Z項」に由来する施設名などを紹介。「天文台と水沢地域は強く深く密着しており、なくてはならない存在。今回の問題は基礎科学予算全体の縮小によって起きたと思う。全体予算の拡大をお願いしたい」と訴えた。
 具体的なやりとりは10分余りにわたり、非公開で行われた。終了後、小沢市長は報道陣に「青山政務官はサポーターズクラブの要望を受けたこともあって、全体の流れを理解されているようだった。今後は地元選出議員をはじめ、基礎科学分野に造詣が深い国会関係者にも要望していく」と話した。
 同観測所は、国内4カ所に同一仕様の電波望遠鏡を配置し、高精度の天体観測を行うVERA(天文広域精測望遠鏡)観測網を運用。2年ほど前からは近隣諸国の電波望遠鏡も組み合わせた、より精度の高い国際観測事業を展開してきた。
 しかし、同天文台執行部から本年度当初予算の大幅削減方針が示され、観測網維持が困難な状況に追い込まれた。その後、予算が追加補正され年度内の観測網運用は可能になったが、来年度以降の見通しについては明確になっていない。
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tanko 2020-8-4 13:00

写真=本間希樹所長の案内で電波望遠鏡を見学する畑野君枝議員(中央)と高橋千鶴子議員(右)

 共産党の畑野君枝衆院議員(比例南関東ブロック)は3日、水沢星ガ丘町の国立天文台水沢VLBI観測所などを訪問。同観測所の本年度当初予算が大幅に削減された影響について、本間希樹所長から状況説明を受けた。畑野議員は「基礎研究が無ければ科学は発展しない。世界的にも貴重な研究をしている施設を維持できるよう、国としてもしっかり取り組んでいかなければいけない問題だ」との考えを示した。
(児玉直人)

 畑野議員は衆院の文部科学委員会、科学技術・イノベーション推進特別委員会に所属。5月28日の同特別委での質疑では、同観測所の予算削減に触れながら、日本の研究力低下に関する問題を指摘。「研究費の競争資金化や短期的に結果が出る研究が評価されている。いわゆる『選択と集中』が推進され、研究者の興味や創意に基づく自由な研究を行う環境が後退してきたのでは」と述べ、学術的な研究や基礎研究を充実させる必要性を主張していた。
 3日は、衆院比例東北ブロック選出で同党の高橋千鶴子議員や同党奥州市議団らも同行。同観測所では本間所長や同天文台の渡部潤一副台長が応対したほか、文科省の担当職員も同席した。
 本間所長は「やりたい研究はいっぱいある一方、経費削減の努力もしており、当初見込まれたコストの平均以下で運用している。われわれの研究は10年ぐらいの歳月をかけて取り組んでおり、安定して臨める環境が必要。『来年はどうなる、その次は……』という不安定な状況では観測現場は疲弊する」と訴えた。
 一行は観測所敷地内を見学後、市役所に小沢昌記市長らを訪問。小沢市長は「開所120周年、ブラックホールの撮影成功という快挙の後に、(予算削減は)何なのだという思い。未来に光を与えるためにも、基礎科学研究は必要なもの」と語った。
 畑野議員は報道陣の取材に「9月には来年度予算の概算要求が始まる。観測所が運用するVERA(天文広域精測望遠鏡)観測網4局が来年度以降も稼働できるよう、高橋議員と共に国会の場で求めていき、基礎研究予算の問題にもしっかり取り組んでいきたい」と述べた。
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tanko 2020-7-30 12:10

大質量原始星から噴出する高速ガスや水メーザーの存在をイメージした図(提供・国立天文台)

 日本の国立天文台と、韓国の天文研究院などは29日、誕生したばかりながら質量が太陽の25倍という「大質量原始星」に関する研究成果を発表。原始星から噴き出す高速ガスの複雑な構造などを解明した。原始星の観測には、同天文台水沢VLBI観測所(本間希樹所長)が運用する天文広域精測望遠鏡「VERA(ベラ)」と、韓国の電波望遠鏡群「KVN」も活用。両国の観測網による大質量原始星関係の研究成果発表は初めて。
(児玉直人)

