人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)
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tanko 2013-6-12 11:50
 奥州市の小沢昌記市長は11日の市議会6月定例会で、7月中にも決まるとされる国際リニアコライダー(ILC)の国内候補地一本化に向け、「北上山地への誘致は信じて疑わない」と述べた。佐藤郁夫氏(市民クラブ)の一般質問に答弁した。
 素粒子物理学の大規模研究施設のILC建設をめぐっては、7月中にも北上山地か北九州の脊振山地に国内候補地が絞り込まれる見通し。
 小沢市長は「(ILCは)当初30km、最終的に50kmの直線のトンネルを掘るが、奥州市と一関市、気仙沼市の一部にわたって盤石な花こう岩の岩盤がある。東日本大震災後もひずみや断層は見つかっていない」と東北誘致の優位性を強調。脊振山地に比べ、5kmごとに掘るアクセストンネルを整備しやすいことに触れ、「研究施設を設置するコスト負担などの面は北上山地が大いに有利」と続けた。
 市有地の提供を含め誘致への決意について問われると、「市民の皆さまの理解を得て、市が持ち得るできる限りの範囲の部分については最善の便宜をはたらき、誘致を促進したい」と答弁した。
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tanko 2013-6-11 11:40
 市測友会主催の測量フェスティバルはこのほど、前沢区のイオン前沢店駐車場で開かれた。最新機材の体験や、三角形の辺の長さを歩幅で測り面積を求めるクイズなどを用意。親子連れらでにぎわった。
 橋やトンネルの建設に欠かせないなど、日常生活に密接に関わりがある測量技術。同会は、一般の人たちに認識を深めてもらおうと毎年、測量の日(6月3日)を記念した同フェスを実施している。
 会場では、対象物までの距離を目測した後に、500万円近い最新の距離・座標測定機材で正解を調べるクイズや、三角形の面積当てなどが繰り広げられ、子どもも大人も正解を導き出そうと熱中していた。
 市立前沢中学校1年の加藤有貴君(12)は、距離当てクイズで目測と正解の差が��?という好成績。「目測がこんなにうまくいくとは思わなかった。測量の仕事は楽しそう」と話した。
 会場では県担当職員を招いたILCの講話も行われた。
写真=最新機材で距離を測定する子どもたち
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tanko 2013-6-11 5:00
 東北大が9日に実施した素粒子物理の外国人研究者ツアーに、奥州市水沢区福吉町在住の英語講師ビル・ルイスさん(44)=米ジョージア州出身=が同行。国際リニアコライダー(ILC)誘致を見据え、研究者から寄せられた生活環境などの質問に丁寧に回答するなど、日本に住む外国人市民の“先輩”として、これまでに培ってきた経験や知識を発揮。誘致関係者も、頼もしさをあらためて実感している。

 20年以上水沢に住んでいるルイスさん。今年3月、奥州市国際交流協会(佐藤剛会長)によって立ち上げられた「インターナショナル“ILC”サポート委員会」の委員長に就任した。東北大からツアーへの協力依頼を受けていた同市ILC推進室は、研究者とのコミュニケーションをより円滑に進めるためルイスさんに同行を要請した。
 来訪した研究者は、加速器装置を使った実験をもとに研究を進めている専門家。ILCの建設や設計には直接関与しない。しかし、ILCが誕生すればそこが世界の素粒子研究の中心地となる。今後、北上山地周辺地域が自分たちが住む場所になるかもしれないことから、生活面に関する質問が多く寄せられた。
 「人口がどれくらいで、電力は十分に確保できるのか。空港や鉄道などのアクセスはどのようなものがあるか聞かれた」とルイスさん。中には「地元の人たちは(ILCに)反対していないか」という質問もあったという。ルイスさんは「日本に長く住んでいる私が対応したので、彼らも安心していろいろなことを気軽に聞いてくれたと思う」と話していた。
