岩手県奥州市・金ケ崎町をエリアとした地域新聞社による国際リニアコライダー(ILC)関連記事を掲載。 奥州市東部の北上山地は、現時点における世界唯一のILC候補地に選定されました。当サイトにはILCをはじめ、理系分野やILCに関連性のある地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)についての記事を随時アップします。
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tanko 2017-5-10 14:47
ネックは「PB黒字化目標」

 経済評論家の三橋貴明氏(47)は8日夜、水沢青年会議所(阿部由起男理事長)の創立��周年記念講演会で、北上山地への誘致が期待される素粒子実験施設「国際リニアコライダー(ILC)」について、日本のデフレ経済脱却の起爆剤になると主張した。その上で、ILC実現のネックになっているのが、国の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)黒字化目標だと指摘。「財務省はPB目標を盾に、ILC計画をつぶそうとしている。これを破棄させるには、皆さんが声を上げて国会議員を動かさなければいけない」と主張した。

 会場となった水沢区佐倉河の市文化会館(Zホール)には、市民ら約450人が集まった。三橋氏は経済の入門知識を説明しながら、デフレ状態が長引く日本経済の現状を解説した。
 「バブル崩壊を機に、人々は夢や希望を失い、将来への投資をせず、目先のことしか考えなくなった。とはいえ、民間や家庭に投資しろと言っても現実的には難しいので、本来であれば政府が公共投資をしてデフレから脱却しなくてはいけない。だが、実際には何もしないどころか、むしろ削ってしまっている」と指摘。ILCの実現は、デフレ脱却に必要な有効需要を創出する上で格好の事業であることを強調した。
 デフレ脱却以上に重要な効果が、技術力の向上。「ILCを造ることは決して容易ではないが、困難を解決することで技術力は高まる。ILC建設によってこの地域は『知の中心』となる。もちろん、新しいまちが生まれ、雇用創出やインフラ整備も進む。このような事業をやらない手はない」と主張した。
 さらに三橋氏は、ILC日本誘致の前に立ちはだかる問題として国のPB黒字化目標を批判。「何らかの大きな事業をするときには、支出に見合う税収でイコールにしろという考え方だ。東日本大震災の復興のために創設された復興税がいい例。ILCも同様で、もし誘致するなら他の何らかの予算枠を減らすか『ILC税』のようなものをつくるという理論になる。PB目標を破棄できれば、ILC実現の可能性は大いに高まる」と述べた。「PB目標を破棄させるには、皆さんがしっかり知識武装して、政治の側にどんどん声を上げていくことが大切だ」と呼び掛けた。

写真=デフレ脱却や日本の技術力向上のためにILC計画は意義があると訴えた三橋貴明氏
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tanko 2017-5-5 14:30
 胆江地区の高校卒業者や同地区出身・在住者らの進学を支援している奥州市水沢区佐倉河の公益財団法小林奨学育英会(小林正典理事長)は今年、設立から30年の節目を迎えた。本年度は8人を奨学生に認定。同区内のホテルで4日、認定証を交付した。関係者は、高い志を持って夢への一歩を歩み始めたばかりの学生たちに、エールを送った。
(児玉直人)

 同育英会は、旧水沢商工会議所の会頭などを歴任した故小林隆夫氏が創設。自身の経験などから「向学心がありながら経済的理由で進学を諦めようとしている青少年を何とか手助けしたい」と1987(昭和62)年、還暦を迎えた記念に私財を投じて財団法人を立ち上げた。現在は隆夫氏の長男、正典氏が理事長を務めている。
 各種奨学金制度を運用する団体などでは昨今、貸与した奨学金の返済が滞るといった問題に直面。経済・雇用に関する社会情勢の影響のほか、奨学金制度に対する認識の在り方などが背景にあるとみられる。同育英会も例外ではなく、理事会などで議論を重ね2012(平成24)年度、貸与方式から、返済義務不要の給付方式に転換している。
 同育英会が創設時から認定した奨学生は、本年度も含めて214人。定時制高校からの進学や、5年制の高等専門学校から大学に編入したという例もあり、多様な「学び」のスタイルを支えてきた。奨学金を受け無事に卒業した学生や保護者からは、「親の負担やバイト時間を気にせず、勉学に専念することができた」「地域のために貢献することで給付の恩返しができれば」などといった手紙が寄せられている。
 本年度は過去最高の44人の申し込みがあった。成績や人間性、将来目標の設定などを基準に8人の奨学生を選定した。
 認定証交付式で小林理事長は「大学に入るのは『目的』ではなく、将来の目標や目的を達成するための『手段』に過ぎない。目的と手段を混同しないでほしい。私たちは皆さんが素晴らしい社会人になることに期待をしており、しっかり支援すると約束する。さまざまな人と出会い学び、世の中に貢献できる人になってほしい」と激励。一人一人に認定証を手渡した。
 県立水沢農業高校を卒業し、帯広畜産大学畜産学部に通い始めた小野寺梨紗さん(18)は「農業高校の教員を目指しており、地域農業の発展に貢献したい」。県立杜陵高校奥州校から県立大学ソフトウェア情報学部に進んだ佐藤蒼柊さん(18)は「東日本大震災を経験したので、災害に強い通信ネットワークを作り上げたい。国際リニアコライダー(ILC)にもソフトウェアの面で、何らかの形でかかわることができたら」と夢を描いていた。

