岩手県奥州市・金ケ崎町をエリアとした地域新聞社による国際リニアコライダー(ILC)関連記事を掲載。 奥州市東部の北上山地は、現時点における世界唯一のILC候補地に選定されました。当サイトにはILCをはじめ、理系分野やILCに関連性のある地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)についての記事を随時アップします。
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tanko 2013-6-15 5:40
 小沢昌記奥州市長は14日の市議会6月定例会で、ILC(国際リニアコライダー)を核とした国際的なまちづくりに関連し、医療体制の充実は「非常に重大なこと」と指摘。「2020年代半ばに(ILCが)本格稼働するとなれば、その時期に合わせ体制づくりを進める必要がある」と答弁した。
 老朽化した水沢病院の建て替え問題を絡めた藤田慶則氏(創政会)の一般質問に対し、小沢市長は「一定以上のレベルの医療環境を市として持っているかどうかは、この地に住んでいただけるかどうかの重大なポイント」と指摘。「初期医療、救急医療について万全を期せる地域であることを将来にわたって担保できる医療をしっかりと確保したい」と述べた。
 小沢市長はILCの本格稼働後は外国人研究者とその家族ら1万人超が研究施設周辺に居住するとの試算を示し、「市民病院としての強さを発揮できる状況をつくる必要がある。市が設置する病院としてきめ細かな医療サービスを提供できるような体制をつくりたい」と答弁した。
 市当局は小学校の英語学習の現状について、5、6学年は外国人講師の指導も交え週1回程度、年間35時間を目安に実施していると報告。1〜4学年も異文化に触れる機会を設けるなどして、5、6学年での学習に円滑に取り組める素地づくりを行っていると説明した。
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tanko 2013-6-15 5:30
 【東京=児玉直人】 首相所轄の特別機関・日本学術会議(大西隆会長)が、文部科学省の審議依頼を受け設置した「国際リニアコライダー(ILC)に関する検討委員会」の初会合が14日、東京都港区内で開かれた。委員からは「他の科学研究分野の予算が圧縮されないようにすべきだ」「国民理解の形成にもっと努めるべきではないか」といった意見が出されるなど、一層の理解普及に向けた取り組みの必要性が浮き彫りになった。検討委は7月中にもILC計画の意義や建設・運営、予算確保に関する学術的見解をまとめる。

 審議依頼は文科省研究振興局の吉田大輔局長名で5月27日付で出された。文科省は▽研究意義と素粒子物理学における位置付け▽学術研究全体の位置付け▽国内立地による国民や社会に対する意義▽実施に向けた準備状況と建設、運営に必要な予算・人的資源の確保などの諸条件――について回答を要請している。
 検討委は、物理学にとどまらず哲学や社会学などの専門家10人で構成。委員長に、同会議副会長で東京大学物性研究所の家(いえ)泰弘教授(物理学)が選ばれた。
 初会合には参考人として、ILCなどの加速器研究の推進を監督する研究者組織・リニアコライダー国際推進委員会の駒宮幸男委員長(東京大学素粒子物理国際研究センター長)が招かれ、ILC計画の概要や意義について説明した。
 終了後、家委員長は報道陣の取材に「ILCの研究自体は意義があるが、他の研究分野の予算を圧縮するような事が起きてしまえば、マイナス影響が場合によっては大きくなる。日程的に急がれる中ではあるが、予算以外にも研究に携わる人員確保なども含め、実行の可能性について十分に考えたい」と答えた。
 駒宮委員長は「国民理解については、どうやって将来を担う若い人たちにILCの意義を伝えるかが特に大事になる」と強調した。
 検討委は7月までに専門家を招きながら、文科省への回答をまとめる方針。同会議幹事会での精査を経て、秋ごろにも文科省に回答を提出したい考えだ。回答は、政府がILC国内誘致の表明を判断する上で重要な参考材料になるとみられる。
 検討委で回答がまとめられる同時期に、日本の素粒子研究者で組織するILC戦略会議が中心となって進めている国内候補地(北上山地と脊振山地)の一本化が予定されているが、検討委では候補地に関連する事項は取り扱わないとしている。
写真=ILCの国内誘致について、学術的見解を取りまとめる検討委員会の初会合(日本学術会議・東京都港区六本木)
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tanko 2013-6-14 8:50
