人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)
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tanko 2014-5-1 9:20
 まさにシンプル・イズ・ベスト! 奥州市ILC推進室が製作したILC(国際リニアコライダー)PR用のオリジナルのクリアファイルが、ひそかな人気を呼んでいる。ILC関連の会議や外国人研究者らの視察時に配布するもので、デザインを重視する欧米人のハートをつかむことはできるか――。
 「ILCの広報担当者と会談する機会があり、日本の観光パンフレットは説明文が長く、写真が小さいなどと指摘を受けた」と同室の亀井帝主任。「欧米人が好むようなデザインにしよう」と職員間で検討し、伝統的工芸品・岩谷堂箪笥の飾り金具や市内景勝地や祭典の写真を大きく配置。文字は「ILC in JAPAN」「Oshu City・Iwate」のみとした。
 手始めに、このほど東北ILC推進協議会総会や奥州商工会議所ILC推進委員会の出席者にお披露目を兼ねて配布。「とてもいいデザイン」と好評だった。次は外国人研究者の反応も見たいところだ。
(児玉直人)

写真=奥州市が製作したILCクリアファイル
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tanko 2014-4-26 9:30
 県南広域振興局(遠藤達雄局長)は本年度、若者や女性のパワーと魅力に着目した地域づくり事業に力を注ぐ。地域経営推進費を活用し、観光情報発信や伝統工芸後継者育成、就職支援など、若者や女性を意識したさまざまな取り組みを展開する。
 岩手県は、東日本大震災からの本格復興や地域振興を図る上で、若者や女性が持つパワーに着目。今年2月、達増拓也知事は「いわて若者活躍支援宣言」を発表し、NPO・文化国際課と青少年・男女共同参画課を統合して環境生活部内に「若者女性協同推進室」を設置した。
 県南局もこの動きに連動し、ものづくり産業を中心とした地場企業の振興、世界遺産「平泉」を核とした観光事業、地域農業の振興、国際リニアコライダー(ILC)の誘致実現など従来の取り組みに、若者や女性の参加を促す事業を企画。「若者や女性が躍動する県南圏域づくり推進事業」として、本年度地域経営推進費から501万7000円を振り分け、各種事業を展開する。
 若者の活躍を後押しする事業では、伝統工芸や農業の後継者育成に関する取り組みを実施するほか、医療分野への進路選択を支援するセミナーなどを開催。学生向けの企業見学会の開催など、若者の地元定着を図る。
 女性ならではの感性や視点を生かした事業として、観光地域資源の発掘や情報発信などを予定。ILC誘致活動に絡め、理系女子が集まる会合の開催も計画している。また、女性が活躍できる場を広げる策として、農業経営への参画を支援する取り組みや、ものづくり業界における女性社員らによる連携の実現なども進める方針だ。
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本年度の地域経費
県と市町56事業に総額1億2000万円
 県南広域振興局の本年度地域経営推進費が決まり25日公表された。同局が直接実施する34の県事業に6853万4000円、市町が実施する�{の市町事業に5139万1000円が割り当てられた。
 観光集客や農林畜産業の振興、産業人材育成など、地域特性に応じた行政施策に県予算を配分するのが目的。
 県事業は、ものづくり人材の育成やILC誘致活動など34事業を推進。このうち、484万3000円を充てる「脱脳卒中宣言事業」では、生活習慣病予防に向けた専門研修の充実などを図る。
 市町事業への配分は補助金的な性質がある。奥州市は前年度より3事業少ない3事業が対象だが、配分額は387万7000円増の753万1000円。新規事業として、地元企業からの相談や助言を受け付ける「産業支援センター」の設置を目指す。
 金ケ崎町は前年度より1事業多い4事業。配分額は474万1000円少ない275万2000円。城内諏訪小路伝建群地区に建設を進めている歴史資料館「金ケ崎要害歴史館」の開館記念式典や企画展の開催に111万9000円を配分した。
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tanko 2014-4-25 13:50
 北上山地への誘致が期待されている素粒子研究施設・国際リニアコライダー(ILC)計画を踏まえ、奥州市は本年度中にも誘致実現後の都市像などを描いた「まちづくりビジョン」の策定作業に着手したい意向だ。24日、奥州商工会議所の第2回ILC推進委員会(委員長・千葉龍二郎同商議所会頭)で、奥州市担当者が今後の取り組み方針として明らかにした。ILC誘致が正式決定した際、速やかに対応できるよう早期にビジョンの取りまとめを進めたい考えだ。
 ILC計画に関しては、政府としての正式な協議などが始まり、ここ2、3年のうちに日本政府による実施判断が下される見通しにある。
 奥州市はこうした流れを受け、政府判断が出るタイミングを見据えながら国際研究都市にふさわしいまちづくりビジョンの検討に入りたい意向だ。同日、水沢区東町の同商議所で開かれた推進委で講演した奥州市ILC推進室の及川健室長は「ILC建設が正式に決まった段階になって、市に何のビジョンも無いとなれば非常にまずい。市として早めにビジョンを描きたい」と述べた。
 併せて産業集積に向けた取り組みも推進する考え。加速器製造に関連したものづくり産業だけではなく、研究都市を支えるサービス関連産業も含めて地場企業の機運醸成を図る構えだ。
 質疑応答で「商工会議所や民間団体に望むことは何か」との問いに、及川室長は「22日に開かれた東北ILC推進協での講演会で、社会参加型プロジェクトを実施してほしいとの話題が出た。皆さんが得意とする分野を生かしながら、参加者自身も楽しみながら進められるようなプロジェクトができればと思う。ILCを迎えようとする機運の盛り上げにつながるだろう」と話した。
(児玉直人)

