人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)
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tanko 2015-4-23 10:40
"Calling for the Early Realization of the ILC: Researchers the World Issue Tokyo Statement"
In English http://www.city.oshu.iwate.jp/htm/ilc/english/news.viewer.html?prm=2015042300

 【東京=児玉直人】 国際リニアコライダー(ILC)計画を推進する国際研究者組織、リニアコライダー・コラボレーション(LCC)最高責任者のリン・エバンス氏は22日、ILCに携わる国内外の研究者を代表し、ILCの早期実現などを主張する「東京宣言」を発表した。同日、東京大学本郷キャンパス・伊藤謝恩ホールで開かれた「ILC東京シンポジウム」の席上で示された。巨額な費用と技術の国際分担が可能になる仕組みづくりについて、政府間協議が加速するよう研究者サイドも努力する姿勢を明確にした。

 シンポジウムは、20日から24日かけ茨城県つくば市で開かれている国際会議「アジアリニアコライダーワークショップ(ALCW)2015」に合わせ企画。LCCと、日本の産学官連携ILC誘致組織・先端加速器科学推進協議会(AAA、会長=西岡喬三菱重工相談役)が主催し、本県関係者を含め300人余りが参加した。
 同宣言は、LCCとALCW2015に参加している研究者の総意として発表。ILCが早期に実現すべき計画であることを強調するとともに、ILC建設への意欲や実現に向けた科学者界の取り組みなども盛り込んだ。
 エバンス氏は「われわれはILCの実現を切望しているが、現在、日本政府においてプロジェクトの評価をしていることについて深く謝意を申し上げる」とした上で、「国際的な費用や技術分担の仕組みを構築する必要がある。政府間協議の促進へ私たち科学者が役立つよう努力する」と述べた。
 シンポジウムでは、日本創生会議座長で前岩手県知事の増田寛也氏が、人口減問題と地方創生を絡めながらILC誘致の意義を主張。続くパネルディスカッションでは、LCCのエバンス氏や東京大学の相原博昭副学長(物理学)らが登壇し、ILCの科学的意義や日本誘致実現をめぐり意見を交わした。
 相原氏は文部科学省が設置しているILC有識者会議について「文科省が一つのプロジェクトにこれほど真剣に議論を尽くすことは、かつてなかった。海外から見れば、日本政府の動きがスローに見えるかもしれないが、周りとの調和を図りながら進めている。もどかしいかもしれないが『やるな』という人は一人もいない。道筋さえ見えるようになれば、個人的な意見だが実現すると思う」との見解を示した。
 エバンス氏も「(ILCを)必ず日本で造れると確信している。技術基盤もある。来年の今ごろには、(日本政府による)よい結果が出てほしい」と期待を込めた。

写真=ILCの日本誘致実現に対する期待などの声が上がった国内外研究者によるパネルディスカッション(東京大・伊藤謝恩ホール)
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tanko 2015-4-22 8:55
"MEXT Panel of Experts Meeting " (Article Summary)
In English http://www.city.oshu.iwate.jp/htm/ilc/english/news.viewer.html?prm=2015042200

 【東京=児玉直人】 文部科学省の国際リニアコライダー(ILC)に関する有識者会議(座長・平野真一名古屋大学名誉教授)の第3回会合は21日、東京・霞が関の同省3階特別会議室で開かれ、科学的意義やコスト、人材などに関する二つの作業部会が中間報告した。海外との費用負担の枠組みや国民理解の形成、コストの考え方に対しさまざまな課題が示されたことから、今後さらに議論を深める方針。年度内に政府の日本誘致判断の参考材料となる検討結果をまとめる予定だが、十分な議論を尽くしたいとの考えが委員の間に強く、平野座長は「ゴールはまだ決めていない。不確定な部分をより詰めていきたい」と話している。