写真=小林正典理事長(左)から認定証を交付される奨学生
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tanko 2017-4-29 14:40
 東京大学素粒子物理国際研究センターの山下了特任教授は、東北ILC推進協議会総会後に講演し、ILCの建設コストに対し「今までは1兆円と言われていたが、昨年12月に打ち出された削減案で実施すれば建設費は当初の半分。日本の負担額はさらにその半分になるのでニ千数百億程度となる」との見解を示した(※)。
 ILC誘致をめぐる最新動向を伝えた山下特任教授。ILCを実現する上で、ネックとされていた巨額な建設費について、研究者らは昨年12月、盛岡市で開かれたILC関連の国際会議「リニアコライダー・ワークショップ(LCWS)2016」の中で、当初計画より約10km短い直線距離20kmで建設する新方針を打ち出したことを紹介した。
 山下特任教授は「過去の大型事業を例に『費用は計画の3倍は膨れ上がる』と言われているが、加速器施設に関してはそれはない」と断言。施設を徐々に拡張していくため、研究の進展は段階的にはなってしまうが、誘致実現の可能性は格段に上がると強調した。

※補足説明…直線加速器は、実験の進展状況などに応じ、段階的に本来目指す加速器トンネルの長さに拡張するのが容易。最初の投資額を低く抑えられるメリットがあることから、研究者サイドは、徐々に拡張していくこの方針を打ち出していた。
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tanko 2017-4-29 14:30
 素粒子研究施設・国際リニアコライダー(ILC)の北上山地誘致を進めている東北ILC推進協議会(代表・里見進東北大学総長、高橋宏明東北経済連合会名誉会長)は本年度、ILCを核とした国際研究都市の形成や東北全体の創生を図るため、1次産業や3次産業などの分野を対象とした育成・連携事業に取り組む。本年度中とも言われている日本政府の誘致判断が迫る中、新たな地方創生モデルの提示を目指す。
(児玉直人)

 本年度の事業方針は、28日に仙台市内のホテルで開かれた同協議会総会で示された。総会に先立ち里見代表は、「本年度は誘致を決める重要な年。これまでの加速器関連産業の育成活動に加え、国際的なまちづくりを一層検討していくため衣食住の国際化を進めていきたい」とあいさつ。政府の誘致判断に向けた動きが正念場を迎えることにも触れ、「ILC推進の司令塔である協議会の役割を果たしていきたい」と述べた。
 本年度事業の柱の一つである1次産業や3次産業も加えた地場産業の育成は、ILCを核とした国際研究都市を構築する上では必要不可欠な取り組み。同推進協をはじめとするILC関連の誘致団体では、加速器本体やそれらを支える関連機器、土木・建設技術などを中心としたセミナーや企業交流会が多く行われており、団体加盟企業も2次産業に分類される業種が目立っていた。いわゆる「加速器関連産業」の育成と連携に力を注いできた。
 しかし、研究者やその家族、見学者などの受け入れ態勢を整える上では、地域の1次産業や3次産業、さらには地域の活動団体などの協力や育成も不可欠。ILC誘致によってもたらされる波及効果は、研究や技術開発面のみならず、日常生活に身近な食産業やまちづくりなど多岐に及ぶため、産業全体や町内会、商店街といった地域レベルの団体などの協力と国際化に向けた育成が必要となる。
 育成事業は、同推進協事務局を務める東北経済連合会(東経連)が設置する民間支援組織「東経連ビジネスセンター」と連携し、観光や食などに関する産業の育成を推進。多くの人材が定着、交流できるようなまちづくりの検討も進め、新たな地方創生モデルの提示を目指す。
 総会では、関係自治体や団体の代表者による決意表明も行われ、本県の達増拓也知事は「いよいよ正念場。やるべきことをしっかりやり、全国の皆さんにもILCの意義を理解してもらえるよう頑張りたい」。奥州市の小沢昌記市長も「決断を待つばかりではなく、皆さんで何ができるかを考え、大きなうねりを起こしていこう」と呼び掛けた。

