人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)
投稿者 : 
tanko 2013-10-22 12:10
 水沢南自治振興会(佐藤義雄会長)はこのほど、水沢南地区センターで「国際リニアコライダー(ILC)講演会」を開き、地域住民ら約80人がILCの社会的意義、誘致後の課題などに理解を深めた。
 いわてILC加速器科学推進会議の小野寺喜美男さんがILCの概要などを解説。市ILC推進室の及川健室長は「ILC実現の課題と市の対応」と題して講演した。
 及川室長はスイスの素粒子実験施設、欧州合同原子核研究所(CERN)の事例を挙げ、ILC実現への課題点などを指摘。世界中から研究者を集めるため、生活環境の整備が不可欠という。
 外国からの研究者の滞在期間は3〜5年、90%が配偶者同伴と予想される。「手続きなどを1カ所で済ませられる相談窓口の開設が必要。家族が安心して暮らせる医療、教育体制の構築も欠かせない」と説明した。
 ILC建設地には、外国人が地域社会に溶け込めるように住居、就労などの支援も求められる。「生活環境の整備は外国の研究者一家の長期滞在を可能とし、市民生活の充実にもつながる」と理解を促した。

写真=ILC誘致後の課題などに理解を深める参加者たち
投稿者 : 
tanko 2013-10-20 5:30
 ILC計画を推進する国際的な研究者組織「リニアコライダー・コラボレーション(LCC)」の副責任者を務める村山斉氏は19日、LCCが17日に実施した北上山地視察について「非常に安心した」と振り返った。ILCに対する地元の期待に感謝しつつ「大プロジェクトは、何が起こるか分からない」とも語り、冷静に見守る“忍耐力”を求めた。

 村山氏は19日、東北ILC推進協議会主催の講演会に、高エネルギー加速器研究機構(KEK)名誉教授の吉岡正和氏、ILC戦略会議議長の山下了氏とともに講師として招かれ、ILC計画の意義などを解説した。
 終了後、胆江日日新聞社の取材に応じた村山氏は「今までは地図や資料だけで見ていた場所を実際に訪れてみて、あらためて安心した。山はなだらかだし、思ったより店や町もあるという印象を受けた。一緒に視察した(LCC最高責任者の)リン・エバンス氏も、同じように感じていた」と笑顔で語った。
 北上山地での国際設計がいよいよ本格化することに村山氏は「地域の皆さんには、これからもいろいろと助けていただければ」と述べた。その上で「国際的な大プロジェクトでは何が起こるか分からない。関係国との交渉がうまく進展しないことだってあり得る。実際、アメリカのとある地下実験場は、10年以上前に計画されていながら、今だ実現されていない」と説明。「(ILCも)辛抱強く待つことが求められる」と述べ、誘致に向けた盛り上がりの中にも、冷静に事の経過を見守る姿勢が必要になることを訴えた。
 村山氏は東京都出身で、東北大学に助手として勤務した経歴を持つ。現在は、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構・機構長として、科学界の若きリーダーの一人として国内外で活躍。難解な素粒子物理の世界を分かりやすく解説する講演会や書籍を出版するなど、一般市民や子どもたちへの科学の普及にも力を注いでいる。
(児玉直人)
写真=村山斉氏
投稿者 : 
tanko 2013-10-20 5:20
 【仙台市=報道部・児玉直人】
 国際リニアコライダー(ILC)の国内候補地選定作業を実施したILC立地評価会議の上部組織、ILC戦略会議議長の山下了氏(東京大准教授)は19日、仙台市内で、候補地評価の経過などを一般向けに説明した。東北での一般向け説明は初。山下氏は、研究成立を最重要視した結果、北上山地が最適との評価に至ったことを強調した。

