人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市東部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)
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tanko 2014-6-27 11:30

 「岩手の未来を拓く・公開ILC講演会・県民集会」(県ILC推進協議会主催)は26日、盛岡市内丸の県民会館中ホールで開かれた。ILC(国際リニアコライダー)計画を推進する素粒子研究者3人を招き、研究の意義や社会的役割などについて講演。ILC実現に向けての決議が全会一致で採択された。
 同日は県内政財界や行政関係者、一般ら約600人が会場を埋め、国内候補地に決まった北上山地へのILC建設実現へ盛り上がりをみせた。
 決議は「ILCにより夢と希望が生まれ、新しい東北の未来をつくり出す」と掲げ、「県民は産学官民一体となり『オールいわて』で東北の未来創造に向けて力強くまい進する」と宣言した。
 国に対して「誘致に関する方針を明確にし、資金の分担や研究参加に関する国際調整などを速やかに進めること」「わが国が主導する国際プロジェクトとしてILC計画を実現するための国内体制を整えること」を要望する。
 県ILC推進協の谷村邦久会長(県商工会議所連合会長)は、政府の動きなどを踏まえ「実現により、岩手をどう変えていくかが重要で、世界に開かれた新しい岩手の創造に向けた千載一遇のチャンス。県民の熱意が結集されるのを祈念する」と訴えた。
 講演では、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構長の村山斉氏が「宇宙の始まりに素粒子で迫る」、同大学素粒子物理国際研究センター長の駒宮幸男氏が「ILCの社会的役割」、同センター准教授の山下了氏が「ILCの現状と未来に向けて」と題し、それぞれ登壇した。
 このうち村山氏はILCで予定されている研究内容を解説しながら「私たちがどこから来たのか――を知りたい。タイムマシンがあればよいが、それに近いことはできる。ILCの目標は宇宙の謎に迫ること。この戦いを応援してほしい」とILC実現の意義を説いた。

写真=村上斉氏ら最先端で活躍する研究者らが登壇した講演会
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tanko 2014-6-26 9:40
 岩手県は25日、水沢区大手町の奥州地区合同庁舎分庁舎で県政懇談会を開いた。北上山地への誘致が期待される素粒子実験施設・国際リニアコライダー(ILC)をめぐり達増拓也知事と住民らが意見交換し、英語教育の充実や官民の連携強化の必要性について認識を共有した。

 「がんばろう!岩手」をテーマに開催。市民団体代表者や製造業の従業員、中学生ら6人が達増知事や県職員4人と懇談し、ILC誘致の実現に向けて意見を出し合った。
 昨春の設立以降、科学関連の講演会や実験講座など各種活動に取り組む岩手理系女子育成研究会の川村庸子会長(62)は「ILCの研究機関で海外の研究者と共に活躍できる人材を育成したい」と述べた上、英語教育を強化する必要性を強調。達増知事もコミュニケーション力を高めるためにも中学高校の英語教育に工夫が必要との認識を示した。
 外国人市民ら有志12人で組織するILCサポート委員会のビル・ルイス委員長(45)は「ILCは科学の進歩や東日本大震災からの復興につながる」とし、「奥州市や県、東北全体の教育にとって大きなプラスになる」と主張した。
 前沢区の製造業デジアイズの千田浩昭生産技術部長(52)は「太陽光発電パネルの台を作っており、ILC計画にも携われる」。同区内に工場を構える岩手東京ワイヤー製作所の市川晃司生産グループ課長(36)も「ILCの装置の一部に超電導線が使われる。自社の超電導制御の加工技術を生かしたい」と述べ、ILC関連の事業参画に期待感を示した。
 達増知事は「ILC建設は最終的に決定しておらず、関連事業をどう展開するか決めにくいところもあるが、あれもできる、これもできるという産業が地域にあれば最終決定を促す好材料にもなる」と指摘した。
 これに対し、市川課長は「具体的なスケジュールなどが示されなければ企業側は動きにくい。そこが決まるとより現実的な対応も可能になる」などと提言し、情報交換など官民の連携強化を促した。
 市立水沢中3年の今野亜純さん(15)は「同年代の人にもILCにもっと興味を持ってほしい。将来はできればILC関連の仕事に就きたい」。アナウンサーとしてILCの良さを伝えたいと夢を語った一関市立大原中3年の熊谷日和さん(14)は、「ILCが実現し国際化するには英語力が必要。ILCの実現に貢献できるよう、今できることをこなしたい」と話した。
 懇談会には県南広域振興局の遠藤達雄局長や佐々木淳副局長兼首席ILC推進監ら県職員4人も同席。達増知事は懇談会の冒頭、「ILCは東日本大震災からの復興の象徴であり、県内建設に向けての取り組みは科学や技術のレベルアップや国際化にもつながる。皆さんの意見を県の政策に役立てたい」とあいさつした。