写真=本年度事業などを決めた東北ILC推進協議会の総会
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tanko 2017-4-28 20:00
 “音楽の都”として知られるオーストリアの首都、ウィーンを拠点に活動する5人の管楽器奏者が27日、金ケ崎町立金ケ崎中学校(遠藤宗俊校長、児童452人)を訪問。世界の音楽ファンをうならせる最高の響きを生徒や地域住民らの前で披露した。
 同校を訪れたのは、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団のヘルベルト・マデルターナーさん(オーボエ)、ペーター・ロイットナーさん(クラリネット)、ヤン・ヤンコヴィッチさん(ホルン)と、ウィーン国立歌劇場管弦楽団のマティアス・シュルツさん(フルート)、ウィーン交響楽団のリヒャルト・ガラーさん(ファゴット)。
 5人は、トヨタ自動車が実施している社会貢献活動事業「トヨタ・マスター・プレイヤーズ ウィーン」に参加するため来日。同事業のためだけに、ウィーンの名門オーケストラに所属する演奏家30人で編成された室内管弦楽団で、今月15日の大阪を皮切りに26日の仙台公演まで国内各地で演奏活動を繰り広げた。
 公演の合間を縫って、学校などへの訪問演奏も実施。金ケ崎中は、トヨタ自動車東日本岩手工場が近くにある縁もあって実現した。
 全校生徒や地域住民らが集まる体育館に姿を見せた5人は、息の合ったアンサンブルを披露。フルート奏者のシュルツさんが、曲の説明をしたり楽器の紹介をしたりして楽しませた。
 演奏のお礼に、同校応援団が和太鼓のパフォーマンス。質問コーナーでは、吹奏楽部の生徒たちを中心に「演奏会に臨むときに心掛けていることは」「どうしたら緊張しないで演奏できるか」などと尋ねた。シュルツさんは「練習をたっぷりすること。そして音楽をすることを喜び、そのことに感動することが大切だ」とアドバイスした。

写真=息の合ったアンサンブルを披露する5人の管楽器奏者たち
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tanko 2017-4-24 19:30
 金ケ崎町を訪問中の姉妹都市ドイツのライネフェルデ・ヴォアビス市訪問団は23日、森山総合公園や金ケ崎要害歴史館など、町内施設を視察。要害歴史館では、一昨年行われた新町誕生60周年記念行事で、ゲルト・ラインハルト前市長が植樹した桜を鑑賞し、桜の成長に重ねて両市町友好交流の発展を願った。訪問団は24日朝に同町を出発し、25日に離日する。

