人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市西部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)
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tanko 2020-2-11 18:30

写真=子どもに人気だった宝さがし

 第10回雪の不思議フェスティバル(NPO法人イーハトーブ宇宙実践センターと奥州宇宙遊学館主催)が9日、水沢星ガ丘町の同館で開かれた。今年は暖冬で雪が少ないことからイベントの見直しが心配されたが、先週の寒波による積雪で予定通り開催された。多くの家族連れが足を運び、雪の結晶撮影コーナーや雪の滑り台など多彩な企画で雪を満喫した。
 雪を身近な存在として楽しみ、科学的視点で冬を楽しんでもらおうと企画。雪に関する実験や工作、映画観賞が繰り広げられた。2020(令和2)年度奥州水沢25歳厄年連琉子幻(りゅうしげん)が運営を手伝い、創作演舞も披露した。
 毎年子どもたちの人気を集める「宝さがし」には、約100人が参加。館外に集合した子どもたちは、琉子幻のメンバーとじゃんけんで対戦し、勝った子から雪の中のカプセルを探し出しゴールまで駆け抜けた。
 市立水沢南小1年の小野聡太君(7)=水沢桜屋敷=は、会社員の父・典海(よしみ)さん(42)と妹のはな佳ちゃん(4)と来場。「宝さがしで景品でうちわをもらった」とうれしそうにしていた。
 館内では、ストローにひもを通して作る星形のオーナメントづくり体験コーナーなどを設置。一関市立猿沢小5年の大島珠妃(たまき)さん(11)は「一直線のストローが星形になるのが不思議」と関心を示していた。
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tanko 2020-2-9 18:30

写真=ビデオメッセージの形で出演したピーター・ヒッグス氏(左)

 【東京=児玉直人】あらゆる物質に質量を与えている素粒子「ヒッグス粒子」の存在を予言したイギリスの理論物理学者ピーター・ヒッグス博士は8日、東京大学伊藤謝恩ホール=東京都文京区=で開かれた国際リニアコライダー(ILC)推進国際シンポジウムにビデオ出演し、日本がリードするILCに期待を寄せた。
 シンポジウムは、高エネルギー加速器研究機構(KEK)などが共催。ヒッグス博士は、現在検討されている四つの計画の中で「ILCは日本がリードする立場となっている計画。経済的に負担を強いられると思われがちだが、地元経済にも効果をもたらすだろう」と述べた。
 同シンポジウムは、日本学術会議が「学術の大型施設計画・大規模研究計画に関するマスタープラン」を策定後、最初に開かれた公開型のPR企画。同プランでILCは、速やかに実施すべき「重点大型研究計画」に位置付けられなかった。シンポジウムでは、登壇者が同プランについて触れる場面はなかった。
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tanko 2020-2-7 14:30
 新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大する中、8日に東京大学で開かれる素粒子実験施設「国際リニアコライダー(ILC)」関連のシンポジウムで、イギリスの理論物理学者ピーター・ヒッグス博士の中継講演が中止されることになった。同ウイルス感染を不安視するヒッグス博士本人と家族からの申し出によるもので、主催者側では代替となるプログラムを検討している。
 シンポジウムは、高エネルギー加速器研究機構(KEK)やリニアコライダー・コラボレーション(LCC)、先端加速器科学技術推進協議会、東北ILC推進協議会などが共催。ILC推進派の日本人研究者らによるパネルディスカッションに加え、ヒッグス博士の講演がメインイベントとして企画されていた。
 ヒッグス博士は、欧州合同原子核研究機構(CERN)に出向き、インターネットを介した生中継で講演する予定だった。ところが、新型コロナウイルスの感染者がアジアのみならず、ヨーロッパにも拡大。ヒッグス博士は90歳の高齢ということもあり、本人と家族が「新型コロナウイルス感染に大きな不安があることから飛行機での移動は控えたい」と申し出。中継講演を中止することにしたという。
 ヒッグス博士は1964年、全ての物質に質量(重さ)をもたらす「ヒッグス粒子」の存在を理論的に予言。2012年に、CERNの地下実験施設「大型ハドロン衝突型加速器」でヒッグス粒子が発見され、理論の正当性が証明された。ヒッグス博士ら理論提唱に関わった研究者は翌年、ノーベル物理学賞を受賞している。
 今回のシンポジウム開催に当たり、東京大(主会場)のほか、岩手大学など全国3カ所に中継会場を設ける。中継会場は招待制のため、一般住民の聴講はできず、主会場は定員に達したため、シンポジウムの様子を直接聴講することはできない。
 県ILC推進局によると、岩手大会場には県立盛岡一高や岩手大の生徒、学生約40人が聴講する予定になっている。ヒッグス博士の講演が中止になったものの、中継会場での聴講は予定通り行うとしている。
 主催者側では、代替となるヒッグス博士の出演方法について調整しているという。
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tanko 2020-2-6 14:30
 宇宙の構造を解明する分析ツールが、京都大学基礎物理学研究所の西道啓博特定准教授らの研究チームによって開発された。ツール開発には、国立天文台水沢キャンパス=水沢星ガ丘町=に一昨年3月まで設置していたスーパーコンピューター(スパコン)「アテルイ」と、同6月から運用中の後継機「アテルイ供廚盥弩ァN哨好僖灰鵑3年の歳月をかけて計算したデータを人工知能(AI)に学習させることで、宇宙の進化や未知の物質などの解明がスピーディーに進むことになる。
 分析ツールの開発に携わったのは同研究所と、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構、国立天文台の3機関。昨年10月8日付の天文物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル」(米国)に掲載されていたが、一般向けの情報公開に向けた準備を進め、今月5日、3機関同時に公表した。
 宇宙の構造や成り立ち、宇宙の進化に影響を及ぼしたとされる未解明の物質(ダークマター)やエネルギー(ダークエネルギー)を探る手法の一つとして、天体観測と物理理論に基づく計算データを照らし合わせることが極めて有効とされる。
 しかし、数十万から100万に及ぶ精巧な計算が必要。現在利用可能な計算資源を最大限駆使しても、実現するのは困難という。
 そこで西道特定准教授らのチームは、AIの一種である「機械学習」の方法を用いた。代表的な101種類の「架空宇宙」のデータから対応関係をAIに学習させ、理論予言を高速に行うことを可能にした。
 101種類のデータの作成に使用されたのが、スパコン「アテルイ」と「アテルイ供廖5ヾ鏐洪靴鉾爾β綢悗錣蠅寮疚椶魘瓦漾¬鵤廓かけて計算した。データの総容量は約300テラバイト。1テラは1兆倍の意味で、DVDにして約6万3300枚に相当する巨大なシミュレーションデータだ。
 同ツールを使うことにより、標準的なノートパソコンでも数秒以内に理論予測ができるといい、計算コストは約1億分の1に低減した。
 西道特定准教授は、「データ科学の手法の大きな可能性に手応えを感じている。この成果を応用し、現代物理学最大の難解とされるダークエネルギーなど、宇宙の根源的謎に迫りたい。本研究の手法は、多自由度を持ち計算コストが大きい自然科学・社会科学の諸問題に対して広く応用できるだろう」と期待している。
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tanko 2020-2-1 14:10
 日本学術会議(山極寿一会長)が1月30日に策定、公表した「学術の大型施設計画・大規模研究計画に関するマスタープラン」(マスタープラン2020)の重点大型研究計画に、北上山地を有力候補地とする素粒子実験施設「国際リニアコライダー(ILC)」が選ばれなかった。同プランは2010(平成22)年から策定が始まり、今回で5度目。そのいずれにもILC計画は「大型研究計画」に選ばれてきた。しかし、速やかに実施すべき「重点大型研究計画」に位置付けられたことは一度もない。文部科学省が5月以降に策定する「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想ロードマップ」への記載は、重点計画になることが前提。有識者の一人は「ILC計画がロードマップに記載される可能性はほぼない」と強調している。
(児玉直人)

