人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)
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tanko 2013-6-2 8:40
 5月30日に都内で開かれた、国際リニアコライダー(ILC)関連のシンポジウムで東京大の山下了准教授が、ユニークな「たとえ話」をしてくれた。素粒子研究の対象は「元気」「勇気」「気持ち」「やる気」など、人の心情を表現する言葉に入る「気」みたいなものだという。「そういうものがあるのは分かっている。しかし、その正体は何なのか、謎の部分が多い」。素粒子研究もそれに似ているというのだ。
 過日、私はある音楽家を県内の小学校に案内した。児童たちと歌を歌ったが「いつも以上に声が出ていた」と、学校の先生は大喜び。子どもたちの気持ちを「何か」が高めてくれたのだろう。
 金子みすゞの「星とたんぽぽ」の一節ではないが、見えぬものの存在意義はとても大きい。
(児玉直人)
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tanko 2013-6-1 5:10
 国際リニアコライダー(ILC)の国内誘致要望活動のため都内を訪れていた、東北ILC推進協議会の幹部は31日、高エネルギー加速器研究機構(KEK)と日本原子力研究開発機構(JAEA)が共同運営する、茨城県東海村の大強度陽子加速器施設「J−PARC」内で発生した放射能漏れ事故について、誘致運動への影響は特にないとの見解を示した。
 同事故は5月23日、敷地内にある「ハドロン実験施設」で発生。KEKが担当する実験の最中に発生した。装置の誤作動により放射性物質が飛散。換気装置を作動させたために、屋外に放射性物質が排出された。これまでに、研究従事者ら34人の被ばくが確認されている。KEKとJAEAは、周辺環境や人体の健康に影響が出るレベルではないと発表している。
 事故施設で行われていた実験は、ILCで計画されているものとは異なる。しかし、事故報道の中で「加速器」「素粒子」といったILC計画にも出てくる用語が頻繁に登場している。
 要望活動終了後、取材に応じた東北ILC推進協の里見進東北大総長は「(誘致活動への影響は)ないと思う」との認識を示した。推進協として一般市民への説明の必要性については「まだそこまで考えてはいない」と述べた。
 宮城県の村井嘉浩知事は「ILCの実験は電子と陽電子の衝突であり、その際に放射線が出ることはない。今回の事故とは全く次元が違う」と説明。本県の達増拓也知事は「(事故を教訓に)安全性に対する、さらなる対策を強化してほしい」と要望した。

不安への説明 不十分
 東北ILC推進協の幹部は31日にかけ、都内でシンポジウムの開催や省庁要望などを繰り広げた。北九州地域も含め、有力候補地2カ所の誘致活動がヒートアップする中で起きたのが茨城県東海村のJ−PARC放射能漏れ事故だ。
 推進協幹部は、誘致に影響はないとの姿勢。だが、本県の誘致関係者の一人は、「加速器が『危険なもの』というイメージが浸透しかねない」と危機感を募らせる。
 KEKとJAEAの発表では、事故による健康的影響は低くいという。また、ILCで行われる実験とは内容が大きく異なる。しかしながら、専門知識がない一般住民、特にILC候補地周辺に住む人の中には、今回の事故を受け、多かれ少なかれ不安を募らせただろう。似たようなことを、福島第1原発事故後に多くの国民が経験したばかりだ。
 こうした不安要素に対しては、早い段階で積極的に丁寧な説明を始め、また、それを繰り返すことが大切だ。たとえ安全な事柄であっても――である。情報公開が求められる世の中にあって「臭いものにふた」のような姿勢は、余計に不安と不信感を招く。
 ところが、5月30日のシンポジウムでは今回の事故の話題を口にする登壇者は誰一人いなかった。31日の要望活動終了後、報道陣から推進協トップに対し質問があって初めて事故に対する見解や、誘致活動への支障の有無に言及した。
 東北の復興や地域再生、人材育成のためにILCを誘致しようと願うなら、市民が不安に思う事柄を積極的に調べ、見解を示すべきだろう。あのシンポジウムは、その絶好のチャンスであったはずだ。