 訪問団は、マルコ・グロサ市長とゲルト・ラインハルト前市長、市長秘書のビルギット・メーレケ氏、市経理担当のハイケ・ゲンツェル氏、同市スポーツ余暇公社のアンドレアス・エベルト代表、ノインシュプリゲ醸造所のベルント・エーブレヒト代表の6人。
 一行は、19日に来日。都内で同町との交流の端緒を開いた伊藤邦明東北大名誉教授らとの懇談機会を設けた後、21日に金ケ崎入りした。初日は町と町議会主催の歓迎式が町役場議場で行われたほか、「町民お花見会」に参加。22日は盛岡市内のビール醸造所を見学し、北上市の展勝地で花見を楽しんだ。
 視察最終日の23日は、社会人硬式野球の「第53回JABA県知事旗争奪春季大会」が行われている森山総合公園の野球場など、スポーツ施設を視察。芝やプールの水質管理などに関心を示したという。
 金ケ崎要害歴史館では、同町の歴史に理解を深めた。同館の庭には一昨年10月に同市と中国・長春市、米国アマースト町の訪問団がそれぞれ植えた桜がある。新町誕生60周年記念式典に合わせて行われた交流事業計画締結式の際に植栽したもので、ラインハルト前市長が植えた荘川桜(アズマヒガンザクラ)が、今回の訪問団来町に合わせるように植樹から初めての花を咲かせている。
 1.7mほどに成長した桜を前に、ラインハルト前市長は「姉妹都市関係にも花が咲いていると感じられ、非常にうれしい」と笑顔。ともに植樹した長春、アマーストの両市町と2001年に、金ケ崎で開かれた4極サミットに参加した思い出を振り返り、「金ケ崎町との姉妹都市交流を通して、他の都市との交流に広がっていくことを期待する」と述べた。
 同町や県内の視察を通してグロサ市長は「どこに行っても非常にきれいで、自分たちの街にも取り入れられないかと考えている」と印象を語り、「今後は、姉妹都市関係が市民に分かるような形を検討したい」という。今訪問団には民間からも参加しており、「秋にドイツに来る金ケ崎町の訪問団には、ぜひさまざまな分野の人に参加してもらいたい。実際に私たちの市を見てもらい、経済交流も含めどのような交流ができるか考えていきたい」と希望した。

写真=ライネフェルデ・ヴォアビス市訪問団を歓迎するように咲いた桜
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tanko 2017-4-24 19:20
 岩手県とその周辺に住むフィリピン人の生活向上や抱えている悩みなどを聞く会合が23日、奥州市水沢区吉小路の市水沢地域交流館(アスピア)で開かれた。会合を主催したのは、同国のドゥテルテ大統領の政策などに基づいたフィリピン人の支援活動を展開する団体「キルサング・パグババゴ(改革運動)」。現地フィリピン人だけでなく、海外に住むフィリピン人にも政府の取り組みを周知するとともに、生活支援に役立つ情報や講座を展開している。同日は、同居家族の世話や就労面でも役立つ介護に関する講座なども行われた。

 麻薬撲滅などの政策や就任前後の過激な発言が世界の注目を集めたドゥテルテ大統領。キルサング・パグババゴは、麻薬など薬物の使用や犯罪の根絶、腐敗政治の払拭、貧困緩和などドゥテルテ政権が推進する政策に関係した情報提供や、さまざまな講習会を開催している。その取り組みは自国内にとどまらず、日本など海外に暮らすフィリピン人も対象としている。
 埼玉県熊谷市に暮らすジョージ・アスティリアさん(59)は、東日本エリアでの活動を担当。政府側の情報を提供したり、日本で暮らす上で制度的に困っていることはないかなど、会合を通じて聞き取り、母国政府側へフィードバックしている。
 アスピアでの会合は、水沢区姉体町に住む及川アイリーンさん(41)らが中心となり、県内や宮城県気仙沼市に住むフィリピン人に参加を呼び掛けた。約40人が集まった。
 この日は、情報提供や意見交換のほか、介護に関係した講習も実施した。
 地方で生活するフィリピン人女性の多くは、夫の両親らと同居する例が多く、在宅介護の必要性も出てくる。また、収入確保のための就職先としても介護関係は注目されており、介護に対するフィリピン人女性たちの関心は高い。会合では、介護士資格を持つフィリピン人女性が、介護の基本知識や介助の仕方を実演。参加者は真剣な表情で聞き入っていた。
 会合の様子は、フィリピンの国営放送PTVも取材。後日、現地で放送するという。

写真=介護に関する基礎知識を学ぶ地域在住のフィリピン人女性たち
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tanko 2017-4-22 19:30
 金ケ崎町の姉妹都市ドイツのライネフェルデ・ヴォアビス市訪問団が21日、同町を訪問。町役場4階の議場で町と町議会による歓迎式が行われ、町立金ケ崎中学校の生徒が、同市縁の曲「野ばら」を演奏した。一行は、隣接する街地区体育館で開かれた「町民お花見会」にも参加。訪問団メンバーが経営するビール醸造所の生ビール100リットルが振る舞われた。お花見会には町民ら約280人が参加し、本場の味を楽しみながら一行と交流を深めた。
(菊池藍)