 国際リニアコライダー(ILC)の北上山地誘致を見据え、国際都市形成について考えるパネルトークが13日、奥州市水沢区星ガ丘町の奥州宇宙遊学館で開かれた。数千人規模の外国人が地域住民の一員として生活する上で、必要となる機能や対策について有識者3人が意見交換。外国人や異文化の受け入れに、地元住民がどれだけ寛容な心で臨めるかが重要なポイントになることがあらためて浮き彫りとなった。ILC誘致が実現した場合、より深い市民の理解構築が求められそうだ。

 パネルトークは奥州市が主催し、奥州市国際交流協会(佐藤剛会長)が主管。市民生活に関する事業やサービスを提供する立場の人たちに聞いてもらうため、金融機関や不動産、スーパー、住宅建築関係の事業所に声を掛けたところ、約40人が出席した。
 意見交換したのは、県立大学総合政策学部の吉野英岐教授、NPO法人イーハトーブ宇宙実践センターの大江昌嗣理事長、外国人市民で組織するインターナショナル“ILC”サポート委員会のビル・ルイス委員長の3人。同協会の渡部千春事務局長が司会を務めた。
 水沢区で約20年生活している米国出身のルイスさんは、町内会や各種風習の意味を理解するのに苦しんだことを明らかにした。「日本や地域のやり方を説明してくれれば、それに多くの外国人は従うだろう」と述べた。
 国立天文台名誉教授でもある大江理事長は、2年間カナダで家族と生活した経験を踏まえながら話題提供。「研究者の配偶者の仕事場を用意する必要がある。例えば農作業の手伝いなどがあれば、彼らもうれしいし、農業界にとってもいことではないか」との考えを示した。
 聴講した人からは「外国人に限らず、日本人であっても他地域から来た人は、よそ者扱いされる。人的交流が一番の難点になり得るのではないか」という声もあった。
 吉野教授は、大学や周囲の学生居住地域でも同様のことが起きている事例を引き合いに「騒ぐとか町内会に入らないなど、悪いイメージばかりが先行し、どうしたら彼らを歓迎できるかという良い話に展開していかない」と指摘。「今まで経験したことのない、数千人という規模の外国人を招くかもしれない中、重要なのは迎える側に寛容な心があるかどうかだ。今のうちにさまざまな事例を謙虚に学んでほしい」と訴えた。
(児玉直人)
写真=外国人研究者の受け入れについて意見を述べるビル・ルイス委員長、大江昌嗣理事長、吉野英岐教授(右から)
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tanko 2013-6-14 8:40
 奥州市水沢区の後藤伯記念公民館を会場に開設している高齢者向け教養講座「立生(りゅうせい)大学」で13日、国際リニアコライダー(ILC)に関する講演会が行われた。奥州市ILC推進室の職員が施設概要や期待される経済効果などについて説明。出席者からは教育環境の整備や、市財政への影響の有無などについての質問があった。
 「ILCって何? ILCができると何かが変わるの?」と題し、同推進室の千葉雄飛主任が解説。ILC誘致で想定される経済効果や地域の変化、施設の安全性などについて説明した。
 受講者からは「人口が増えるのはありがたいが、いろいろな施設を建設することで、市財政の負担が増すばかりだと思う。本当に奥州市のためになることか」といった疑問も投げ掛けられた。
 千葉主任は「(ILCに付随する施設の整備は)公的支出をなるべく抑え、民間投資を多く活用することが検討されている」と説明した。同推進室によると約8000億円とされるILC建設コストは世界各国からの出資でまかなわれる。加速器本体や研究設備の製造や建設に、県や市町村レベルの支出が求められることはないという。
 「もし1、2年で研究が終わったらどうするか」との質問には「先進例である、CERN(スイスの欧州合同原子核研究機構)は間もなく設置され60年になろうとしているが、いまだにいろいろな研究が続けられている。ILCにおける研究が1、2年で終わることは考えていない」と答えた。
写真=ILC計画の説明を受ける立生大学の受講者たち
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tanko 2013-6-13 12:20
 第2回金ケ崎町ILC講演会(町主催)は、15日午後2時から町中央生涯教育センターで開かれる。高エネルギー加速器研究機構(KEK)の大森恒彦氏が、ILC(国際リニアコライダー)について分かりやすく語る。申し込み不要で、誰でも聴講できる。
 同町は、産学官連携の東北ILC推進協議会に町村レベルとしてはいち早く入会し、誘致を後押ししている。講演会も推進活動の一環として、4月から始めた。
 問い合わせは町総合政策課(電話42・2111、内線2314)へ。
