人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)
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tanko 2016-5-17 17:30


 奥州市議会の「国際リニアコライダー(ILC)誘致推進議員連盟」(渡辺忠会長、全議員27人で構成)は16日、超党派国会議員で組織する「リニアコライダー国際研究所建設推進議員連盟」の河村建夫会長(衆院山口3区)に対し、北上山地が有力候補地となっているILCの誘致実現に関する要望書を提出した。東京都千代田区の衆議院第二議員会館で渡辺会長らと面談した河村会長は、「国内誘致実現に向け地域の皆さんと一緒に頑張っていきたい」などと述べた。
 要望活動には渡辺会長をはじめ、小野寺重(副会長)、佐藤郁夫(幹事長)、広野富男、千葉敦、菅原圭子、阿部加代子、内田和良、加藤清(以上幹事)、菅原由和の各氏が参加。市ILC推進室の朝日田倫明室長も同行した。
 河村会長への要望書にはILC誘致の意義と波及効果、候補地の地元市としての取り組みを列挙。「国に対しては、早期に国内誘致を表明し、日本主導の国際プロジェクトとして進めるための体制整備を要望している。(ILC国会議連の)さらなる尽力をお願いしたい」と求めた。
 科学技術・イノベーション推進特別委員会の黄川田徹委員長(衆院岩手3区)や、本県選出国会議員にも同様趣旨の要望書を提出した。
 要望終了後、胆江日日新聞社の電話取材に応じた渡辺会長によると、河村会長とは要望趣旨説明後、約30分にわたって会談したという。「河村会長からは、地元の皆さんと一緒に頑張っていきたいとの言葉をいただいた。周辺施設整備の中でどうしても生じる地元負担や、東北や国内全体でILCプロジェクトをカバーする必要性についても話題が及んだ。完成したばかりの市のビジョンもお示しし、地元の取り組みと熱意も伝えられた」と振り返った。

写真=奥州市議会ILC議連の要望書提出を受け自身の考えを述べる河村建夫・ILC国会議連会長(中央)=提供写真

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"Urge for an Early Decision: Request from Federation of Oshu City Councilors to Invite the ILC Diet ILC Federation"

Federation of Oshu City Councilors to Invite the ILC (Chairman Tadashi Watanabe, composed of all 27 city councilors) presented a request concerning the International Linear Collider to Chairman Takeo Kawamura of the Federation of Diet Members to Promote the Construction of the ILC. Chairman Kawamura, who met the group in the Second Members’ Office Building of the House in Chiyoda Ward, Tokyo, said “I would like to work hard together with everyone [in Tohoku] to bring the ILC to Japan.”

Along with Chairman Watanabe, the visiting group from Oshu included Mr. Shigeshi Onodera (vice chairman), Mr. Ikuo Sato (chief secretary), Mr. Tomio Hirono, Mr. Atushi Chiba, Ms. Keiko Sugawara, Ms. Kayoko Abe, Mr. Kazuyoshi Uchida, Mr. Kiyoshi Kato, and Mr. Yoshikazu Sugawara. The group was also accompanied by Oshu ILC Promotion Division Director Asahida.

The request handed to Chairman Kawamura listed the significance and positive benefits of inviting the ILC, and local activities in Oshu as part of the candidate site. The request stated, “We want the Japanese government to make an early statement to invite the ILC to Japan, and a framework to be developed for this international project led by Japan. We call for the further assistance [from the ILC diet federation].”

Requests with similar contents were handed to Chairman of the Special Committee on Promotion of Science and Technology, and Innovation Mr. Toru Kikawada and to other diet members elected from Iwate.

After the meeting ended, Chairman Watanabe responded to a phone interview for Tanko Nichinichi, saying that the group talked with Mr. Kawamura for about 30 minutes after explaining the request. “Chairman Kawamura told us he wanted to work hard together with everyone. We also talked about the inevitable cost for the host region for building related facilities in the area, and the need to support the ILC project within Tohoku and throughout Japan. We gave him Oshu’s ILC vision, which has just been completed, and we able to convey to him the efforts made and passion Oshu has for the ILC.”
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tanko 2016-5-16 14:10
 国際リニアコライダー(ILC)の受け入れ態勢やまちづくりについて考えるシンポジウム「ILC実現と地域社会の展望」は、6月11日午後1時半から市文化会館(Zホール)で開かれる。いわてILC加速器科学推進会議(亀卦川富夫代表幹事)の主催で、昨年実施した関係自治体の首長らによる討論を今回も実施。顔ぶれを胆江、両磐4市町の首長とし、ILC誘致実現を見据えた地域将来像について意見を交わす。
(児玉直人)

