ILC撤回は「困難」(昨年の県政提言91件)
- 投稿者 :
- tanko 2019-4-10 14:50
昨年1年間、岩手県に寄せられた苦情を含む提言の受理件数は91件で、前年より39件少なかった。100件を下回るのは「少なくとも東日本大震災以降、初めて」と県広聴広報課。ほとんどの提言は趣旨に沿って対応、または実現に向けて努力しているが、素粒子実験施設「国際リニアコライダー(ILC)」誘致を撤回するよう求める提言だけが「実現が極めて困難」と位置付けた。一部住民から出ている不安の声に説明を尽くす一方で、誘致活動を見直す考えはないことを示した。(報道部次長・児玉直人)
提言の受理方法は、県政懇談会の席上で受け付けたのが52件で、全体の57.1%。次に多かったのが電子メールによる受理で、32件(25.4%)だった。
内容別に見ると、最も多かったのが「復旧・復興」に関するもので9件(9.9%)。「教育」「職員に対する苦情」が共に8件(8.8%)。「産業振興」関連が7件(7.7%)。「ラグビーワールドカップ」関連が5件(5.5%)などと続く。
震災復興や県立病院事業、県立高校再編など、住民に関心の高い話題があると、県民からの提言件数が増加する傾向がある。しかし、昨年は特定の分野や話題に対する提言が少なく、件数も1〜3件程度と少数ながら、分野が多岐にわたったという。
提言の県政への反映状況は、「趣旨に沿って措置した」が40件(44.0%)、「実現に向けて努力している」が48件(52.7%)。合わせて88件(96.7%)について、県が提言内容を尊重する格好で取り扱った。
一方、「当面実現が不可能」とされたのは、「審議会の発言者と会議録などの全面公開」と「宮古・函館フェリー航路の開設」の2件。審議会関連の情報公開については、受理した内容が、県が定めた情報公開の基準を超える中身の提示を求める趣旨だった。フェリーについては、宮古・室蘭間の航路開設を受けての提言とみられるが、同課は「可能性はゼロではないが、すぐに対応できるものではないという判断だった」と説明する。
「実現が極めて困難」とされたのは、「ILC誘致の撤回」の1件のみ。ILCを巡っては有力候補地である、北上山地近傍の一部住民から、安全性や県などによる誘致活動に疑問を唱える声が出ている。県は、ILC実現を目指す素粒子物理学者らとともに、リスク管理の説明などに努め理解を求めている。ただし、撤回するよう求める提言に対しては、「県としても推し進めているプロジェクトであり、撤回という考えには至らない」(同課)としている。
提言の受理方法は、県政懇談会の席上で受け付けたのが52件で、全体の57.1%。次に多かったのが電子メールによる受理で、32件(25.4%)だった。
内容別に見ると、最も多かったのが「復旧・復興」に関するもので9件(9.9%)。「教育」「職員に対する苦情」が共に8件(8.8%)。「産業振興」関連が7件(7.7%)。「ラグビーワールドカップ」関連が5件(5.5%)などと続く。
震災復興や県立病院事業、県立高校再編など、住民に関心の高い話題があると、県民からの提言件数が増加する傾向がある。しかし、昨年は特定の分野や話題に対する提言が少なく、件数も1〜3件程度と少数ながら、分野が多岐にわたったという。
提言の県政への反映状況は、「趣旨に沿って措置した」が40件(44.0%)、「実現に向けて努力している」が48件(52.7%)。合わせて88件(96.7%)について、県が提言内容を尊重する格好で取り扱った。
一方、「当面実現が不可能」とされたのは、「審議会の発言者と会議録などの全面公開」と「宮古・函館フェリー航路の開設」の2件。審議会関連の情報公開については、受理した内容が、県が定めた情報公開の基準を超える中身の提示を求める趣旨だった。フェリーについては、宮古・室蘭間の航路開設を受けての提言とみられるが、同課は「可能性はゼロではないが、すぐに対応できるものではないという判断だった」と説明する。
「実現が極めて困難」とされたのは、「ILC誘致の撤回」の1件のみ。ILCを巡っては有力候補地である、北上山地近傍の一部住民から、安全性や県などによる誘致活動に疑問を唱える声が出ている。県は、ILC実現を目指す素粒子物理学者らとともに、リスク管理の説明などに努め理解を求めている。ただし、撤回するよう求める提言に対しては、「県としても推し進めているプロジェクトであり、撤回という考えには至らない」(同課)としている。