写真=ILC誘致実現への期待や要望について住民と達増知事が意見交換した県政懇談会
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tanko 2014-6-24 7:20
 【東京=児玉直人】北上山地への誘致が期待される素粒子実験施設「国際リニアコライダー(ILC)」について、多様な学問の観点から意義や課題などを探るフォーラムが23日、東京都港区の日本学術会議講堂で開かれた。素粒子物理学者が真の国際研究拠点となるILCの建設意義や現状の取り組みを説明する一方、社会学の専門家は国民理解の形成が重要になると指摘。宇宙の謎を解き明かす「夢」と巨額な予算や人材が求められる「現実」に対応する上でも、候補地周辺や一部関係者で高まっている熱意が全国的にも波及し、広がりを見せる必要性を浮き彫りにした。

 フォーラムを主催した学術会議は昨年、文部科学省の審議依頼を受けILCに関する所見をまとめている。日本でILCを実施し高い成果を挙げるためにも、諸条件を余すことなく検討し、学術界や広く国民の理解を求めることが必要――としている。
 今年5月、文科省内に国内誘致の是非判断に向けた有識者会議が組織された。これを契機にILC計画の意義と課題について、あらゆる観点から探る場を設けた。
 研究者のほか、本県をはじめとする東北の誘致関係者ら200人余りが来場。フォーラムでは、ILC計画推進の最前線に立つ素粒子物理学者3人と、社会学や行政、環境などの専門家3人が登壇した。
 このうち、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構長の村山斉氏(素粒子理論)は、ILCが目指す研究内容などを分かりやすく解説。「ILCには科学者だけでなく、高校生たちも非常に興味を持っている。『一体何に役立つのか』と問われるのは当然かもしれないが、次世代の優秀な人材を育てるという大きな意義があるプロジェクトだ」などとアピールした。
 一方、東京工業大学名誉教授の今田高俊氏(社会学)は、人文社会学の観点から国民の合意形成の在り方などに触れた。「宇宙の謎を探る『夢』は素晴らしいが、莫大な費用や人材が必要という『現実』がある。国民の多くはILCという計画が存在すること自体、よく分からないだろう。いかにプロジェクトの有益性を啓発し、説得するかという戦略が必要だ」と訴えた。
 聴講した奥州市議会ILC特別委の渡辺忠委員長は「まさに、市民に理解をしてもらうことは最も重要なことだ。社会学的な観点からILC誘致と市民生活との関係についても議会として関心を深め、市民にお伝えできるようにしなければいけない」と話していた。
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tanko 2014-6-20 11:10
 奥州市議会(佐藤修孝議長)は19日、「ILC誘致及び国際科学技術研究圏域調査特別委員会」(議長除く全議員27人で構成)を設置した。設置に関する発議案が同日の6月定例会最終本会議に提出され、全会一致で可決された。本会議休憩中の初回会合で委員長に渡辺忠氏(奥和会)、副委員長に佐藤郁夫氏(市民クラブ)を互選した。