 山下氏の報告は同日、東北ILC推進協議会が主催する講演会の中で行われた。
 立地評価会議は山下氏ら委員8人で構成。科学的な見地から国内2カ所の候補地を絞り込む作業を進め、8月23日に北上山地が最適とする評価結果を公表した。
 北上山地は海抜100mの山腹にトンネルを掘るため、地上からのアクセストンネルは短くていいほか、トンネルよりも標高の低い場所に、地中で生じた排水を流すこともできる。
 一方、脊振山地はトンネルのルート上に市街地や海に近い河川が横切っているため、トンネルは一部が海抜0m以下になる場所もある。このため、山間部に差し掛かった部分では、地表からトンネルまでの距離が長くなるため、アクセストンネルの工費や建設時間の増加になってしまう。また、ルート上にあるダム湖の存在もネックとなった。
 脊振山地は、九州最大都市の福岡市も近いことから、生活の利便性では北上山地周辺を上回る機能を有している。しかし山下氏は「研究者が快適に過ごすという点は確かに大切だが、それ以上に研究自体が成立しなければ意味がない」と強調した。
 「国内候補地が北上山地となったことは、世界の候補地になったことだ」と山下氏。「大差がついている評価結果をひっくり返そうとして、プロジェクトの実現が失敗した――という結果が、歴史上はっきり示されている」と述べ、今回の結果が最終的なILC建設のゴーサインを出す際にも最大限尊重されるようくぎを刺した。

写真=ILC候補地選定の経過について説明する山下了氏
投稿者 : 
tanko 2013-10-18 5:50
 国際リニアコライダー(ILC)計画を推進する国際的な研究者組織、リニアコライダー・コラボレーション(LCC)の幹部が17日、北上山地を初めて視察。最高責任者のリン・エバンス氏は、ILC立地評価会議が選定した同山地について「評価は適切なものであったと強く感じた」と述べ、今後はKEK(高エネルギー加速器研究機構)を拠点に、北上山地に見合った詳細設計を進めていくことを明らかにした。さらに早期に国際交渉に着手できるよう、誘致建設に向けた日本政府の意思表示に期待を込めた。

 視察団一行は、一関市大東町内の加速器トンネル想定ルート地点や江刺区の国立天文台地球潮汐観測施設などを訪問。同区伊手(いで)の伊手地区センターでは、地質調査で採取された花こう岩のサンプルなどを見た。
 現地視察後、水沢区内のホテルでエバンス氏は達増拓也知事や小沢昌記市長らと懇談。その後、記者会見し「日本の研究者組織の中で二つの候補地を絞り込んで北上山地とした。その後、国際的な評価によってこの選定結果は適切だと判断した。今回、実際に訪れてみて、その評価が適切なものだったとあらためて思った。北上山地において詳細な設計をしていく」と述べた。
 日本政府に対しては「日本が『ILCをホストするための準備をしたい』と、明確に提言をすることで、国際的な交渉が始まる」と、国際交渉の開始に向けた意思表示を求めた。
 一部市民団体が懸念している放射能や自然環境へのリスクについて「注意深く対処すべき問題だ」と強調。その上で「ILCは世界で最も厳しい環境や放射能の基準を満たせるよう設計している。加速器を動かせば放射能は発生するが、その規模はLHC(欧州合同原子核研究機関=CERN=にある加速器実験装置)と比べものにならないほど小さい」と説明した。
 会見に同席した達増知事は「地元として必要な環境をしっかり用意していかなくてはいけない」と話した。
(児玉直人)

写真=北上山地の立体地形図を見るリン・エバンス氏(右)(伊手地区センター)
投稿者 : 
tanko 2013-10-18 5:40
 LCC最高責任者のエバンス氏は17日、現地視察後の懇談で国内候補地として最終選考まで名前が挙がっていた九州の脊振(せふり)山地について「九州の候補地でもさまざまな準備や提案をしてくれたことに感謝している。候補地選定は純粋に技術的な理由によるものだった」と理解を求めた。
 その上で「九州地域も何とかILCプロジェクトの中に組み込むような体制ができないか考えたい」と話した。
 ILC国内候補地の選定結果をめぐっては、九州の誘致団体などから結果や説明に納得がいかないとする声が上がっていた。
投稿者 : 
tanko 2013-10-18 5:30
 リニアコライダー・コラボレーション(LCC)の幹部が国際リニアコライダー(ILC)候補地の北上山地を視察した17日、市は訪問先の会場に歓迎する看板を掲げるなど、ILC計画に対する地元の期待の高さを示した。昼食会場では、同市江刺区の名産「江刺りんご」が振る舞われ、市内の見どころを紹介する写真パネルも展示。限られた時間の中で北上山地周辺や同市の魅力をアピールした。