 ルイスさんとツアーに同行した同推進室の及川健室長は「研究や施設概要については、主催した東北大の先生たちが英語で十分説明できる。しかし、地域の様子や暮らしに関することになると、地元の人間でなければなかなか回答できない。その辺の質問に適切に答えてくれるルイスさんのような外国人市民の存在は、非常に力強い」と感謝していた。
(児玉直人)
写真=外国人研究者らの質問などに答えるビル・ルイスさん(中央)(一関市東山町)

◇国際都市形成見据えた意見交換会開催(13日)
 奥州市国際交流協会では、13日午後1時半から奥州宇宙遊学館で「ILC誘致とまちづくり」と題したパネルトークを開催。ルイスさんのほか、県立大総合政策学部の吉野英岐教授、NPO法人イーハトーブ宇宙実践センターの大江昌嗣理事長が、外国人受け入れに伴う住宅や公共サービスに関する課題について意見を交わす。
 参加申し込みは同協会(電話22-6111)へ。
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tanko 2013-6-11 4:30
 東北大学(里見進総長)は9日、素粒子物理学の外国人研究者を一関市内などに案内し、国際リニアコライダー(ILC)の有力候補地である北上山地とその周辺の環境をPRした
 訪れたのは、今月5〜8日まで東北大で開かれた素粒子関連国際会議の出席者。会議では、ILCなど素粒子研究に必要な加速器実験装置の在り方について議論を交わした。
 ツアーは、会議を主催した東北大が企画。希望者を募ったところ、アメリカやドイツ、フランス、ルーマニアなど世界各地から集まった素粒子研究者21人が参加した。
 来訪したメンバーの多くは加速器実験の成果を基に研究を進める人たちで、ILCの建設地決定には直接関与しない。しかしILCが実現した場合は、研究や学会参加のために短期、長期含めてILC施設に足を運ぶ可能性が十分にあるという。
 このため今回のツアーは、建設予定場所の視察調査ではなく、周辺地域の環境を知ってもらうことに主眼を置いた。地域の良さや魅力を伝えるため、平泉や猊鼻渓などの観光地見物も組み入れた。
 一関市の東山地域交流センター前では、建設予定エリアの立体地図や地質調査で採取した地中の岩盤サンプルなどを見学。
 独アーヘン工科大学物理学研究所に所属する若手研究員のエイドリアン・ぺリアヌーさんは、「ここだったら(ILCが)できそうな感じがする。私は静かな環境が好きだが、中には都会のようなにぎやかさを求める人もいるだろう」と話し、「ILCは長期にわたって使用することになる。大事なのは、どんな研究をしていくのか、しっかり考えることだ」と強調した。
 一行を案内した東北大大学院の佐貫智行准教授は「『東北は何もない』と思われがちだが、自然が美しく、おいしいものもあるし、新幹線駅から研究現場まで遠くはない。実際に住むかもしれない場所を見ていただくだけで、イメージは大きく変わる。それぞれが国に帰り、仲間の研究者の皆さんに口コミでさらに印象を伝えていただくことで、東北の良さを知ってもらえる」と話していた。
写真=立体地図を見ながら建設候補地の様子に触れる外国人研究者たち
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tanko 2013-6-9 10:10
岩手県議会の岩手県南・宮城県北議員連盟と、宮城県議会の岩手・宮城県境議員連盟は10日、内閣府や文部科学省を訪れ、国際リニアコライダー(ILC)の東北誘致実現を要望する。
 両議連は岩手、宮城県境周辺地域の課題などを検討する組織。メンバー議員の所属議会が異なるため、それぞれの議会で議連を立ち上げているが、活動のほとんどは合同で行われている。
 両議連は内閣府の倉持隆雄政策統括官(科学技術政策・イノベーション担当)と、文部科学省の吉田大輔研究振興局長と面会する予定。本県議連からは飯沢匡会長、及川幸子副会長ら9人が出向く。
