人類史上初ブラックホール撮影に貢献した国立天文台水沢VLBI観測所は、120年の歴史を誇り今もなお世界とつながっている観測拠点。奥州市西部が候補地となっている国際リニアコライダー(ILC)の話題とともに、岩手県奥州市、金ケ崎町における科学やそれに関連する地域の話題(行政・産業経済・教育・まちづくり・国際交流など)を随時アップしていきます。(記事配信=株式会社胆江日日新聞社)
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tanko 2013-12-30 12:40


 読者が選ぶ2013年「胆江10大ニュース」が決まった。今年は、長年の悲願達成という共通点がみられる話題が上位を中心に多くみられた。
 1位は「国際リニアコライダー(ILC)国内候補地に北上山地を選定」。計画自体が広く知れ渡るようになったのはここ数年のことだが、研究者の間では10年以上にわたり実現に向けた協議が進められていた。今後は日本政府の判断や国際交渉の実現などが焦点となってくる。
 2位は「胆沢ダム竣工」。31年に及ぶ大事業の完了は、農業用水の安定供給を望んでいた農家らの悲願。3位の「平泉ナンバー」は、胆江地区に自動車検査登録事務所の誘致を目指した90年代の取り組みに端を発している。
 5位の「プロ野球・東北楽天イーグルス日本一」、10位の「鳥海柵(とのみのさく)跡国史跡指定」についても、ファンや関係者にとって長年の願いや努力が報われた出来事だった。

1位=ILC国内建設候補地に北上山地選定(8月)……79票
2位=31年に及ぶ世紀の大事業、胆沢ダムが竣工(11月)……68票
3位=ご当地ナンバー「平泉」など導入決定(8月)……52票
4位=参院選で自民圧勝、岩手選挙区は無所属の現職平野達男氏3選(7月)……51票
5位=プロ野球の東北楽天が日本一、胆江にも歓喜の声(11月)……46票
6位=市議会の議員定数改定発議案可決、34人から28人へ(3月)……45票
7位=2012年産県南ひとめぼれ、9年連続18回目の「特A」獲得(2月)……43票
8位=市立病院・診療所改革プラン案で前沢、衣川両診療所の休床化計画が浮上(6月)……40票
9位=生活の党新代表に小沢一郎氏就任(1月)……34票
10位=金ケ崎町の「鳥海柵跡」が国史跡に正式決定(10月)……32票
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ILC国内建設候補地に北上山地選定
 国内の素粒子物理研究者らは、次世代の素粒子研究施設「ILC」の国内候補地を北上山地に選定。南北に細長い安定した花こう岩帯の地質や周辺地形などが高く評価された。10月には国際研究者組織「リニアコライダーコラボレーション(LCC)」のリン・エバンス氏ら幹部研究者が現地視察。北上山地に特化した詳細設計に着手すると表明し、世界唯一の候補地であることを印象付けた。
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tanko 2013-12-26 13:20
 国際リニアコライダー(ILC)実現後の国際都市形成に向けた課題などを探ろうと、奥州、一関、気仙沼の3市による連絡会議が25日、奥州市役所本庁5階会議室で開かれた。米国出身で水沢区福原在住のビル・ルイスさん(45)を招き、外国人が不安に思うことや、困惑する点などをアドバイスしてもらい、今後のまちづくりの参考にした。