 有識者会議は昨年5月に設置。国内の理系大学教授ら13人で構成している。早ければ本年度中にも検討結果を取りまとめる。会議内には、科学的意義や投資効果などを協議する「素粒子原子核物理作業部会」と、世界の研究者らがまとめたILCの技術設計報告書(TDR)の内容を検証する「TDR検証作業部会」を設置。誘致する上でのメリットや解決すべき課題を洗い出している。
 3回目の会議は両部会の検討状況について中間報告が行われた。
 このうち素粒子原子核物理作業部会からは、「巨額な経費を要する国際プロジェクトであることから、日本の財政状況を鑑み、国際協力による応分の経費負担を前提に進めるべきだ」「国民や他の科学分野の理解・協力を得る必要がある」「ILC誘致の判断が遅れた場合は国際的求心力が失われる可能性があるため、判断の遅延を招かない体制を整備する必要がある」などの留意点が示された。
 他の学術分野に対する理解構築に関し、法政大学理工学部の岡村定矩教授は「ILCが高エネルギー科学の分野の研究だと思っているうちは、(特定研究分野に巨額予算がつぎ込まれるという恐れから)なかなか抜け出せない。さまざまな分野の基本になっていることを調べるのだという認識を広めないといけない」と指摘した。
 東京大学大学院理学研究科の横山広美准教授も国民理解について言及。「国の財政が厳しく、社会保障の在り方などに関心が向く中、日本の未来にとって夢の投資とできるか考えなくてはいけない。国民目線に立った説明が求められる」と強調した。
 このほか、日本学術振興会の京橋倫久監事は「人材確保や育成に関する方策も考えるべきだ」と提言。既存の2作業部会に加え、新たに人材に関する作業部会を設置することを確認した。
 次回会議は6月に予定。終了後、平野座長は「2年をめどにまとめるとしているが、議論のゴールはまだ決まっていない。やるからにはしっかりとした議論をしたい」と話していた。

写真=ILC国内誘致をめぐる課題点などを議論した文部科学省の有識者会議第3回会合(東京・霞が関)
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tanko 2015-4-21 5:40
 奥州市国際交流協会(佐藤剛会長)は今月1日から、岩手県立胆沢病院(勝又宇一郎院長)と医療通訳システムの運用を進めている。素粒子実験施設・国際リニアコライダー(ILC)の北上山地誘致実現を意識し、国際研究都市の構築に向けた具体的な取り組みとして今後、注目を集めそうだ。同協会は同病院での通訳システム導入を足掛かりに、通訳が派遣できる医療機関や対応可能言語の数を増やしたい考え。ILC関連の視察で24日に市内を訪れる海外研究機関の広報担当者にもPRする予定だ。
(児玉直人)

 ILC実現を見据えたまちづくりを進める上では、地域の国際化が重要なポイント。ILCに携わる外国人研究者やその家族を受け入れるための仕組み作りが求められる。
 医療をめぐる環境もその一つ。医療保険制度や治療に対する考え方が国によって異なるケースがあり、正確な意思疎通を図る上では言葉の壁をクリアしなくてはならない。
 同協会は昨年度、市の補助を受け医療通訳ボランティアの養成事業を進めていた。多文化医療サービス研究会=神奈川県=の西村明夫代表らを講師に招き、5回にわたる研修を実施。最終選考を経て、市内外から集まった17人が医療通訳ボランティアとして登録された。
 通訳派遣を受けられるのは、同協会と覚書を交わした医療機関のみ。責任の所在や双方の役割を明確にした上で対応する必要があるためで、「医療機関も協会も、患者さんの命を扱うという点を特に重要視している」と同協会の渡部千春事務局長は説明する。
 通訳の派遣は「日本語の会話が困難な外国人患者が訪れた」など、医療機関側が通訳の必要性を判断した上で行われる。医療機関から派遣要請を受けた同協会は、登録者リストの中から派遣可能な通訳者を探し、病院に向かうよう伝える。
 胆沢病院では運用開始後、中国人患者に対する通訳派遣があった。再来患者で、来院する日も事前に把握できていたこともあってスムーズに対応できた。
 同病院の河野聡事務局長は「外国人患者の滞在期間によっても適応される保険が違う。お互いに確認したいことが言葉の壁によって阻まれてはよくないので、通訳者の存在は非常にありがたい」と話す。現時点で対応できるのは英語と中国語、韓国語の3カ国語のみだが、「ILCが実現したら、さらに対応できる言語を増やしてもらえたら」と希望する。
 同協会は今後、同病院以外にも派遣可能な医療機関を増やしたい考え。対応できる言語やボランティア数の増加、能力向上にも力を注ぎたいとしている。
 今月24日には、ILC候補地視察のため、海外の素粒子物理学研究施設の広報担当者ら12人が県南地域を視察。奥州宇宙遊学館では、奥州市内外の外国人市民らで組織する「ILCサポート委員会」との意見交換が予定されており、医療通訳システムについてもPRする。
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tanko 2015-3-31 9:30
 理系コースを選択している女子高生を対象にした「理系女子サイエンスカフェ」は30日、奥州市水沢区東町の水沢サンパレスホテルで開かれた。北上山地への誘致が期待される国際リニアコライダー(ILC)について認識を深めてもらおうと県南広域振興局が主催。ILCを実現させる意義やメリット、安全面などについてグループ討議し、「もっとILCを知る機会がほしい」など科学談義に花を咲かせた。(児玉直人)

