人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)
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tanko 2022-8-28 18:10

写真=はやぶさ2やMMXなど、日本の探査機計画について説明する菊地翔太・助教

 小惑星探査機「はやぶさ2」など、国立天文台水沢キャンパス=水沢星ガ丘町=が関係するプロジェクトについて市民に紹介する講演会が27日、同キャンパス敷地内の奥州宇宙遊学館(亀谷收館長)で開かれた。「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」に着地する際の舞台裏など、担当した研究者自らが分かりやすく紹介した。
 同キャンパスを会場に今月6日から28日まで開催している「いわて銀河フェスタ」の一環。水沢に拠点を置く同天文台の組織「RISE月惑星探査プロジェクト」の菊地翔太・助教らが講演した。
 RISEは、小惑星探査機「はやぶさ2」に搭載されたレーザー高度計の開発や研究を行ってきた。現在は日本の火星衛星探査計画(MMX)にも携わっている。
 仙台市出身の菊地助教は軌道力学が専門。小惑星「リュウグウ」のサンプル(砂や石)を採取するため、「はやぶさ2」の着地点を選定する重要な業務も担当した。
 「リュウグウの表面は岩だらけ。当初は野球場のフェアゾーン程度の広さを想定していたが、実際はピッチャーマウンド程度の場所に着地しなければいけなかった。さらにリュウグウはいびつな形をしているため、場所によって重力が異なる。探査機本体にどう作用するかを把握する上で、軌道力学の考え方が関係してくる」と菊地助教。地球から遠く離れた探査機を損傷することなく運用し、無事にサンプルを回収するための舞台裏の一つを分かりやすく説明した。
 MMXは2年後に探査機を打ち上げ予定。火星の衛星「フォボス」からサンプルを採取し2029年に持ち帰るという。「ここ10年のうちに、はやぶさ2が持ち帰ってきたサンプルの解析や研究成果はどんどん出てくるし、フォボスで回収したサンプルも地球に戻ってくる。次の小惑星探査の話も出ており、まさにホットな研究をしている。注目し続けてもらえれば」と呼び掛けていた。
 この日は、同キャンパス内に本体が設置されているスパコン「アテルイ供廚留人僂坊箸錣訶豕大学宇宙線研究所の川島朋尚・特任研究員が、「シミュレーションで探るブラックホールの光と影」と題し講演した。
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tanko 2022-8-27 18:10

写真=水沢のRISEも携わっている火星衛星探査計画(MMX)の探査機想像図  (C)JAXA

 水沢星ガ丘町の国立天文台水沢キャンパスで開催されている「いわて銀河フェスタ2022」は、28日が最終日となる。27日午後2時半からは、同キャンパスに拠点を置く同天文台RISE月惑星探査プロジェクト(竝木則行プロジェクト長)が携わる火星衛星探査計画や、天文学専用スーパーコンピューター「アテルイ供廚虜膿契果などを研究者が講演。敷地内の電波望遠鏡「VERA」や、ブラックホール(BH)関連研究だけにとどまらない、天文学の取り組みを広く市民にアピールする。
(児玉直人)

