人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)
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tanko 2014-7-30 18:00

 奥州市議会(佐藤修孝議長)の「ILC誘致及び国際科学技術研究圏域調査特別委員会」(渡辺忠委員長、議長除く全議員27人で構成)は29日、初会合を開いた。活動計画について協議し、当面の調査研究課題にILC(国際リニアコライダー)誘致と、ILCを核とした新たなまちづくりを視野に入れた国際科学技術研究圏域の構築に向けた取り組みの2項目を掲げた。市議会は今後、誘致実現を目指した各種活動を本格化させる。
 同特別委は、調査研究項目に基づき近隣議会との意見交換のほか、市の担当職員を交えたり外部有識者を招いたりする勉強会を開く。関連講演会やシンポジウムへの参加に加え、ILC建設予定地や茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究機構(KEK)など関係施設の視察も行う計画。
 初会合では佐藤邦夫氏(市民クラブ)が「国や関係機関への運動も活動計画に加えるべきだ」と提言したのに対し、渡辺委員長は「まずは誘致をめぐる活動が中心となるが、詳細は幹事会で話し合いたい」と述べた。
 県内では盛岡、一関両市議会もILC関連の特別委を既に設置した。渡辺委員長は「周辺の議会とも交流しながら活動を進めていきたい」と話した。
 会合では、ILC誘致をめぐる市議会有志の議員連盟を設立するかどうかについて検討することも申し合わせた。
 同特別委は直近の活動として、8月23日に市文化会館(Zホール)で開かれる「先端加速器科学技術推進シンポジウム2014in東北」(いわてILC加速器科学推進会議など主催)への参加を予定している。

写真=活動計画について協議した市議会ILC調査特別委の初会合であいさつする渡辺忠委員長
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tanko 2014-7-29 10:20

 企画展「ILCをもっとよく知ろう!」は、江刺区大通りの江刺図書館(佐賀克也館長)で開かれている。ILC(国際リニアコライダー)の内部イメージ巨大パネルのほか、関連図書など30点をそろえ、北上山地に建設が期待される国際研究施設を身近に感じてもらう。8月20日まで。
 奥州市などが建設実現を目指すILC。候補地にあたる江刺の住民に一層興味を深めてもらおうと、市内図書館では初めて市ILC推進室と共催した。
 会場には、ILCによる研究で解明される科学的成果などを分かりやすく記したパネルや、素粒子物理学の関連図書を並べた。圧巻なのが、全長4mの建設候補地の江刺区〜一関市大東町間の北上山地の3D立体地図。専用の眼鏡を掛けて見ると、山地の様子が立体的に浮かび上がる。ロビーでは関連DVDも上映している。
 同館の菊池正由副主幹は「夏休みなので、ぜひ多くの子どもたちに見てもらい、建設が期待されているILCに興味を持ってもらえたら。夏休みの課題研究にも役立ててほしい」と話す。
 関連イベントとして、同1、7日には同推進室職員による解説会も開催。時間は両日とも午後3〜5時を予定している。

写真=江刺図書館のILC企画展。解説パネルや関連図書のほか、北上山地3D立体地図が並ぶ
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tanko 2014-7-28 19:40
 素粒子研究の協力体制などを検討する「国際将来加速器委員会(ICFA)」は、国際リニアコライダー(ILC)計画を支持する声明を発表した。高エネルギー加速器研究機構(つくば市、KEK)は27日までに声明文の概要を日本語に訳して公表。ILCはヒッグス粒子の研究を深める「千載一遇の機会」と位置づけ、建設計画への賛意をあらためて示した。今回の声明で、世界の素粒子物理学界がILC実現へ足並みをそろえていることを明確にした。
(児玉直人)

 世界の加速器研究所の長らで構成するICFAは、1976(昭和51)年に発足。加速器の建設や技術的問題、共同利用について検討している。ILCを推進するさまざまな国際組織、検討チームの上部組織に当たる。
 今回の声明は、スペインのバレンシアで開かれたICFAの会合で採択された。ILC計画への強い支持を明記した米国の素粒子物理将来戦略(通称・P5)の発表後、初めての会合となった。
 国レベルの科学政策立案の指針にもなるP5と同様の戦略計画は、アジアとヨーロッパでもまとめられており、いずれの戦略もILC建設で期待される素粒子分野の研究を優先課題としている。
 ICFAは声明文で「3地域で発表した戦略を支持する」とした上で、「ILCはヒッグス粒子(物質に質量を与える素粒子)の精密測定実現という千載一遇の機会を提供する。ILC計画への賛意をあらためて確認する」とした。
 ICFAのナイジェル・ロッキアー議長(米フェルミラボ国立加速器研究所長)は「3地域が目指す研究と、世界の素粒子研究の方向性が一致していることを喜ばしく思う。素粒子物理研究は、より一層グローバルな活動になっていくだろう」とコメントしている。
 素粒子実験施設のILCは、江刺区東部を含む北上山地への誘致が期待されており、文部科学省内で誘致の是非を判断する検討作業が進められている。
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tanko 2014-7-23 19:50