写真=ILCに関する市の今後の取り組みが示された奥州商議所ILC推進委の会合
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tanko 2014-4-25 9:30
 県立水沢商業高校(佐々木康博校長、生徒334人)の商業研究選抜の生徒たちと水沢区吉小路の銘菓処高千代(高橋一隆社長)は23日、共同開発した奥州市産米粉使用の焼き菓子「こめんしぇ」の収益の一部を「ふるさと納税」として奥州市に寄付した。
 こめんしぇは一昨年、同選抜メンバーと高橋社長(39)が地産地消による地域活性化を目指し開発。市内外のイベントや高千代の店舗などそれぞれ販売し、昨年度の収益から同校は1041円、高千代は1万8648円をそれぞれ寄付した。寄付者が使い道を指定できる「ふるさと納税制度」を活用し、農商工の産業活性化や国際リニアコライダー(ILC)計画に役立ててもらう。
 同日、同選抜メンバーの及川結菜さん(17)=商業科3年、佐藤真知子さん(18)=同、佐藤杏美さん(16)=同科2年、青野莉花さん(16)=同=と高橋社長ら7人が奥州市役所本庁に小沢昌記市長を訪ね、目録をそれぞれ手渡した。
 及川さんは「こめんしぇを通じて、たくさんのイベントに参加して学ぶことも多かった。市の商品として売り出してほしい」と要望。小沢市長は「昨年に引き続き寄付いただきありがたい。就職活動時に今回の活動が生きてくる。ますます頑張ってください」と激励した。
 こめんしぇは、高千代の店舗や盛岡市菜園の特産品プラザ「らら・いわて」で販売されている。
写真=小沢昌記市長に、ふるさと納税の目録を手渡した高千代の高橋一隆社長(中央奥)と水沢商業高校の生徒たち
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tanko 2014-4-23 5:20
 【仙台市=報道部児玉直人】 国際リニアコライダー(ILC)計画を推進する東京大学素粒子物理国際研究センター准教授の山下了氏は22日、仙台市内のホテルで講演。北上山地が事実上、世界唯一の候補地となった今こそ、「社会参加型のプロジェクトを展開する時期。子どもたちの意欲を高めるような躍動感ある取り組みを始めるべきだ」と強調した。