 江刺区や一関市の東部などが候補地となっているILCは、世界に一カ所だけ建設される素粒子物理学の国際研究施設。ノーベル賞級の頭脳を持った物理学者らが実現に向けた体制を整えている。微細な振動さえも許さない実験を行う必要があり、地中に花こう岩帯が広がる北上山地が有力候補地となっている。国際組織「リニアコライダー・コラボレーション」は、同山地の環境に合わせる形での詳細設計を進めている。
 文部科学省のILC有識者会議で日本に誘致する上でのメリットや課題などを協議。国の誘致判断やその後の国際協議などがスムーズに進んだ場合、運用開始は2030年前後と見込まれている。
 学術的な意義はもちろんのこと、世界唯一の研究施設が誘致されることにより、地方創生や教育振興、産業振興などさまざまな面に計り知れない波及効果が及ぶこともあり、候補地の地元自治体の一つである奥州市は「ILCまちづくりビジョン」を策定。また、東北大学と東北経済連合会は東北全体としての受け入れ態勢を整えるための基本構想「ILCを契機とした東北・北上エリア グランドデザイン」の策定作業を進めており、来月中にも成案化する見通しだ。
 一連の流れを受け水沢区を拠点に活動している同推進会議は、「ILCをいかにまちづくりに生かし、地方創生につなげていくかが問われている」とし、昨年に続き候補地周辺の首長らによる討論会を開き、地域社会の展望を考える機会を設けることとした。
 昨年7月に同会議が開催したシンポジウムでは、胆江2市町と気仙3市町(陸前高田市、大船渡市、住田町)の首長らが登壇したが、“第2弾”となる今回は自動車の「平泉ナンバーエリア」の首長と誘致関係者に出席を依頼した。
 テーマは前回と同じ「わがまちの未来絵図とILC」。登壇者は小沢昌記奥州市長、高橋由一金ケ崎町長、勝部修一関市長、青木幸保平泉町長、鈴木厚人県立大学長(高エネルギー加速器研究機構・前機構長)、佐々木淳・県科学ILC推進室長の6人。司会進行は岩手大・東北大客員教授の吉岡正和氏が務める。討論の前段には、鈴木学長による基調講演「ILCと地方創生」を予定している。
 聴講は無料。申し込みに関する問い合わせは、奥州市役所ILC推進室(電話0197-24-2111、内線415)へ。
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tanko 2016-5-13 13:20
 早稲田大学特命教授の伊藤滋氏は12日、仙台市内で講演。国際リニアコライダー(ILC)建設候補地としてふさわしい風土や地域の魅力を列挙しながら、「新たな発展を生み出すプロジェクトだ」と強調。一方で「ILC誘致を決める上では、東北だけでなく日本国民の理解が必要だ」と指摘した。
 伊藤氏の講演は、仙台市秋保で今月20、21日に開かれる「G7仙台財務大臣・中央銀行総裁会議」の記念行事として開かれたシンポジウム「ILCと東北の創造的復興」の中で行われた。東北経済連合会(東経連、高橋宏明会長)が主催し、約300人が参加。小沢昌記奥州市長、いわてILC加速器科学推進会議の亀卦川富夫代表幹事、NPO法人イーハトーブ宇宙実践センターの大江昌嗣理事長らも出席した。
 伊藤氏は、東北大学や東経連が中心となり策定する「ILCを契機とした東北・北上エリア グランドデザイン」の検討委員会委員長を務めている。
 北上山地の花こう岩帯や水沢区の国立天文台水沢キャンパス、二戸市出身の地球物理学者・田中館愛橘(1856〜1952)の存在に触れながら「天然の恵みである花こう岩の存在、田中館博士のような人材を生み出す東北の風土が一緒になると、新たな発見を生み出すのでは」と強調。「ILCに関係した加速器製造やメンテナンス技術は、日本人だからこそできるような緻密かつ正確さが要求される。しかも大企業ではなく、地域の企業の力が求められる。ILC誘致を機に、仙台―盛岡間の地域に関連産業が展開されるだろう」と期待を寄せた。
 また、ILCとまちづくりに関しては「奥州平泉文化とILCを結び付け、世界に地域の魅力をもっと発信してほしい」と呼び掛けた。
 一方で、プロジェクトにかかる費用が1兆円超という規模であることを取り上げ、国民の理解を得ることが欠かせないと指摘した。
 シンポジウム後半では、前沢区の千田精密取締役の千田ゆきえ氏らが登壇し、ILC受け入れ態勢などをテーマにしたパネルディスカッションが繰り広げられた。同社では、素粒子物理学の実験に必要な精密金属部品の納入をしている実績がある。地元企業のILC関連産業の参入に関し、千田氏は「常に高いアンテナを持つことが必要。このようなシンポジウムや講演会に顔を出すことは、関連産業参入のきっかけに結び付くだろう」と述べた。
 シンポジウムを主催した東経連は、G7開幕前日の19日に開かれる歓迎レセプション会場に、ILCのジオラマ(模型)を展示する予定。主要国の要人らにILCプロジェクト実現に向けた取り組みをアピールするという。