 今回の現地視察は、15日に東京大学で開かれた国際シンポジウムに合わせて計画。LCC最高責任者のリン・エバンス氏ら国内外の研究者は、16日夜に岩手入りし一関市内のホテルに宿泊した。
 一関市内の視察地を経て昼ごろに江刺区の伊手(いで)地区センターに到着。センターの入り口には、日本語と英語の歓迎看板が掲げられた。近くの産直施設「源休館(げんきゅうかん)」脇にも「Welcome ILC」と書かれた小さな看板が設置された。
 同地区センターには、北上山地や市内の魅力をPRしようと、市内5区の観光地や祭典、自然美を捉えた写真パネルを準備。昼食時間のデザートには「江刺りんご」も振る舞われた。
 写真パネルは水沢区内のホテルで開かれたレセプション(交換会)の場にも展示。小沢昌記市長がエバンス氏らに、祭りの内容などを説明した。小沢市長は胆江日日新聞社の取材に「いろいろと限られた中ではあったが、市として可能な範囲で幹部の皆さんのおもてなしをした。好印象を持ってもらえたと思う」と話していた。
写真=伊手地区センターに掲げられた歓迎看板(上)と、LCC幹部に紹介するために準備された観光地などのパネル写真
投稿者 : 
tanko 2013-10-16 9:30
 【東京=報道部・児玉直人】素粒子物理学の国際的な研究者組織「リニアコライダー・コラボレーション(LCC)」最高責任者のリン・エバンス氏(インペリアル・カレッジロンドン教授)は15日、東京大学で開かれたシンポジウムで、大規模研究施設、国際リニアコライダー(ILC)の国内候補地に選定された北上山地について、「非常に良い候補地だ」と明言。日本でのILC実現に期待を込めた。

 シンポジウムはLCCなどが主催し開催。エバンス氏のほか、米ブルックヘブン国立研究所のマイク・ハリソン氏、NPO法人J―Win理事長の内永ゆか子氏、宇宙飛行士の山崎直子氏、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構機構長の村山斉氏が登壇し、ジャーナリストの池上彰氏が司会を務めた。
 ILCの国内候補地は当初十数カ所挙げられていたが、その後、地質や都市環境などの面で優位な北上山地と九州北部の脊振山地の2カ所が残っていた。
 ILCは世界に唯一の大型研究施設となり、世界中から研究者とその家族が集まることや関連施設、産業が集積することが見込まれている。このため北上、脊振両山地の地元自治体や経済団体などが熱烈な誘致活動を展開してきた。
 国内の素粒子研究者らで組織する同評価会議は8月23日、北上山地が最適とする結果を公表している。
 シンポジウムでエバンス氏は「北上山地は何時間もかけて協議し、多くの専門家が非常に良好な候補地だと判断した。私もそう思う」と述べながら、欧州合同原子核合同研究機構(CERN)とILCとが同時に研究を進めることが科学界にとって「非常に有意義」と強調。日本での建設実現に期待を込めた。
 司会の池上氏が「東北にこれを造ろうという点でも非常に意義があるのでは」と問い掛けると、内永氏は「もう日本にはこの種のビッグプロジェクトは当分こないかもしれない。しかも、東京や大阪など都市部ではない東北の北上山地でやろうという点は非常に意義深い」と応じ、震災復興の観点などから見ても魅力あるプロジェクトであることを訴えた。
 この日登壇したエバンス氏、ハリソン氏、村山氏らは17日、国内候補地選定結果公表後、初めて北上山地を訪問する。