 水沢、一関第一の両県立高校から理系コースに在籍する1、2年生355人が参加。国際研究者組織、リニアコライダー・コラボレーション(LCC)でコミュニケーター(広報・情報伝達者)を務める高橋理佳さんを講師に招いた。
 高橋さんはILCの研究概要などに触れながら「ILCは科学をする施設。よく『ILCは何の役に立つのか』という質問を受けるが、分からないものを調べるのが科学であり、科学の成果を利用し役立つものを作るのは科学技術」と説明。現代生活に必要不可欠な電気を例に挙げ「科学が先になけば、私たちの生活に役立つものは生まれない」と強調した。
 日本政府がまだ正式にILC誘致を決めていないことに、生徒からは「政府はあまり前向きに考えていないのか」という質問も。高橋さんは「たくさんのお金がかかるので、政府が慎重になるのは当然。しかし、時間と労力をかけている国はほかにない。ゆっくり着実にという日本風のやり方で進めているのだと信じたい」と述べた。
 生徒同士のグループ討議では、それぞれの夢を語りながら、ILC計画に対し意見を交わした。
 「ILCが来れば、岩手に世界が来るようなもの」「報道関係に就職して、研究成果や魅力を伝えたい」「地域活性化に役立つ」といった意見の一方、「安全面をよく考えた上で建設してほしい」「ILCが来ることで失われるものはないか」「森林伐採や地震の影響はないのか」といった声も。討議を進めるうちに「先にデメリットを考えてしまうが、説明や学習の機会があれば前向きに考えられると思う」「生活の変化に対する不安はあるかもしれないが、ILCは実現してほしい」などの意見で各グループまとまった。
 「安全面やデメリットに関しての情報提供も、私たちはもっとやっていく必要がある」と高橋さん。生徒たちに向け「ILCを利用し、皆さんの夢をさらに膨らませてほしい。ILCの周知を図るため、女子高生ならではのアイデアを寄せてもらえれば」と呼び掛けた。
 水沢高校1年の亀甲由香里さん(16)は「難しい分野だと思って今までは敬遠していたが、話を聞いて思ったよりも楽しく簡単に考えられた。これからももっと目を向けたい」と話していた。

ILCに関するグループ討議で助言するLCCコミュニケーターの高橋理佳さん
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tanko 2015-3-30 9:31
"Showing Candidate Site Enthusiasm (Many New Publicity Goods Made)"
In English http://www.city.oshu.iwate.jp/htm/ilc/english/news.viewer.html?prm=2015033000

 国際リニアコライダー(ILC)誘致を盛り上げようと、岩手県や奥州市はコミック冊子やポスターなど新たな広報物を相次ぎ作成。さらに県は4月に千葉市で開かれる大型イベントにPRコーナーを開設し、首都圏などの若年層にILC情報を発信する。新年度は国の有識者会議が検討結果をまとめるなど、国内候補地決定に続く大きなヤマ場がある。地元の熱意をさらに高める取り組みを進める一方、全国的認知度が低いことからさまざまな手法でPR強化に乗り出している。(児玉直人)