 水沢キャンパスには、国内外複数の電波望遠鏡を連動させBHなどの観測・研究を行う水沢VLBI観測所(本間希樹所長)のほか、月や火星、木星、小惑星などの探査を進めるRISEが拠点を置く。また、敷地内の建屋に設置されているスパコン「アテルイ供廚蓮同天文台天文シミュレーションプロジェクト(CfCA、小久保英一郎プロジェクト長)が運用している。
 新型コロナウイルス感染防止のため、今月6日から28日までの長期分散開催としている本年度の銀河フェスタ。終盤を飾るイベントとして、RISEとCfCAの取り組みを研究者自ら紹介する特別講演会を27日午後2時半から、同キャンパス敷地内の奥州宇宙遊学館で開催する。
 前半はRISE助教の菊地翔太氏が「太陽系小天体の探査に挑む!〜はやぶさ2の成果とMMXの展望〜」。後半は東京大学宇宙線研究所特任研究員の川島朋尚氏が「シミュレーションで探るブラックホールの光と影」と題し講演する。
 このうち菊地氏が取り上げる「MMX」とは、2年後の探査機打ち上げを目指している日本の火星衛星探査プロジェクトの略称。火星の衛星「フォボス」からサンプル(岩石か砂のようなもの)を2029年までに持ち帰ってくる壮大な計画で、RISEもプロジェクトに参加している。
 遊学館での講演聴講は定員30人で、まだ余裕があるという。来館できないなど、直接聴講できない人のために、申し込み不要のオンライン生中継も行う。視聴は動画サイト「ユーチューブ」の国立天文台水沢専用チャンネルで。
 フェスタ最終日の28日は、午後2時半から遊学館で気圧に関する子ども向けの実験イベントを行う。定員30人で事前申し込みが必要となる。
 講演会、実験イベントとなど銀河フェスタのイベントは参加無料だが、遊学館に入る際は入館料(大人300円、小中高生150円)が必要。申し込み、問い合わせは遊学館(電話0197・24・2020)へ。
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tanko 2022-8-22 18:00

写真=胆沢図書館で開催している企画展「行ってみたい!憧れの宇宙!」

 宇宙に関する書籍を集めた企画展「行ってみたい!憧れの宇宙!」が、市立胆沢図書館(千田布美夫館長)で開かれている。ブラックホール(BH)の撮影成功などで耳目を集める神秘的な世界に親しんでもらおうと約250冊を紹介し、来館者の興味を引いている。9月25日まで(月曜、祝日休館)。
 国立天文台水沢VLBI観測所(本間希樹所長)を含む国際チームによる巨大BH「いて座A*(エー・スター)」の撮影成功をはじめ、宇宙誕生の謎を解くための素粒子実験施設として、北上山地が有力候補地とされている国際リニアコライダー(ILC)、そして『銀河鉄道の夜』といった宮沢賢治の童話作品など、宇宙に関する話題や文学作品は身の回りにあふれている。
 企画展ではBHや天文台、ILC、賢治作品をはじめ、宇宙に関わる書籍を多数そろえた。ほかにも、星や望遠鏡、宇宙飛行士、宇宙人に関するものなど多様。絵本を含む児童対象の本、大人向けの解説書、小説や漫画なども並べ、来館者の好奇心を刺激する。
 同館は7月下旬、BH撮影の国際プロジェクトチーム「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」メンバーの田崎文得さんを招いたイベントを開催。市内小学生が銀河の話に耳を傾け、田崎さん考案の「銀河ゴマ」作りを楽しんだ。
 このイベント開催に関連し、企画展では本間所長と田崎さんに「おすすめ図書」もそれぞれ紹介してもらっている。このうち小学生への推薦は、本間所長が『学研のひみつシリーズ』、田崎さんが『キツネ山の夏休み』(富安陽子著)。
 パネル展示では、BH撮影成功の新聞記事、「宇宙開発史」の年表なども目を引く。三田量子読書指導員は「宇宙関連の本を読んで理解を深めるとともに、宇宙が意外に身近な存在なんだと思っていただけたら」と話していた。
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tanko 2022-8-10 11:10