 山下氏は、同日開催された東北ILC推進協議会(代表・里見進東北大学総長、高橋宏明東北経済連合会会長)の本年度総会終了後の特別講演の講師として招かれた。「ILC推進に関わる最新の状況と今後の取り組みについて」と題して最近の動向を紹介。候補地の地元が今取り組むべきことを提言した。
 政府は本年度予算に調査検討費5000万円を計上。文部科学省内では、政府としての正式な協議が始まった。山下氏によると、関係国間との協議も一部始まっている。
 ただ、これら政府内の動きや関係国間との折衝の推移などは、候補地の地元地域からは見えにくいのが現状。中央での協議が進む一方で「候補地周辺の地域は、具体的に何をすべきか」が問われているという。
 山下氏は子どもや若者たちを巻き込むような「社会参加型プロジェクト」を地域が主体で実施すべきだと提言。「今を楽しむという雰囲気が大切。地域づくりの企画を募集したり、お祭り的なイベントをやったりするなど、子どもたちや若者、民間企業の意識を高める取り組みが必要。これがオールジャパンの機運へとつながると思う。地域の人たちが今から知恵を集め、楽しみながらやらなければいけない」と力説した。
 「中央省庁が主体となりプロジェクトを進め、住民意見の反映やプロジェクト参画は、ほぼ形が出来上がってしまったずっと後――というのが今までのやり方。そうではなく、最初から地域主導で参加型のさまざまな事業を展開してほしい」と呼び掛けた。
 同日の推進協総会では、東北以外の組織・団体の入会を認める規約改正などを原案通り承認。政府に対し、国家プロジェクトとして早期に位置付けることなどを求める要望書の内容を決議した。

写真=「地域主体でILCに関する社会参加型の取り組みを実施すべきだ」と強調する山下了氏(仙台市内のホテル)
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tanko 2014-4-22 7:30
 東北ILC推進協議会(代表・里見進東北大学総長、高橋宏明東北経済連合会会長)は、ILC(国際リニアコライダー)の誘致実現を強力に進めるため、会員対象を東北以外の関係者にも拡大する。22日に仙台市内のホテルで開かれる本年度総会に規約の一部を改正する議案が提出される。本県からは達増拓也知事、小沢昌記奥州市長らが出席する予定だ。
 同協議会は、東北加速器基礎科学研究会として2009(平成21)年4月に発足した。当初はILCへの理解を深めることに重点を置き活動していたが、2012(同24)年7月に「ILCを核とした東北の将来ビジョン」を策定、公表したのを機に同協議会に改組。東北へのILC誘致実現を前面に打ち出した活動を展開してきた。
 会員は胆江2市町を含む地方自治体や大学、企業、ILC誘致団体などで構成しており、今月2日現在で128会員が加盟している。
 同推進協事務局の東北経済連合会(東経連)によると、現規約には会員の範囲について「東北地方」と明記されている。本年度総会では、この条件をなくす規約改正案を提出。会員範囲を“東北限定”とせず、幅広い賛同者を募ることにしている。組織名の「東北」はそのまま維持する。
 総会ではこのほか、国などに提出する要望内容について決議。ILC誘致を国家プロジェクトとして早期に位置付けるよう求める。
 総会後はILC計画に関する最近の動向と今後の流れについて、東京大学素粒子物理国際研究センターの山下了准教授が講演する。
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tanko 2014-4-12 9:50
 県や市は、国際リニアコライダー(ILC)の候補地である北上山地の周辺地域をPRする動画を相次ぎ制作。インターネット動画サイト「You Tube」で公開している。ILC建設が正式決定した場合、国内外から多くの研究者、技術者の中長期滞在が予想される。東北や岩手の生活の様子、文化などを知らない外国人も多いとみられることから「動画を見てもらい、将来安心して赴任してもらいたい」と、担当者らは願いを込めている。
(児玉直人)