写真=「北上山地は良好な候補地」と話すリン・エバンス氏(東京大学伊藤国際学術研究センター)
投稿者 : 
tanko 2013-10-16 9:20
 国際リニアコライダー(ILC)計画の学術的意義や科学技術立国への新たな道筋について考えるシンポジウムが15日、東京大学で開かれた。ILC実現には幾多のハードルが控えるが、海外研究者らがILCがもたらす計り知れない効果について触れ、あらためて日本への建設実現に期待を込めた。会場には、ILC向けに設計された「超電導加速空洞」の試作品も展示され、来場者の注目を集めた。

 8月に北上山地がILC国内候補地に決定して以来、初めて開かれるシンポジウム。「宇宙の謎に迫れるか! 国際リニアコライダー計画」をテーマに、学術的意義や産業面からの期待などについて理解を深めた。
 前半は東京大カブリ数物連携宇宙研究機構長の村山斉氏と、三菱重工取締役会長の大宮英明氏が基調講演した。
 村山氏は、難解にとらわれがちな素粒子物理学や加速器研究について、「宇宙はどうやってできたのか、私たち人類はどこからきたのという子どもが思うような素朴な疑問をターゲットにしている」と切り出し、加速器を使った実験やノーベル物理学賞で話題となった質量を生み出す素粒子「ヒッグス粒子」について分かりやすく説明した。
 大宮氏が会長を務める三菱重工はILCに使用する「超伝導加速器空洞」の開発に携わっている。大宮氏は「ILCはさまざまな分野の工学、土木業種の力を必要とする」などと述べ、日本の産業界が大きな役割を果たすことになると強調した。
 ILCは電子と陽電子をほぼ光速の状態に加速し、その衝突現象をとらえる精密実験措置。電子、陽電子が駆け抜ける通り道が「超電導加速空洞」で、シンポジウム会場には同社が手掛けた試作品が展示され、来場者の注目を集めていた。
 ILC実現に向けては今後、国際間交渉による費用分担や人材確保などの課題を2、3年かけて協議、解決していく流れ。国際交渉が順調に進んだとしても建設までに約10年の歳月が必要となる。
 パネルディスカッションで登壇した宇宙飛行士の山崎直子氏は、国際宇宙ステーションの構想から建設、完成までにも相当の年月を要したことを例示。その上で「ILCには科学だけでなく産業や外交など幅広い分野が関わる。いろいろな可能性を秘めた事業だ」と期待を込めた。
(児玉直人)

写真=シンポジウム会場に展示された「超電導加速空洞」を興味深げに見入る来場者ら
投稿者 : 
tanko 2013-10-10 9:10
 国際リニアコライダー(ILC)計画を推進する国際的研究者組織「リニアコライダー・コラボレーション(LCC)」最高責任者のリン・エバンス氏(インペリアルカレッジ・ロンドン教授)や幹部研究者ら8人が、17日に北上山地を初めて視察する。LCCは候補地の地形に準じたより詳細な国際設計を進める予定で、今回の視察はそのステップになるとみられる。北上山地が事実上、世界唯一のILC候補地に選ばれて以来、重要ポストに位置する国内外の研究者が現地視察するのは初めて。