 両市町の交流は、歴史的な建造物の保存活用などを共通項としてスタートし、2002(平成14)年に旧ライネフェルデ市と姉妹都市締結した。2004年に2市7町が合併し現ライネフェルデ・ヴォアビス市が誕生した後も、交流を継続。市制・町制施行の節目などでの訪問団や文化使節団の派遣、職員の交流研修などを行ってきた。
 今回同町を訪問したのは、マルコ・グロサ市長とゲルト・ラインハルト前市長、職員2名のほか、同市スポーツ余暇公社のアンドレアス・エベルト代表、ノインシュプリゲ醸造所のベルント・エーブレヒト代表が同行。23日までの滞在中、工業団地や森山総合公園を視察するほか、町内でイベントを開催している盛岡市のビール醸造所も見学。産業文化に広く触れる機会を盛り込んでおり、今後の新たな交流の形を探る。
 歓迎式で高橋由一町長は、訪問団に民間人が参加したことに「新たな分野での交流につながる」と期待。伊藤雅章議長は、「桜が見ごろを迎え、水田では米の作付け準備が盛んに行われている。金ケ崎の風景をご覧いただきながら、友好関係を深めていきたい」と述べた。
 グロサ市長は、市の行政組織や都市整備事業、今後の自治体合併に向けた動きなどを紹介。姉妹都市を締結した当時のラインハルト前市長は「共に若い町で、それぞれ興味深い歴史があり、継続可能な発展が期待される」とし、「人的交流が今後も継続され、お互いの関心がさらに成長し学び合えれば」と願った。
 式では金ケ崎中学校吹奏楽部3年生11人による演奏も。同市出身の作曲家、ヴェルナーの名曲「野ばら」で、訪問団を歓迎した。グロサ市長は「中学生の演奏は非常に良かった」と笑顔で話し、「(今回は)姉妹都市交流を強固なものにしていくための訪問。住宅建築など今後計画している政策に反映できるよう、さまざまなものを学びたい。職員の研修派遣など人的交流を今後できたらと思う」と意欲を示した。
 「町民お花見会」で一行は鏡開きに登壇。乾杯後、ノインシュプリゲ醸造所のピルスナータイプの生ビールが来場者に振る舞われた。
 同醸造所では、年間700万リットルのビールや2万リットルのウイスキーなどを製造しており、旧東ドイツ地域で広く親しまれている。エーブレヒト代表は「伝統的な造り方を採用している。日本のビールと同じようにガスが少なく飲みやすい。日本のビールも飲み比べてみたが、非常に良かった」と話していた。

写真上=歓迎式であいさつするマルコ・グロサ市長

写真下=金ケ崎中吹奏楽部の演奏を楽しむ、ライネフェルデ・ヴォアビス市訪問団
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tanko 2017-4-18 19:10
 東海林誉(しょうじ・たかし)社長(39)が11年前に起業した(株)ショージックは、江刺区八日町に本社を構えるスタッフ5人のIT企業。外国人旅行客の接客に使える多言語案内アプリを開発するなど、「IT(情報技術)を用いた人と人をつなぐサービス」を使命に事業を進める。
 東海林社長の転機は16歳で訪れた。一関高専に入学後、パソコンに詳しい親友の話を聞いて「すごいことが起きている」と直感。アルバイトでためた50万円でパソコンを買い求め、使い方を一から学んだ。指導を受けた教授もパソコン愛好者で、関連機器がそろった研究室に足しげく通った。本来の専攻は化学だったが、パソコンの魅力に引きこまれ、「この道で生きていきたい」。好奇心と人との出会いが、その後の進路を決定付けた。
 卒業後は仙台市のシステム制作会社に勤務。産業装置の制御プログラムの開発などに4年間携わった。知人の誘いを受け、旧江刺市のホームページ制作会社に移ったのを機に、江刺に家族で移住した。5年近く勤め、2006年6月、28歳で独立。名前を覚えてもらう狙いで社名は自身の名字にちなみ、ホームページ制作などから請け負った。
 受注や工程の管理などに使う業務システムの開発を手掛けるようになってから、経営の幅が広がった。ICT(情報通信技術)やIoT(モノのインターネット)に絡んだ技術開発も強みという。
 ショッピングサイトの構築も、事業の柱の一つ。全てではないが、顧客に対し成功報酬型の提案をすることもある。この場合、ネットショップの立ち上げから運用までを顧客に代わって行い、売り上げの一部を支払ってもらう。東海林社長は「顧客とタッグを組んで売り上げを上げていくような関係を増やせれば」と話す。
 昨年、外国人旅行客向けの多言語案内アプリを開発。タブレット端末で、飲食店のメニューなどを複数の言語で表示でき、平泉町の中尊寺境内のレストランで利用されている。
 北上山地が有力候補地に挙がる国際リニアコライダー(ILC)の誘致や東京五輪などを見据え、「奥州市の国際化や魅力の発信に貢献したい」と抱負を述べる。
(若林正人)