 これまでもILCに関係する動画は存在。ネット上などで公開されてきたが、主に研究内容や施設概要を紹介するものや、国内候補地一本化に先駆け、各候補地の地元誘致団体が制作したものが主流だった。
 昨年夏、国内候補地に北上山地が選ばれたが、ILC建設に正式なゴーサインが出れば、工事の段階から技術者や研究者が現地周辺に滞在すると言われている。海外から訪れる人は家族連れで赴任するため、候補地周辺の生活環境などは特に気になる要素だ。
 日本や東北に足を運んだことがない研究者らにも、候補地周辺の雰囲気を感じ取ってもらいたいと、県や市は生活環境や文化などを紹介するPR動画を相次ぎ制作。一部はすでに公開されている。
 県は「Cool 北上」のタイトルで観光や生活、教育などをテーマにした4動画を制作。それぞれ日本語、英語、中国語、フランス語に対応した内容を用意した。
 一方、市は市国際交流協会(佐藤剛会長)と、インターナショナルILCサポート委員会(ビル・ルイス委員長)との共同でシリーズ動画「Oshu for you」を制作。現在、3作目まで公開している。
 市の動画は、同サポート委に所属する外国人市民の考えや視点を尊重し、取り上げたいテーマや紹介したい施設などを選んでいる。
 最新版は「レジャー」がテーマ。胆沢区のひめかゆスキー場と温泉を紹介している。案内役の外国人市民は、冬季五輪の日本選手団用に製造されたジャケット(注※)を着用し登場。同区内の縫製工場で作られた旨を説明するなど、高い技術を持った企業が候補地周辺に点在していることを同時にアピールしている。
 撮影や編集を担当している市ILC推進室の亀井帝(あきら)主任(35)は「ILCに関係する研究者が、いずれこの地域に住むかもしれない。北上山地と言われても分からない人も多いと思うので、動画を見てもらい好印象を持ってもらえたら」と話す。
 外国人向けのほかにも、県が制作した子ども向け解説動画もこのほど公開された。人形劇によって進められる内容で、宮沢賢治をモデルにした先生が、2人の子どもにILCで分かることなどを解説する。
 県制作の動画は、県公式サイト右下「プロジェクト」欄にある「国際リニアコライダーを東北に」を選択。表示された項目一覧の中から見たい動画を選ぶ。市の動画は、検索サイトを利用し「奥州市ILCウエブサイト」を表示。左側に表示されるメニュー「Oshu for you」を選択する。

写真=ひめかゆスキー場の様子を紹介する外国人市民。地元の縫製工場が手がけた五輪選手用のジャケットを着用し、ものづくり企業が数多く立地していることもアピール(市制作動画「Oshu for you」から)

※注…実際にはレプリカとして作られたものを着用し撮影。
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tanko 2014-3-25 15:00
 「国際リニアコライダー(ILC)」「アテルイ」「復興ボランティア」――。本県を題材にした漫画作品集が20日に発売された。「県知事責任編集」と銘打つ。水沢区出身の吉田戦車さんら本県ゆかりの漫画家13人14作品の競演である。
 吉田さんは、ILCを題材にギャグ漫画化。「伝染(うつ)るんです」などで知られる人気漫画家が100年後の県南部を描いた。ILC誘致を経て、発展した郷土の未来像がほのぼのとした笑いを誘う。
 盛岡市や衣川区に在住経験のある五十嵐大介さん=埼玉県出身=のテーマは、盛岡の「さんさ踊り」。幼い息子と娘がさんさに魅了される様子がほほ笑ましい。
 代表作「ときめきトゥナイト」の池野恋さん(花巻市出身)は、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」がモチーフ。「ゴーガイ!岩手チャグチャグ新聞社」で話題の飛鳥あるとさん(一関市出身・在住)は「アテルイ」を描く。
 単行本「コミックいわて」はこれまでに2冊発行。第3弾の今回は、「コミックいわてWEB」で配信した13作品に描き下ろし1作品を加えた計14作品の収録である。掲載漫画の題材紹介MAP、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」や「ILC」の紹介などもある。
 同WEBは県が提供する無料漫画配信サイトで、漫画を活用して本県の魅力を伝える「いわてマンガプロジェクト」の一環。2013年9月に運用を始めた。
 全国書店などで発売。県政策地域部政策推進室の兼平俊亮さんは「岩手の魅力を詰め込んだ1冊。楽しみながら、岩手を好きになってもらえたら」と期待。県民にとっても、新鮮な感覚で郷土の良さを味わう機会になりそうだ。(県 銀杏社 700円+税)