 誘致活動の先頭に立つ自治体首長は、市民の暮らしや命を守る立場にある。シンポジウムの中で、前岩手県知事の増田寛也氏は「一人一人の国民の理解を得られるよう、草の根的な広がりが必要。お茶の間でILCの意義を語り合えるレベルにならないといけない」と語った。だからこそ、市民感情に寄り添った対応を取るセンスが求められるのである。
(報道部・児玉直人)
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tanko 2013-6-1 5:00
 【東京、報道部=児玉直人】東北ILC推進協議会(事務局・東北経済連合会)は31日、内閣府や文部科学省などを訪問し、素粒子研究施設「国際リニアコライダー」(ILC)の日本誘致に向け、国家プロジェクトとして早期に位置付けるよう要望した。北上山地への誘致を推進する同協議会だが、実現するには政府が国家事業として位置付ける必要がある。要望活動に参加した岩手県の達増拓也知事は、「日本全体で取り組んでいこうという思いが、以前にも増して浸透しているように感じた」と一層の期待を込めた。

 要望活動を行ったのは、同協議会代表の里見進東北大学総長と高橋宏明東経連会長のほか、達増知事、村井嘉浩宮城県知事、小沢昌記奥州市長、勝部修一関市長ら。この日は山本一太科学技術担当相や丹羽秀樹文部科学政務官、長島忠美復興政務官、超党派組織「ILC国際研究所建設推進議員連盟」の河村建夫会長の元を訪問した。
 このうち山本担当相への要望で里見総長は、ILCにおける研究の意義を説きながら「本来ならば他国との競合が起きてもおかしくないプロジェクトだが、関係各国がこぞって支援を表明しているという状況だ。今、日本への誘致を表明しなければ後世に顔向けできなくなる。ぜひ国策として誘致することを早期に表明してほしい」と訴えた。
 達増知事は「科学者の間でベストな建設地を選定しており、必要な資料提供などの協力を進めている。東北誘致が決まったら、国内外の研究者らの生活環境支援などに全力を尽くす」。村井知事は「科学研究にとどまらず、シリコンバレーのように産業界への発展に結び付けるような工夫を図りたい」とそれぞれ述べた。
 要望後、達増知事は「山本担当相からは総合的に検討すると前向きの発言があり、かなり深い話もできた。まずは科学者間で立地場所の絞り込みをしてもらうことが必要で、そのために必要なデータは県としても積極的に提供していく。(国内候補地の絞り込みまで)政府も見届けているという感じだと思う」と話した。
 ILCの誘致をめぐっては北上山地のほか、北九州の脊振山地が国内有力候補地に挙がっている。これまで、米国のシカゴ近郊やスイスのジュネーブ近郊なども候補地に名を連ねていたが、経済情勢の悪化や過去に計画された国際プロジェクトの不調などを背景に、素粒子物理学者の間では日本への建設を求める声が急激に高まっている。
 このため、7月下旬に予定されている国内候補地の一本化は、事実上の建設地決定との見方が強く、東北と九州双方の誘致活動は活発化している。
写真=山本一太科学技術担当相(左)に要望書を手渡す東北大の里見進総長
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tanko 2013-5-31 8:40
 【東京=報道部・児玉直人】 北上山地への国際リニアコライダー(ILC)誘致を目指す東北ILC推進協議会(事務局・東北経済連合会)は30日、東京都千代田区大手町の経団連会館でシンポジウムを開催。首都圏の政財界関係者らを前にILCがもたらす波及効果などについて有識者が意義を訴え、全国的な関心の高まりを図った。科学技術だけでなく人材育成面にも計り知れない効果があるといった説明に、出席者は熱心に耳を傾けていた。

 「日本再生〜ILCを核とした科学技術創造立国と東北のポテンシャル」と銘打った今回のシンポジウムは、4月に開催した同推進協総会の中で本県の達増拓也知事の提案を受け開催。事務局の東経連が準備を進めていた。
 東経連によると、出席者の9割が首都圏在住者で、そのうちの8割近くが建設業者など民間企業の関係者だったという。東北からは、同推進協の代表を務める里見進東北大学総長と高橋宏明東経連会長、達増知事、村井嘉浩宮城県知事、小沢昌記奥州市長らが出席した。