写真=県内14市の首長が顔をそろえた県市長会議

 岩手県市長会(会長・谷藤裕明盛岡市長)の会議は9日、水沢東町の水沢グランドホテルで開かれ、10月19日に山形市で開催される東北市長会総会に提出する議案を決めた。新型コロナウイルス感染症対策や国際リニアコライダー(ILC)誘致実現、東京電力福島第一原発事故による放射性物質汚染対策を特別決議とし、防災・減災対策や社会資本整備など5件を要望する。
 各市が事前に計40件の議案を提案。奥州市は▽ILC実現に向けた取り組み▽米価下落対策等の農業支援▽地域医療の充実――の3件を出した。
 東北市長会総会に提出する議案は1県5件以内とされているため、分野ごとにまとめて複数市から提案があったものを絞り込んだ。県市長会としては特別決議のほか、国土強靱化・減災防災対策や社会資本整備・老朽化、農林業政策、物価高騰対策、子育て支援の5件を選定した。
 県市長会議には、県内14市の首長が出席。冒頭、谷藤市長は「新型コロナ対策だけでなく、国土強靭化と防災の取り組みやDX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進、地域産業の振興、医療体制の確保など地方自治体が取り組むべき課題は山積している。諸課題解決のため国や県への要望を積極的に行うなど、行動する市長会として総力で取り組んでいきたい」と呼び掛けた。
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tanko 2022-8-10 11:00

写真=奥州市ILC推進連絡協議会の本年度総会

 奥州市ILC推進連絡協議会(会長・倉成淳市長、会員64団体)の本年度総会は9日、市役所江刺総合支所で開かれた。2021(令和3)年度事業報告を承認したほか、ILC実現に向けた支援や啓発活動を実施する2022年度事業計画などを決めた。
(河東田ひかり)

 あいさつで倉成市長は、ILCを巡る動きを示し「国際的な議論の行方を注視しながら、関係機関とのさらなる連携協力の下、実現に向けた支援と啓発活動を展開していく」と述べた。
 同協議会は本年度、ILC計画に関する情報提供や会員拡大の取り組みなどを推進していく。市は小学校3校と中学校7校への出前授業や市立水沢図書館での企画展、JR東北新幹線水沢江刺駅構内にある南岩手交流プラザのILCコーナーのリニューアルなどを行う。
 出席者からは「ILC計画に疑問を投げ掛ける人や知らない人、反対者もいる。市民らと一緒に、じっくり考えるような場を設けてはどうか」との意見があった。事務局は「引き続き市民の理解が得られるような活動が必要。意見を参考に、今後検討したい」と応じた。
 総会終了後、岩手大学の成田晋也教授が「ILCの最近の動向と東北地方での取り組み」と題して講演した。
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tanko 2022-8-9 11:30

写真=永井栄一局長(右)に要望書を手渡す倉成淳市長(左から2人目)と菅原由和議長

 奥州市から岩手県への要望会は8日、市役所本庁で行われた。市は、地域医療の充実や米価下落対策など21項目を要望。倉成淳市長と菅原由和市議会議長が、達増拓也県知事宛ての要望書を永井栄一・県南広域振興局長に手渡した。
 出席者は市側が倉成市長はじめ小野寺隆夫副市長、担当部長、市議会から菅原議長、加藤清副議長。県南局側は永井局長や副局長、各部長ら。奥州選挙区選出の県議5人も顔をそろえた。
 市の要望は一部新規3項目、継続18項目。▽地域医療の充実▽米価下落対策など農業支援▽ILC実現に向けた取り組み――の3点を重点要望に挙げた。
 倉成市長は「要望は全て市政運営上、避けては通れない重要な課題と位置付けている。市誕生時に13万人いた人口は、2020年国勢調査で11万3000人を割り込んだ。最大の課題である人口減少対策は、分野横断的に取り組む必要がある」と強調。
 重点要望に関しては、「定住促進を視野に入れた地域医療体制の整備や、農業者の生産意欲低下を抑制するための支援を。ILCは実現に向け、国へ強く働き掛けるようあらためて要望する」と述べた。
 永井局長は、地域医療について「医師確保計画に基づき、関係大学への派遣要請や即戦力医師の招聘など積極的に取り組んでいる。妊婦健診を実施する地域の診療所と分娩を取り扱う医療機関が連携し、周産期医療圏内で可能な限り安心安全な出産ができるよう関係機関と確認している」と答えた。
 米価安定化や、水田活用の直接交付金制度の見直し再考を含めた農業支援などは既に国に要望したと説明。「今回の制度見直しに関しては、農業者に丁寧な説明を行うよう強く申し入れた。今後とも機会を捉え、国へ要望していく」と応じた。

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