 年度明け直後にILCをめぐる動きは慌ただしい。
 高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)では4月20日から24日にかけ国際会議「アジア・リニアコライダー・ワークショップ2015」が開催される。関連行事として、22日には東京大学で最新の計画進捗状況などを伝えるシンポジウムを開く。同会議後には、ILCの広報業務を担当する職員一行が奥州市などを視察する計画もあるという。
 研究者界の動きとは別に、同21日には文部科学省のILC有識者会議(第3回会合)が開かれ、これまで作業部会が整理してきた協議事項の中間報告が示される見通し。有識者会議は2015年度中に政府誘致判断に影響する検討結果をまとめる段取りだ。
 そんな中、県や奥州市、KEKは一般向けのILC周知広報物を続々と作成した。これまでも色々な広報物が作られたが、今回は児童・生徒や一般市民に対し、ILCを身近に感じてもらうために工夫を凝らしたものが目立つ。
 このうち県作成のコミック冊子「ワタシの夢科学の未来」は、宇宙に興味を抱いている少女が主人公。研究者並みの知識を持ち合わせているが、両親が営む青果店も継ぎたいと考えている――というストーリーだ。ILCは理系の研究者のみならず、さまざまな仕事や夢を持った人たちが活躍できる場面があることを中心に伝えている。
 奥州市ILC推進室は、小学生向けのポスターを2種類制作。新年度にポスターコンクールを予定しており、その呼び水にする狙いもある。4月以降、市内全小学校や地区センター、児童センターに配布し掲示してもらう。
 このほかにも、4月25〜26日に千葉市で開かれる大型イベント「ニコニコ大会議」に、県がILCのPRコーナーを開設する。
 同イベントは著名インターネット動画サイト「ニコニコ動画」の運営会社が主催。さまざまな文化や趣味、芸能、政治・経済、先端技術、産業などに関する展示が繰り広げられ、若年層を中心に多数来場している。達増拓也知事が同動画サイトの会員になっている縁もあり、首都圏を中心とした若年層にILC計画をアピール。全国的な認知度を高める足掛かりとする。

写真=岩手県や奥州市、KEKが作成した新しいILC広報物
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tanko 2015-3-27 14:30
"Putting Full Effort Into Japan-wide PR (Lecture by Iwate Prefecture ILC Pref. Division Director)"
In English http://www.city.oshu.iwate.jp/htm/ilc/english/news.viewer.html?prm=2015032700

 岩手県科学ILC推進室の宮昌隆ILC推進課長は26日、奥州市水沢区星ガ丘町の奥州宇宙遊学館で講演し、新年度のILC(国際リニアコライダー)誘致をめぐる県の取り組みについて「全国にILC計画をアピールしていく必要がある。行政のみならず、一人一人が発信元になってもらえれば」と呼び掛けた。
 いわてILC加速器科学推進会議(亀卦川富夫代表幹事)の総会に合わせた記念講演で、宮課長は同会議員ら56人を前にILC誘致活動の動向や今後の見通しについて述べた。
 「県北や沿岸ではまだ弱いが、県内全体で6割の人が『ILC』を知っているとの報道もある。しかし、全国に目を向ければまだまだ認知されていない」と宮課長。その主な理由として▽日本政府がILC計画を正式に了承していない▽在京主要メディアに取り上げられない▽候補地から離れた地域ではなかなか関心が高まらない――ことなどを列挙した。
 県は4月に首都圏で開かれるシンポジウムやイベントを通じILCのPRを展開する予定。「行政だけでは限界があるので、皆さんが情報の発信元になるつもりで幅広くPRしてもらえれば」と訴えた。
 同推進会議総会では、新年度事業や予算などを承認。新年度から県立大学学長に就任する高エネルギー加速器研究機構(KEK)の鈴木厚人機構長を招いた講演会を7月25日に開催。2013(平成25)年度に制作したILCテキストの改訂版の発行も予定している。
写真=ILCを全国に周知する必要性を訴える宮昌隆課長
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tanko 2015-3-26 14:20
 北上山地への国際リニアコライダー(ILC)誘致機運を盛り上げる一環として、JR東北新幹線水沢江刺駅構内の「南岩手交流プラザ」をILC情報発信拠点として活用すべきだとの声が浮上している。重要実験設備が集まる中央衝突点の想定地に至近の新幹線駅であり、同山地を国内候補地に選定した「ILC立地評価会議」が新幹線沿線への中央キャンパス設置を強く推奨していることなどから「水沢江刺駅の持つ優位性を無駄にしてはならない」と誘致関係者。奥州市ILC推進室は新年度、同プラザの活用について検討するという。(児玉直人)