 国際リニアコライダー(ILC)誘致実現に向けた機運を高める「先端加速器科学技術推進シンポジウム2014in東北・ILCの日本実現に向けて」は、8月23日午後1時半から市文化会館(Zホール)で開かれる。3人の講師が登壇。このうち前県知事の増田寛也氏は、人口減問題と絡めILCに対する期待を語る。入場無料。

 いわてILC加速器科学推進会議(亀卦川富夫代表幹事)や国際経済政策調査会(高橋佑理事長)、先端加速器科学技術推進協議会(西岡喬会長)などが主催。KEKや胆江2市町、胆江日日新聞社などが後援する。
 昨年のILC国内候補地決定と同じ日に開催日を設定。文部科学省内で国内誘致の是非に向けた諸課題検討が始まった中、東北の熱意を国内外に発信し、国民機運を盛り上げる機会として位置付けている。
 講師は増田氏のほか、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の鈴木厚人機構長と、東京大学素粒子物理国際研究センターの山下了准教授の3人。増田氏は、自身が座長を務める日本創世会議・人口減少問題検討分科会でとりまとめた、人口減少による地域崩壊や自治体運営の行き詰まりに関する調査結果を基に、人口減問題にILC計画を絡めて話題を提供する。
 KEKの鈴木機構長による奥州市内での講演は今回が初めて。「ILCが目指すもの」と題し、研究意義や波及効果などについて解説する予定だ。山下准教授は今後の見通しなどについて触れる。
 問い合わせは市役所ILC推進室(電話24・2111、内線415)へ。

写真=(左から)鈴木厚人氏、増田寛也氏、山下了氏
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tanko 2014-7-22 13:40
 奥州市国際交流協会(佐藤剛会長)主催の「接客英語研修会」は、8月1日午後1時から水沢区東町の奥州商工会議所5階中ホールで開かれる。受講者を募集中で定員50人になり次第締め切る。
 国際リニアコライダー(ILC)建設を見据え、外国人とのコミュニケーションや接客が増える場面を想定した研修。全体会に引き続き▽宿泊施設▽金融機関(郵便局含む)▽販売(小売、携帯電話販売店含む)▽飲食店▽住宅設備(電気、ガス、水道、インターネット、建築など)の5分科会ごとに、英語による接客や問い合わせ、緊急時の避難誘導に至るまで実践的な内容を学ぶ。
 参加希望者は所属事業所と氏名、参加希望する分科会を明記し、同協会(ファクス22・3802)へ申し込む。電話(22・6111)でも受け付ける。
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tanko 2014-7-20 13:40
 金ケ崎町国際交流協会は19日、町中央生涯教育センターで、北上山地への誘致が期待される素粒子実験施設・国際リニアコライダー(ILC)をめぐる講演会を開いた。奥州市在住の2氏を講師に迎え、参加者を交えた意見交換会も開催。外国人の受け入れ対応など隣市での活動事例を参考に、町独自の取り組みを考えた。


 講演会は「ILCと私たちの未来」と銘打ち開催。ILC誘致後に訪れる外国人研究者とその家族らを迎える環境の充実化を目指し、道筋を探った。
 奥州市内外の外国人ら12人で組織するILCサポート委員会のビル・ルイス委員長(45)と、奥州市国際交流協会の佐藤剛会長(58)が講演したほか、両氏と参加町民ら約30人が意見を交わした。
 米国出身で1992(平成4)年から水沢区内に住むルイス氏は、市長や県知事に対し提言したりILC関連のトークショーに参加したりした活動実績を報告。「国際化はお互いに学び、生活し、受け入れること。ILCを通じて日本人と外国人が協力すれば大きな進歩になる」と呼び掛けた。
 ルイス氏らと連携しながらILC誘致をめぐる各種事業に取り組む佐藤会長は「ホスピタリティー(歓待)」の大切さを指摘。「まず笑顔を心掛けてほしい」とし、実践的な語学学習や、金ケ崎の魅力を再確認する必要性に関して説明した。佐藤会長は「五輪は1週間で終わるが、ILCは30年、50年と長い付き合いになる。語学教育の充実など土壌づくりに取り組めば将来に花開く」とも述べた。
 意見交換会では町内のALT(外国語指導助手)や在住外国人らが、行政関連の通知や量販店などでの多言語表示の必要性を強調。「ILCへの取り組みは奥州市よりも遅れているが、英語教育は進んでいる。英語を話すことが楽しいと感じる子どもたちを育てることが大切」との意見も出た。
 別の参加者は「首都圏に比べると東北地方にはコミュニケーションが苦手な人が多い気がする。謙虚な東北人の気質を踏まえ、打開しなければならない壁もある」と指摘した。
 金ケ崎町国際交流協会の佐藤菊男会長(82)は「講演会を契機に少しずつILCに理解を深め、早いうちに外国人の受け入れ対応について考えておきたい」と話していた。