写真=ILC誘致の意義などについて講演する伊藤滋氏
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tanko 2016-5-13 13:10
 江刺区を含む北上山地に誘致が期待される素粒子研究施設、国際リニアコライダー(ILC)の受け入れ態勢を整えるため、東北大学(里見進総長)と東北経済連合会(高橋宏明会長)が中心となり策定作業を進めていた基本構想「ILCを契機とした東北・北上エリア グランドデザイン」の概要案が12日、明らかになった。「東北ぐらし」をキーワードに、ILC誘致実現による東北地方での質の高い「暮らし」が、地元住民や研究者を問わず実感できるような地域将来像を描いている。東経連関係者によると、6月の成案化を目指しており、基本構想をたたき台とした基本計画策定作業を年内に着手する。(児玉直人)

 基本構想の概要案は、仙台市内のホテルを会場に同日開かれた東経連主催のILC関連シンポジウムで出席者に配布された。基本構想の策定作業は、早稲田大学の伊藤滋特命教授(都市計画)を委員長とする同グランドデザイン検討委員会で進められた。伊藤特命教授を除き、メンバーは東北大関係者が中心となっており、東経連と共に内容を練った。
 概要案では、東北や北上山地周辺の現状や課題について「ILCに関するすべての研究者らが地域に居住しても人口減少を食い止めることはできない」と指摘。イノベーション(技術革新)の創出や地域の強みを生かした地域づくりに取り組むことが重要としている。その上で、現時点のスケジュールでILCの建設完了から運用開始に移行する2030年を見据え、イノベーションによる質の高い「東北ぐらし」の実現で、東北・日本の活力を創造するとしている。
 具体的には【1】伝統や歴史が融合した「住みたくなる東北ぐらし」【2】豊かな食材に付加価値を与え世界の人々を引きつける「オイシイ東北ぐらし」【3】豊かな森林資源を活用した「木づかいの東北ぐらし」【4】先端科学技術の集積と歴史文化資源、自然美を組み合わせた「東北ぐらしの体験観光」――の4本柱を掲げ、ILC誘致実現と共に目指すべき東北の姿を描いた。
 東経連産業経済部の西山英作部長によると、基本構想案はさらに内容の精査を進め、6月14日に仙台市内で開かれる東北ILC推進協議会(代表・里見東北大総長、高橋東経連会長)までに成案の形で示せるようにしたいという。
 西山部長は報道陣の取材に「基本構想をベースとして、より実行性の高い受け入れ策を盛り込んだ基本計画の策定作業に着手することになる。基本構想は東北大と東経連中心で作ったが、基本計画では関係自治体も交えて協議することになるだろう」と説明。政府の誘致判断が示される見通しの2017年度末に間に合うよう、今年中に策定作業に着手したいとの考えを示した。
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tanko 2016-5-11 13:10
国際リニアコライダー(ILC)の絵画パネルをみんなで描きました。この中から未来の研究者が出るかも!?
(胆沢中学校建設現場で)

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tanko 2016-5-7 13:10
 奥州市立胆沢中学校=胆沢区南都田字蛸ノ手=の建設現場フェンスに6日、国際リニアコライダー(ILC)誘致実現をPRする絵画ボードが取り付けられた。市議会のILC誘致推進議員連盟(渡辺忠会長、全議員27人で構成)の発案で、同区内3中学校の生徒と胆沢保育園の園児らが思い思いにイメージするILC実現後の地域社会や研究の様子を表現した。