 ILC建設ルート予定地に位置する3市は、情報共有と連携を図るため、事務レベルの連絡会議を設置。この日は2回目の会合。ルイスさんと、奥州市国際交流協会事務局員の藤波大吾さん(31)を招いた。
 ルイスさんは、県内の外国人市民で結成するインターナショナルILCサポート委員会の委員長を務める。ILC実現によって、多数の外国人市民の中長期滞在が想定されるため、奥州市や県に対し、ILC誘致に向け必要な対策を外国人市民の観点から提言している。
 ビルさんは「私が来日したときよりも、生活しやすくなってきている」としながらも、「初めて来る人にとって困る点はまだある」と指摘。日本や地域独特の礼儀や習慣、さまざまな制度などがその1例だという。「町内会という仕組み自体が知られていない。しっかり説明がないと『会費だけ取られて、届けられる印刷物や情報は日本語だけだ』という不満になってしまう」と述べた。
 このほか、交通規則の違いや携帯電話の契約スタイルが大きく異なるなど、不便さや疑問を感じる事柄は多々ある。また、地域内での話し合いで解決できるものから、国や大企業を巻き込んだ対策が必要なものまであり、対策は複雑多岐に及ぶ。
 ビルさんは「外国人も日本人も共に生活しやすくなるよう努力したい。今後は経済界や国への働きかけも行いたい」としながら、「こちらからの提言ばかりではなく、地域の外国人にやってほしいこと、望むことがあればいつでも声をかけてほしい」と呼び掛けていた。
(児玉直人)
写真=国際都市形成に必要な点などを説明するビル・ルイスさん(奥州市役所本庁)
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tanko 2013-12-25 16:20
 2014(平成26)年度の政府予算案は24日、閣議決定された。歳入歳出総額95兆8823億円の一般会計予算の中には、北上山地が候補地となっている素粒子実験施設・国際リニアコライダー(ILC)の調査検討費5000万円が盛り込まれた。国の一般会計にILCの名が付いた予算が計上されるのは初めて。
 同検討費は文部科学省が要求。同省は今年6月、ILC計画の学術的意義や実施に向けた準備状況などに関する審議を日本学術会議に依頼し、9月に所見として回答を得ていた。
 学術会議はILCにおける研究の意義を認める一方、巨額の財政負担や国民理解などの諸課題が存在すると指摘。建設の最終判断を下すには、2〜3年の時間をかけ集中的な調査・検討が必要とし、国に調査のための予算措置を講じるよう求めていた。
 政府が閣議決定した来年度予算にILC関連調査検討費が計上されたことについて、岩手県の達増拓也知事は24日の定例記者会見で「大きな一歩を踏み出したと思う。今後、何年かかけて誘致するかどうかを検討するだろうが、その間、盛り上がりが沈滞しないよう、地元における理解普及活動、全国的な盛り上げの働き掛けを進めたい。受け入れに向けた準備も進めたい」などと述べた。
 奥州市ILC推進室の及川健室長は「学術会議の提言に沿って、前向きに対応している動きの表れだ」と歓迎する。
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tanko 2013-12-24 10:30
 「国際リニアコライダー(ILC)を東北に」。市内随所に誘致をPRするポスターやのぼり旗が並び、ステッカーを貼った車が往来。地域ぐるみの講演会、勉強会も数多く開催されている。特にも今年は、国内候補地一本化という大きな節目があったが、その公表はまるで合格発表を待つ受験生のようだった。
 「ILCは時期尚早」。日本学術会議の見解に対する報道が流れた。すんなり答申すると思いきや、どうも議論の雲行きが怪しい。
 真実は現場にある――。とはいえ、酷暑の東京に3度も足を運ぶとは全く想像してもいなかった。
 この見解。正確には、国際交渉や数々の課題などをクリアした上で、最終的な建設のゴーサインを出すべきだ――という至極当たり前のことを言っているにすぎない。国際的な研究者組織リニアコライダー・コラボレーション(LCC)で、物理・測定器の担当責任者を務める東北大大学院の山本均教授は「ヨーロッパにも『時期尚早』がそのまま翻訳され伝わった。ILC計画にそろそろ加わろうと期待していた人たちは非常にがっかりしていた。こちらから『いや、そうじゃないよ』と説明し、理解してもらったが……」と明かす。
 ILC戦略会議議長の山下了氏(東京大准教授)は「国内候補地が北上山地となったことは、世界の候補地になったことだ」と強調する。ただ、この結果に不満を募らせるのが、最後まで国内候補地として残っていた九州の脊振山地の関係者。候補地選定経過の議事録提出を求めた。
 10月上旬、LCC最高責任者のリン・エバンス氏は北上山地を視察し、同山地に特化した設計を進めると明言。加えて「九州もILCプロジェクトの中に組み込むような体制ができないか考えたい」と述べた。
 東北と同様、九州の関係者は国内のどの地域よりもILCを理解している。だからこそ早期実現を推進する、良きパートナーとしてあってほしいと願う。
(児玉直人)