 太陽の8倍以上の質量を持つ恒星は「大質量星」といい、大質量原始星は誕生間もない大質量星のこと。大質量星の誕生を解明することは、重金属など身近な元素がどのように生成されたかを考える上でも、重要な研究対象という。
 今回の研究では「G25.82-W1」と呼ばれる大質量原始星を観測。いて座とわし座の間の方角にあり、太陽系から約1万6000光年離れた「天の川」の中にある。
 同天文台と同研究院はVERA4局と、KVN3局の計7局の電波望遠鏡を連動させるプロジェクト「KaVA(カバ)」によって観測したほか、同天文台などがチリに設置する「アルマ望遠鏡」による観測データも活用した。研究や観測には水沢VLBI観測所のキム・ジョンハ氏、広田朋也氏ら日本、韓国、中国の研究者5人が主に携わった。
 研究の結果「G25.82-W1」は、誕生間もない“赤ちゃん星”でありながら、その質量は太陽の25倍以上あることがアルマ望遠鏡による観測で分かった。また、アウトフローと呼ばれる高速ガスが噴き出す複雑な構造が解明された。さらにKaVAによる観測で「G25.82-W1」の近くに電波源(水メーザー)を複数確認。アウトフローの詳細を解き明かす上で重要な手掛かりになるという。
 同観測所の広田氏は「KaVAが大質量星の形成に関する詳細な研究に威力を発揮することを示した重要なステップだ。中国やタイなど、東アジアの電波望遠鏡を連動させた、より高感度の観測にも発展させたい」とコメントしている。
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tanko 2020-7-29 10:10
 岩手県は昨年に続き国際リニアコライダー(ILC)誘致実現を意識し、高校生の科学技術コンテスト事業を企画した。趣旨には「ILCに関する技術の研究・開発を目指す人材を育成するため」とある。
 理工系の名門で知られるマサチューセッツ工科大学(MIT)は、学生たちにあえて最先端科学を教えないという。ジャーナリスト・池上彰氏はMITを視察した際、「科学や技術は最先端ほど陳腐化するのも早いからだ」とその理由を教えられたという。
 MITで重視しているのは教養だ。「教養は生きる上でのインフラだ」と池上氏。これがしっかりしていれば生きる目的を失わないし、逆ならばどんな秀才でも崩れると説く。
 将来ある学生たちに、今身に付けてほしいものは何であろうか。
(児玉直人)
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tanko 2020-7-20 9:00

写真=VERA観測網について解説した本間希樹所長(右)と秦和弘助教。左手前のノートパソコンの画面には、ウェブ中継で聴講する石垣島の高校生たちが映っている=水沢南地区センター

 国立天文台水沢VLBI観測所(本間希樹所長)で運用している天文広域精測望遠鏡「VERA」について理解を深める学習会が18日、水沢大鐘町の水沢南地区センターで開かれた。胆江地区の有志住民のほか、VERA観測局がある沖縄県石垣市の高校生もウェブ中継システムを使い参加。VERA観測網の重要性を説く本間所長らの解説に耳を傾けた。
(児玉直人)

