ILC誘致にも弾み 多言語ウェブサイト開設へ(奥州市国際交流協会)
- 投稿者 :
- tanko 2013-2-8 16:40
多文化共生の地域づくりを促そうと、奥州市国際交流協会(佐藤剛会長)は17日、「奥州市多言語ウェブサイト」を開設する。市内で暮らす外国人市民に不可欠な生活情報を日本語を含め5カ国語で紹介。完成したサイトは水沢区で同日開かれるトークショーで公開される予定で、北上山地が有力候補地とされる国際リニアコライダー(ILC)誘致にも弾みがつきそうだ。
同協会によると、市内には現在、21カ国計500人弱の外国人市民が暮らしている。東日本大震災を機に外国人向けの防災情報を求める声が一段と強まったことから、同協会は専用サイトの開設を検討。財団法人自治総合センターの地域国際化推進助成事業の補助を受け、市と共同で準備を進めてきた。
同サイトで扱う言語は日本語に加え、英語、中国語、韓国語、タガログ語。防災や納税、医療、福祉、教育、観光など各分野の情報を提供するほか、「外国人市民が紹介する奥州市」と題したコーナーも設け、市内の飲食店や産直などの魅力を外国人の視点で順次紹介する。将来的には双方向性を高め、外国人と日本人の市民同士の交流の場となるよう工夫を重ねる考えだ。
生活情報もサイト開設後の要望に沿って追加する方針。開設時の情報は、電気の使用開始時の連絡先や水道料金の明細票の見方、冬道での運転の注意点など多岐にわたる。医療機関での診察については「基本的に順番は受け付け順。ただし歯科などは予約が必要な場合がある」などと丁寧に説明し、外国人市民が抱く不安の解消に努める。
同協会は、17日午後1時半から水沢区横町のメイプル1階で開く「とっても知りたい!外国人のホンネ」と題したトークイベントの席上、完成したサイトを来場者にお披露目。同協会の職員が現在詰めの作業を進めており、アドレスも17日までに決まる見込みだ。
素粒子物理学の大規模研究施設のILC建設をめぐって、今夏にも北上山地か脊振山地(北九州)に国内候補地が絞り込まれる見通し。ILC運用後、外国から研究者やその家族らが数千人規模で市内外に滞在するとみられ、研究者らの日常生活も支える同サイトはILC誘致も後押ししそうだ。
同協会の佐藤近義理事は「外国人市民をお客さまとして迎えるだけでなく、日本人と外国人が互いに助け合って暮らす地域づくりにつながれば」と期待する。
写真=奥州市多言語ウェブサイトの作成を進める市国際交流協会の関係者