 同プラザは、旧水沢市が「南岩手物産館」の名称で1985(昭和60)年3月の駅開業と同時にオープン。胆江地区のほか、沿岸の気仙地区(大船渡、陸前高田、住田の3市町)や平泉町、旧東山町の物産を紹介している。開設した背景には、請願駅である同駅の建設費を全額地元で用意するため、気仙地区など広域市町村に募金協力を求めた経過があった。
 しかし入館者が芳しくなく、PR機能が十分に発揮されていないなどの指摘があり、1999年2月に内容を見直し改装。待合室やレンタカー案内機能などを兼ね備えた現在の姿になっている。
 駅開業から今年で30年。昨今のILC誘致の高まりを機に、再び同プラザの在り方が見直されようとしている。奥州市の観光事業関係者の1人は「その場で購入できない物産を展示しているだけでは面白みに欠ける。観光物産情報のPR方法を見直すと同時に、ILC関連情報発信の場としても活用したほうが有意義。市のILC推進室を移設させてもいいくらい」と提唱する。
 難解な物理研究の世界や誘致の意義を視覚的に分かりやすく伝えるため、ILC誘致関係者の間では、以前から常設展示空間の必要性を求める声があった。水沢区の奥州宇宙遊学館内にもILC関連の解説展示物があるが、遊学館の見学を目的に来た人でなければ目にする機会はない。
 奥州市と同じく誘致に力を入れている一関市では、JR一ノ関駅の新幹線コンコースにILC地下実験施設の模型を設置している。
 いわてILC加速器科学推進会議の亀卦川富夫代表幹事は「駅開業30周年の今年は、国の誘致判断に影響するILC有識者会議の議論も詰めの段階に入るとみられる。今こそ地元の意気込みを示す重要な時期だ」と強調。「衝突点想定地から近く、中央キャンパスの設置構想なども踏まえれば、水沢江刺駅の果たす役割は非常に大きい。そのような場にこそ情報発信拠点を設けるべきで、積極的に進めてほしい。候補地視察に訪れた国内外研究者の目にもとまる」と訴える。
 同推進室の及川健室長は「新年度事業の中に、水沢江刺駅における普及啓発の検討を新たに取り入れた。交流プラザが開設された経過なども踏まえ、管理を担当している商業観光課と調整を図りながら対応していきたい」と話している。

写真=水沢江刺駅構内の「南岩手交流プラザ」。ILC計画の常設PR拠点として活用すべきだとの声が上がっている
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tanko 2015-3-24 9:40
"ILC City Planning Vision and Oshu City`s Plans for Financial Year 2015 (Oshu City Council "Association for Bringing the ILC")"
In English http://www.city.oshu.iwate.jp/htm/ilc/english/news.viewer.html?prm=2015032400

 奥州市は、ILC(国際リニアコライダー)誘致を意識したまちづくりビジョンの策定支援業務を?都市計画設計研究所(東京都新宿区)に委託、12月に策定する方針だ。23日開かれた市議会ILC誘致及び国際科学技術研究圏域調査特別委員会(渡辺忠委員長、議長除く全議員27人で構成)で示した。
(若林正人)