 前段はILCの研究概要について、東京大学の山下了准教授が解説。前岩手県知事で日本創成会議座長の増田寛也氏も登壇し、地域政策の観点から話題を提供しながら「財政課題を抱える中で多くの国民の理解を得るには、ILCを日本に誘致する大義をきちんと伝えることが重要だ」と主張した。
 後半は達増、村井両知事と、NPO法人とうほくPPP・PFI協会の大村虔一会長、(株)ベネッセホールディングスの内永ゆか子副社長によるパネルディスカッションが繰り広げられた。
 達増知事は岩手、宮城両県や東北各県の都市機能や環境が外国人研究者の受け入れに十分対応できるとアピール。村井知事は「研究者間で『東北に』となれば、しっかりと実現に向けたバックアップをする。違う場所になったとしても、そこでの実現に向けた応援はしっかりしたい。研究者の皆さんにはしっかりと候補地選定の評価をしてほしい」と述べた。
 都市計画の権威である大村会長は、建設想定地域周辺の学校や医療施設の分布図、公共交通網の現状を提示。「新しく何かを作るのではなく、もともとある山村基盤を用いて素朴でおおらかな研究環境を築いてはどうか」と持論を展開した。
 内永副社長は「日本には高い技術力を持った人はいるが、国際社会の中でリーダーシップを取れる人材が少ない。技術はあるが、ビジネスに結び付けることができておらず、双方の間に『死の谷』がある」と指摘。「ILCは物理研究だけでなく、人材育成やビジネス発展に多大な効果がある」と強調した。
 終了後、取材に応じた達増知事は「首都圏の皆さんとILCをめぐる情勢を共有できた。今後も国内の関心を高めていくことや、政府の決断を助けるような働き掛けをしていきたい」。小沢市長は「人材育成や技術革新的な効果に関しては壮大なものがあると感じた。建設にかかる8000億円という投資は、将来につながるものであり、決して高いものではない」と話した。
 同推進協は31日、文部科学省や内閣府などを訪れ、ILCの日本誘致を要望する。
写真=都内で開かれたILC誘致に向けたシンポジウム。首都圏の企業関係者らが集まり、ILCの意義や効果に理解を深めた(東京都千代田区、経団連会館)
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tanko 2013-5-28 8:30
民間組織・いわてILC加速器科学推進会議(亀卦川富夫代表幹事)が制作を進めていた、中高生向けのILC解説読本が完成した。市内中学校などのほか、東北ILC推進協議会が30日に都内で開催するシンポジウムの出席者約250人にも配布する予定で、地元の熱意をアピールする。一般市民への販売は今後検討する。

 青少年のILCに対する関心を高め、誘致に向けた地元の機運を高めようと、県や市のILC誘致担当職員や科学分野に精通した市民らを交え昨年6月から編集作業に着手。1年がかりで完成にこぎ着けた。
 「ILCを東北に〜宇宙の解明、学術研究都市の形成〜」と題したテキストはフルカラー46ページで、▽ILCの施設概要▽素粒子物理学の基礎▽ILC実現により形成される国際研究都市――などのジャンルに分けて解説。専門用語や実験装置の仕組みについて、図や画像を取り入れ分かりやすい言葉で紹介している。
 ILC誘致による波及効果については、東北ILC推進協議会がまとめた将来ビジョンなどを参考に編集。理系分野に進まない生徒たちでも、誘致が実現すれば外国人研究者家族の生活を支えるサービス分野など活躍の場が創出されることを紹介している。
 同協議会の亀卦川代表幹事は「国内候補地の決定など大きな状況変化があった際には、改訂版を発行し対応することも検討したい」と話している。
写真=中高生向け用に制作されたILC解説読本
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tanko 2013-5-27 4:50
 江刺区と一関市大東町にまたがる阿原山高原(標高782m)で26日、胆江地方のトップを切って山開きが行われた。市民や関係者らが多く詰めかけ、さまざまなイベントを通して夏山シーズンの幕開けを祝った。

 
 イベントは同高原山開き実行委員会(荻田耕造委員長)が主催した。入山者の安全を祈る神事には荻田委員長や小沢昌記市長ら約30人が参加。玉ぐしを神前にささげて安全を祈願した後、テープカットで山開きを祝した。