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tanko 2013-6-9 10:10
 「名水探訪&ビューポイント発見ツアーin江刺」は7日、市民ら21人が参加し、江刺区内の自然を訪ね歩いた。米里の黄金延命水など湧き水3カ所をめぐり、国際リニアコライダー(ILC)の建設予定地となっている阿原山(あばらやま)高原からの眺めも楽しんだ。
 市環境市民会議「奥州めぐみネット」(高橋貞勝代表)と市が主催。同ツアーは市内に残る貴重な自然を再発見し、保護継承する心をはぐくんでもらおうと毎年春と秋に実施している。
 今回はILC建設で話題となっている阿原山高原と、その周辺に湧く天然水をテーマとした。米里(よねさと)・伊手(いで)地域は、宮沢賢治も愛した自然が今も良好な状態で残り、湧き水なども豊富。ツアーでは▽黄金延命水(中沢)▽金山水(木細工(きざいく))▽金命水(阿原山)――をめぐった。
 米里字中沢の黄金延命水は、古くから地域の人たちの貴重な飲料水として親しまれてきた。2007年に所有者の山田晋作さん(70)らが湧き水の水場を整備している。
 現地に到着した一行は、つるべ井戸をイメージした水場に集まり「湧きたて」を味わった。衣川区古戸の小形己知子さん(71)は「普通の湧き水よりも甘く感じる。こうした資源は大切にしないとね」と、のどをうるおす。
 同ネット自然環境部会の鈴木輝男部会長(71)は「阿原山の眺めや湧き水は、まさに江刺の自然がはぐくんだもの。その美しさ、おいしさを味わうことで、自然の素晴らしさ、環境の重要性が実感できると思う」と期待していた。
 同日は阿原山高原で、ILCについての説明も受けた。
写真=江刺の自然の恵み「黄金延命水」を味わうツアー参加者
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tanko 2013-6-7 9:40
 市国際交流協会(佐藤剛会長)は5日、水沢区吉小路の市水沢地域交流館(アスピア)で総会を開き、ILC誘致への取り組みなどを盛り込んだ本年度事業計画を決定した。
 総会には20人余りが出席。佐藤会長は「当協会へのILC誘致に向けた期待は大きい。これからは外国人と交流する機会も増えるので、スキルの一つとして英語学習に取り組もう」とあいさつした。
 本年度は市内在住の外国人向け日本語指導者の育成を充実させるほか、多文化共生社会推進事業の一環として、パネルトークやワークショップなどを開催。ILC誘致に向けた取り組みを展開し、多言語で生活情報を届けるラジオ番組の放送や多言語ウェブサイトの運営も継続させる。
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tanko 2013-6-7 7:40
 東京大学素粒子物理国際研究センターの山下了准教授による国際リニアコライダー(ILC)講演会が、21日午後1時半から市文化会館(Zホール)で開かれる。国内候補地が北上山地か九州・脊振山地のいずれかに絞られるまで2カ月を切った中、ILC実現に向けた機運をさらに盛り上げる。
 講演会は、ILCの北上山地誘致を提唱している一般社団法人国際経済政策調査会(東京都港区、高橋佑理事長)が主催する。同調査会は、20年ほど前から北上山地の強固な岩盤を素粒子研究施設に活用できないかという情報を察知し、組織内に「加速器科学研究会」を設置。ILCの話題が一般市民に知られていないころから、長年にわたり勉強会を重ねてきた。
 これまでに数多くの講演会を開催してきたが、81回目となる今回は山下准教授を講師に招く。演題は「ILC誘致実現に向けて」。ILC誘致の意義をあらためて一般市民に向け発信する。
 素粒子物理学の国際研究施設であるILCは、北上山地と九州の脊振山地が国内有力候補地とされている。米国やスイスなど海外にも候補地があったが、各国の経済情勢などを背景に日本への建設を有望視する声が浮上。7月の国内候補地一本化が、事実上の候補地決定になるとの見方がある。