 同日の会合では、同特別委内に幹事10人で構成する幹事会も設置。調査方針の迅速決定や運営上の機動性確保を図るとした。
 発議案は、小野寺重氏(無会派、副議長)が提出。提案理由について「ILC(国際リニアコライダー)誘致が実現すれば約4兆3000億円の経済効果、ILC建設や関連企業の立地による約25万人の雇用効果が期待できるといわれている」とし、「地域活性化を目指すべくILC誘致に向けた積極的な活動方策や国際科学技術研究圏域の構築に向けた調査検討を行い、議会全体として事業に対する認識の共有を図る必要がある」と説明した。
 委員長就任後の本会議で渡辺氏は「これまでのさまざまな課題を含め、調査や誘致実現に向けて努力したい」と抱負を述べた。
 正副委員長を除く幹事会のメンバー8人は次の通り。
 鈴木雅彦(奥和会)千葉敦(共産党)菅原圭子(新世会)菅原由和(奥和会)千葉正文(奥和会)阿部加代子(公明党)菅原明(共産党)内田和良(無会派)
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tanko 2014-6-19 5:20
 国際リニアコライダー(ILC)の国内誘致や関連装置の研究開発を推進している高エネルギー加速器研究機構(KEK、鈴木厚人機構長)=茨城県つくば市=で、2013(平成25)年度中に納品できなかった機械・設備等を「納品済み」として処理していたことが、18日までに分かった。ILC関連に使用される物品だったかどうかは「調査中」としている。
 5月1日に「年度末未納品について不適切な処理がある」との匿名投書がKEK宛てに寄せられ、外部有識者を含む調査委員会を設置。調べを進めたところ、2013年度中に納品されなかった40数件(契約総額約19億円)が、同年度中に納品が完了したとして処理されていた。この中には、現在も製造中の物品もあったという。
 今回、不適切に処理されていた契約の約9割は昨年9月以前に契約が結ばれていた。調査委員会は「いずれも想定を超える工期遅延や納期管理の不徹底など複合的な理由によって、納品が年度を越えることになった。にもかかわらず、適正な手続きは取れられていなかった」としている。
 KEKは今後、未納品の早急な納品を求める一方、関係者の処分と指導、再発防止策をまとめる。鈴木機構長はKEKホームページなどを通じ「公的資金を使って研究活動をしているKEKにおいてあってはならない事案。関係の皆さまに大きなご心配とご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げる」と謝罪している。
 KEKは素粒子物理学の研究拠点。北上山地が建設候補地となっているILCの国内誘致を推進しており、関連装置の研究開発なども進めている。KEK広報は「未納の物品は加速器関連のものだと聞いている」と説明。その中にILC関連装置にかかわるものが含まれているかどうかは「調査中」としている。
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tanko 2014-6-18 11:30