 小沢市長は国際リニアコライダー(ILC)計画に触れ、「計画ではちょうどこの阿原山の地下に建設される。ILCができれば、この地がILC職員と市民との憩いの場になる。そのためにはこの自然を保全していきたい」と力を込めた。
 この日は絶好のアウトドア日和。展望舎付近からの北上盆地の眺めが、来訪者を大いに楽しませた。
 アトラクションでは名物の阿原太鼓(和川栄一代表)のほか、地元の市立伊手小学校(百々正博校長、児童73人)の6年生11人が「金津流獅子躍」を披露。高原の澄んだ空気に、威勢のいい太鼓の音が響いた。江刺25歳年祝連の「平蘭舞(ひょうらんぶ)」(及川健会長)は、エネルギッシュなオリジナル演舞と江刺甚句で、観衆から拍手を送られていた。
 同小6年の佐藤瞬人君(12)は獅子躍の中立(なかだち)として演舞。「天気がよくて暑いくらいだった。連続でジャンプするところがもっと上手にできたら100点だった」と大粒の汗をぬぐっていた。
写真=緑の山々を背に、入山者の無事を願い踊られた「金津流伊手小獅子躍」
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tanko 2013-5-25 9:00















  県市議会議長会(会長・村田芳三盛岡市議会議長)と県町村議会議長会(会長・田村繁幸一戸町議会議長)は23日、中央省庁に対し北上山地への国際リニアコライダー(ILC)誘致を求める要望活動を展開。県内自治体が一体となって誘致に取り組んでいる姿勢を示した。
 両議長会は本年度、ILC誘致活動を共に実施していくことで合意。今回の要望もその一環で実施された。
 両議長会長のほか、奥州市の渡辺忠議長、金ケ崎町の伊藤雅章議長ら12市4町の議長が参加。文部科学省や内閣府、復興庁のほか地元選出国会議員らの元を訪れ、国家プロジェクトとしての位置付けと、東北誘致に積極的に取り組むよう求めた。
 渡辺議長は「両議長会が同一事案について合同で要望活動するのは初めてではないか。それだけに、岩手がILC誘致に向けまとまっていることを示せた」と成果を強調する。
 渡辺議長によると、文科省で応対した丹羽秀樹政務官は、地元の盛り上がりを歓迎しがら「学者間で候補地一本化の作業を進めているが、それと並行し国の財政支出について内部協議が進んでいる。民間から一定協力を求める声もあり、それらを含め検討している」と述べた。
 内閣府の倉持隆雄政策統括官(科学技術政策・イノベーション担当)は、人材育成に力を入れるよう注文。渡辺議長は「地元も単なる『場所貸し』のような姿勢ではなく、世界中から集まる研究者を支える人材を輩出できるよう、今の小中高生を育てていく必要があるだろう」と話した。
写真=丹羽秀樹文部科学政務官(左から4人目)に要望書を提出する県市議会議長会、町村議長会のメンバー
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tanko 2013-5-21 10:40
 NPO法人イーハトーブ宇宙実践センター(大江昌嗣理事長)が主催する市民向け国際リニアコライダー(ILC)学習ツアーは、25日から1泊2日の日程で実施される。児童生徒を含む33人が参加し、ILC関連装置の開発拠点である茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究機構(KEK)などを見学。ILCへの理解を深める。
 ツアーは経済団体や行政機関などに所属する誘致関係者だけでなく、子どもを含む一般市民に広くILC計画を知ってもらおうと企画。出発を前に20日、水沢区星ガ丘町の奥州宇宙遊学館で事前学習会が開かれ、ILCや素粒子研究に関する予備知識を学んだ。
 ツアーの行程に関する説明後、いわてILC加速器科学推進会議の小野寺喜美男さんが、KEKの施設概要やそこで行われている研究の内容について解説した。
 ツアー一行は25日朝、バスで水沢を出発。初日はKEKや宇宙航空研究開発機構(JAXA)つくば宇宙センターなどを見学。翌日は東京都江東区の日本科学未来館などを訪れる。
写真=KEKの施設概要の説明に耳を傾けるツアー参加者たち
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tanko 2013-5-19 9:20