 天文ファングループ「VERAサポーターズクラブ」(木村隆代表)が企画。本間所長と秦和弘助教が登壇した。
 本間所長は、観測所の歴史やVERA観測網の仕組みについて解説した。
 VERAは、水沢や石垣など4カ所の電波望遠鏡を連動させて一つの星を観測。地球が太陽の周りを公転することで、天体が見える角度に差が生じる「年周視差」を利用し、距離を正確に割り出している。このため、一つの天体の観測データを得るのに、1〜2年の時間が必要という。
 「私たち人間も左右の目の視差を利用して、物の位置や距離感を認識している」などと、身近なものを例に挙げ、観測のスケール感を分かりやすく解説した。
 同観測所の本年度当初予算が大幅削減された問題にも触れ、「国会の特別委員会でも議論になった。来年度以降の活動が確約されておらず、今後も天文台執行部と調整を図る予定だ」と説明した。
 奥州宇宙遊学館となっている緯度観測所2代目旧本館の保存活用と石垣島天文台の開設が、市民運動によって実現した成功例だと紹介。「VERA観測網の運用継続を求める動きも、市民、地元の皆さんの支援のたまものだ」と感謝の思いを伝えた。
 秦助教はVERA4局と中国1局、韓国3局の電波望遠鏡群との観測で得られたブラックホールから噴出する「ジェット」の画像を2枚紹介した。このうち1枚は、VERA4局のうち3局のデータを除外した状態の画像。8局の観測による画像と比べ非常に不鮮明だ。秦助教は「国際観測においても、VERAは非常に重要な役割を果たしていることが分かる」と強調した。
 水沢の観測所は、VERA観測網の拠点であり、国際プロジェクトに参加する研究員が滞在。さらに、理論研究に必要なスーパーコンピューター「アテルイ供廚敷地内に設置されている。「これらは、われわれの研究に必要な3要素。それが一つの研究施設内にあるのは日本でここだけだ」とアピールした。
 学習会を企画したサポーターズクラブは、同観測所やVERA観測網の維持を呼び掛ける署名運動などを展開。一方、今回ウェブ聴講した石垣市の高校生たちも、地元で署名運動を計画しているという。
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tanko 2020-7-17 13:00
 奥州市と市議会は、国立天文台水沢VLBI観測所(本間希樹所長)の活動継続を求める要望書を萩生田光一・文部科学大臣らに提出する。今月中の提出を望んでいるが、新型コロナウイルス感染者が都内などで再び増加している傾向もあり、どのような方法で提出するかは文科省と調整中という。
 要望書は、小沢昌記市長と小野寺隆夫市議会議長との連名。萩生田文科相のほか本県選出国会議員にも提出する考えだ。
 同天文台(常田佐久台長)は、同観測所の本年度当初予算を大幅にカット。国内4観測局で構成するVERA(天文広域精測望遠鏡)観測網による研究が継続困難となった。
 同天文台は6月末、年度内のVERA運用経費は追加補正した。しかし、減少した研究員らを年度途中で補充するのは難しく、長年続けてきた「銀河系の地図づくり」も初期目標に達しないまま区切りをつけることになった。
 本間所長らは新たな研究テーマを打ち出し、VERA観測網4局の維持を目指している。だが、現時点で来年度以降の事業や予算に関する担保はなく、追加補正で懸念が払拭されたわけではない。
 市は、旧緯度観測所時代から120年にわたり続く“縁”を重視。今年3月下旬に一連の問題が明らかになって以降、同天文台の監督省庁である文科省への要望を検討していた。小沢昌記市長は当初、電波望遠鏡がある鹿児島県薩摩川内市、東京都小笠原村、沖縄県石垣市の3市村も交えた要望活動の意向も示していたが、まずは奥州市単独で実施することにした。
 16日、市議会全員協議会の席上、要望書提出の概要が市側から説明された。小沢市長は「何年も続く研究を1ミリたりとも傷つけてほしくない。安定的に研究を続けてもらえるよう、お願いしたい。コロナ禍の中でできるベストな要望方法を考え提出したい」と述べた。
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tanko 2020-7-7 10:40

写真=望遠鏡キットを受け取る子どもたち。手前の三脚に取り付けられたのが、望遠鏡の完成品で筒の上にスマホなどを載せる台がある

 科学教育振興や教材開発などを手掛ける一般社団法人「TOCOL(トーコル)」(本部・岡山市と東京都渋谷区、山下リール代表理事)は、水沢星ガ丘町の奥州宇宙遊学館(中東重雄館長)を通じ、高性能手作り望遠鏡30台を胆江地区などに住む子どもたちにプレゼントした。贈られた望遠鏡は、従来の天体望遠鏡にあった設定等の煩雑さを極力なくし、誰もが気軽に楽しめるようにと同法人が開発。同館は、天文学に親しみを感じる機会になればと期待している。
(児玉直人)