 同ビジョンは、市民と話し合いながら策定する「ILCを奥州市のまちづくりに生かすための地域の将来像」と、具体的な候補地を想定した上で策定する「メーンキャンパス(中央研究所)候補地として提案するためのキャンパスデザイン」で構成される。市は、専門的な立場で助言するアドバイザーを委嘱するなどしてビジョン策定を推進。ILC関連の計画立案の実績のある同社に策定支援を委託し、基礎資料の作成などを求めている。
 市は、ILC関連の新年度事業計画に関して、同ビジョン策定に加え、ILC計画の周知、受け入れ機運の醸成や、ILC実現を見据えた環境整備を基本に進める方針。同調査特別委で及川健ILC推進室長は、市内児童対象のポスターコンクールの実施や、岩手大と連携した普及啓発グッズの作成などを予定しているとした。
 小沢昌記市長は同調査特別委の冒頭、「国の動向を見守る状況にあるが、岩手、東北のILC推進協の各団体と十分に協議するのを前提に、市としても進めるべきはちゅうちょなく進めたい。市民の切望するILCであることを内外に広く周知することが重要。2015年度が一つの大きなヤマ場と捉えている」とあいさつした。

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市議会も一丸 議連設立(岩手県内市町村議で初)


 国際リニアコライダー(ILC)の北上山地への誘致実現を目指し、奥州市議会は23日、任意団体・ILC誘致推進議員連盟を立ち上げた。全議員28人が賛同し、設立総会で市議会ILC調査特別委員長の渡辺忠氏(奥和会)を会長に選んだ。同議連は当面、ILC関係の特別委を設置済みの盛岡、一関両市議会に連携を呼び掛けたり、奥州市国際交流協会と懇談したりしながら実現への動きを加速させる。
 議会事務局によると、ILC関連の議員連盟は県議会では設置されているが、県内市町村議会で立ち上げたのは奥州市が初めてという。
 設立総会には全議員が出席し、副会長に小野寺重副議長、幹事長に同調査特別委副委員長の佐藤郁夫氏(市民クラブ)を選任。幹事7人や監事2人は各会派などから選んだ。
 同議連は規約上、賛同した議員で構成。総会では規約や役員体制を決めたほか、新年度事業として
 1…県議会や県内各議会、関係機関・団体との連携
 2…国会議員らへの訪問
 3…開発構想の各エリア(研究機関・産業集積・交流住居・コミュニティーエリア)研究
 4…宣伝活動
などを計画した。役員の任期は2年で、事務局は市議会内に置く。年会費は1人5000円。
 渡辺会長は「地域の皆さまにも呼び掛けしながら進めたい。まずは機運を高めることが大切。ILCを誘致した場合のさまざまな絵を描きながら、まちづくりの発端となるものをつくり上げたい」とあいさつした。
写真=市議会国際リニアコライダー誘致推進議員連盟の設立を宣言する渡辺忠氏
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tanko 2015-3-18 15:50
 奥州市議会予算審査特別委員会は17日、商工観光、農林、農業委員会事務局の3部門を集中審議した。小沢昌記市長は、将来の市の発展のためには東北新幹線・水沢江刺駅周辺の開発が必要との認識を示した。
 商工観光部門の審議で、佐藤邦夫氏(市民クラブ)は「ILC(国際リニアコライダー)誘致を見据え、夢のある話をすべきだ」とし、水沢江刺駅周辺の開発の必要性を説いた。これに対し小沢市長は「水沢江刺駅周辺の大開発は、市のこれからの発展に欠かすことができない。ILC誘致を含めて、より具体性を持って進められるよう努力したい」と述べた。
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tanko 2015-3-17 15:50
 仙台市で開かれた国際リニアコライダー(ILC)関連のフォーラムで、講師を務めた大学教授が震災復興やILC誘致を見据えた広域的な都市計画構想が示されてないと指摘。近代都市計画の祖と言われる後藤新平を引き合いに出しながら、「新平がこの状況を知ったら嘆く気力もないだろう」と述べた。
 胆江地区は新平をはじめとする偉人の出身地であったり、ゆかりの地であったりする。市内にはさまざまな記念館やゆかりの地があり、有志市民らによる「顕彰会」も活動している。
 偉人の存在は歴史や文化、景観とともに地域の宝。せっかくの宝物を今の時代に生かさなくては「宝の持ち腐れ」となってしまう。歴史を知り学ぶにとどまらず、それを今必要な行動に生かしてこそ、偉人の功績はより輝きを増すのではないだろうか。(児玉直人)

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