 外国人市民の有志組織「ILCサポート委員会」(ビル・ルイス委員長、委員12人)は17日、国際リニアコライダー(ILC)の誘致を見据え、図書館の国際化や宗教的配慮への理解促進、生活情報の翻訳作業の必要性などを小沢昌記奥州市長に提言した。
 同委員会は「国際研究都市の形成に向けて市民レベルでできることを考えよう」と5月17日、水沢区内で独マインツ大の斎藤武彦教授(原子核構造物理学)と意見交換。外国人研究者や家族らを迎えるために必要な国際的なまちづくりをめぐり、委員8人が議論した。
 これを受け17日、委員のケン・デイヴィスさん(40)と市国際交流協会職員2人が小沢市長を訪問。意見交換した内容を伝えたほか、今後の活動に理解と協力を求めた。
 デイヴィスさんら3人は、斎藤教授からインターナショナルスクールの県内新設や、宗教的な配慮の必要性などの意見が出されたと説明。意見交換会を踏まえ、外国語の書籍を寄付したり表示の多言語化を図ったりして図書館の国際化を進めることや、飲食店メニューなど生活情報の翻訳促進、宗教的な配慮を中心とした住民意識向上への協力などを今後の活動案に加えるとした。
 デイヴィスさんは、救急車を手配する際の手続きなどを懸念し、「市だけでなく岩手は英語教育に力を入れるべきだ」と要望。小沢市長は「日常生活で互いに意思疎通できるよう問題意識を持つことが大切。今後も提案型の相談をしていただき、行政としてサポートしたい」などと述べた。
写真=小沢昌記市長と懇談するケン・デイヴィスさん(左)
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tanko 2014-6-11 19:40
 市議会6月定例会は10日、一般質問で再開。今野裕文(共産党)菊池利美(新世会)菅原圭子(同)広野富男(市民クラブ)千葉悟郎(同)の5氏が市当局の見解をただした。
 菊池氏はJR水沢江刺駅の無料駐車場について「観光客を迎え入れるには手狭であり、通勤客らも他の新幹線駅を利用するようになる」と述べ、増設の可能性を尋ねた。
 市設置の無料駐車場は駅開業に伴い1985(昭和60)年に179台分を整備した。その後、459台分まで増設。2013年度の1日平均利用台数は464台となっている。
 小沢市長は「現状は駐車可能台数と平均利用台数は同程度で利用客の多い時期は一時的に不足することもある。民間駐車場との兼ね合いもあり、増設は利用状況をみながら検討したい」と答弁した。
 菊池氏の同駅周辺の開発計画をめぐる問い掛けに、小沢市長は「国際リニアコライダー(ILC)の動向も見ながら、市の玄関口としてふさわしい土地利用が図られるよう民間誘導も含め努力したい。駅名を変えてでもILCの拠点、玄関口であることを世界に向け標榜するぐらい価値がある場所だ」と述べた。
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tanko 2014-6-11 19:40
 岩手県が児童・生徒向けに制作した国際リニアコライダー(ILC)解説動画が、海外の素粒子研究者たちの間でも好評を博している。動画内には、金ケ崎小学校での英語授業も登場。候補地周辺の様子にも触れることもでき、研究者からは「英語版はないのか?」との声も上がっている。
 解説動画は、5月12日から同16日にかけ米国イリノイ州シカゴ近郊のフェルミ国立加速器研究所で開かれた国際会議「リニアコライダー会議2014(LCWS14)」の会場で上映された。
 子ども向け動画は、県が今年3月に完成させたもの。宮沢賢治をモチーフにした「賢治先生」などが登場する人形劇で、県ホームページにも公開している。金ケ崎小学校の英語授業の様子や、水沢高校でのILC出前授業なども登場する。
 事実上、世界唯一のILC候補地に位置付けられている北上山地。しかし、欧米の研究者らの中には北上山地どころか、東北が日本のどこにあるのかすら知らない人も少なくないという。インターネットで「北上(Kitakami)」と検索しても、北上市に関係した情報が真っ先に出てくるのが実態だ。
 このため研究者らが一堂に会する国際会議や学会などの場を利用し、北上山地を紹介する取り組みが進められている。
 LCWS14の会場でも、日本の関係者が広報映像を複数用意して放映。すると、一般向けにつくられた英語版動画より、日本語で作られた子ども向け動画に人気が集まった。研究者からは「英語版は無いのか?」との声も多く寄せられた。
 県の宮昌隆ILC推進課長は「海外の研究者の皆さんのこうした反応は非常にうれしい」と話している。
(児玉直人)