【ひと声】
代表取締役社長 東海林誉さん(39)
 「ウェブは人と人とのつながりが最も重要です。パソコンでつながるだけのサービスを提供するのでなく、お客さまと信頼し合い、共に成長できればと願っています」

【会社データ】
 奥州市江刺区八日町一丁目8-12-1。資本金200万円。従業員数4人。2012(平成24)年に仙台営業所を開設。翌2013年に株式会社化した。顧客の発展が自社の発展につながるとの信念で事業を進める。東海林社長はスタッフのチームワークも自社の強みと強調。システム開発やショッピングサイト構築、映像編集、語学など各分野に精通したスタッフが連携しながら、顧客の要望に応える。
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tanko 2017-4-15 9:40
本間希樹・国立天文台水沢VLBI観測所長も参加

 謎だらけの天体「ブラックホール」を直接撮影する世界初の試みが今月上旬、アメリカや南米、南極などの観測局が連携し行われた。アジアや欧米の天文学者らによる国際共同研究事業で、国立天文台水沢VLBI観測所=水沢区星ガ丘町=の本間希樹(ほんま・まれき)所長もその一員。ハワイで撮影作業を見守り、帰国したばかりの本間所長が13日夕、胆江日日新聞社の取材に応じ「解析や画像化する作業などを経て、早ければ年内にも公開できるだろう。非常に楽しみだ」と心を躍らせている。
(児玉直人)

 本間所長が参加する国際プロジェクト「EHT(Event Horizon Telescope)」は、ブラックホールの真の姿をとらえることを最終目標に活動してきた。強大な重力であらゆるものを吸い込む、ミステリアスな印象を与えてきたブラックホールの姿は、これまで「想像」でしか描かれていなかった。
 EHTは今回、地球から約2万5000光年離れた場所にある「いて座Aスター」と、約5400万光年離れたおとめ座方向にある「M87銀河」の中心に潜む巨大ブラックホールを撮影対象とした。いて座Aスターは、太陽の400万倍の質量を持ち、直径は太陽の17倍。M87中心部のブラックホールはさらに巨大で、質量は太陽の60億倍。直径は太陽の2万5500倍あるとされている。
 撮影作業(観測)は、米国のハワイ島やアリゾナ州、メキシコ、チリ、南極、スペインの世界6カ所にある計8局の電波望遠鏡を連動させ実施。できるだけ遠く離れた複数の電波望遠鏡が、一斉に同じブラックホールを観測することで、実際に製造不可能な直径1万kmの電波望遠鏡で観測したのとほぼ同じ精度の高いデータが得られる。VLBI(Very Long Baseline Interferometry=超長基線電波干渉計)と呼ばれ、水沢VLBI観測所が運用する「VERA(ベラ)」も同じ仕組みを採用している。
 撮影作業は今月5日から11日までの間、計5日にわたり行われた。ハワイ島の観測施設「ジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡(JCMT)」に出向いた本間所長は、「すべての地域で天候が良く、またトラブルもなく順調にできた。こんなにうまくいくとは思わなかった」と喜ぶ。
 今後、各局で得られた電波の強弱などを表すデータを解析し画像化を進める。本間所長は「日本やアメリカのメンバーがそれぞれ提案している技術で“絵”にしていく。国際的に協力し合う一方で、いい意味の競争が生まれる。最終的には1枚の姿を公開するが、日本の提案する処理方法が採用されるよう頑張りたい」と意気込む。
 公表されるのは早くて年内。本間所長は「今まで見えなかった姿が見えてくることで、ノーベル賞級の発見があってもおかしくない。非常にわくわくするし、このようなプロジェクトに携われたこと自体うれしい」と話している。

写真=ブラックホール撮影立ち会いのため、ハワイ島のJCMTに集まった天文学者たち。左が本間希樹所長(写真提供、本間所長)

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