写真=北上山地視察後、記者会見に臨むLCC責任者のリン・エバンス氏(右)と副責任者・村山斉氏
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tanko 2013-12-23 5:50
 奥州商工会議所(千葉龍二郎会頭)は、素粒子実験施設・国際リニアコライダー(ILC)の北上山地建設実現を促進するため、「ILC推進委員会」を立ち上げる。ILCの誘致・受け入れを見据え、地元経済界として可能な対応を調査・研究し、同商議所の取り組みに反映させる。今月下旬まで委員を会議所議員や役員から募り、年明けにも初会合を開く。
 ILCをめぐっては、今年8月に国内の研究者組織「ILC立地評価会議」が北上山地を国内候補地に一本化した。その後、国際的研究者組織「リニアコライダーコラボレーション(LCC)」最高責任者のリン・エバンス氏が、北上山地での詳細設計に着手することを明言。世界唯一の候補地として位置付けられている。
 同商議所はこれまで、ILC誘致を推進する立場から素粒子研究施設の視察や市民向け周知PRポスターの制作などを展開。さらに建設実現への後押しにしようと、菅原新治専務理事は「地元経済団体としてできることを調べ、商議所議員や役員が互いに模索するためにも委員会を立ち上げることにした」と説明する。
 設置要綱によると、委員長は会頭、副委員長は4人の副会頭が務める予定。委員は現在、議員や役員の中から参加希望者を募っているが、最終的には所属企業の業種などを勘案し、委員長が委嘱する方針だ。初会合は年明けになるという。
 菅原専務理事は「経済関係者や市民の多くにILC計画への理解を促していくためにも、地域経済団体として可能なことを実践していけたら」と話している。
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tanko 2013-12-23 5:40
 江刺区の広瀬第6区自治会(後藤初男会長)は21日、地元の広瀬第6自治会館で「ILC講演会」を開いた。地域住民�y人が参加。奥州市ILC推進室の千葉雄飛主任が、ILC(国際リニアコライダー)の意義やメリットなどを説いた。
 江刺区東部がILCの建設候補地エリアに含まれることから、同区の住民としてメリットなどを知りたいと開催。後藤会長は「素粒子の研究などの大切さは分かるが、ILCができることでこの地域にどのような変化があるか、メリットとデメリットは何かなどを地元の住民として知っておかなければいけないと思った」と経緯を説明する。
 千葉主任はILCで行われる素粒子研究の意義や仕組みを説いた。建設に伴うメリットとして、着工から30年間で4.3兆円の経済効果があり、延べ30万人の雇用が生み出される点などを挙げた。
 地元住民としてできることとして、誘致実現に向けた機運を盛り上げてもらうことなどがあると解説。聴講した住民らに協力を求めた。
写真=ILCが地元に与えるメリットなどの解説を聞く住民ら
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tanko 2013-12-10 10:20
 奥州市国際交流協会(佐藤剛会長)は、国際リニアコライダー(ILC)誘致後の国際化を視野に入れ、外国人医療サポーター(医療通訳ボランティア)のシステム確立に取り組んでいる。市内の外国人対象の研修会に続いて来年度は模擬通訳を実施し、講義と実技を交えながらサポーターを育成。将来的には医療通訳ボランティアを派遣し、外国人が安心して市内の医療機関を受診できる仕組みを構築する。

 外国人が医療機関を利用する上で壁になるのが「言葉」。医師に症状を伝え、診断内容を把握するには日本語を十分に理解していないと難しい。市内には外国人市民約500人が在住。ILCの誘致が実現すれば多くの外国人研究者が、家族とともに滞在すると予想されている。
 同協会は外国人向けの医療支援が不足している現状を踏まえ、医療通訳の養成に本腰を入れた。今月7日、神奈川県の多文化医療サービス研究会の西村明夫代表を講師に迎え、水沢区吉小路の市水沢地域交流館(アスピア)で研修会をスタート。外国人市民が受講し、全2回の日程で医療通訳の心構え、医療の基礎知識などを学んでいる。
 初回はアジアと米国5カ国の出身者10人が参加。講師の西村代表は「医療通訳ボランティアには倫理と知識、技術が求められる。命にかかわるので背伸びは厳禁。自身の能力を把握し、それを超える場合は周りに助けを求めて」と助言した。
 体の部位や内臓、脳の用語知識も学習。出身国に分かれて母国語と日本語の名称をそれぞれ確認し、人体の構造に理解を深めた。2回の研修会を経て、来年度は同研究会の協力を得て神奈川の医療通訳者を招き、実践的な技術を習得する。
 同協会事務局員の藤波大吾さん(31)は「外国人を対象にした医療支援の体制が整っていないのが現状。外国人医療サポーターを養成し、早期のシステム構築と運営を目指したい」と話している。
写真=医療通訳の基本知識や心得などを学ぶ外国人市民
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tanko 2013-12-5 13:20
 2013年度奥州市地域活動員研修会は4日、市役所江刺総合支所で開かれた。各地区センターに勤務する地域活動員ら35人が参加。素粒子研究施設・国際リニアコライダー(ILC)の誘致が実現した場合、外国人市民が増加するとみられることから、災害時でも外国人が安心して行動できるような多文化共生社会の在り方について学んだ。
 地域活動の進め方などを考える場として、毎年開催している同研修会。今回は講師に、NPO法人多文化共生マネージャー全国協議会(大阪市)の時光(とき・ひかる)事務局長と、NPO法人多文化共生リソースセンター東海(名古屋市)の土井佳彦代表理事を招いた。2人は、さまざまな国の文化を受け入れ、各国の人たちが共生していく大切さなどを説いた。
 時事務局長は「在住する外国人も住民の一員であり、地域のさまざまなことの力になれる。交流や普段の付き合いについても、あまり難しく考えることはない」と解説。一緒になって育児の講習を受けてみるなど、ちょっとした工夫で交流が進むことをアドバイスした。
 ワークショップでは昨今問題となっている災害時における外国人支援について考えた。「多文化防災」を題材に、参加者は班ごとに分かれて協議。「災害時の課題」「日ごろからできること」「すぐにはできないが将来やってみたいこと」の3項目を設けて話し合い、模造紙にまとめて発表した。
 前沢地区センターの及川譲さん(29)の班は、地域の防災マップを多言語表示にするなどのアイデアを発表した。「講師の話を聞き、皆さんと議論をしていく中で『外国人向けのサポート』という考えではなく、日本人も外国人も一緒になって普段から活動する視点が大切だと気付いた」と語る。
 主催した市まちづくり推進課の及川香主任は「外国人市民が地域活動の力になることに気付いてもらえて良かった。彼らを身近に感じている地域活動員も多く、これから多文化共生できる開かれた地域になってもらえれば」と期待していた。
(宮本升平)
写真=ワークショップで、多文化防災について活発に意見を交わす地域活動員ら
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tanko 2013-12-4 9:30
 地域に居住する外国人に対し、日本語教室は何ができるか――。素粒子物理学の大規模研究施設「国際リニアコライダー(ILC)」が実現した際、多くの外国人研究者とその家族が地域に滞在する。しかし、外国人が地域生活を送る上では、言葉を中心にさまざまな障壁が存在。国際研究都市を形成させる上では解消すべき重要課題の一つだ。外国人市民を対象とした「日本語教室」を開設している奥州市国際交流協会(佐藤剛会長)は3日、水沢区横町の市まちなか交流館で同教室の日本語教育指導者らの研修会を開催。ILCを迎え入れる上で、同教室の役割などを多文化共生の観点から考えた。