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tanko 2013-6-13 8:10
 北上山地などが有力候補地となっている、素粒子研究施設・国際リニアコライダー(ILC)の「技術設計報告書(TDR=Technical Design Report)」が12日、完成した。ILC建設に必要な詳細事項をまとめた書類で、ILCの建設実現に向け、一歩前進したことを意味する。同日、東京大学で完成記念セレモニーが開かれ、各国の素粒子研究者が出席。北上山地を擁する本県からも、奥州市の小沢昌記市長らが参加し、ILC計画前進に向けた節目を祝った。
 TDRは、国際共同設計チーム(GDE=Global Design Effort)と実験管理国際組織(RD=Research Directorate)によって作り上げられた4巻5冊組で構成する書類。ILCで行われる研究の内容や、そのために必要な実験装置や設置場所の構造など専門的な事柄が詳細に記されている。昨年12月に草案が完成していたが、建設コストに関する事柄を反映したり細かな修正を施したりして、完成版刊行にこぎつけた。
 東京大で開かれたセレモニーには、GDEとRDの活動を引き継ぐため2月に発足した国際研究組織「リニアコライダー・コラボレーション(LCC)」の最高責任者リン・エバンス氏と、LCCの監督機関である「リニアコライダー国際推進委員会(LCB)」の駒宮幸男委員長らが出席。エバンス氏は「世界中の科学者が携わった設計が完成し、『夢』から『現実』に変わる時が来た。あとは先に進むという決断をするだけだ」と述べた。
 セレモニーの様子はインターネットで生中継され、中国や韓国、インドといったアジア諸国の素粒子研究者もTDR完成を祝福した。
 TDR完成でILCは建設作業開始へと近づいたことになる。国内外の研究者間では、日本への建設を有望視する声が急激に高まっている。北上山地と北九州の脊振山地の2カ所を有力候補に挙げている日本の研究者たちは、7月末にも一本化する方向で詰めの作業を行っている。候補地が一本化された後も、日本政府による誘致の正式表明や費用負担に関する国際協議など、いくつかの関門が待ち構えている。
(児玉直人)
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tanko 2013-6-12 11:50
 奥州市の小沢昌記市長は11日の市議会6月定例会で、7月中にも決まるとされる国際リニアコライダー(ILC)の国内候補地一本化に向け、「北上山地への誘致は信じて疑わない」と述べた。佐藤郁夫氏(市民クラブ)の一般質問に答弁した。
 素粒子物理学の大規模研究施設のILC建設をめぐっては、7月中にも北上山地か北九州の脊振山地に国内候補地が絞り込まれる見通し。
 小沢市長は「(ILCは)当初30km、最終的に50kmの直線のトンネルを掘るが、奥州市と一関市、気仙沼市の一部にわたって盤石な花こう岩の岩盤がある。東日本大震災後もひずみや断層は見つかっていない」と東北誘致の優位性を強調。脊振山地に比べ、5kmごとに掘るアクセストンネルを整備しやすいことに触れ、「研究施設を設置するコスト負担などの面は北上山地が大いに有利」と続けた。
 市有地の提供を含め誘致への決意について問われると、「市民の皆さまの理解を得て、市が持ち得るできる限りの範囲の部分については最善の便宜をはたらき、誘致を促進したい」と答弁した。
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tanko 2013-6-11 11:40
 市測友会主催の測量フェスティバルはこのほど、前沢区のイオン前沢店駐車場で開かれた。最新機材の体験や、三角形の辺の長さを歩幅で測り面積を求めるクイズなどを用意。親子連れらでにぎわった。
 橋やトンネルの建設に欠かせないなど、日常生活に密接に関わりがある測量技術。同会は、一般の人たちに認識を深めてもらおうと毎年、測量の日(6月3日)を記念した同フェスを実施している。
 会場では、対象物までの距離を目測した後に、500万円近い最新の距離・座標測定機材で正解を調べるクイズや、三角形の面積当てなどが繰り広げられ、子どもも大人も正解を導き出そうと熱中していた。
 市立前沢中学校1年の加藤有貴君(12)は、距離当てクイズで目測と正解の差が��造箸い好成績。「目測がこんなにうまくいくとは思わなかった。測量の仕事は楽しそう」と話した。
 会場では県担当職員を招いたILCの講話も行われた。
写真=最新機材で距離を測定する子どもたち
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tanko 2013-6-11 5:00