 TOCOLは、立命館大学情報理工学部を中心に、産学官連携で教育振興やまちづくり、理科教材開発など多彩な活動を展開している法人。今回の取り組みは「千の星空☆プロジェクト」と銘打ち、自然災害や人口減少の影響を受けた地域に、計1000台の手作り望遠鏡を贈る事業。インターネットなどを通じた「クラウドファンディング」で事業資金を集め、寄贈を仲介する企業・団体・学校を全国から募集していた。
 宇宙を身近に感じられる天体望遠鏡での星空観察。しかし、本格的な天体望遠鏡を扱うには、一定の経験や知識が必要。精密部品を使っている上、重さもあるため、子どもが1人で設営するのは基本的に困難だ。また「体をかがませ、小さな接眼レンズに片方の目を寄せる」という体勢を取ることも、子どもや高齢者、障害がある人にとっては難しい。
 寄贈した手作り望遠鏡は、人間の視覚機能や光、色彩に関する研究を重ねてきた同法人が開発。誰でも利活用しやすくする「ユニバーサルデザイン」の概念を取り入れ、従来の天体望遠鏡が抱えていた設営・設定の難しさ、観察時のわずらわしさを可能な限り解消した。
 本体は厚紙を折り曲げて組み立てていく。スマートフォン(スマホ)やタブレット端末を取り付けると、画面を通して天体を見られる。弱視や白内障の人、高齢者や身体障害者の人でも大きな画面で、天体の様子を見ることができる。スマホでの天体撮影も簡単にでき、インターネット上への公開も容易になる。
 同館は、主催している星空観望会や科学教室などの“常連”となっている子どもたちに声を掛け、希望のあった4〜14歳に寄贈。5日夜に開かれた贈呈式で、同館サイエンススクールリーダーで、国立天文台OBの花田英夫さんが、一人一人にキットを手渡した。
 花田さんは「頑張って製作して、月や惑星を見て楽しんでほしい」と呼び掛け。市立水沢小学校3年の千葉朝陽君(8)は「月や火星を見てみたい」と張り切っていた。
 子どもたちに寄贈された望遠鏡キットは、市販もされている。詳しくは同法人が開設するウェブサイト( https://www.tocol.net/panda/ )へ。
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tanko 2020-7-7 10:30

写真=お手製のロケットを打ち上げる団員

 日本宇宙少年団水沢Z分団(亀谷收分団長、団員40人)の本年度第3回定例活動は5日、胆沢総合体育館と胆沢陸上競技場で開かれた。団員たちは「ペットボトルで水ロケットを作る」と題し、空気圧で発射するロケットを製作し、威勢よく空に打ち上げた。
 本年度は市内を中心に一関市、平泉町、盛岡市から団員が加入している。同日の活動には、小学1年から高校2年まで25人が参加した。
 参加団員たちは、体育館で家族と協力してロケットを製作。ペットボトルの胴体に紙パックの翼を装着し、ビニールテープやペンで装飾し完成させた。
 水ロケットは、水を入れたペットボトルの内部に自転車の空気入れて圧力をかけ、引き金の役目を果たすレバーで発射させる仕組み。打ち上げへわくわく顔で競技場に集まった団員たちは、力作のロケットが水を噴射して空へと吸い込まれていくと、「やった」「すごい」と喜んでいた。
 本年度から入団した市立常盤小2年の吉田蒼さん(7)は、ビニールテープで星とハートの形をデザインしたロケットを作った。「発射するまでどきどきして、水しぶきが出た途端に目を閉じてしまった。初めて作ったけど面白かった」と目を輝かせた。
 亀谷分団長(63)は、子どもたちに伝わるように物理法則を教えることを心掛けており、「少しでも科学に関心を持ってもらえたら」と期待を込めている。

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