 同議連では、江刺区東部の北上山地が最有力候補地となっているILCの誘致実現に向け、さまざまな取り組みを展開。絵画ボードの設置は、幅広い年代の市民にILC計画をPRし、誘致に向けた機運を盛り上げようと考案した。
 昨年末から市ILC推進室や市教育委員会などと協議。胆沢中の建設現場西側に設置されているフェンスを活用し、ILCに関する絵画を小山、南都田、若柳の区内3中学校の生徒たちに描いてもらうことにした。
 当初は白く塗られたフェンスに直接描く計画だったが、業者などからのアドバイスもあり、模造紙などに原画を描いてもらい、写真複写してパネルに仕立てることに。若柳中の作品は「ILCを身近に」のメッセージに加え、「教育」「環境」「医療」「文化育成」などILC実現による波及効果を表現。胆沢保育園の園児たちは宇宙の謎を探るILCの研究や地下トンネルに設置される加速器の様子を描いた。
 「区内の小学校や他の保育園、幼稚園の作品もさらに加えたい。同僚議員からは『他の区でも実施しては』という声もある」と同議連会長の渡辺市議。「絵画パネルのほか、10月のいわて国体・いわて大会開催に向け、立て看板を市内随所に設置することも考えている。今回を足掛かりに市内各地でILCの機運を盛り上げるような取り組みをしていきたい」と意気込む。
 同議連は、市内の機運醸成を図る取り組みに加え、関係国会議員への要望や都市計画の有識者を招いての勉強会を計画。今月16日には、超党派の国会議員で組織するリニアコライダー国際研究所建設推進議員連盟の河村建夫会長と面談し、地元の熱意を伝える予定だ。

写真=胆沢中建設現場のフェンスに取り付けられるILC絵画パネル
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tanko 2016-4-26 13:00
 タクシー乗務員が観光客に胆江地区の観光名所をPRする「奥州プレミアムタクシー」の出発式が25日、江刺区の歴史公園えさし藤原の郷大駐車場で行われた。今秋に開催される希望郷いわて国体・いわて大会や国際リニアコライダー(ILC)誘致を見据え、地域の魅力を知り尽くした乗務員による「おもてなし」が本格始動した。


 昨年4月、胆江地区のタクシー業界がスクラムを組み、奥州・金ケ崎観光ガイドタクシー運営委員会(委員長・小野幸宣県タクシー協会胆江支部長)を設立。いわて国体などをはじめ県内外から当地区を訪れる観光客に地域の魅力をPRしようとの試みで、乗務員にはご当地検定「奥州おもしろ学」の座学受講や接遇など全4回の日程で研修を実施した。無事故無違反3年以上など一定基準の下、昨年10月に行われた第1回の認定乗務員検定には24人が合格した。
 同観光ガイドタクシー事業の愛称は地域住民から公募。約60点の中から金ケ崎町西根高谷野原の菅原純さんが考案した「奥州プレミアムタクシー」を選んだ。
 出発式には、認定乗務員や同運営委メンバーら約40人が出席。小野委員長は「各地から来県する選手や応援団、観光客への名所アピールと、公共交通機関として担う役割をしっかりと果たしてほしい」と呼び掛け、「乗務員が最高のおもてなしをして、地域観光の振興を後押ししていきたい」とあいさつした。
 号令とともに認定乗務員がタクシーに乗り込み、同郷駐車場をゆっくりと一周した。認定乗務員で?北都交通の渡辺和村さん(58)は「出発式を迎え、気持ちを新たに乗客を迎え入れられたら」と笑顔。「認定乗務員の名に恥じないよう、乗務員同士で切磋琢磨して胆江地区の魅力を乗客に伝えていきたい」と決意していた。
 認定乗務員が乗るタクシーには、胆江地域の青空と大地の下で稲作が行われる様子をイメージしたロゴマークが後部座席側のドア付近に掲示される。デザインは今年3月に同運営委で決定し、出発式に合わせて披露された。

写真上=胆江地区の観光振興の一翼を担う「奥州プレミアムタクシー」の認定乗務員
写真下=奥州プレミアムタクシーのロゴマーク
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tanko 2016-4-25 12:50
 江刺区米里の久須師神社境内(通称・壇ケ丘)に建立された宮沢賢治詩碑「人首町」の除幕式が24日、現地で行われた。米里地区宮沢賢治詩碑建立実行委員会(山崎勝委員長)会員や地元住民ら約60人が出席し、詩に描かれたままの情景が広がる丘からの眺めを堪能しながら、賢治が生きた時代に思いをはせた。(稲田愛美)


 賢治生誕120年を記念し、昨年8月に同実行委を組織して事業を企画した。建立場所は、詩「人首町」に登場する丘の一つ・壇ケ丘に決定。地域の3分の2以上の賛同、協力を得て、賢治が1924(大正13)年に同地区を訪れ「人首町」を書き上げた4月25日に間に合うよう完成させた。
 詩碑は縦90cm、横120cmの青御影石製で、宮沢家の親族・宮沢やよいさんが揮毫。賢治の実弟・清六さん(故人)の孫に当たる宮沢和樹さんをはじめ、米里振興会の平塚誠厚会長、市都市計画課の佐藤和憲課長ら5人が除幕し、建立を喜んだ。この日はやよいさんも駆け付け、「人首町」を朗読した。
 山崎委員長は「詩碑建立が子どもたち、地域の人たちの賢治作品への入り口となり、やがて文学への一つの道筋になれば。また世界の賢治ファンの『詩の散歩道』の一つに加えていただけたら。そして、やがて来るであろうILC(国際リニアコライダー)の研究者の方々を迎える文化的基盤作りの一端にもなることを願っている」とあいさつ。建立に携わった関係者各位に感謝した。
 地元米里保育園児と人首小児童8人が「雨ニモマケズ」を高らかに朗誦し、賢治作品を伝承した。