 現地入りするLCC幹部は、エバンス氏と▽村山斉氏(東京大国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構長)▽マイク・ハリソン氏(米ブルックヘブン国立研究所教授)▽スタイナー・スタプネス氏(ノルウェー・オスロ大教授)▽山本均氏(東北大大学院教授)▽ブライアン・フォスター氏(英オックスフォード大教授)▽ハリー・ウィーツ氏(米アルゴンヌ国立研究所)――に、秘書担当者を加えた計8人。
 村山氏はLCCの副代表、ハリソン氏はLCC内のILC部門代表、山本氏は物理・測定器部門の代表をそれぞれ務めている。オックスフォード大教授のフォスター氏を除く6人は、8月に発表された国内候補地の選定作業または、評論(レビュー)にも携わっている。
 関係者によると、LCCのエバンス氏らは8月の国内候補地一本化直後から「いち早く北上山地を訪れたい」と希望していたという。今月�t日、東京大学で開かれるILC国際シンポジウムにエバンス氏やハリソン氏、村山氏が登壇。翌�u日には、ILC建設候補地として北上山地が最適とする評価結果が文部科学省に提出されることもあり、このタイミングでの現地視察となった。
 視察を受け入れる県によると、一行は一関市や江刺区内を視察後、水沢区内のホテルで記者会見に臨む。LCC幹部のほか、リニアコライダー国際推進委員会委員長の駒宮幸男氏(東京大素粒子物理国際研究センター長)、ILC戦略会議議長の山下了氏(同センター准教授)らも同行。記者会見には達増拓也知事も同席する。
 LCCは今年2月に発足。建設候補地が北上山地に絞り込まれたことで、LCCは今後、現地の地形や地理要件に合わせたILC施設の設計に着手する。これまで架空の場所をイメージしていたが、より具体的な施設の姿が描かれる。
 
写真=リン・エバンス氏(C)KEK
投稿者 : 
tanko 2013-10-10 9:00
 国際都市をつくる人材に必要なのは「能力」と「やる気」――。元岩手県知事で日本創世会議座長の増田寛也氏は9日、市文化会館(Zホール)で講演し、国際リニアコライダー(ILC)の北上山地建設実現に伴う国際研究都市の形成や人材育成について「子どもたちの得意分野を伸ばすことと、前向きな方向へと進むやる気が掛け合わさることが重要」と強調。「いい地域づくりを実現できるかは、前向きなやる気次第だ」と訴えた。

 講演会はILCの地元推進団体「いわてILC加速器科学推進会議」(亀卦川富夫代表幹事)が主催。増田氏のほか、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の吉岡正和名誉教授も講師に招かれた。
 増田氏は「ILCで築く地域の未来」と題し、ILCをめぐる直近の政財界の動向にも触れながら持論を展開。ILC誘致とオリンピック誘致の違いについて「オリンピックは既に定めたルールに基づき開催都市が決定する。一方、ILCは、費用負担も含めたルール作りからスタートしなければいけない」と説明した。
 「日本が国際的なルール作りの先頭に立ち、2015年ぐらいまで真剣に交渉する必要がある。だが、日本にとっては初めてのことであり、多少苦手な部分かもしれない」と指摘。今後の日本政府の動きに注目が集まるが、「特に主担当となる文部科学省に対しては、理解して動いてもらう環境が必要。そのうねりを岩手、宮城両県がつくってほしい」と要望した。
 地域づくりに関しては、自然や文化など地域固有の資源を生かすことに加え、そこに生きる人材の育成について言及。「(能力×やる気)+つながり力」という独自に考えた方程式を示した。つながり力は、人脈やネットワークを意味するという。
 「子どもたちがそれぞれ持っている魅力、得意分野を引き出していくことで能力はゼロではなく100へと近づく。しかし、能力があってもやる気がゼロであれば、プラスにならない」。さらに「後ろ向きな姿勢は、やる気をゼロどころかマイナスにしてしまう。実際に各地を視察する中、せっかくの良い話も、足を引っ張られて頓挫した――という事例をよく聞く。やる気次第で、いい地域づくりにつながるし、決してマイナスにしてはいけない」と強調した。
 吉岡氏は、ILCの研究意義やがん治療への発展などについて解説した。

写真=ILC計画に絡め、地域づくりと人材育成について持論を述べる増田寛也氏(Zホール)

当ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は胆江日日新聞社に帰属します。
〒023-0042 岩手県奥州市水沢柳町8 TEL:0197-24-2244 FAX:0197-24-1281

ページの先頭へ移動