人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)
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tanko 2016-12-6 10:35
 国際リニアコライダー(ILC)などが関係する国際会議「リニアコライダー・ワークショップ(LCWS)2016」が5日に始まった。主会場となっている盛岡駅西口の県民情報交流センター(アイーナ)では、本県の魅力を伝えるイベント「いわてまるごとフェア」を開催している。6日からはものづくり産業などを中心とした企業の展示会も実施する。いずれも8日までで、研究者のみならず誰でも見学できる。

 同フェア会場のアイーナ4階フロアには、奥州・一関・気仙沼のILC候補地3市に平泉町を加えた共同PRブースをはじめ、誘致団体によるこれまでの取り組み、東日本大震災や台風10号被害に見舞われた県内自治体の復興状況などを伝えるコーナーなどが設けられている。
 4市町共同PRブースには、奥州藤原氏が活躍した平安時代の装束を体験してもらおうと、えさし藤原の郷から借り受けた時代衣装の着用コーナーを設置した。県内の外国人市民らで組織するILCサポート委員会は、地域PR動画「Oshu For You」を放映している。
 このほか、県立大学ソフトウエア情報学部の学生たちは、ILCに関する情報を頭部装着型の映像装置を使って立体視することができる仮想現実(VR)動画システムを紹介。担当の学生たちは「鈴木厚人学長がILCの専門家で一生懸命に活動しているので、それに応えようと取り組んでいる」などと話していた。
 6日からはアイーナ8階で県内外企業50社による展示会も開かれる。フェアも企業展示も入場無料(一部有料物販品あり)。誰でも自由に見学できる。
 フェア開催時間は各日午前10時から午後4時。企業展示は6日が午前11時から午後5時、7日と8日が午前�o時から午後4時(8日はパネル展示のみ)となっている。

写真=奥州市など候補地周辺地域の情報をPRするコーナー
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tanko 2016-12-6 10:30
 江刺区東部を含む北上山地が有力候補地となっている「国際リニアコライダー(ILC)」をはじめとする、素粒子物理学の研究について世界中の研究者が議論し合う国際会議「リニアコライダー・ワークショップ(LCWS)2016」が5日、盛岡市の県民情報交流センター(アイーナ)などを会場に始まった。ILCの実現を目指す上で、日本政府の決断が待たれるが、膨大なコストや人員確保、国民理解の醸成など課題は多い。会議では研究方法や装置構造の工夫などによって、いかにコストを抑えることができるかも議論されるとみられる。
(児玉直人)


 LCWSは、直線型加速器を用いて素粒子実験を行う物理学者らが最新の研究成果などについて意見を交わす場。国際研究者組織「リニアコライダー・コラボレーション(LCC)」が主催し、開催地の地元研究者らによる組織委員会が運営。アジア、欧州、北米の世界3地域を順番に巡る形で毎年開催している。日本での開催は3年前に東京大学で開催して以来。今回は22の国と地域の研究機関や大学に所属する研究者350人が参加した。
 アイーナ内のホールで開かれた全体会議の開会セレモニーでは、達増拓也知事が英語でスピーチ。岩手の風土や平泉世界遺産を紹介したほか、国立天文台水沢VLBI観測所の前身「緯度観測所」で木村栄博士が「Z項」を発見したことに触れ「こうした歴史を持つ岩手では、人類の科学の進歩に大きく貢献するILCに大きな期待を寄せている。皆さんが快適にこの岩手で暮らしていただけるよう、病院や学校、買い物環境など、県民を挙げてサポートする万全の態勢を市町村や関係団体と共に構築していきたい」と述べた。
 現地実行委員会議長を務める岩手大学理工学部の成田晋也教授は、報道陣の取材に「最大の開催目的は研究状況の把握だが、有力候補地がどのような場所なのかを伝える良い機会になると思う」。ILCを実現する上で課題となっているコスト問題に関しては、「技術的にILCは実現できる状況だが、コストを下げつつより質のいい技術を確立できないか、各分野でも意識していると思う」と述べた。
 LCWS2016は9日までの開催。6日はLCC最高責任者のリン・エバンス氏(英国)が、LCCに変わる新組織の設立について記者会見を予定。また同日は、LCWS併催行事として、ILCシンポジウムが盛岡中央公民館で開かれる。9日は候補地の地元である奥州市や一関市を研究者らがバスで視察する。

写真1=LCWS2016参加のため集まった国内外の素粒子物理学の研究者ら。写真右手前がLCC最高責任者のリン・エバンス氏=盛岡市のアイーナ
写真2=歓迎のあいさつをする達増拓也知事
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tanko 2016-12-2 10:38
 江刺区東部を含む北上山地が有力候補地となっている素粒子研究施設「国際リニアコライダー(ILC)」など、素粒子物理学に関係する大規模な国際会議「LCWS2016」は、5日から9日まで盛岡市を主会場に開かれる。会議を運営するLCWS2016組織委員会と、研究者組織リニアコライダー・コラボレーション(LCC)によると、当該分野の研究者らが48カ国から数千人集まる予定。開催に合わせ、奥州市など候補地に係る自治体では会場の一角に地元PRコーナーを開設するという。(児玉直人)

 LCWSでは、ILCをはじめとする直線型加速器を用いた素粒子研究全般の取り組み状況や、技術開発などについてさまざまな発表や意見交換が行われる。実施国を変え毎年開催しているが、日本が会場となるのは2013(平成25)年に東京大学で実施して以来3年ぶりで、ILCの有力建設候補地である北上山地の近くで開催することになった。
 同組織委とLCCによると、盛岡駅西口の県民情報交流センター(アイーナ)が主会場となる。初日の5日は、現地実行委員会議長を務める岩手大学理工学部の成田晋也教授、達増拓也知事、高エネルギー加速器研究機構の山内正則機構長、LCC最高責任者リン・エバンス氏によるあいさつや講演で開幕。夜には盛岡市などが主催する歓迎会が行われ、会議参加者に加え小沢昌記奥州市長ら地元自治体関係者が出席する。
 6日から8日までは分野ごとの会議日程がぎっしりと詰まっている。このうち6日夕方にはLCCのエバンス氏が、ILC実現に向けた来年度以降の国際的な活動を推進するための新組織に関する記者会見を実施。県立大学の鈴木厚人学長を座長に、加速器関連産業の企業関係者が情報交換する「企業セッション」も行われる。
 最終日の9日には、ILC建設候補地周辺の視察を予定。バスで移動しながら奥州市文化会館(Zホール)周辺の街並みを見てもらった後、一関市大東町内などを見学し、会議全体を締めくくる。
 5〜8日にかけ、会議主会場のアイーナ内では研究者向けに地域をPRする「いわてまるごとフェア」が開催される。平泉町を加えた奥州、一関、宮城・気仙沼の候補地関係4市町はパネルを展示するほか、えさし藤原の郷から平安時代衣装を借り受け、着衣体験などをして日本の歴史や文化を堪能してもらう場も設置。外国人市民で組織するILCサポート委員会は、地域のイベントや見どころなどを紹介する動画「Oshu For You」を放映する。
 研究者側が主催する国際会議とは別に、地元誘致団体の県ILC推進協議会などは6日、LCWS2016併催事業として県民集会「ILCシンポジウムin岩手」を午後2時から盛岡市中央公民館で開く。鈴木厚人・県立大学長の講演や、小沢奥州市長、勝部修一関市長ら地元首長らによるパネルディスカッションが繰り広げられる。

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