写真上=江刺区米里の壇ケ丘に建立された詩碑「人首町」の除幕式
写真下=詩碑の前で賢治の代表作品「雨ニモマケズ」を朗誦する子どもたち
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tanko 2016-4-23 12:50
 北上山地への国際リニアコライダー(ILC)誘致を見据えた奥州市の「ILCまちづくりビジョン」の最終案がまとまった。市が今後目指すべき将来像や関係機関と連携して進めていくための行動指針を掲げ、地場産業の振興や市民生活などのさらなる向上のために期待できる取り組みを示した。22日、同ビジョン策定委員会の亀卦川富夫会長が小沢昌記市長に最終案を提出。今月中にも策定される見通し。(千葉伸一郎)


 昨年7月の初会合からワークショップやパブリック・コメント(意見公募)などを経て取りまとめた。同策定委は、まちづくりや産業の集積、教育や医療など各分野の有識者ら13人で構成。重視したのはILCをどのように市民の「夢や希望」につなげていくか――。最終案の副題には「無限の可能性を求めて」と記した。
 ILCで用いられ、生み出される最先端技術はさまざまな分野に応用でき、県や東北の経済発展、地域活性化につながる。また、世界各国から多くの研究者らが集まるため国際都市を形成し、子どもたちが研究者から直接学ぶ機会があれば教育環境も高まる。
 市の目指すべきまちづくりの将来像は、「奥州から未来を創る」「時空を超えたつながり」「恵み豊かな自然・文化と共生」。この将来像を実現するため、▽地域産業振興▽多文化共生の推進と快適な生活環境の向上▽次代の人材を育成できる国際教育都市の形成――の3分野ごとに行動指針を決めた。
 地域産業振興には、JR水沢江刺駅周辺のイノベーション(技術革新、新たな価値の創造や社会を変化させる活動)拠点の形成などを取り組みに盛り込んだ。多文化共生と生活環境では、医療や公共交通の利便性向上などを掲げ、人材育成面では子どもたちが異文化理解と国際感覚を育むための寺子屋事業も記載した。
 亀卦川会長は「市民の夢として、この可能性を追求していきたい。このビジョンを経済団体や市民団体などに手渡していただけたら」と依頼し、さまざまな分野の協働による取り組みに期待。小沢市長は「市民一人一人がILCを迎えるために何ができるかを考え、率先して行動できるような雰囲気づくりをしたい」と応えた。

写真=市ILCまちづくりビジョンの最終案を小沢市長に提出する策定委の亀卦川会長(左)
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tanko 2016-4-20 12:50
 将来を担う子どもたちに最先端の科学に触れてもらうイベント「いわてサイエンスシンポジウム2016」が今年、大船渡市と盛岡市を会場に開かれる。県や関係機関で構成する実行委員会は19日、盛岡市の県民会館で設立総会を開き事業内容について確認した。
 北上山地への国際リニアコライダー(ILC)誘致や岩手大学理工学部開設などが話題になる中、次代を担う科学技術人材を育成しようと、同シンポジウムを開催。子どもたちに先端科学に触れてもらう機会を提供する。
 事業計画によると、プレイベントとして5月29日に大船渡市民文化会館(リアスホール)で「地域サイエンスシンポジウム」を実施。いわて国体開催年であることに絡め、スポーツと科学を観点とした講演会と体験・展示コーナーを設ける。スポーツメーカーの研究開発部門担当者がスポーツ用具の研究開発などについて解説する。
 メーンイベントの「いわてサイエンスシンポジウム」は、7月18日に盛岡市のいわて県民情報交流センター(アイーナ)で開催。宇宙や生命の起源を話題とした講演やパネルディスカッションを繰り広げる。また、東京海洋大学客員准教授でテレビ番組でもおなじみの「さかなクン」が児童・生徒向けに講演する予定。中高生によるサイエンスショー、体験コーナーも設ける。
 実行委員会は、岩手県や岩手大学、岩手県立大学、国立天文台水沢VLBI観測所など21団体・機関で構成されている。

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