写真=講演するILCサポート委員会のビル・ルイス委員長
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tanko 2014-7-10 13:10
日本人で初めて国際宇宙ステーション(ISS)の船長を務めた宇宙飛行士・若田光一さん(50)を招いた「ミッション報告会」が8月16日、市文化会館(Zホール)で開かれることになった。同月30日に開催される「いわて銀河フェスタ2014」のプレイベント。同フェスタでは国際リニアコライダー(ILC)関連の展示も予定していることから、主催関係者らは「国際プロジェクトの先進例であるISSで、どのようにリーダーシップを発揮したのかも話してもらえたら」と願っている。
(児玉直人)

 同報告会は宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開催地を募る形で実施。全国73の団体から応募があり、国立天文台や奥州市、NPO法人イーハトーブ宇宙実践センターで構成する「銀河フェスタ2014実行委員会」など8団体が選ばれた。東北での開催は奥州市のみとなっている。
 銀河フェスは、8月30日に水沢区星ガ丘町の国立天文台水沢VLBI観測所で開催。小惑星探査や太陽系の形成などをテーマに繰り広げるが、そのプレイベントに若田さんのミッション報告会を位置付けた。
 若田さんは1963年さいたま市出身。九州大学大学院修了後、日本航空に入社し航空機の整備や機体構造技術などを担当した。
 92年に宇宙飛行士候補に選ばれ、96年米スペースシャトルに初搭乗。これまで4回、宇宙に滞在してきたが、前回と前々回はISSに長期滞在している。
 特に昨年11月から約半年間に及ぶ長期滞在では、終盤の3月9日から5月13日まで、日本人で初めてISS船長を務めた。作業の進行管理から乗組員の健康状態把握に至るまで、ISSの運用全般にかかわる現場指揮権、管理責任を持つ重職をこなした。
 イーハトーブ宇宙実践センターの大江昌嗣理事長は、北上山地への誘致が期待されるILC計画に絡め「特殊な環境に長期滞在し、日本人がたった一人という状況下で、文化が異なる国々の乗組員をまとめるには、相当のリーダーシップや協調性が求められただろう。ISSと同様、ILCも国際プロジェクトとして推進される計画の事業。どのようにすれば外国人と上手に仕事をこなし、リーダーシップを発揮できるのか、聞いてみたい」と話している。
 聴講手続きの方法などは、後日発表する。

写真=奥州市を訪れミッション報告をすることになった宇宙飛行士の若田光一さん((C)JAXA/GCTC)
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tanko 2014-7-8 13:10
 金ケ崎町国際交流協会は19日、町中央生涯教育センターで「ILCと私たちの未来」と題した講演会と意見交換会を開く。
 ILC(国際リニアコライダー)の誘致実現で、この地方に多くの外国人研究者らが滞在すると見込まれている。その受け入れ策について、ILCサポート委員会や奥州市国際交流協会の活動に理解を深めながら、考える機会とする。
 同サポート委員会からビル・ルイス委員長を、市国際交流協会から佐藤剛会長を講師に招く。町のALT(外国語指導助手)や町内在住外国人にも参加を呼び掛けており、両氏の講演後は意見交換を通して金ケ崎らしい取り組みを探っていく。
 当日は、午後1時半開会。参加費は300円(パンとフェアトレードの飲み物付き)で、参加希望者は16日までに町国際交流協会に申し込む。問い合わせも同協会(電話44・2099)。
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tanko 2014-7-3 13:00

 水沢区佐倉河地内の田んぼアートが見ごろを迎えた。市民200人で6月1日に田植えした6種類の苗がぐんぐん成長。田んぼ一面に鮮やかな色彩の絵が浮かび上がっている。
 今年で7回を数える田んぼアートの図柄は、30アールの田に葛飾北斎の富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」、10アールの田にはアンパンマンのキャラクター「ドキンちゃん」を採用した。
 過去最多の6種類の苗を使って色分け。巨大な波に翻弄される舟と背景の富士山が、赤や白、黄、緑色などの水稲でくっくりと表現されている。田んぼアート実行委員会事務局は「お盆ごろまで最高の状態で見られる」と来場を呼び掛けている。
 田植えから田んぼアート完成までを撮影しているILC(国際リニアコライダー)サポート委員会は、8月中旬ごろに動画共有サービス「ユー・チューブ」を通じ、映像を発信する予定だ。

写真=「神奈川沖浪裏」が、6種類の水稲で色鮮やかに浮かび上がっている(水沢区佐倉河地内 )

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