写真=表紙画は吉田戦車さん。「コミックいわて from WEB」(C)Sensha Yoshida/Comic Iwate from WEB
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tanko 2014-3-24 8:50
 岩手県が児童・生徒向けに制作を進めていた国際リニアコライダー(ILC)計画の解説動画が完成し、23日、盛岡市の岩手教育会館で披露された。難解とされる素粒子物理学の研究分野を分かりやすく説明。国際研究都市を見据えた有益な取り組みの一例として、金ケ崎小学校で行われている英語活動の様子も紹介された。県は今後、小中学校や高校などにも配布し活用してもらう考えだ。
(児玉直人)

 これまでのILCに関する講演会や説明会は、物理学者をはじめ地域政策の有識者が講師に招かれ、内容が大人向けであることが多く、聴講者もILCに関心がある人や行政、商工業関係者らが中心だった。このため県などは、次代を担う子どもたちや将来的に地域のリーダー的な存在となる子育て中の親世代に興味や関心を向けてもらう方法を模索していた。
 制作した動画は、宮沢賢治をイメージした先生役などが登場する人形劇風の構成。イラストやコンピューターグラフィックス(CG)、実際の研究現場の様子なども交えながら、分かりやすく宇宙誕生の謎に迫るILC計画を解説している。
 外国人研究者やその家族も地域に滞在することから、国際研究都市に対応したまちづくり、人づくりも求められる。その先進事例として、町立金ケ崎小学校が実施している英語による校内放送の様子なども取り上げられた。
 同日は約200人が来場。会場入り口にはILC計画のパネルや開発中の加速器の部品も展示され、注目を集めた。
 子ども2人と訪れた花巻市の会社員多田利枝さん(42)は「新聞などでILCという言葉は知っていたが、動画を見て実際にどのようなことが行われるか分かった。子どもに質問されても簡単なことなら答えられる」と満足そうな表情だった。
 会場では動画披露に加え、国立天文台の渡部潤一副台長や高エネルギー加速器研究機構(KEK)の藤本順平講師らによる講演や座談会も行われた。県政策地域部の大平尚・首席ILC推進監は「今回は小学高学年以上の子を想定した内容だったが、思った以上に幅広い層が集まった。ILC計画に関しては『とっつきにくい』という声も多く、その壁をどう破るかが課題だった。完成した動画は学校や地域の説明会などで活用していきたい」と話していた。

写真(上)=児童・生徒向けに制作されたILC解説動画
写真(下)=子どもたちの姿が多く見受けられた会場の展示ブース
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tanko 2014-3-17 10:00
 市内在住の外国人や日本語サポーターを対象にした年金・健康保険・介護保険研修会は15日、水沢区吉小路の市水沢地域交流館(アスピア)で開かれた。日本人でも理解しにくい社会保障のシステム。専門家を招き、分かりやすく解説した。
 北上山地が国際リニアコライダー(ILC)の建設予定地に決まり、胆江地区にも長期滞在する外国人の増加が予想される。日本で快適に生活する一助にしてもらおうと市国際交流協会(佐藤剛会長)が初開催し、中国や韓国、フィリピンなど外国人市民ら10人が受講した。
 花巻市の社会保険労務士鈴木幸子さんが講師を務めた。医療保険、介護保険、年金の手続きや受給の方法をポイントを押さえて紹介した。
 日本の社会保障制度の中でも特に年金制度は国民年金、厚生年金、共済年金など加入や受給のシステムが複雑で、日本人でも戸惑う人が多いという。「収入がなくても免除制度があるので活用して」と鈴木さん。「紹介した制度は基本的なこと。例外もあるので、困った時は身近な人や労務士に相談してトラブルを避けてほしい」と呼び掛けた。
 このほか、県国際交流協会の外国人専門相談員の呉慧敏(ご・けいびん)さんが、社会保険に関するトラブルやよくある相談を事例を交えながら紹介した。
写真=アスピアで開かれた外国人向けの社会保障研修会

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