 同プランは、学術的意義の高い大型研究の在り方に一定指針を与えるもの。2010年に初めて策定され、翌年に小改訂を施した「マスタープラン2011」を公表。以後、3年おきに策定している。「プラン2014」以降は、選定した大型研究計画の中から速やかに実施すべきプロジェクトを明確にする「重点大型研究計画」の選定が導入されている。
 ILC計画は、今回を含め5回策定された同プランのすべてで、大型研究計画として名を連ねた。しかし、より実現への優先度が高まる重点計画に位置付けられたことはない。
 重点計画を選定する前段として、学術会議は当該計画の関係者へのヒアリング(聞き取り調査)を行う。ILC計画に関しては、今回のほか「プラン2014」策定時にも行われている。しかし、ほぼ同時期に学術会議内に設置されたILC検討委員会で、協議が別途進められていたため、評価対象からは除外された。「プラン2017」ではヒアリング対象にはならなかった。
 「プラン2020」では、新規提案のほか「プラン2017」に掲載し今回改定された提案を「区分機廖過去のマスタープランに掲載され現在実施中の計画を「区分供廚畔類。区分気砲錬隠毅扱錣留募があり、146件が大型研究計画に選ばれた。区分兇砲弔い討蓮応募があった15件すべてを大型研究計画に位置付け。総数は161件となった。
 区分気裡隠苅況錣涼罎ら、ILC計画を含む59件を選びヒアリングを実施。評価の末、31件を重点計画に選んだ。ILCは選外となった。
 学術分野別に見ると▽物理学…7件▽融合領域…5件▽総合工学…3件▽基礎医学、地球惑星科学、化学…各2件▽人文・社会科学、基礎生物学、統合生物学、農学、臨床医学、歯学、薬学、数理科学、情報学、土木工学・建築学…各1件。このうち基礎医学分野の「健康社会の創生と国際連携に向けた多次元脳・生体イメージングセンターの構築」は、高磁場MRIで得られた脳イメージデータを用い、人間の知能を担う情報処理原理の解明を目指すもの。臨床観察データを集積するネットワークの中には、岩手医科大学が名を連ねている。
 ILC計画について文部科学省は、マスタープランを基に策定するロードマップに掲載されるという「正式なプロセス」を経る必要があると強調している。
 今回のマスタープランの策定結果に対し、本県の誘致関係者らは「計画は着実に進展している」(県ILC推進協議会・谷村邦久会長)、「学術大型計画とされたILC計画は今後、次なる段階に進展していくものと期待している」(小沢昌記奥州市長)など、誘致実現への期待を維持している。
 大型科学プロジェクトに詳しい有識者の一人は匿名を条件に、胆江日日新聞社の取材に答え「ロードマップは予算付けのための審査であり、マスタープランの重点リストを基に審査する。今回のように学術的価値と実現性の審査を受け、重点リストの選外になったプロジェクトを再度拾い上げ、審査することはないだろう」と話した。

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