 研修会には、同教室で日本語学習指導者などを務める市民や、市内在住外国人ら約20人が出席。NPO法人多文化共生リソースセンター東海(名古屋市)代表理事の土井佳彦さん、NPO法人多文化共生マネージャー全国協議会(大阪市)事務局長の時光(とき・ひかる)さんを講師に招いた。
 講師の時さんは中国出身で、日本の大学に留学生として来日した際、日本語を猛勉強。日本語検定の1級に合格したものの、実生活では日本語がなかなか理解できず、共通の話題でコミュニケーションが取れないため、友人もできなかった。「毎日が緊張の連続で、自分を守るために自分に壁を作っていた」と当時を振り返る。
 土井さんによると、海外の主要国の中には、その国の公用語を一定期間内に覚えられるように――と法律で定めている例があるという。「学習費用は税金でまかなわれる。移住した外国人が困らないようにとの意味もあるが、言葉が通じない人がいることは自国にとっても困るからという理由もある」と説明する。
 しかし日本にはそのような仕組みが無いため、日本滞在が長いにも関わらず基本的な日本語も使いこなせないケースが生じる。「時さんのように、留学生として来日したのであれば学校で日本語を学ぶチャンスはあるが、それ以外の人は自ら日本語教室を探さなくてはいけない」と実情を解説した。
 ILCが実現した場合、外国人研究者だけでなく家族も一緒に中長期滞在する。土井さんは、多文化共生の概念を説明しながら「研究者自身は施設内で英語を話せるからいいだろうが、家族や子どもはそうはいかない。日本語教室や学習指導者が果たす役割は大きい」と強調した。
 参加者らは「外国人市民が生活上、困ることは何か」などグループ討議しながら、外国人への日本語教育の望ましい姿について考え合った。
(児玉直人)

写真=ILC実現を見据え、日本語教室の役割などについて意見を交わす参加者ら
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tanko 2013-12-4 9:00
 奥州市議会12月定例会は3日、一般質問で再開。5氏がILC(国際リニアコライダー)誘致の取り組みなどについて市当局の見解をただした。
 北上山地に国内候補地が一本化されたILC誘致への対策について、小沢昌記市長は「10月から奥州、一関、気仙沼の3市で定期的に情報交換しており、現在、3市の連携による具体的な取り組みも検討中」と報告。「地域一体の活動に加え、日本でのILC実現にオールジャパン態勢で取り組めるよう国などに強く働き掛けたい」と述べた。

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