 素粒子研究施設「国際リニアコライダー」(ILC)の北上山地誘致を目指す東北ILC推進協議会(事務局・東北経済連合会)は今月30日午後1時半から、首都圏在住者ら向けのシンポジウムを東京都千代田区大手町の経団連会館で開く。東北地方が持つ潜在能力(ポテンシャル)を紹介しながら、国家プロジェクトとしても重要な計画であることを周知。都心で行動を起こすことで、国内全体の誘致機運の高まりを図る。
 シンポジウムは「日本再生〜ILCを核とした科学技術創造立国と東北のポテンシャル」と題し、講演とパネルディスカッションで構成。岩手、宮城両県、岩手大学、岩手県ILC推進協などが共催する。
 都心での集会開催は、4月26日に仙台市内で開かれた東北推進協総会の席上、達増拓也岩手県知事が提案していた。
 7月下旬に国内の候補地が北上山地か九州の脊振山地かのいずれかに絞り込まれるため、両候補地では地域挙げた誘致活動に取り組んでいる。しかし国内全体をみると、ILC計画そのものが十分に認知されていない。
 多額の事業費を伴う一大プロジェクトでもあり、民間活力の投入がなくては実現できないとの指摘も。元東北大学大学院教授の大村虔一氏はおよそ1兆3000億円と試算し、民間資金を活用した社会資本整備「PFI」(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)などの導入を主張。そのためにも、経済界に対する理解構築も欠かせない。
 こうした状況を受け東北推進協は、ILC受け入れの準備状況や東北地方が持つ多様な潜在的能力をアピール。日本再生にもつながる重要な事業であることを都心を舞台に発信する。
 当日は、東京大学素粒子物理国際研究センターの山下了准教授がILCの概要について、日本創成会議座長で前岩手県知事の増田寛也氏が誘致による波及効果についてそれぞれ講演。パネルディスカッションでは達増知事や大村氏のほか、村井嘉浩宮城県知事、?ベネッセホールディングス取締役副社長兼ベルリッツコーポレーション名誉会長の内永ゆか子氏が、それぞれの立場からILC誘致に対する見解を述べる。
 定員は250人で先着順。参加申し込みなど問い合わせは、同推進協事務局の東経連(電話022・799・2103)へ。
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tanko 2013-5-17 11:00

 市国際リニアコライダー推進連絡協議会(会長・小沢昌記市長)主催の「セルン視察報告会」は16日、江刺総合支所で開かれ、小沢市長ら視察団メンバー3人がスイス・ジュネーブの欧州合同原子核研究機構(CERN)の様子などを伝えた。集まった市民ら80人は“ILCの先輩格”とも言われているCERNと周辺地域の状況に理解を深め、国際リニアコライダー(ILC)誘致実現に向け必要なことを考え合った。
 小沢市長のほか、NPO法人イーハトーブ宇宙実践センターの大江昌嗣理事長、奥州商工会議所の千葉龍二郎会頭も視察の様子を報告した。
 小沢市長はCERNを「世界最大級の研究施設で、年間約1万人の研究者が利用している。すごく大きな大学のような場所と考えればいい」と説明。設立59年目となる同施設が、いかに地域と協力し合いながら歴史を重ねてきたかを話した。
 ILC推進組織の総責任者を務めるリン・エバンス氏から「大いなる期待をしている」と激励の言葉があったことを紹介。「研究施設で何をしているのか、地域の人たちに理解してもらうことが重要」と指摘されたことも話した。
 大江理事長は、ILCと関連した大学などの高等教育機関の必要性を主張。現地で交流したドイツ・マインツ大学の斎藤武彦教授の言葉を引用しながら「『最先端の物理を勉強したいなら岩手に行こう』というようにならなければいけないと思った」と振り返っていた。
 小沢市長は、誘致に際して今後求められる重要なポイントとして▽地元の受け入れ意識の醸成▽住居・教育・医療における受け入れ態勢の充実▽研究者の家族支援――を示した。「何か新しいものを建設し提供するより、今あるものを活用しながら、多くの人を受け入れることのほうが大切。誘致によって、子どもたちが夢を見られる地域にできれば」と述べた。
写真=CERN視察で感じたILC誘致に必要な土壌作りなどを語った報告会

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