 東北大が9日に実施した素粒子物理の外国人研究者ツアーに、奥州市水沢区福吉町在住の英語講師ビル・ルイスさん(44)=米ジョージア州出身=が同行。国際リニアコライダー(ILC)誘致を見据え、研究者から寄せられた生活環境などの質問に丁寧に回答するなど、日本に住む外国人市民の“先輩”として、これまでに培ってきた経験や知識を発揮。誘致関係者も、頼もしさをあらためて実感している。

 20年以上水沢に住んでいるルイスさん。今年3月、奥州市国際交流協会(佐藤剛会長)によって立ち上げられた「インターナショナル“ILC”サポート委員会」の委員長に就任した。東北大からツアーへの協力依頼を受けていた同市ILC推進室は、研究者とのコミュニケーションをより円滑に進めるためルイスさんに同行を要請した。
 来訪した研究者は、加速器装置を使った実験をもとに研究を進めている専門家。ILCの建設や設計には直接関与しない。しかし、ILCが誕生すればそこが世界の素粒子研究の中心地となる。今後、北上山地周辺地域が自分たちが住む場所になるかもしれないことから、生活面に関する質問が多く寄せられた。
 「人口がどれくらいで、電力は十分に確保できるのか。空港や鉄道などのアクセスはどのようなものがあるか聞かれた」とルイスさん。中には「地元の人たちは(ILCに)反対していないか」という質問もあったという。ルイスさんは「日本に長く住んでいる私が対応したので、彼らも安心していろいろなことを気軽に聞いてくれたと思う」と話していた。
 ルイスさんとツアーに同行した同推進室の及川健室長は「研究や施設概要については、主催した東北大の先生たちが英語で十分説明できる。しかし、地域の様子や暮らしに関することになると、地元の人間でなければなかなか回答できない。その辺の質問に適切に答えてくれるルイスさんのような外国人市民の存在は、非常に力強い」と感謝していた。
(児玉直人)
写真=外国人研究者らの質問などに答えるビル・ルイスさん(中央)(一関市東山町)

◇国際都市形成見据えた意見交換会開催(13日)
 奥州市国際交流協会では、13日午後1時半から奥州宇宙遊学館で「ILC誘致とまちづくり」と題したパネルトークを開催。ルイスさんのほか、県立大総合政策学部の吉野英岐教授、NPO法人イーハトーブ宇宙実践センターの大江昌嗣理事長が、外国人受け入れに伴う住宅や公共サービスに関する課題について意見を交わす。
 参加申し込みは同協会(電話22-6111)へ。
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tanko 2013-6-11 4:30
 東北大学(里見進総長)は9日、素粒子物理学の外国人研究者を一関市内などに案内し、国際リニアコライダー(ILC)の有力候補地である北上山地とその周辺の環境をPRした
 訪れたのは、今月5〜8日まで東北大で開かれた素粒子関連国際会議の出席者。会議では、ILCなど素粒子研究に必要な加速器実験装置の在り方について議論を交わした。
 ツアーは、会議を主催した東北大が企画。希望者を募ったところ、アメリカやドイツ、フランス、ルーマニアなど世界各地から集まった素粒子研究者21人が参加した。
 来訪したメンバーの多くは加速器実験の成果を基に研究を進める人たちで、ILCの建設地決定には直接関与しない。しかしILCが実現した場合は、研究や学会参加のために短期、長期含めてILC施設に足を運ぶ可能性が十分にあるという。
 このため今回のツアーは、建設予定場所の視察調査ではなく、周辺地域の環境を知ってもらうことに主眼を置いた。地域の良さや魅力を伝えるため、平泉や猊鼻渓などの観光地見物も組み入れた。
 一関市の東山地域交流センター前では、建設予定エリアの立体地図や地質調査で採取した地中の岩盤サンプルなどを見学。
 独アーヘン工科大学物理学研究所に所属する若手研究員のエイドリアン・ぺリアヌーさんは、「ここだったら(ILCが)できそうな感じがする。私は静かな環境が好きだが、中には都会のようなにぎやかさを求める人もいるだろう」と話し、「ILCは長期にわたって使用することになる。大事なのは、どんな研究をしていくのか、しっかり考えることだ」と強調した。
 一行を案内した東北大大学院の佐貫智行准教授は「『東北は何もない』と思われがちだが、自然が美しく、おいしいものもあるし、新幹線駅から研究現場まで遠くはない。実際に住むかもしれない場所を見ていただくだけで、イメージは大きく変わる。それぞれが国に帰り、仲間の研究者の皆さんに口コミでさらに印象を伝えていただくことで、東北の良さを知ってもらえる」と話していた。
写真=立体地図を見ながら建設候補地の様子に触れる外国人研究者たち

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