 講演に関する問い合わせは、同調査会(電話03・6277・7467)。
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tanko 2013-6-5 9:50
 5月23日に茨城県東海村の「J―PARC」で発生した放射能漏れ事故と、北上山地への誘致が期待されている国際リニアコライダー(ILC)との関係について、東北大大学院理学研究科物理学専攻の佐貫智行准教授は4日、県議会の新産業創出調査特別委員会(郷右近浩委員長、委員11人)の会合の中で、施設や実験内容の違いについて説明。ILCにおいて同様の事故が起きる可能性は極めて低いとした。その上で「今回の事故で得た教訓は(ILCにも)生かしていく必要がある」と述べた。

 会合は、同委員会による県内調査の中で開かれた。一関市役所大東支所を会場に同委員会メンバーと奥州、一関両市の誘致担当者らとの質疑や意見交換が行われ、学識経験者として調査に同行した佐貫准教授も出席した。
 会合の中で久保孝喜氏(北上、社民党)は、「今回の事故はILC誘致に影響しないと思うが、リスク面をきちんと説明する姿勢が必要。『住民から聞かれませんでした』ではなく、市民が抱く漠然とした不安にも積極的に対応すべきではないか」と述べた。
 両市担当者らもリスク説明の重要性を認識。一関市の田代善久副市長は「行政の人間が『大丈夫だ』と言っても説得力がない。専門知識がある科学者による説明会のようなものが開ければ」と話した。
 佐貫准教授は「『加速器』と文字に書いてしまえば同じ装置に見られてしまうが、J―PARCの加速器とILCの加速器は全然違う」と説明。J―PARCの装置の場合、スイッチを止めてから放射線の影響が収まるまで数時間は、遮へい管理区域の中に入れないが、ILCの場合は切った直後から中に入れるぐらい放射線の影響は小さいという。
 J―PARCのような事故が起きる危険性はILCでは極めて低いというが、佐貫准教授は「想定外のトラブルというものが起きないためにも、事故の教訓は生かしていかなければいけない」と強調。また個人的見解とした上で「J―PARCの装置も、異常を察知して一度停止した。しかし、それを再び動かしてしまった。すぐに実験を再開したいという気持ちを抑えるべきだった」と話していた。
 このほか佐貫准教授は「『放射線』と『放射能』は全く意味が違う。もし(住民に向けて)説明する際はこの辺も十分に理解した上でお願いしたい」と述べた。
(児玉直人)
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tanko 2013-6-5 9:40
 県議会の新産業創出調査特別委員会は4日、国際リニアコライダー(ILC)国内有力候補地の北上山地を視察。地元奥州、一関両市の誘致活動の状況について聞き取りする中で、外部に向けた情報発信がまだ不足している点などの課題が浮き彫りとなり、今後の諸対応に反映させることを確認した。
 一行は江刺区伊手の阿原山高原展望台周辺からILCの建設が想定されているエリアを眺めたほか、一関市役所大東支所では奥州、一関両市からILC誘致に向けた各種取り組みについて報告を受けた。
 工藤勝子氏(遠野、自由民主クラブ)は外部へのPR方法に関して質問。学識経験者として同席した東北大学大学院の佐貫智行准教授は「地質の科学的評価はもちろん、1度の乗り換えで成田空港に行ける交通アクセスなどは十分なものだが、そのことを知らない人が非常に多い」と、東北の持つ良さが十分にアピールしきれていない点を指摘。特に、外国人向けの英語による情報提供が不足しているといい、「国内候補地一本化まで2カ月を切っている中ではあるが、情報発信は頑張ってほしい」と訴えた。
 郷右近浩委員長(奥州、希望・みらいフォーラム)は「誘致実現に向けまだ足りない部分があることを確認できた。とにかくできることからやっていきたい」と話していた。
写真=阿原山高原からILC建設想定エリアを眺める県議ら

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