人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)
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tanko 2014-11-28 9:40
Next Iwate Prefectural University President to be Atsuto Suzuki (KEK General Director)
In English http://www.city.oshu.iwate.jp/htm/ilc/english/news.viewer.html?prm=2014112800

 公立大学法人岩手県立大学は27日、来春で任期満了となる中村慶久学長(74)の後任として、大学共同利用機関法人・高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)機構長の鈴木厚人氏(68)を選考したと発表した。任期は来年4月から4年間。鈴木氏は高エネルギー物理学会のリーダー的存在で、国際リニアコライダー(ILC)計画推進にも深く携わっている。同大学の教育や研究の充実にとどまらず、本県のILC誘致活動を進める上でも心強い存在になりそうだ。
 次期学長は、今月18日に開いた同大学学長選考会議(議長・斎藤俊明副学長)で選考した。同大学によると、選考の過程では、鈴木氏を含め3人の推薦があり、書面や面接などで審査。教育や研究に関する優れた実績や人材育成に対する使命感、震災復興支援に取り組む意欲などの観点から鈴木氏を選んだという。
 鈴木氏は新潟市出身。東北大大学院理学研究科博士課程を修了後、東京大助教授、東北大教授、東北大副学長などを経て2006(平成18)年からKEK機構長を務めている。ILC計画の推進にも力を注ぎ、今年2月にはKEK内部に「ILC推進準備室」を設置。鈴木氏が室長を兼務し、計画の具体化に向けた作業態勢を整えた。
 産学官民に対するILC計画の理解普及活動も積極的にこなし、8月には奥州市文化会館(Zホール)で講演。ILCの科学的、社会的な意義について解説した。
 昨年のILC国内候補地一本化直後にKEKを訪問し、鈴木氏と対談した奥州市の小沢昌記市長は今回の決定について「素粒子物理学の第一人者である鈴木先生が、県立大学学長に就任されることは大変ありがたいこと。ILC誘致の原動力になることを願っている」とコメントした。
(児玉直人)

写真=鈴木厚人氏
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tanko 2014-11-25 16:10
 ドイツ・ヘルムホルツ重イオン科学研究所の研究グループリーダーで、同国マインツ大学の斎藤武彦教授(43)は24日、水沢区星ガ丘町の奥州宇宙遊学館で講演し、国際リニアコライダー(ILC)実現を見据えたまちづくりや地域の国際化について持論を展開。自身が住む同研究所周辺地域の国際化への歩みを紹介しながら、「外国人を迎えようとする気持ちさえあれば、特別に何かをすることは必要なく、多くは時間が解決してくれるのではないか」と述べた。(児玉直人)

 斎藤教授はILCの概要を解説した上で、国際的な研究施設がまちづくりにどのような効果をもたらすか説明。特に教育に関しては、近隣の中学・高校の理科実験や職業実習の受け入れ現場になり得るという。
 ドイツでの事例を示し「職業実習は科学に限ったものではない。国際研究所の秘書や所長の仕事に密着することで、業務管理や経営に関する感覚を学ぶこともできる」と紹介した。
 ILC計画への期待が高まる一方で、今まで経験したことがない「地域の国際化」に対し不安や戸惑いを覚える人も少なくない。実際、胆江地区でも「外国人の受け入れは大丈夫か」「英語が話せないがどうしたらよいか」という声がある。
 斎藤教授は、所属研究所から近い自身の居住地域の様子を紹介。この地域は、もともと商店も公共機関もドイツ語しか通用しない場所だったという。
 研究所に外国人研究者が多く滞在するようになると、英語が通じるようになったが「地域や研究所が何か特別な取り組みをしたかというとそうではない」と斎藤教授。「5年ぐらいかけて少しずつ住民の意識が変化していった。住民の一員として受け入れる姿勢があれば、多くは時間が解決してくれる。『英語が通じない』などと恐れず、リラックスして迎え入れてほしい」と呼び掛けた。
 神奈川県茅ケ崎市出身の斎藤教授は、原子核構造物理学の専門家で2001(平成13)年からドイツに在住。研究対象はILCと直接関係ないものの、東日本大震災被災地の学校で特別授業をする中で「ILCは次世代を担う子どもたちにとって非常に意義がある」と考え、誘致実現を訴えている。今年9月には岩手大学客員教授にも就任している。
 今回は北上市をはじめ、宮城県や福島県などで特別授業を実施するため東北入り。24日は県立水沢高校での講義に続き、同遊学館での市民向け公開講演会に臨んだ。

写真=国際的なまちづくりについて持論を展開する斎藤武彦教授
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tanko 2014-11-16 15:10
 岩手鉄道模型仲間の会(佐藤徳代会長、会員27人)主催の「鉄道フェスタ2014」は22日から2日間、市文化会館(Zホール)で開かれる。同会会員の指導を受け小学生らが初めて製作したジオラマ(立体情景模型)を披露するほか、国際リニアコライダー(ILC)と鉄道との関連を紹介する企画コーナーなども設ける。入場無料。
 本県を中心とした鉄道模型愛好者で結成する同会。同フェスタは毎年恒例のイベントとして、ファミリー層や鉄道ファンの人気を集めている。
 今回は、市水沢少年少女発明クラブ(佐藤剛会長)が創立30周年を記念し製作したジオラマ作品を初披露。今年7月、同会会員の指導を受け、発明クラブ会員の児童たちが作成した。
 ILCのPRコーナーでは、鉄道とILCの関連性について取り上げる。上越新幹線のトンネル工事で日本初採用となった技術が、ILCでも使われる方針であることなど、さまざまな話題を提供。ILC計画に携わる研究者の一人で、鉄道ファンでもある広島大学の栗木雅夫教授によるコラムや特別メッセージも紹介する。
 メーンとなる鉄道模型の運転展示では、開業50周年を迎えた東海道新幹線や在来線、路面電車、海外の鉄道車両などが所狭しと走行。1日4回、会場内を暗くする「夜間運転」も実施する。
 このほか、三陸鉄道の全線復旧までの道のりを紹介するパネル展や駅弁、鉄道グッズ、車両部品などの販売コーナーも設ける。
 開場時間は、午前10時から午後5時。23日は午後4時まで。問い合わせは同仲間の会事務局(電話090・2957・1379)へ。

写真=鉄道フェスタで披露される、発明クラブ会員児童作のジオラマ

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