写真=ILC子ども向け動画に見入る外国人研究者ら
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tanko 2014-6-10 19:30
 奥州市議会6月定例会は9日、一般質問で再開し、佐藤郁夫(市民クラブ)千田美津子(共産党)及川佐(奥和会)高橋政一(市民クラブ)菅原由和(奥和会)の5氏が市や市教委当局の見解をただした。国際リニアコライダー(ILC)計画を踏まえ、市は誘致実現後の都市像を描いた「まちづくりビジョン」の策定に本年度着手する方針を示した。
 まちづくりビジョンをめぐる佐藤氏の質疑に対し、小沢昌記市長は「東北ILC推進協議会が策定したビジョンの中で奥州市が国際科学技術研究圏域の機能、空間両面で中心範囲に位置している」とし、「中心範囲での施設配置の具体的な協議が始まる前に、市としてILCを将来のまちづくりにどう生かしていくかなどについて整理する必要がある。現状では熟度の高いビジョンを描くことは困難だが、基本的な事項から取りまとめ、段階的に高めたい」と答弁した。
 県や他自治体との連携について小沢市長は、県が昨年度設置した県庁内ILCワーキング・グループの分科会に本年度から奥州、一関両市の職員が加わると説明。「市町村の役割分担を見据えた検討が進むと期待している」と述べ、金ケ崎を含め他自治体との連携強化に引き続き取り組む意向を示した。
 市ILC推進室の及川健室長は、まちづくりビジョンの策定時期について「本年度にも市としてのあるべき姿を描いておきたい」と答弁。一方で「本年度に着手するが、(国の動きなど)不確定な要素もあるため、年度内にまとまるかどうかははっきりしない」と付け加えた。
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tanko 2014-6-8 10:50
郷土の未来へ大人も夢を


 県南広域振興局副局長(企画部門担当)の傍ら、本年度の定期人事異動で「首席ILC推進監」を兼務することになった。
 「住民の皆さまへの理解普及はもちろんですが、地元企業をいかに参入させるかが重要なポイント。しっかりフォローしなくてはいけません」。県庁内に本年度新設された科学ILC推進室と連携しながら、草の根的な部分の取り組みに力を注ぐ。
 大学で情報工学を学び、県職採用後は多くの製造企業を訪問。技術開発で共に汗も流した。一時は総務系の業務に従事したこともあったが、再び学んだ知識と経験をフルに生かせるチャンスがきた。しかも、世界の国々が動くビッグプロジェクトが相手だ。
 一般的には非常に難解なイメージが持たれがちな素粒子物理の研究。実験装置には最先端の技術が用いられる。しかし、及び腰になる必要はないという。
 「確かに精度は高い装置。しかし、構造は非常にシンプルだと思う。県南には大手のように名は知られていなくても、日本や世界に誇れるぐらいの技術を持った会社がたくさんある。ILCに参入できる可能性は非常に大きい。自社の強みをILCのどこに生かせるか、参入に向けた具体的なマッチングの推進に今後着手していく」と力を込める。
 子どもたちに関心を高めてもらう取り組みも重要だ。「既に奥州市では市内中学2年生全員への出前授業を始めていますが、やはり県南全体に広げていきたい」と希望する。今の中学2年生が企業の中堅どころになろうとする30歳前後のころに、ILCは動きだす。「ぜひ今のうちに関心を持ってほしい。研究者を目指す子だけでなく、農業や商業などさまざまな産業がILCに関係してくるのですから」
 ILC完成の暁には、世界中の子どもたちを呼ぶプログラムの実施を思い描く。「ILC本体はもちろん、平泉文化の礎となっている平和思想にも触れてもらいたい。世界の教育拠点というイメージです。世界の子どもたちにとって宝になる地域になってくれたら」と夢は尽きない。
 「だって、大人が夢を持たなければ、子どもだって夢を持たなくなりますよ」
(児玉直人)

 プロフィル…旧大迫町出身。岩手大学工学部情報工学科を卒業し、1983(昭和58)年県職員に採用。子ども2人は既に独立。「勤務地の空気を吸いながら仕事に励むことを基本にしている」と、水沢区北栗林の県職員公舎に妻多喜子さん(54)と暮らす。趣味は読書とゴルフ。

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